パチモン催眠アプリを使ったら、幼馴染がスカートをたくし上げた。   作:荒井竜馬

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第29話 予定と違う展開②

 私はいつも通り玄関のドアを開けて、階段を上ってすぐの所にある啓介くんの部屋の前で立ち止まった。

 

 もしかしたら、今回も啓介くんが私に催眠をかけてこようとしてくるかもしれない。

 

お互いに催眠アプリを持っているという状況。先に仕掛けられたら、今度は私が催眠をかけられたフリをしなければならない。

 

 私は念のために、啓介くんの部屋の扉を開けて、スマホを持った手だけを先に中に入れることにした。

 

「催眠、された?」

 

 そして、その後にひょっこり顔を覗かせると、そこにはベッドに大人しく座っている啓介くんの姿があった。

 

 そうだった。そういえば、啓介くんは昨日私に催眠されることを望むような目をしていたんだ。

 

 ていうことは、私に催眠をかけてもらえるのを大人しく待ってたんだ。

 

 抵抗もしないで、むしろ催眠されることを望んで……。

 

 私の中の何かがその状況を楽しんでいるようで、気がついた時には口元が緩んでしまっていた。

 

 私はその緩んだ口元をそのままにして、ベッドに座る啓介くんの前まで来ると、その顔を覗き込んだ。

 

「さて、今日はどうしようかな」

 

 その後にまた顔を上げて、私は上から啓介くんが大人しく座っている様子を見て、胸の奥の方をぞわっとさせていた。

 

 このぞわっという感覚が、非常に悪くない感覚だから本当に困る。

 

……本当に。

 

 私は少し思考がえっちになってしまいそうだったので、そこから視線を外して本日の作戦に移ることにした。

 

「そうだ。啓介くん壁の方向いてよ。ベッドの上に座ったまま」

 

 私が前もって考えていたセリフ口にすると、啓介くんはきょとんとした顔をした後、大人しくこちらに背中を向けた。

 

 何をされるのか? 何もされないのか?

 

 そんなことを考えていそうな啓介くんをそのままに、私は鞄を下ろしてファスナーを開けて、先程しまった下着を取り出しやすい位置に移動させた。

 

 今回の作戦は次の通りである。

 

 まず初めに、私が啓介くんの後ろで制服を脱いで、それを啓介くんに渡す。その後に、洗濯済みの下着を啓介くんに見せれば、啓介くんは私が後ろで裸になっていると勘違いするのだ。

 

 でも、実際は私がなるのは下着姿まで。

 

 つまり、これまでと変わらない恥ずかしさなのに、啓介くんには私が下着姿以上の恰好をしていると思い込ませることができるのだ!

 

 ただただ啓介くんにはドキドキしてもらうという作戦。

 

 少しイジワルかもしれないけど、長時間何度も焦らされ続けた私からすると、これでも全然仕返しをできていないくらいだ。

 

 それじゃあ、始めるとしますか。

 

私はそんなことを考えながら、スカートのファスナーを下ろして、スカートを床に落とした。

 

「絶対に、こっち見ちゃダメだからね」

 

 そして、啓介くんの部屋で啓介くんがすぐそこにいるという状況で、私は淡い空色のパンツ姿を晒していた。

 

 ……あれ? これって、思った以上に恥ずかしい?

 

 いつも啓介くんにパンツは見られていたはずだった。

 

だから、見られていないという状況で、ただ下着姿になるくらいなら平気かと思ったけど、全然違った。

 

 スカートをたくし上げるんじゃなくて、徐々に裸になっていく過程を啓介くんの部屋でしている。

 

 そんな行動を前に、胸の奥の方の気づいてはいけない何かが微かに刺激されてしまったみたいだった。

 

 確実に熱くなっていく体の温度は、じんわりとその感情に徐々に支配されていくようで、私は心臓の音を速めていた。

 

 私はそんな感情を確かに感じながら、床に落ちたスカートを手に持つと、それを啓介くんの方に雑に放り投げた。

 

 それに気づいた啓介くんは、体をビクンとさせて驚いていた。

 

 啓介くんが私の脱ぎたてのスカートを見て、私で何かえっちなことを考えているかもしれない。

 

 そう思うと、どんどんと前のめりになっている自分がいた。

 

「後ろ、振り向いたらダメだからね」

 

「っ!」

 

 私にそう言われて目に見えて落ち込む様子が可愛くて、私は胸の奥の方にあるムズムズとした何かを隠すことが難しくなってきていた。

 

「今振り返るのは、勿体ないからね」

 

 徐々に赤くなっていく耳の温度を見つめながら、私はそのままワイシャツのボタンに手をかけた。

 

 顔なんて全く見えてないのに、期待しているのがひしひしと伝わってくる背中。そんな背中に促されているのは分かっているのに、私は意味ありげにゆっくりとワイシャツのボタンを外していた。

 

 啓介くんにされたように焦らすように、ゆっくりとワイシャツのボタンを外していって、衣擦れの音を立てながらワイシャツを脱いだ。

 

 私が脱ぎ終えたのを耳で感じ取ったのか、啓介くんはいつ脱いだワイシャツを投げ込んでもらえるのか、期待しているみたいだった。

 

 そんな啓介くんの感情をひしひしと感じながら、私は脱いだばかりのワイシャツを啓介くんの方に投げた。

 

 ただのワイシャツだというのに、啓介くんはそれを確認するなり緊張しているようだった。

 

 脱いだばかりだからなのか、それとも後ろにいる私の姿を想像して緊張しているのか。

 

 私はそんな状況にぞくぞくっとしてしまい、そのままブラジャーを外そうとーー外そうと?

 

 ……いやいや?! 何しようとしてるの私?!

 

 いつの間にか熱に浮かされたような感じで、本当に啓介くんの部屋で下着まで脱ごうとしてしまっていた。

 

 そこふと冷静になってなり、私は今の状況が普通でないことに気づいてしまった。

 

 幼馴染の部屋で上下共に下着姿。後ろを向いた幼馴染の方に脱いだ服を投げてしまっていて、隠す物が何もないという状況。

 

 へ、変態過ぎない、わたし?!

 

 今までは上下のどちらかを見せることしかしていなかったのに、急に上下ともに下着姿になってるし、少し見せるどころか全部を曝け出そうとしてるし!

 

 そして何より、そんな羞恥心から自身のおっぱいを隠すように抱えているのに、その胸の奥の方では、この状況に興奮してーーいや、そんなことはないから?!

 

 そうだ、絶対にそんなことはない。幼馴染の前でえっちな恰好をして興奮するとか、本当に度し難い変態じゃん?!

 

 違う、私は変態なんかじゃない。

 

 ……でも、これからのことを考えると、この胸の奥の方にある何かを放置するのは危険な気がした。

 

 だから、私はそれを確かめなくてはならないと思う。

 

 そのためには、これは必要な行為だから……

 

「まだ振り返ったダメ。……も、勿体ないから」

 

 この先にやることを考えただけで、私の声は熱を帯びてしまっていた。その瞬間に、私はもう気づいてしまっていたと思う。

 

 それでも、その熱が私の背中をポンと押してきたのだから仕方がないと思う。

 

 私は、バッグに入っている下着をちらりと見た後、身に着けているブラジャーのホックを外した。

 

 後ろから見ても分かるくらいに動揺している啓介くんの姿を見て、啓介くんの脳内で私はどんな格好をしているのだろうと思うだけで、心臓の音は加速していって、胸の奥の方にある感情を大きくしていった。

 

 そして、肩紐を外した私は何もつけていない状態のおっぱいを片手で押さえながら、脱いだばかりのブラジャーを啓介くんの肩口から落とした。

 

 多分、ちょうどズボンの上くらいの落ちたと思う。

 

 それを見た啓介くんは体を大きく跳ねさせて驚いていた。

 

 耳の先まで真っ赤にして、頭を下に向けて私がさっきまで着けていたブラジャーを見ていた。

 

 ~~っ!

 

 羞恥心が体を駆け巡っているのに、その感情とは別の感情が掻き立てられて、羞恥心はその感情を掻き立てるだけのものになっていた。

 

 むしろ、恥ずかしいと思う感情さえも……。

 

 私はその感情に突き動かされるように、パンツにも手をかけていた。

 

 少しの躊躇いはもちろんあった。これを脱いだら、私は自分のことを変態だと認めなければならないような気がしたからだと思う。

 

 けど、ここまで来て引き返すわけにはいかない。

 

 そう思った私は、意を決したようにパンツを下ろした。

 

 足にかけられていたパンツを脱いで、そのままの勢いで啓介くんの肩口からそれを渡して、私は目をきゅっと閉じた。

 

「絶対に、振り向いちゃダメだからねっ」

 

 羞恥心と……これは、興奮だ。その、多分、性的なやつだと思う。

 

興奮によって熱くなった声は揺れてしまって、私は少し艶っぽい声を出していた。

 

 私はゆっくりと目を開けて、目の前にいる啓介くんの後ろ姿を見つめていた。

 

 そして、ちらりと向けた視線の先に、啓介くんの机の上にあった鏡が私のことを映していた。

 

 色白な豊満なおっぱいが露になっていて、先端の桜色までもが鏡に映し出されてしまっている。

 

 そのまま下に視線を移していっても、昨日啓介くんにキスをされたおへそまでは見えなかった。

 

けれど、それだけで十分だった。

 

 啓介くんの部屋で裸になっている。それを再確認するには。

 

 ~~っ!!

 

 け、啓介くんの部屋で裸になってる! 上も下も全部脱いで、啓介くんがすぐそこにいるのにっ!

 

 そして、何よりもこんな状況を前に、感じてはならない感情を抱いてしまっている。

 

 羞恥心によって最高潮まで高められたそれは、もう認めざるを得なくなっていた。

 

「啓介くんっ」

 

「っ!」

 

 私は熱に浮かされたような声で啓介くんの名を口にして、そっと啓介くんの肩に手を乗せていた。

 

 私だけこんな気持ちになっているのが恥ずかしくて、少しでも共感して欲しかったのかもしれない。

 

 直接は無理でも、間接的にこの熱だけは感じて欲しかったのだと思う。

 

 裸で啓介くんの背後に近づく、それによってまたその感情は高められていった。

 

「まだ、なんとも思わない?」

 

 私がそう言うと、啓介くんはこれまで以上に耳を赤くさせていた。

 

その反応を見て、少しでも私の感情が伝わったのかと思って、私は微かに笑みを浮かべていた。

 

「啓介くん、耳真っ赤」

 

 特に何をするでもなく、そのままじんわりとその熱を伝えるように、私は啓介くんの肩に手を置いていた。

 

 興奮して漏らす熱い吐息に気づかれないようにしながら、私は今の変態的過ぎる状況を心の奥底で楽しんでいた。

 

 焦らされ過ぎて、頭の中がとろんとさせられていく感覚。

 

 これは多分、啓介くんに教え込まれてしまった感覚だと思う。だから、今度は啓介くんにも同じ気持ちになって欲しいと思ったのだろう。

 

「じゃあ、そろそろ服着ようかな? 取ってくれる、啓介くん」

 

 私はじんわりと啓介くんにその熱を伝えた後、未だ冷めない熱によって艶っぽくされてしまった声でそんな言葉を口にした。

 

 私の声を聞いて、パンツを掴んでそこにある熱を感じようとしている啓介くんの姿を後ろで見て、私は羞恥心を押さえ込みながら少しだけからかってみた。

 

「啓介くん。そんなにパンツ握りしめて、私のパンツ好きなの?」

 

 そんな言葉をかけられた啓介くんは、慌てたように後ろにいる私にパンツを手渡してきた。

 

 啓介くんが触れたパンツをゆっくりと履きながら、そのパンツに啓介くんの手の温度が伝わっている気がして、私は心音を速めてしまっていた。

 

 ……やばいなぁ、その考えは本当にダメだって。

 

 そんなことを考えながら、啓介くんの方をちらりと見ると、啓介くんは私のブラジャーの内側を指で撫でていた。

 

 こっそりとバレないつもりなのかもしれない。

 

 そこまでしてまで、触りたいんだ。……私が着けていただけのブラジャーなのに。

 

 その後に受け取ったブラジャーを身に着けて、さっきのパンツと同じようなことを感じてしまいそうになって、私は慌ててその考えを消し去った。

 

 そして、同じように手渡された服も着ていって、私は制服のリボンの位置を直しながら口を開いた。

 

「よっし、こっち見ていいよ」

 

 私にそう言われて振り返った啓介くんの顔は、驚くくらい真っ赤な顔をしていた。

 

それでいて、ただ制服を着ている何でもない私に、熱すぎるような性的な視線を向けていた。

 

 焦らされ続けておかしくなったようなその顔を見て、私は小さく笑みを浮かべながら言葉を続けた。

 

「私の下着見て、何か思った?」

 

「っ……」

 

「まぁ、さっきの下着類は全部洗濯済みのやつなんだけどね」

 

「え?」

 

 予想もしなかったのか、素っ頓狂な声を漏らした啓介くんの声を聞いて、私はクスリと笑ってしまった。

 

「さっき家に帰って持ってきたの。さすがに啓介くんの部屋で全裸になったりはしないよ」

 

 私はそう言うと、先程取り出そうとしていたブラジャーの肩紐だけを見せた。

 

 目に見えて落胆する表情が私の中にある何かを刺激して、私はもう少しだけ啓介くんに意地悪をしたくなってしまった。

 

「……どきどきした?」

 

 多分、一番どきどきしたのは私だと思うけど。

 

 そんな言葉を隠して、私は顔を真っ赤にしている啓介くんにそんな言葉を残したのだった。

 

 

 

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