願いが叶った私は心のままに飛び続けたい。   作:如月雪見

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前回、報告書をケーキを入れる箱にしたハウラ。
藍染は笑ってスルー、市丸はその器用さに感心したが、当然ながら東仙はブチ切れ。
結果、罰を受ける事になりました。
その内容とは?


次の任務までの期間はどう過ごしたのだろうか?



幕間/罰は…

 

 

自宮に戻って早々、ブチ切れた東仙から呼び出しをくらった。

メノリに引っ張られながら渋々行けば、即座に正座させられた上での説教と共に罰の2択を迫られた。

 

・次の任務が下るまでの間、自宮で謹慎する

(当然、空を飛ぶのも禁止)

・次の任務が下るまでの間、他の十刃達の雑用

(但し、ハウラの怒りを買う行為の一切を禁止する。もし身の危険に晒されても自己責任とする)

 

「実質1択じゃんか…」

「そうか、謹慎「謹んで雑用をお受けします!」良し」

 

と言う遣り取りが、この為だけに集合させられた他の十刃達の目の前で行われた。

 

 

 

去り際に東仙はメノリに小型の監視カメラを持たせ、

「万が一、これを使えない状態にしたら即謹慎処分に変更する」

と告げて去って行った。

 

「…グリムジョーの言う通りにしたのに」

「俺の所為にすんな。俺は東仙にも菓子を渡せとしか言ってねぇ。大体、報告書で菓子箱作るとか、誰が思い付くかよ。どう考えても余計な事したお前が悪いだろ」

「相変わらずの腕白振りだな、ハウラ」

「だから提出する書類で遊ぶのは止めなさいって言ったのに」

「ぶ~…」

「お前は後幾つ罪を重ねるつもりだ」

「なっ…聞き捨てならないよ今のは!」

「書類関連に絞っただけでもかなりのものだぞ。ボウガンによる矢文に始まり、苦無に投げ槍、これはどれも東仙統括官の執務机を狙ったものだ。流石に藍染様からお叱りを受けて止めたが…その後は書類を簡易なものからどんどん無駄に凝った折り方をした紙飛行機にして放り込み、ある時はハズレ入りの百羽鶴にして執務室の至る所に飾り、漸く真面に出したかと思えば、全て平仮名或いは片仮名のみかと思いきや、一文字ずつ平仮名と片仮名を交互にしたり、漢字のみ送り仮名無し、いずれも句読点無しの非常に読み難い報告書を出したり…」

「聞けば聞く程余計な事ばっかしてんじゃねぇか!」

「良く我慢してたわね、東仙統括官…」

「ハウラは本当に器用だな」

「感心すんじゃねぇハリベル!」

「藍染様が楽しんでおいでだから、必要以上に叱れなかったらしい」

「「「気の毒過ぎる…」」」

「みんなして何さ。毎回ただ書類提出に行くのはつまんないから、ほんのちょっとスパイスをと思っただけなのに」

「何処が‘ほんのちょっと’だ、何処が」

「…その辺にしておけ。其奴が雑用を命じられた事に変わりは無いのじゃからな。して、汝等は其奴を如何するつもりじゃ?」

「「「えっと…」」」

「「どう…と言われても…」」

「「「そりゃあ…」」」

 

思わずハウラを見る面々。

面倒臭がりで飽きっぽく、かと思いきや妙なところで変な拘りを発揮する。

そして本当に仕方が無いとハウラが納得できる理由以外で約束を破るのも破られるのも嫌う。

故意に破ればどんな報復に出るか解らない。

※以前、ネリエル達との約束の邪魔をしたノイトラは、両手をもがれて大鎌を地中深くに埋められた。

そして何より、基本的にメノリの言う事しか聞かない。

藍染ですら絶対にやれと命令されるか、約束事が絡むと聞くが、聞かない事の方が圧倒的に多い。

仲間と認識している相手でも同じで、納得出来る説明、理由が無いと聞かない。

ハッキリ言って非常に扱いにくい子だから、例え雑用でも何かをさせるのに躊躇いがあっても仕方ない。

並大抵の奴等ならそう考えるだろう。

 

しかし…

 

「…取り敢えず、テメェ等の日常を教えろ」

「んぁ?」(何で?って顔してる)

「…テメェが普段から空飛んでる時間帯に呼ばれ「え~っと、私達のルーティンを教えればイイんだね?」…おう」

「えっとね~…朝起きたらラジオ体操してから空飛ぶしょ~。それから…」

 

メノリにも確認しながらハウラは自分達の日常を数日分書いた。

 

「はい、出来た!」

「「「「「…ん?(…は?)」」」」」

「「「…んだこりゃ?」」」

「どしたの?」

「…この飯作りの所の※藍もだが、おやつ作りの所にも※ザ、藍時々チ、ガ、ドって書いてあるのは何だ?」

「あ~それね。藍染からのリクエストがランダムで来たりするのと、ザエルアポロはスイーツ仲間なのと色々お願いしてるからその報酬含めてで、チはチルッチ、ガはガンテンバイン、ドはドルドーニの事…どしたの?」

「「「「いや…」」」」

「「「「別に…」」」」

 

…あの野郎、どんくらいの頻度でコイツに食いたい物を作らせてんだ?

…クソッ、未だに取引してやがるのかあの変態

…ってか、何でアレを仲間とか平然と言えるんだコイツは?

…アイツ等、十刃落ちの癖に生意気な

…羨まけしからん

 

「…まぁ良い」

「…どうやら、此奴にさせたい事は汝等も同じようじゃな」

「「「おう」」」

「「「当然だ(ね)」」」

 

ハウラ以外の十刃が、バラガン主導で話し合いを始めたが、ものの数分で何か白熱し始めた。

 

「…何させる気なんだろ?」

「んなもん決まってるだろうが」

 

メノリに聞いたつもりだが、彼等にもしっかり聞こえたらしい。

ほぼ異口同音で一言、

 

「「「「「「「「「食事(飯)とおやつ!」」」」」」」」」

 

と。

多分、此処まで十刃が綺麗に揃う事は滅多に無いだろう。

 

「…まぁ、得意な事だからイイか。問題は、カマキリの所には絶対に行きたくないって事なんだけどなぁ」

「…今回はワガママ許されないよ?」

「うぐぅ…」

 

渋い顔のハウラにネリエルから助け船が出た。

 

「ノイトラの所へは行かなくて良いわ。リクエストされた料理を自宮で用意して、それをテスラに取りに行かせるから。ね?ノイトラ」

「…チッ」

「ならイイや。で、何揉めてるの?」

「あ~…何処の宮から始めるかが決まらなくてな」

「いっそのこと、あみだくじでも作ってハウラに決めさせるか話し合ってたところだ」

「えぇ~」

 

あみだくじの結果、以下の順番で回る事になった。

 

1番目、No.6グリムジョー

2番目、No.9アーロニーロ

3番目、No.4ウルキオラ

4番目、No.2バラガンさん

5番目、No.10ヤミー

6番目、No.8ノイトラ

7番目、No.1スターク

8番目、No.5ネリエル

9番目、No.3ハリベル

※本当にあみだくじで決めました。

 

「ん~…確認だけど、1食ごとにローテーションしてくんだよね?」

「おう」

「んでもって、開始は明日の朝からだよね?」

「あぁ、間違い無い」

「ん、OK。んじゃ早速、グリムジョー朝食のリクエストは?」

「流石に俺だけで決められる訳ねぇだろ。決まり次第、そっちに伝えに行く」

「OK。じゃあ、コレで解散?」

「…だな」

「じゃあ明日からヨロシク~」

 

 

次の任務までの約1ヶ月、ハウラはしっかり食事係をこなした。

因みにこの期間中、ハウラの気紛れによる諸々への被害は、通常の約40%弱にまで抑えられた。

 

 

 

 

 

 

 

 

※折角だから、あみだくじで決めた順番で行ったそれぞれの宮はどうだったかを書いてみました。

どうでもいい方はスルーして下さい。

因みに、ノイトラ以外の所では一緒に食べています。

 

No.6グリムジョーの場合。

男だけの事もあって、肉メインでボリュームたっぷりの食事が多くて小食のメノリにはキツイからと、彼女にだけ別メニューを用意するのが当たり前だった。

おやつはビスケットとか歯応えのある焼き菓子が好みらしい。

何気にシャウロンだけでなくみんなが手伝ってくれるから、結構快適な環境で料理が出来た。

グリムジョーの包丁さばきが1番上手かったのは凄く意外だった。

 

No.9アーロニーロの場合。

マイブームは冷麺らしい。

ざる蕎麦に冷やし中華、つけ麺、素麺、饂飩…乗せる具材とタレを変化させる事で、飽きないように結構頑張った。

何か心境の変化でもあったのか、アーロニーロは以前よりもゆっくり味わって食べるようになっていた。

おやつは腹持ちのイイ米や餅のお菓子、羊羹とかの和菓子をリクエストされた。

 

No.4ウルキオラの場合。

トマト料理と海鮮料理をよくリクエストされた。

部屋の一角にトマトのプランターを発見した。

しかも、行く度に苗の数が増えてた。

家庭菜園の教本と道具も揃えているようだった。

どんだけ気に入ったんだ、トマト…。

上手く実ったらお裾分けしてくれるらしい。

おやつはチョコレートやクリームチーズを使うお菓子をリクエストされた。

料理はしないけど、後片付けはしっかり手伝ってくれた。

 

No.2バラガンさんの場合。

和洋問わずで煮込み料理をリクエストされた。

その為、圧力鍋が大活躍した。

肉を短時間で柔らかくする裏技その他を、調理方法に合わせて幾つかシャルロッテ達に実践形式で教えながら作った。

※ハウラが十刃になって自宮を貰う前に見た厨房風景に、バラガンさん滅茶苦茶ご機嫌。何気にハウラとメノリを自分の孫扱いしてる節がある。

美容に五月蝿いシャルロッテがいるから美食は勿論、栄養バランスの良い食事が何処よりもしっかりと食べられる事もあって、2人にとって何気に来るのが楽しみな場所でもある。

 

No.10ヤミーの場合。

堂々とクッカプーロに会って遊べると、嬉々として予定の時間よりも早く行く。

クッカプーロと思う存分触れ合ってから気合いの入った料理を作るので、ヤミーもとやかく言わずに様子を見ている。

但し、先ずはクッカプーロの味覚に合わせて作り、彼の分を取り分けてから味付けし直すのを見ると、仕方ないと頭では理解しているが、自分をオマケ扱いしているように見えるのが唯一の不満である。

 

No.8ノイトラの場合。

リクエストを受けてから出来た料理を渡すまでの全てをテスラを通して行う為、ノイトラの反応は知らないし、知る気も全く無い。

不満があればテスラが言って来るだろうと思っている。

そのノイトラは食べる度に悪態を吐くが、完食しているのでテスラも何も言わない。

2回目からテスラにリクエストした料理の作り方を教えて欲しいと言われ、他の台所仲間と同じ条件を厳守の上で教えるようになった。

ノイトラは嫌いなままだが、テスラとは多少打ち解ける事が出来た。

 

No.1スタークの場合。

リリネットのリクエスト(子どもが好きな洋食)がメインで、たまに作ってる最中の匂いに釣られて起きて来るスタークのリクエスト(酒の肴)を追加して作る事が多い。

洋酒よりも、日本酒の方が好みらしい。

共通の好物はエビ、マグロ、獣肉を使った料理。

苦手なのはセロリやパセリといった香草系。

途中からリリネットが手伝ってくれるようになった。

後片付けの時はスタークも手伝ってくれる。

とても平和なのでメノリが安心して作業出来る場所のひとつである。

 

No.5ネリエルの場合。

昔からの腹ぺこ仲間と台所仲間だから、気兼ねなく一緒に作ったり、宮に行った時には既に料理が出来上がっていて、味見を頼まれる事も多々ある。

作りに行く時とご馳走になる時が半々で、この状況を東仙が見たら「罰になっていない!」と、確実に説教される事だろう。

全員好き嫌いなく何でも食べるので凄い楽。

ハウラもメノリも1番リラックス出来る場所である。

 

No.3ハリベルの場合。

ハウラの問題児振りを警戒する3人娘が、初回で見張りをやると言い張り、最初は邪魔にならない距離で見張っていたが、ドンドン近付いた挙げ句、ハリベル曰くいつものじゃれ合いを開始。

調理中のハウラとメノリの間、狭い空間でスンスンの挑発に過剰反応したアパッチが振った腕が勢い良くメノリに当たりケガを負わせ、その反動で料理も一部ダメになった。

この件でハウラの3人娘への評価は一気に地の底、敵認定しかかったのを、メノリの全力フォローとハリベルと共に平身低頭で謝罪した事でどうにか許して貰った。

その日のハウラは頭を冷やしたいからと、料理を作ったら直ぐに帰った。

リクエストした料理はどれも美味しくて、ハリベルが大絶賛した事で3人娘は手の平を返してハウラに弟子入りしたがったが、ハウラは拒否。

「単体なら兎も角、この3人が揃ったら碌な目に遭わない。また料理を台無しにされたくない」

が理由。

ハウラの意思を覆す事が出来ないまま今に至る。

ハリベルとの交流は今までと変わらないが、3人娘とは今まで以上に距離を置くようになった。

 





原作では、グリムジョーは独断専行の罰を受けていましたが、今作ではハウラの子守りをさせられただけなので、彼等は寧ろ労われました。


ハウラの料理とお菓子作りの腕前…あの東仙ですら認める程の高い技術と繊細な味覚を持っている。
普段の問題児振りとの温度差が凄まじ過ぎてどっちが本当のハウラ?と度々議題に上がる。
「どっちも私だけど、何か文句ある?(笑顔の圧力)」


ハウラへの罰…東仙相手だと、そう簡単に腕を斬らせる事はないだろうし、十刃の地位剥奪はご褒美にしかならないので、自宮謹慎処分(飛行禁止)をチラつかせつつ、雑用という名の食事係をさせる事に。
また許し難い問題を起こした時は、問答無用で自宮謹慎処分をくらうでしょう。



次は再び現世へ。
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