願いが叶った私は心のままに飛び続けたい。   作:如月雪見

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前回、姫を虚夜宮にご招待。
世話役は面倒臭がりのハウラに決定。


今回、姫との同居開始。



姫、ハウラの自宮にて

 

 

姫直々のご指名を受けたハウラは、藍染が「信頼の証」とか宣って彼女に崩玉を見せに行った。

数分程で解放された後、自宮に行く前に着替えが必要だろうと衣装部屋に寄った。

 

「…う~ん、この童○を殺す清楚系もイイけど…折角のステキなボディーを隠すのは勿体ないよなぁ…もちょっと露出してもイイよなぁ…よし、ロリやハリベルが着てるのと同じようなのドコにあるんだろ?」

 

スパーン!

(メノリ、織姫の前なのでハリセン使用)

 

「セクハラは止めなさい!こう言うのは本人に選ばせれば良いでしょうが!」

「セクハラじゃないよ!主観的なのも悪くないけど、客観的な視点からのも参考にして欲しいと思ったからだもん!」

「本音は?」

「私が選んだセクシー衣装の姫が見たいし、カメラにも収めたい!」

(何処からか出した高性能カメラを織姫に向けながら)

 

スパパーン!

(往復ハリセンを見舞った)

 

「却下!織姫、セクハラされないようにスカートは止めて起きなさい。その方がハウラのイタズラの被害に遭う可能性は下がるから」

「え、あ、はい…えっと…じゃあこれにします」

(上はハイネックでノースリーブのインナーにロングカーディガン、下はメノリと同じタイプのワイドパンツを選んだ)

「え~…」(メッチャ不満顔)

「決まったわね。じゃあそっちの衝立の向こうで着替えて来て」

(そんなハウラをスルー)

「は、はい」

 

自宮に戻って織姫の部屋をどうするか見て貰った結果、時々泊まりに来るロリやチルッチが使う部屋の向かいに決まった。

 

「時間も時間だし、取り敢えずお風呂入っちゃおっか。ココは台所とお風呂に拘って建てたからね~。ちょっとしたスーパー銭湯並だよ~」

 

ハウラの言う通り、まず一般のご家庭には無いだろう檜湯に岩盤浴や砂風呂、サウナルームに水風呂が完備されていた。

 

「…あ~…気持ちイイ~」

「…ふ~…」

「………」

 

ハウラ拘りの天然素材のヘア用とボディー用、そしてフェイス用のケア用品で全身を洗い、檜湯に浸かった。

ひと息吐いたところでハウラが口火を切った。

 

「…あのさぁ姫、こんな時にこんな事言うのはちょっとアレなんだけどさぁ…崩玉を何とかしようとか考えてるなら止めといた方がイイよ」

「えっ…」(明らかな動揺)

「解りやす過ぎだよ~。崩玉見る前と見た後じゃ纏ってる空気が違い過ぎだもん」

(苦笑しながら織姫に少しだけ近付いた)

「う…」(目が泳いでる)

「…イジワルで言ってる訳じゃないよ?だって、アレを創った張本人の浦原だっけ?が手に負えないって大昔に封印したんだよ?アイツは尸魂界でも稀代の変態狂科学者の1人だって言うじゃん。しかも、それに藍染が手を加えたから崩玉は更にヤバいモノになってるよ?こう言っちゃ何だけど、たかが十数年生きただけの人間がどうこう出来るシロモノじゃないよ?」

(苦笑したまま小首を傾げた)

「…でも」(縋るような目)

「…仮に出来たとしても、何の代償も無いってのはまず有り得ないよ。例えばだけど、姫が存在した事すら無かった事にしても全然足りないだろうね。前に藍染の資料をコッソリ見たんだけどね。崩玉の作り方…私が言うのも何だけど…凄くヤバいよ?アレをどうにかするのにどれだけの対価が必要か見当も付かない…だから、姫には無理だよ」

(織姫から視線を外して両手を組んで前にググッと伸ばしながら)

「………」(完全に俯いた)

「…ふ~…折角の入浴タイム台無しにしちゃってゴメンね。でも、事実だからさ。それに…崩玉をどうこうする前に、藍染を出し抜くなんて事出来るの?って疑問があるけどね」

「うっ…」

(考えていなかった部分を指摘されて気まずそう)

「さて、そろそろ上がろっか。お風呂上がりは普通の牛乳とフルーツ牛乳どっちがイイ?」

「フ、フルーツ牛乳で」

「ハイハ~イ」

 

 

入浴後、織姫にベビードール(めっちゃスケスケで局所にラメ入り)を着せようとする懲りないハウラを、ついに鉄槌で沈めたメノリが普通のパジャマを着せた。

気を取り直しての水分補給後、これまたハウラ拘りのヘアオイルを使って、サラサラでツヤツヤになった髪に変な寝癖が付かないようナイトキャップ(色違いのお揃い)を着けて寝た。

 

 

 

 

翌朝、日が昇り始めた頃…

 

「イヤッフゥー!ブーン!ブンブーン!ヒャッホーーイ!!YEAHーー!!Fooo!!」

「な、何!?」

 

翌日、朝からテンション高く空を飛ぶハウラの奇声(興奮から来るいつもの騒音)が織姫の鼓膜を揺らした。

慌てて部屋を出ると、メノリが様子を見に来たらしく、凄い申し訳なさそうに話しかけて来た。

 

「…あ、やっぱり起きちゃった?ゴメンね織姫。毎朝こうなんだ。昨夜寝る前に教えてこの耳栓渡しておくべきだったね」

「…ま、毎朝…」

「うん。最初は近隣から苦情が殺到したけど…藍染様とは好きな時に好きなだけ飛んで良いって契約してるって譲らなくて…それでも文句を言って来た連中は全員実力行使で黙らせて…それからは誰も何も言わなくなったんだよね」

「へ、へぇ、そうなんだ…あの姿(巨大な文鳥)は?」

「…あ、織姫は知らなかったっけ…ハウラは身体の何処かが黒い生き物なら何にでも変身出来るのよ」

「そ、そうだったんだ」

 

再び空を見上げたが、ハウラの姿は何処にも見当たらなかった。

 

「え?あれ?」

「オハヨ~、ヨクネレタ~?」

「え?」

 

いつの間にか本来のサイズの文鳥になったハウラはメノリの肩に留まっていた。

 

「い、いつの間に…」

「ネェ、ヨクネレタ~?」

(首を傾げながら)

「え、あ、うん」

「無理しなくて良いよ織姫。いっそ、アンタの大声にビックリして起きたって文句言っても全然構わないから」

「ヒドイヨ~メノリ~」

「いつまで文鳥でいるつもり?」

「ちぇっ」

 

メノリの肩から離れた瞬間、元の姿に戻った。

 

「ほ、本当にハウラちゃんだったんだ…じゃあ、あの時のも見間違いじゃなかったんだ」

「?…あぁ、そういやあの時そのまま空から降りたんだっけ」

※現世で初接触した時は、烏の姿で飛んでいた。

 

グゥ~キュルルルグゥ~

 

「よし、ご飯にしようか。何食べる?」

「シンプルに小松菜の和え物とお味噌汁かな」

「わ、私は何でも良いよ」

「アレルギーとかは?」

「特には…」

「そう?なら出汁巻きと塩サバ追加でいこうっと」

 

 

 

メノリの小食に対して、ハウラの大量の朝食に織姫は凄く驚いたものの、用意された食事は文句の付けようが無い程美味しかった。

 

「…わぁ、凄く美味しい!良いなぁ…料理上手なの。羨ましい」

「そぉ?姫は料理苦手?」

「う~んとね、作れる事は作れるんだけど…みんなの反応がちょっと…何て言うか…余り良くなくて」

「ふ~ん…ちなみに得意料理は?」

「えっと…ヨウカンステーキとか、キノコのチョコ和えとか」

「「…は?」」

(メノリ、聞いた事も無い料理名に困惑/ハウラ、織姫の料理センスを何となく察した)

「…創作料理を作るのが好きなんだ?」

「そういう訳じゃ無いんだけど…節約しようと思ったら、家にある物で作るのが当たり前だから…」

 

だとしても、お菓子に手を加えたモノを料理と言える彼女はある意味凄い。

 

そんなこんなで食べ終わり、後片付けをしてからは好きにしててイイと言われた織姫は、ソファー前のテーブルに置いてあるレシピ集をパラ見させて貰った。

 

「…ハウラちゃんはトマト料理が好きなの?」

「んぁ?…あぁ、それね。トマトはよく食べるけど好きとまではいかないかなぁ?ちなみにソレはウルキオラとの約束の為に集めたんだ。ウルキオラね、自宮で色んな種類のトマト育ててるんだよ」

「えっ…」

「意外でしょ~?前にね、一時的にだけど元々小食だったのが更に悪化しちゃったメノリにって、食べやすいだろう色々なゼリーを作ってね。その時トマトゼリーも作ったんだけど、その残りをウルキオラにもあげたら何か気に入ったらしくてさ。自分でも育ててみる事にしたって。上手く実ったらお裾分けしてくれるって。そしたら、何か作ってあげるって約束したんだよね~」

「そうなんだ」

「そうそう、今から楽しみなんだ~」

「いっぱい実ると良いね…あ、これ美味しそう」

「ん~…ソレなら材料あるからお昼に作ろっか?」

「え、でも」

「遠慮しなくてイイよ。寧ろ、リクエストしてくれた方が助かるしね」

「じゃ、じゃあ…お願いします」

「ハイハ~イ」

 

 

 

昼食後、作って貰ってばかりは気が引けると、何が出て来るのか想像出来ない恐怖を感じているメノリと、純粋に台所の心配をするハウラを余所に、織姫はおやつを作る為に腕を奮った。

結果、出来上がったのは…

 

「…おやつ…だよね?」

「…その筈…だけど…」

 

目の前には、どう見ても煮込みハンバーグと焼きナス、目玉焼きが挟まったフワフワのパンケーキ(匂いは物凄くバニラ)だった。

 

…何故にハンバーグと焼きナス、目玉焼きを挟んだ?

…いや、確かにハンバーグは冷凍庫に保管してたし、ナスと卵は買いだめしといたけどさ?

…メノリには絶対キツいよコレ

 

織姫のやり遂げたという表情を前に「いらない」とは言えず、取り敢えず2人はひと口食べてみた。

 

モキュモキュ…

 

「…あれ?」

「…意外と悪くない?」

 

見た目のインパクトが凄いし、おやつとはちょっと言い難いものの、変わり種のハンバーガーと思えば食べられない事は無かった。

まぁ案の定、小食のメノリには量が多過ぎたが、半分以上をハウラが食べた事で解決した。

 

 

刺激的なおやつと後片付けを終えて、午後の空中散歩に出ようとしたところで十刃招集の通知が来た。

 

「…タイミング最悪なんだけど」

(眉間に物凄いシワ)

「無視したらまた東仙統括官が飛んで来るよ?あ、どうせなら、此処から飛んで行けば?」

「…む~…気ままに飛ぶのが楽しいのに…」

 

東仙による強制連行は流石にイヤだと、観念してメノリの提案を受け入れて窓から飛んで行った。

 

「…下らない用だったら、東仙の座るイス全部にリアルな音の出るブーブークッションか、不審者撃退用の超五月蝿いサイレン仕込んでやる」

 

なんて呟きながら。

 






今回、織姫を迎えての自宮での生活風景を書いてみました。

ハウラの早朝ハイテンションな空中散歩に起こされるという洗礼を受けた織姫。

織姫の独創的なおやつに軽い戦慄を覚える2人。
※作者としては、ハンバーガーは普通に食事の印象が強いです。

日常ルーティンを崩されて機嫌を損ねたハウラ、渋々招集に向かいました。

今回は此処まで。
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