前回、ウルキオラの目的達成の為に現世でちょっとはしゃいだ。
今回、虚夜宮に戻って来てから。
虚夜宮へと戻って来たハウラ達。
「メノリ、ケガは無い?ワンダーも」
「わ、私とワンダーワイスは何ともないけど…」
「あぅあ~!」
「んぁ?」
メノリの視線の先には、場を離れた時には無かったケガを負ったグリムジョー達が居た。
グリムジョーは両腕と左脇腹に殴打の痕、幸いにも骨折は無く、打撲で済んだと思われる。
ヤミーは、肌が露出している部位に霜焼けと、右腕に深い切り傷を負っていた。
ルピに至っては斬撃を何度かくらったのか、至る所が刀傷だらけで、特に深手を負った左肩を抑えている。
「…う~わ、みんなボロボロだねぇ~」
「…ま~ね。癪だけどさ、ハウラがあの女死神を始末してってくれなきゃ、もっとヤバかったかも」
「…ケッ」
「…チッ」
「…あの後、みんな霊圧に揺らぎがあったよね?何があったの?」
ルピから聞いた経緯は以下の通り。
ハウラが去った後、グリムジョーはルピとヤミーに追加で死神が来る可能性を示唆して行った事を通達、嫌な予感がするからと、2人にさっさと片付けるよう指示した。
※ちなみにルピは十刃ではないものの、その実力はそれに準じる霊圧の持ち主で、全十刃の従属官の中でもダントツの強さを誇る。
よって、あの場に居た副官+αじゃ全然話にならない程度には強い。
2人はグリムジョーの指示通り、さっさと死神達を無力化(気絶)させて、先に倒された女死神のようにポイ捨てしようとしたところでグリムジョーから
「下がれ、お前等!」
と叫ばれ、慌てて言葉通りに動いたその瞬間、ルピが居た所を斬撃が飛んでいった。
その際、避け損なった触腕4本をバッサリ斬られてしまった。
「なっ…!?」
思わず斬撃の発生源と思われる場所に目をやった時には更にヤミーが右腕を斬られていた。
「ぐあぁぁっ!?」
「チッ、お前等はそこで大人しくしてろ!」
「は、はい!」
「あぅ~?」
グリムジョーはメノリとワンダーワイスにそう言い放ち、死角から来た拳打をどうにか受け止め、響転でメノリとワンダーワイスから更に距離を取った。
追加で来たのは、ハウラも1戦交えた四楓院夜一(手足に防具を装着)と浦原喜助(何か葛籠っぼいものを背負ってる)だった。
グリムジョーは四楓院夜一の相手で手一杯、流石のルピとヤミーも奇襲された所為で負った深手を庇いつつ、浦原が絶妙なタイミングで出す玩具に翻弄され、防戦一方となった。
予想以上の戦力に対し、どうにか反撃する隙を窺っていたところでウルキオラの目的は達成され、反膜によって帰還となったらしい。
「…やっぱ一筋縄じゃ行かなかったかぁ~」
「…あのチビもチョロチョロ鬱陶しくてムカついたが…あの野郎はもっとムカつくぜ!訳の解らねぇ玩具だか何だかでおちょくりやがって…次は絶対に仕留めてやる」
「あの下駄帽子野郎…テメェがやったクセに何が「そのままじゃちょっと格好悪いでしょう?」だ!全部これ見よがしに切り揃えやがって!」
「う~わ、やっぱアイツ最悪だね」
「そうだよ!ボクの触腕を斬った落とし前、絶対付けさせてやる!」
※ルピは帰刃した際、触腕を斬られても痛みは無い。しかし、元の長さに戻るまで最低でも1ヶ月はかかる。
「…あの女、先にお前がやった奴の師匠か何かだな。動きが似てた…まぁ、あの女の方がケタ外れに強かったけどな」
「だよね。あ~、先にアレやってって正解だった…と、医務室到着~。ロカ~、手当てお願~い!」
「え…あ、はい!ハウラさんは大丈夫ですか?」
「ちょっと切っただけだから、水使うね~」
「は、はい。ではヤミー様から始めます」
「おう」
ロカは藍染からの事前命令で3人の応急処置をしてくれた。
「…何で応急処置だけなのさ?」
「…十中八九、この後来る姫の実力を確認する為じゃないの?」
「…俺達は実験台かよ」
「まぁまぁ、後何時間か後にウルキオラが迎えに行くらしいし、それまで何か作って食べようよ」
グゥ~キュルルルル、グキュグキュグ~
「お腹空いたし」
「「「「………」」」」
「あぁう~」
「…ボク、卵のとハムとチーズのサンドイッチとナッツたっぷりのチョコケーキが良い」
「…魚介食いてえ」
「…ピザ食えるってんなら行くぜ」
「ハイハイOK。ワンダーは…何がイイかな?」
「あぅ~?」
「割と和物好きみたいだし…定番の肉じゃがでも作るかな。気に入らなかったら私が食べればイイし。メノリは?」
「私は良いよ。お腹減ってないし」
「う~ん…良し、プリン作ろう。プリンなら入るっしょ?」
「あ、うん。それくらいなら」
「よしよし。あ、クッカプーロとシャウロン達も連れて来てね。仲間外れよくないもん」
ハウラの自宮でお腹を満たし、後片付けを終えたところで招集がかかった。
「ようこそ虚夜宮へ。歓迎しよう」
藍染が放つ威圧感に、すっかり萎縮してしまった井上織姫は、言われるがままにグリムジョーの打撲傷にヤミーの霜焼けと右腕の深い切り傷、そして帰刃したルピの刀傷と触腕をあっという間に元通りにした。
「「「なっ…」」」
「「「「「マジかよ…!?」」」」」
「凄い凄い凄~い!ねぇねぇコレさ、生き物以外でも戻せるの!?」
「え…」
「例えば、ココに無いけどうっかり割っちゃった東仙の湯呑みとか!」
「ハウラ!?アレちゃんと謝ったんじゃなかったの!?」
「…道理で、使う度に違和感が拭えないと思ったら…やっぱり貴様が犯人だったかハウラ!」
「やべっ…ってか、同じデザインのを買ったのにバレてた!?」
「ちゃんと謝りなさいハウラ!」
「人の物を壊して隠すとは…貴様は幾つの幼児だ!其処に直れ!」
「ヤダよ!」
「落ち着くんだ、要、ハウラも…すまないね、少し待っていてくれないかな?」
「え、あ、は、はい…」
周囲の〈ま~た始まった〉と言わんばかりの呆れた表情と同時に始まった逃亡劇に、織姫はこれがこの2人の通常運転なんだと理解した。
東仙は逃げ回るハウラを複数の縛道とウルキオラ、グリムジョーの協力プレーでとっ捕まえて(それに巻き込まれた破面がハウラの避けた縛道の数の分だけ捕まった/捕まった連中は皆悟りの表情になっている)、情け容赦の無い拳骨を落として漸く怒りを収めた。
「ったーい!暴力反対!」
「アンタが悪いんでしょうが!拳骨1個で許して貰えただけ良かったと思いなさい!そして巻き込んだここのみんなにも謝りなさい!」
「えぅ~…」
「「「「「…やっと収まったか」」」」」
「「「「「やれやれ…」」」」」
これも日常茶飯事らしい。
「…さて、彼女の能力だが…以前、ハウラが推察した通り、〈彼女にとって都合の悪い事が起こった場所の時間を巻き戻して、その時間そのものを無かった事にする〉事が出来る…ふむ…【事象の拒絶】…とでも表現しようか…何れにしてもとても稀有な能力だ。丁重に扱うように。良いね?」
「「「「「…はい」」」」」
「さて…誰に世話を頼もうか…」
「は~い!ネリエルがイイと思いま~す!」
(勢い良く右手を挙手)
「え…」
「ちょ、ハウラ…って、いつの間に縛道外したの!?」
「ついさっき」
「…くそっ、あれでもまだ足りなかったか」
(ぼそっ)
「何故だい?」
(東仙の悪態を完全スルー)
「え?だって、ウルキオラはそういうの向いてないと思うし~、ハリベルの所はハリベルは兎も角、あの従属官達と仲良く出来るとは思えないし~、スタークの所はリリネットは兎も角、肝心のスタークが寝っ放しで対応に困るんじゃないかなぁ~って。他は考えなくても論外でしょ~。私は怖がられてるか嫌われてると思うし~」
「え…」
(織姫、メッチャ何で?って顔してる)
「え、だって茶渡…だっけ?彼の左手を初対面でもいだりアンタのヘアピン取ったり、あと昨日黒崎一護ボコったの私だよ?そんなヤツと仲良くなんて無理でしょ?」
「「「「「あのハウラがマトモな気遣いが出来るだなんて…」」」」」
「「「「…何でその気遣いが他のには出来ねぇんだ…?」」」」
「…アンタ等後で覚えときなよ?誰が何言ったか解ってるからね?」
(超低音ボイス+超笑顔=ヘソ曲げた)
「「「「「………っ!」」」」」
(言った連中揃ってヤベッて顔してる)
「…まぁ、そういう理由からネリエルの所が1番安心安全だと思うんだよね~」
「ふむ…君はどうしたい?」
「え?えっと…」
話を振られた織姫は、一応会話をした事のあるウルキオラとハウラを見比べて、ハウラの所でお世話になる事にした。
「…何で?ネリエルの方が良くない?」
「決まったんだから文句言わないの!ハウラが何かやらかしたら遠慮しないで直ぐに言ってね。いつでも叱るから」
「う~わ、メノリってばひっど~い!」
「は、はい。宜しくお願いします」
今回、ハウラが黒崎一護の所に行った後、グリムジョー達に何があったかを書いてみた。
ハウラの失言から突如始まった2人の鬼ごっこ。
彼女のスピードに慣れているウルキオラとグリムジョーが元凶を足止め、アホな遣り取りを終わらせた。
原作ではウルキオラが織姫の世話役なのだが、彼女は何を思ったのかハウラを指名した。
取り敢えず思い浮かんだのは此処まで。