願いが叶った私は心のままに飛び続けたい。   作:如月雪見

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前回、姫を自宮に迎えての生活風景。

今回、藍染から十刃招集命令が出た。

用件は?



十刃招集

 

 

日課の邪魔をされて不機嫌なハウラは、取り敢えずハヤブサに変身して飛んで行こうとしたが、別口からの連絡によって、急遽とある所へと寄り道してから向かう事にした。

 

 

 

 

 

 

「…遅いな、ハウラ」

「また遅刻かアイツ」

「仕方なかろう。恐らくあの小娘の世話で遅れておるのだろうよ」

「下らねぇ…」

「ちょっとノイトラ、全員揃わないと扉は開かないのよ?」

「あぁ?どうせ会議場に行くんだろうが。此処で待とうがあっちで待とうが同じだろうが」

「…もう」

 

 

 

 

寄り道を済ませたハウラは、大急ぎで会議場のある建物にハヤブサの姿のまま急降下しながら入った。

そこには既にみんな集まっていて、会議場のある階下へ続く螺旋階段の前にいた。

ふと目に付いたウルキオラの角に留まる事に決めたハウラは、そのまま彼へと直行した。

が、

 

「………」

サッ(その場でしゃがみ込んだ)

「へ!?ちょ、ま」

(突然目標がなくなった焦りで止まれない)

 

ドンッ!!

 

「うぉあっ!?」

「ノイトラ!?」

 

ズダンッ!ガンッ!ゴッ!ゴンゴンゴンゴゴゴゴゴゴゴゴゴン…ドベシャァッ!

 

狙っていた角が視界から急になくなり、勢いが止まらないまま先に階下へと降り始めたノイトラの背中に直撃、ハウラはその反動で止まれたものの、突き飛ばされた彼はそのまま螺旋階段を転げ落ちて行った。

 

その所為で会議場に到着して早々東仙の説教が始まり、派手に落ちて気絶したノイトラが起きるまで、会議は始まらなかった。

 

「建造物内では低空飛行禁止だと、今まで散々、それこそ口が酸っぱくなる程言って来た筈だが?」

※前科XXXXX犯、東仙自身も数え切れない程被害に遭った。

「…だって、ちょうど見えたウルキオラの角に留まろうとしただけなのに避けたんだもん」

「人の所為にするんじゃない!」

「…さっさと変身を解かない貴様が悪い」

「ふん、あれしきの事で容易く落ちた奴が悪い。あれで十刃とは情けないのぅ。ハウラもハウラじゃ。こうならぬよう、儂が居る時は儂の肩か腕に留まれば良いものを…」

「だから、そうやってすぐ甘やかすなそこのジジイ」

「ふん、孫を擁護して何が悪い?」

「ハウラはアンタの孫じゃ無いだろ…ふぁ~あ」

「ナンデモイイカラ」「早く始めてくれないか?」

「…ってか、そろそろ起きねぇかなコイツ?」

 

東仙の説教は一度始まると長いのは周知の事実。

飛び起きたノイトラがハウラに詰め寄るまで続いた。

 

「大体貴様は「…っう…はっ!テメェ、ハウラ!!よくもやりやがったなぁ!?今日こそ刀のサビにしてやらぁ!!」なっ、おいノイトラ、今は私が「うるせぇ!」」

「…要、ノイトラ、今は怒りを収めてくれないかな?」

「…はっ、申し訳ありません」

「クソッ…」

 

流石に痺れを切らした藍染のストップで、漸く説教が終わった。

一応の罰として、ハウラにそれぞれが飲みたいお茶を淹れさせてから漸く会議が始まった。

 

「「「「侵入者?」」」」

「あぁ。要、例の映像を」

「はい」

 

テーブル上の装置に侵入者の映像が流れた。

 

「…虚夜宮の外じゃねぇか」

「…侵入前の映像だろう」

「あ、黒崎一護に茶渡泰虎だ。あと1人は確か…石田雨竜…だっけ?」

「何じゃ、侵入者というからどんな奴かと思えば…あの餓鬼共では無いか。しかも、この石田とやらはどんな童か知らぬが、どちらもハウラに真面な傷ひとつ負わせられぬ雑魚ではなかったかのぅ?」

※報告会の時、ハウラが指名された任務の結果が気になって参加してた。

「う~ん…流石に黒崎一護はこんな短期間で一気にレベルアップ!とかは無いと思うけど…茶渡泰虎はあれからずっと接触してないからなぁ…石田雨竜なんてマトモに会ってすらいないし…あ、ルヌガンガだ」

「…あれ如きに苦戦しておるとは…話にならんな」

「…氷?新手か?」

「…あの赤毛野郎と…誰だ?」

「あ~、黒崎の相手してたら助太刀に来た子だね。名前は確か…ルキアって呼ばれてたな」

「強ぇのか?」

「…う~ん…取り敢えず、氷雪系の能力持ちなのは確かだよ。強いかって言われると…微妙かな?あの白髪?の少年の方が強いと思う。霊圧は圧倒的に少年の方が上だし」

「ふ~ん」

「で?私達はどうすりゃイイのさ?」

「そうだね…」

 

藍染は、黒崎達と織姫は嘗てとある目的の為に旅禍として尸魂界へと侵入、その目的を果たして現世へと戻って行った者達である事を語った。

それを踏まえて過剰な迄の警戒は必要無いが、侮り過ぎれば足を掬われるだろうと締め括った。

その上で何時も通り行動してくれて構わないとも。

しかし…

 

「但し…うん、これはハウラが直接話した方が良いだろうね」

「んぁ?何を?」

「追加報酬の件だよ」

「「「「…追加報酬?」」」」

「あ~…了解。私さ、追加報酬としてココ、虚夜宮の空の全てを私のモノにしたいって交渉したのね」

「「「「はぁ!?」」」」

「…ほぅ?」

「もう既にOK貰ってるし、何なら契約書も新しく作ったから反論は聞かないし言わせないよ。だから、もし今後戦闘になった時に私の空を壊したなんて事があったら、ソイツの事絶対に許さないから。それこそ、地獄が生温く感じるくらいのお仕置きするよ。例え誰がやったとしても…ね?…そこんところ忘れないでね?」

(口調は物凄く軽やか且つ穏やかで、口元も笑んでいるが目が全く笑っていない)

 

何時に無いハウラの冗談抜き、本気の本気をしっかり感じ取った十刃達は静かに首肯した。

※バラガンは仕方のない孫じゃという表情で何度も頷いている。

 

「…私からは以上かな」

 

いつものヘラッとした表情に戻り、藍染に向き直った。

 

「そうかい?…ハウラがどんな子かは、皆良く知っているだろうから何も言わなくても解るだろう。…まぁ、身内に喰われて壊滅だけは無いように…ね」

「「「「「…はい(ふん)(ケッ)」」」」」

 

 

 

会議場を後に、それぞれ自宮に戻ろうと階段を上っている最中、ネリエルがハウラに聞いて来た。

 

「…ねぇハウラ。さっき言ってた追加報酬の事だけど…本当なの?」

「本当だよ。証拠ならハイ、契約書の写し。因みに控えは部屋に保管してるよ」

 

アッサリと写しを見せるハウラ。

彼女のおねだりやワガママは今に始まった事じゃない。

藍染としても、既にある虚夜宮の空を明け渡す事で、ハウラを戦力としてある程度動かせるのだから、安い取引だろう。

しかし…

 

「「「「「…マジか(本当なのね)」」」」」

「何さみんなして。疑ってたの?」

「空に関係する事は疑うだけムダなのは解ってるさ。ただ…」

「ただ?」

「報酬に現世の空を願わなかったのが意外だったってだけだ」

「え~?だって、好きに行き来出来る訳じゃない現世の空を報酬として欲しがるのはバカすぎるもん。だったら、ココの空を貰った方が確実じゃんか」

「「「「「………」」」」」

「何さ?」

「…そういうところはしっかり考えてるよなお前」

「え…寧ろ、何も考えないでただ藍染達に従ってる人にドン引きなんだけど」

「「「「「あぁ?(なっ!?)」」」」」

「あ、何も考えてないは間違ってるね、ゴメン。それぞれに理由があって従ってるもんね」

「「「「「………(ふん)(チッ)」」」」」

「でもさ、ココは藍染達にとって、目的を果たす為の仮拠点に過ぎないじゃん?」

「「「う…」」」

「…あのさ、仮にだけど藍染が欲しがってる王鍵が無事完成して、霊王宮に行けて霊王とやらを解放出来たとして、その後の事考えてる人ってこの中に居る?」

「「「それは…」」」

「「「「………」」」」

「…まぁ、霊王宮は勿論、霊王がどんななのかまでは知らないからその辺上手く想像出来ないのは私もだけどね。じゃあさ、藍染が目的を果たそうが果たせなかろうが、この戦いの後に藍染が此処に戻って来ると思う人は?」

「「いや…」」

「「「…ねぇな」」」

「目的が達成されれば、藍染様が新たな【世界】を構築されるだろう。しかし、そうでない場合は…」

 

全く想像出来ないが、万が一、藍染が死神達に敗北すれば良くて未来永劫囚われの身、最悪その場で処刑されるだろう予想はついたらしい。

みんな、口を閉ざした。

 

「あ、流石にそこは解ってるか」

「舐めてんのかテメェ」

 

余りにもあっけらかんとしてるハウラに思わずツッコむグリムジョー。

 

「何でさ。兎に角、私は藍染達が居なくなった後の事を考えて動いてるつもりだよって言いたいだけ。その準備も大体終わったし」

「「「…準備?」」」

「そうだよ。私はさ、確かに現世の空に焦がれてるけど、ココの空も大好きなんだ。だからね、この空を永久にする方法を考えてさ、それを実現出来る奴と契約したんだよね」

「それって…」

「テメェ…」

「みんなはこの後どうするかなんて私は知らないけどさ、言うだけならタダだし、この際全部ぶっちゃけちゃうとね、煩い東仙に藍染とは違う意味で何考えてるかよく解らない市丸、色々と計算して動いてる割に変なところで博打好きな藍染が居なくなった虚夜宮で、仲間と楽しくやって行きたいなぁ~って思ってるんだよね。その為に出来る事は全部やったつもりだよ」

「「「「「………」」」」」

「さてと、みんなの聞きたい事はもう無いみたいだし、そろそろ戻ろうっと…あ!忘れてた!」

「あぁ?」

「ハイコレ!従属官達の分も持ってってね」

 

そう言って何処から出したのか、大きな布袋の口を開いた。

 

「「「これは?」」」

「インカム」

「見りゃ解る。じゃなくて、どういうつもりなのか聞いてんだよ」

「コレでお互いに接触した敵の情報とかを共有出来るよ。因みに、チルッチ達で既にテストプレイ済み」

「…答えになってねぇよ」

「む~…あのさ、思ったんだけど、アーロニーロの認識同期ってさ、アーロニーロから一方的に情報が来るだけで不便じゃん。情報を制する者は世界を制するって言葉知らない?みんなの生存率上げる為には必要だと思ったんだよ。いらないならイイよ、あげないから」

「「「「「………」」」」」

(布袋から各々人数分取った)

「…ま、使う機会はねぇと思うけどな」

「折角、ハウラが用意してくれたんだ。ありがたくいただこう」

「ありがとう、ハウラ」

「全く、ハウラは心配症じゃのう」

「…ありがとな」

「…お節介は、何処ぞのメスとあの馬鹿だけで十分だっつの」

(ボソッ)

「…犬の分まで用意したのかよ」

※クッカプーロにはヘルメット型

「うん、仲間だもん!」

「ワレワレノブンマデ」「用意するとは…」

「………」

「取説はコレね。さてと、渡すモノは渡したし、今度こそ戻って姫に連絡しなきゃね。じゃあ、お互いに健闘を祈る!」

 

エセ敬礼をしたハウラは、ハヤブサに変身して自宮に戻って行った。

 

 

 

 

 

 

「たっだいま~!」

「「お帰り(なさい)」」

「何で呼ばれたの?」

「ん~?虚夜宮の端っこに侵入者だって。黒崎一護と茶渡康虎に石田雨竜の3人と赤いロン毛の男とルキアって名前の死神の2人で合計5人」

「え…」

「いやぁ~、愛されてるね姫は」

「何で…」

「そりゃ、姫が大事だからでしょ?どうでも良かったら動こうとすらしないでしょ普通。私だって、メノリに何かあったらなりふり構わず助けに行くもん」

「ハウラ…」

「………」

「…まぁ解ってると思うけど、彼等の所へは案内出来ないからね。もどかしいかもだけど、彼等が迎えに来るか、藍染の許可が下りるまでココで大人しくしててね。五体満足で彼等に会いたいなら…ね?」

(笑顔で牽制)

「…うん」

「じゃ、そろそろ夕食作らなきゃ。何作ろっかなぁ~」

 






ハウラ、自分が望む未来を手にする為に、皆が知らない間に思い付く限りの手を打っていた件。

ハウラと藍染の関係は、他の十刃とは違って恩義や確執は一切無い、ただのビジネスです。
なので、契約終了すればハイさよなら、何かあれば再契約しましょう。
そんな関係であるが故に、常に今後の事を考えて動かなければならないのです。







改めて原作との違い↓

ネリエルが追放されていない。つまり、敵対してる。
グリムジョーが一護と戦っていない為、執着心の欠片も無い。従属官達+ルピ生存。
バラガンがハウラとメノリに対して相当の爺馬鹿になってる。
ノイトラがNo.8のまま。
ザエルアポロが十刃になっていない。
ハウラが世話役になったので、ウルキオラと織姫の遣り取りはほぼ消失。
その代わり?何故かトマト栽培に目覚めたウルキオラ。
ハウラによってかなりの重傷を負った砕蜂。
ゾマリ退場済み。


…要所要所で違いすぎですね。
…さて、どうなる事やら。


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