パチモン催眠アプリを使ったら、幼馴染がスカートをたくし上げた。   作:荒井竜馬

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第25話 催眠って、こんなにいやらしいものなのか?

 ……恵理ってあんなに甘えてくるタイプだったのか?

 

 授業中。俺は今朝の出来事を思い出していた。

 

 催眠アプリを使って恵理にスカートをたくし上げてもらおうとしたのだが、逆に恵理に催眠アプリを使われてしまった。

 

 そして、可愛いと言いながら頭を撫でるようにと言われて、俺は朝からバカップルのように恵理の頭を撫でながら可愛いと言い続けたのだった。

 

 なんか恵理も可愛いと言われて満更でもなさそうだったし、髪の触り心地だってよかったから、別に嫌ではなかったけれど。

 

 それに、恵理が部屋を出てから髪を撫でた手の匂いを嗅いだら、なんかいい匂いしたしな。

 

 女の子の頭を撫でた手の匂いを嗅ぐのは、思春期男子としては当たり前のことなので、何も問題はない。うん。

 

 ……いや、問題はそこではないのだ。問題は恵理が催眠アプリを手にしたということだ。

 

 まさか、恵理は催眠アプリとかエロマンガ的なジャンルに縁のないやつだと思っていたから、逆に催眠アプリを使われる日が来るとは思いもしなかった。

 

 男が催眠アプリを手に入れたら、それはただエロいことにしか使わないということは、身をもって知っている。

 

 ただ、逆に女の子が催眠アプリを手に入れたらどうなるんだろうか?

 

 そして、俺はこれからどんな命令をされるようになるんだ?

 

 そんなことを考えながら、ちらりと横目で授業を受けている恵理に視線を向けてみた。

 

 恵理は黒板を眺めながら何か真剣に考え事をしているようだった。

 

 学校では真面目に授業を受けるタイプのくせに、俺の前ではあんなに甘えたような姿を見せるとは思わなかったな。

 

 ……真面目な顔をしているのに、自らスカートをたくし上げて、俺にパンツを見せる幼馴染。

 

 なんか俺にパンツを見せているととき、少しだけ楽しそうに見えたな。

 

 いや、さすがに気のせいか。

 

 楽しそうにパンツを見せるとか、完全にエロマンガの世界の話だろ、それは。

 

 でも、実際に俺にパンツを見せてきたんだよな。

 

 ……からかわれた、のか?

 

 いつもと少し違っていたような恵理の態度も、そんな俺の疑問も、結局どれだけ考えても解消されることはなかったのだった。

 

 

 

 そして、放課後。

 

 俺は、一度荷物を置いてくるといって家に帰った恵理を自室で待っていた。

 

 さて、これからどうなるんだろうか。

 

 もしかしたら、恵理からの催眠は、朝のアプリが実際に効くかどうかの確認だけで終わるかもしれない。

 

実際に効くことが分かったから、しばらくは催眠アプリを使ってこない。そんな可能性も否定はできない。

 

 でも、逆の立場だったらどうするかを考えたとき、催眠アプリという面白いものを手に入れて、それを放課後に試さないなんてことはない気がする。

 

「多分、放課後にも俺を催眠してこようとするはずだ」

 

 互いに催眠アプリを持っているという状況。

 

つまり、どちらかが催眠にかかり、どちらかが催眠にかけられるという状況になるということだ。

 

 よりスムーズに、それでいて速く相手に催眠アプリを見せた方が勝利する。

 

 催眠アプリの早撃ちのような戦い。それがこれから始まることになる。

 

 そんなことを考えていると、玄関の方で物音が聞こえてきた。

 

 恵理が俺の家に入ってきたのだろう。

 

 その音はリズミカルな足音を立てて、そのまま階段を上って俺の部屋の前までやってきた。

 

 こちらの作戦としては、恵理の姿が見えた瞬間に催眠アプリを見せつけて、先に催眠状態にするという単純なもの。

 

 単なる反射神経の勝負になる。

 

大丈夫だ、催眠してきた数なら恵理には負けないし、地の利もこっちにあるはず。

 

 そんなふうに身構えていると、ノックされることなく俺の部屋の扉が開かれた。

 

そこには恵理の姿よりも先にーー催眠アプリをこちらに見せている恵理の手だけが入ってきた。

 

そして、その後にひょっこりと遅れて恵理の姿が現れた。

 

「お、啓介くんスマホ見てるね。ていうことは、もう催眠にかかったってことかな?」

 

しまった、その手があったか!

 

先に催眠アプリを見せられたということは、俺は催眠にかけられたフリをしなくてはならならない。

 

 そうしなければ、今後恵理が催眠にかかるときに疑問を抱くかもしれないからだ。

 

 俺は瞬時に視線をそのアプリから少しだけ外して、スマホをベッドに放り投げた。

 

「……じゃあ、啓介くん。そこに正座して」

 

 恵理は催眠がかかっていることを確認しようとしたのか、ベッドから少し離れた床を指さしながら、そんな言葉を口にした。

 

 当然、催眠にかかっているという設定の俺はその指示を無視できるはずがなく、俺は恵理に言われるがままに自室の床に正座した。

 

 あれ? もしかして、これから俺お説教されるのか?

 

 そんな不安が一瞬頭によぎった後、すぐに俺の元に恵理の影がやってきた。

 

 見上げると、そこには微かに妖艶さを醸し出したような笑みを浮かべている恵理の姿があった。

 

仄かに朱色に染まった頬は、羞恥心とは別の感情によるもののように感じた。

 

 恵理は足と俺の膝が軽く触れるくらいの距離まで近づくと、言葉を続けた。

 

「前に、啓介くんが私のパンツを見てもなんとも思わないって言ったことあったよね? それ、本当かどうか確かめてみようと思って」

 

 そして、次の瞬間、俺の視界を何かの布が覆った。

 

 それが何であるかは考えるまでもなく、視線を正面に向けると、すぐにそこがどこなのか分かった。

 

 目の間にあったのは白色のパンツ。上部の中央に小さなリボンが拵えてある、シンプルな純白のパンツがそこにはあった。

 

 ……つまり、俺は今スカートの中にいるということになる。

 

 え、なんで?! 一体何が起きて、俺は恵理のスカートの中に入ったんだ?

 

 俺が辛抱たまらなくなって恵理のスカートの中に侵入した? いや、俺はさっき正座をさせられてから、一歩も動いていない。

 

 もっと言えば、手だって一ミリも動かしていない。

 

 ということは、恵理が俺をスカートの中に入れたということか?

 

 いやいや、さすがにそんなことはないだろ。いや、でも俺がパンツを見てもなんとも思わないか確かめると言っていた。

 

 ということは、やっぱり、これは恵理がーー

 

「啓介くん、ちゃんと見てる? 視線逸らしちゃダメだからね?」

 

 微かに熱に浮かされたような声で、恵理は俺の上からそんな言葉を言ってきた。

 

 ……やっぱり、これは恵理が自発的にやっているのか。

 

 俺は生唾を呑み込むようにしながら、目の前に広がる景色に集中することにした。

 

 目の前に広がるのは純白のパンツと、内ももがパンツに収束していくいやらしいライン。クロッチ部分の布のつなぎ目と、最下部に見られる微かなシワ。

 

 近すぎるそれはスカートの中という空間で、恵理の体温までを伝えてきているようで、その熱を確かめたいという思いから、俺は自然と前かがみ気味になっていた。

 

「本当に、なんとも思わない?」

 

「……」

 

「っ。啓介くん、鼻息すごいよ? 興奮してるの?」

 

「っ」

 

 無意識下で距離を詰めながら、興奮を隠しもしなかったせいか、俺は恵理のパンツのすぐ近くで荒くなった鼻息を漏らしていたみたいだった。

 

 それを指摘されて呼吸を浅くしようとして、そのせいで余計に心臓の音がうるさくなっていくのが分かった。

 

 外に漏れ出そうなくらい大きくなっている心音は、今の状況と妙に艶っぽいような恵理の声によって高められていき、俺はどうすることもできなくなっていた。

 

 それからどのくらいそのままでいただろうか、微かに恵理の熱っぽい息遣いが聞こえてきて、それでも何もさせてもらえない待ての状態がしばらく続いた頃。

 

「ねぇ、啓介くん……おへそにキスして」

 

 不意に恵理が熱い息混じりに、そんな言葉を口にした。

 

 どうやら、熱に浮かされていたのは、恵理だけではなかったらしい。普段なら躊躇ったかもしれない俺は、恵理の言葉を素直に聞いてしまっていた。

 

 長時間の待てのせいか、その言葉を待っていたかのように、俺はあっさりとその言葉の誘惑に負けてしまった。

 

 パンツの少し上にある可愛らしいおへそ。

 

そこに俺はゆっくりと近づいていき、そのすぐ下に唇を触れさせた。優しく吸いつくようなお腹が心地よく、俺は少しだけ長く唇を付けていた。

 

「~~っ」

 

 俺が唇をお腹から離して元の位置に戻って少しして、不意に視界が明るくなった。

 

 急に現れた照明に少しだけ目を眩しくさせていると、恵理が俺の頭を優しく撫でながら言葉を漏らした。

 

「幼馴染のパンツじゃ、何も思わないよね?」

 

 耳まで赤くしながら、どこか色っぽい顔で上から見下ろしながらそんなことを言われて、俺は生唾と共に言葉を見込んだ。

 

 何も思わないわけがない。

 

 そう口にするのは簡単だった。

 

しかし、俺はあえてその言葉を言わずに口をつぐんだ。

 

 恵理は俺が恵理のパンツ見てもなんとも思わないと思っているから、こんなことをしたのだろう。

 

 それなら、この問いに答えなければ、また今日のようなことをしてもらえるのではないか。

 

 そんなことを考えながら、俺はそっと恵理から目を逸らしたのだった。

 

 どうやら、俺は恵理に催眠してもらえることを楽しみにし始めているみたいだった。

 

 

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