パチモン催眠アプリを使ったら、幼馴染がスカートをたくし上げた。   作:荒井竜馬

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第6話 朝からそんな体勢で何してんの?!

「それじゃあ、スカートをたくし上げてもらおうか」

 

 私にだけ催眠アプリが効くのだと勘違いされてしまった翌日。

 

 私は今日も啓介を起こしに行くに向かった。

 

 ここまではいつもの習慣。今までと何も変わってはいない。

 

 私に起こされた啓介くんは、目を覚まして私に朝の挨拶を済ませた後、すぐに目が覚めたのか枕元にあったスマホを手にした。

 

 そして、私に例のスマホ画面を見せると、さっそくそんなことを口にしてきた。

 

 本来なら、昨日のうちにネタ晴らしを行うはずだったのに、ネタ晴らしをすることができずに今日に至る。

 

 催眠アプリを見せながら私にした命令は、スカートをたくし上げろというもの。

 

 ……連日私のパンツを見たいとか、ど、どれだけ私のパンツ好きなの?

 

 どうせ興味ないんじゃないだろうかと思っていた時とは違って、今は啓介くんが私のパンツを見て興奮するということを知っている。

 

 あれだけ本気で興奮してる目で見られて、荒くした鼻息まで当てられれば、それに気づかないなんてことはできない。

 

 それでも、私は催眠アプリに操られているフリをし続けて、その命令を聞かなければならない。

 

そうしないと、私は変態扱いされてしまうのだ。

 

 一度ならぬ、二度もスカートをたくし上げてパンツを見せようとした変態。

 

 催眠にかかっていないとなると、それを本当に自発的にしたことになってしまう。

 

 啓介くんにそう思われないためには、今日も私は催眠にかかったフリをしなくてはならない。

 

 それが、えっちな命令だったとしても。

 

 ……背に腹は代えられない。

 

 私は制服のスカートの裾を指の先で持つと、熱視線を向けてくる啓介くんの視線に促されるように、そっとスカートをたくし上げた。

 

 啓介くん、興奮してるんだ。

 

 そんなことを感じてしまうと、より一層スカートをたくし上げるという行為は恥ずかしくなって、私は自分でも分かるくらい顔を熱くさせていた。

 

「今日は桃色のパンツか」

 

 昨日の朝のように見せるのは少しだけ。パンツ全体を見せるのではなく、下のほうだけがちらりと見えるくらいの見せ方。

 

それだというのに、そんなのはお構いなしといった様子で、啓介くんはじいっと近くで私のパンツを見つめていた。

 

 一定間隔で荒い鼻息が吹きかけられて、私はくすぐったさのような物を感じながら、微かに息遣いを乱していた。

 

 その息遣いが少しだけ熱くなってきたような気がし始めたタイミングで、不意に啓介くんが口を開いた。

 

「そうだ、もう少し脚広げてくれないか。たくし上げは下ろしていいや。それで、そう、もう少しだけ脚開いて」

 

 五分くらいパンツを眺められていただろうか? しばらくすると、啓介くんは私にスカートの裾を下ろしてよいと告げてきた。

 

 ……今日は時間短いんだ。

 

 私は恥ずかしさから解放されたと同時に、早くも飽きられてしまったのかと思ったりしてしまった。

 

そんな私の不安は解消されることなく、今度は脚を広げるようにという指示。

 

 脚を広げる? なんでそんなことをするのだろう?

 

 私は頭にクエスチョンワークを浮かべながら、肩幅よりも少し広いくらいに足を広げた。

 

「よしっ」

 

 よし?

 

 啓介くんは何かに納得したような声を漏らすと、私の足のすぐ側に横になった。

 

 いや、そんなところに横になられちゃうと、見えちゃうんだけど。

 

 スカートの裾を押さえ込もうと思ったけど、私は今催眠されている設定だったことを思い出した。

 

 脚を閉じることもできず、スカートの裾も抑えられない。

 

 どうにかして、スカートの中を見られないようにしないとと考えていると、何を考えたのか私の足の間に啓介くんが体を入れてきた。

 

 そして、頭の位置を調整して、スカートのちょうど真下に来るように移動した。

 

「っ!」

 

「おぁっ……えっろぃなぁ、この光景は」

 

 聞こえてきたのはスカートの真下から聞こえる、しみじみとした啓介くんの声。

 

 え? なにしてんの? なにしてんの?! 本当に、なにしてんの?!!

 

 啓介くんからの熱い視線がスカートの中に向けられているのが、肌を伝って感じられた。

 

 無駄に口を叩くことなく、その姿勢のまま数分じっとりと見つめられている。どこを見られているのか、そんなのこの状況的に分からないはずがない。

 

 それを意識すればするほど、羞恥心が体を駆けまわって私の体を熱くさせてくる。

 

 微かに熱くなっていたような私の息は、明らかに熱を帯び始めていた。

 

「……この光景って、見ちゃっていいものなのか?」

 

いいわけないでしょ?! なんで流れるようにこんなことしてんの?!

 

 スカートの中を見られているという状況なのに、心臓が刻むはずのないペースで心音を刻んでいた。

 

 認めたくないし、認めてはならない感情の一端が見えてしまった気がして、私は啓介くんが私の顔を見ていないことをいいことに頭を振って、その邪念を払った。

 

 さすがに、それを認めてしまったら、私が本当に変態ということになってしまう!

 

「このままソロ活動でも……いや、さすがに途中で催眠が切れたらまずいしな」

 

「っ」

 

 そう言いながら啓介くんは下に伸ばした手を、ピタリと止めた。

 

 その手の先に目をやって、私はポンと頭が破裂するんじゃないかというほど顔を熱くさせてしまっていた。

 

 い、今手を持っていこうとしてた場所って……。そ、それに、その、膨らみが……。

 

「……あとで思い出して、オカズにすることにしよう」

 

「~~っ」

 

 なに言ってんの?! 本当になに言ってんの?!!

 

 追い打ちをかけるだけでは気が済まないのか、啓介くんは本気で呟くようにそんな言葉を口にした。

 

 お、オカズって、え? わ、私でするってこと? ちょっと前まで、あんなこと言ってたのに?!

 

 今見ているスカートの中を思い出して、そういうことしようとしてるの?!

 

 下の方でもぞりと啓介くんが動いた気がして、下を見てみると啓介くんが少し体を浮かせようとしていた。

 

いやいや、その状態で立ち上がったら、ぶつかるでしょ?!

 

 だめっ、今そこにぶつかるのはほんとうにダメだからっ!

 

 抵抗できない私は、ただきゅっと脚に力を入れてその侵入を防ごうと頑張った。

 

しかし、脚を閉じることが許されない私がいくらそんなことをしても、何も変わらない。

 

それでも、何もしないわけにはいかないのだ。

 

 私が何度も脚に力を入れて脱力してを繰り返したおかげか、なんとか体を起こそうとした啓介くんの顔がゴチンと当たるようなことはなかった。

 

 まぁ、それよりも先に啓介くんのお腹が限界を迎えたみたいだったけど。

 

 朝の時間ということもあって、スカートの中を覗き込まれる時間はあまり長くなり過ぎなかった。

 

 それでも、十分くらいは見られ続けていたんだけど。

 

 ……多分大丈夫だ。さすがに、私はそんな変態じゃないし、変なものは見られていないはず。

 

 あとでそれを確認しようと思ったのだけど、確認したらそれを見られてしまったということが確定してしまう気がして、私はあえてそれを確認しないようにした。

 

 少なくとも、下から見て分かるくらいひどいことにはなっていないはずだ。

 

 そんなふうに割り切ることにして、私は催眠が解かれたフリをした後、いそいそと朝ご飯の支度始めたのだった。

 

 ……多分、大丈夫なはず。

 

 

 

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