願いが叶った私は心のままに飛び続けたい。   作:如月雪見

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原作を初っ端から色々とスキップで。

全ては〈藍染との約束〉と〈私の願い〉の為に。




転界結柱にちょっかいを

 

 

藍染達が山本元柳斎重國の斬魄刀の能力により炎の壁に閉じ込められた。

 

閉じ込められた藍染達はというと…

 

「うっひゃあ~、熱い熱い。相変わらず無茶しはりますなぁ、総隊長」

「藍染様…」

「どないしはります?藍染隊長」

「…あぁ、それで良いよ。うん、任せたよ」

 

藍染はインカムの相手に死神達への対応について確認し終えたらしく、此方を向いた。

 

「…話は終わりましたん?」

「あぁ、少なくとも彼等の半分以上の相手をせずに済むよう、努力してくれるそうだよ」

「…さいですか」

 

炎の壁の外、破面達はというと…

 

「さて…どうしたものかのぅ…」

「…どうもこうも無ぇだろ」

「藍染様に確認しながら行ってしまったからな…戻って来るのを待つか、次の連絡を待つしか無いだろう」

「解っておるわい…ふぅ…お転婆が過ぎて、怪我を負わねば良いが…」

「…アイツにそんな心配いるか?」

「ふん…孫の心配は当然じゃろうが」

「あ~、はいはい」

 

その場を動かず呑気に会話をする破面達を訝る護廷十三隊は、転界結柱を守っていた吉良イズルの霊圧が激しく乱れた事に驚愕した。

 

「「「「「なっ…!?」」」」」

 

彼の居る方角を見ると、吉良イズルの上半身が腰よりも少し上、妙な部分から前に折れ曲がり、両腕と思われる2本の棒がそれぞれ明後日の方向へと飛んで行くのが見えた。

 

「「「「吉良(副隊長)!?」」」」

「「「…莫迦な」」」

 

そして、転界結柱の上から投げ落とされた。

その直後、転界結柱の上から一直線に縦割れのヒビが数m程入った。

 

「…誰か居る!」

「誰だ!?」

「奴等には姿だけでなく霊圧も消せる奴が居るのか!?」

「くそっ!」

「拙い!〈回帰〉を止めろ!」

 

予想外の事態を前に、対処に追われる護廷十三隊を尻目に、何者かは次の獲物へと向かった。

そして… 

 

       ーはい、ひとりめー

         ーそしてー

       ーきみはふたりめー

 

檜佐木の耳に微かにだが、確かに声が聞こえた。

 

「…なっ!?」

 

ボギィィィィィ!!…グジャッッッ!!ブチィッ!!

 

「ごふぁっ…!?」

 

そして、檜佐木の意識は途絶えた。

 

「「「「「檜佐木(副隊長)!?」」」」」

 

檜佐木は真正面からしっかりと腰の部分を海老反り状に曲げられ、斬魄刀を手にした右肘をもがれ、胃の内容物と血を吐き出しながら転界結柱から真っ逆様に落とされた。

そしてほぼ同時に、転界結柱は真横から折れた。

 

「嘘だろ…!?」

「吉良だけでなく、檜佐木まで…!?」

「ってか、あの破壊力…」

「…まさか」

「「ハウラ!?」」

「「「なっ!?」」」

「嘘だろ!?」

「あっちに残ったんじゃなかったのかよ!?」

「あの子って、姿や霊圧を消せる能力が…!?」

「斑目!綾瀬川!」

 

焦って残る2人を見たが、身構えたまま周囲を探るものの、何の変化も無い。

 

「…どういうつもりだ?」

「流石に警戒されたから様子見を…?」

 

        ーちがうよ?ー

 

「「「「「っ!!」」」」」

 

咄嗟に声が聞こえた場所に日番谷と乱菊が刀を向けたが、空振りに終わった。

 

「お帰りなさ~い」

「怪我は無いかのぅ?」

「俺達の出番ちゃんと取っといてくれてんだよな?」

「来る前に言ったけど、出番独り占めは無しだからな!」

「ほれ飯、今のうちに食っとけ」

 

何も無い空間に向かって、顔に傷を持つ貫禄ある老人とその配下達が労いの言葉をかけたりしている。

今何処に居るのか漸く解ったものの、姿が確認出来ない上に他の破面達に囲まれている以上、死神達は下手に手出し出来ず、様子を見るしかない。

 

「何と卑怯な…!」

「正々堂々、真正面から向かってこんかい!」

 

   ー卑怯?正々堂々?ハッ(嘲笑)ー

 

「な…何がおかしい!?」

 

ーそっちだって、色んな道具使ってるじゃんか。あの下駄帽子とかさ。なのに、こっちが持ってる道具使うのは卑怯とか?何ソレ?おかしくな~い?ホ~ント、マジで意味解んないんだけどぉ?ー

 

ハウラが身に着けているのは、浦原や藍染達が嘗て使用した霊圧を完全に遮断するマントを改良したON/OFF機能付きボディースーツと、ウルキオラが織姫を連れて来る時に用意した同胞である破面にしか認識出来なくなるブレスレット(此方も物質の通り抜けON/OFF機能付き)である。

ハウラからして見れば、敵から身を守り、敵を倒す為に手元に有る物を使って何が悪いのか。

寧ろ、此方のメンバー全員に揃えていない分、十分ハンデを与えているとすら考えているくらいだ。

 

「…御託は良い…姿を見せぬならそれでも構わぬ」

「「「…総隊長?」」」

「全員纏めて焼き尽くしてくれるわ!」

 

      ーう~わ、野蛮で脳筋~ー

 

カチッ…ズドドドォォォン!!

ヒュッ…ズドドムッ!!

 

「うぐぁっ!?」

「かはっ…!?」

 

「「「「「なっ!?」」」」」

「「「斑目(三席)!?綾瀬川(五席)!?」」」

 

斑目と綾瀬川が守護している転界結柱が突然爆発した。

しかもただの爆発では無い。

爆発と同時にこの距離からもわかる巨大な拳(メリケンサック付き)が現れ、2人を勢い良く殴ったのが見えた。

その余りの威力に2人は殴られた箇所が複雑骨折し、更には吐血しながら吹き飛び、転界結柱が破損して〈回帰〉が開始された。

 

「「「くそっ!」」」

「「「何時の間に…!?」」」

「予備を!急げ!!」

 

   ーはい、みっつめ、よっつめ、とー

 ーあれぇ?予備はあと何個あるのかなぁ?ー

 

「…参ったねぇ、こりゃ」

 

破面にこんな手段を堂々と使う者が居るとは思ってもいなかったらしい。

 

     ーふぅ、ご馳走さまー

   ーさて、次はどうしよっかなぁー

 

次の瞬間、狛村が何かに反応して刀を振るった。

 

     ーっとぉ!?あっぶなぁ!ー

 

「…外したか」

 

 ーあ~ぁ、流石は犬の嗅覚、侮れないなぁー

 

ハウラがつい先程食べたのはサンドイッチセットにカフェラテ。

匂い消しのパセリもしっかり食べたが、それが裏目に出たらしい。

直ぐ傍で呼吸をされないと人は中々気付けないだろうが、狛村の嗅覚はしっかりと感知したらしい。

 

「ハウラは儂に任されよ!皆は」

 

         ーチッー

 

ヒュッ…バシャッ!

 

「っふぐぁっ!?げふぉっ!ごふぉっ!がはぁっ!あぁっ!!ああぁぁぁぁ―――!!」

「「「狛村隊長!?」」」

 

シュボッ…ズドンッ!!ボギャキャッ!!ブチィッ!!

 

「ごぶっ…ああぁぁぁぁ!?」

「「「射場副隊長!?」」」

 

ゲシッ!!………ドンッ!!

 

「ぐぅっ!!」

「…こ、狛…村隊、長…げぶっ!げぼっ…がっ…」

「う、うぐぅ…わ、儂は大、丈夫、だ…鉄左衛門、お主こそ…」

「…ごほっ…はっ…はっ…はぁ…な、何のこれしきぃ…左、腕さ、えありゃあ、何、とでも…ぐぅっ…」

 

ハウラは舌打ちと共に狛村の鼻っ面に何かの液体(純正薄荷オイルと超濃縮レモンに3倍濃縮酢を使ったハウラ特製ブレンド、乾燥ハーブもたっぷり入れて)をぶっ掛けて悶絶させ、響転で〈回帰〉を止めた射場に接近、鳩尾に一発入れて数m後退させ、更に後ろへ回り込んで左腕の肩と肘の関節を外し、右腕をもぎ取ってから狛村へと蹴飛ばした。

 

ーあ~ぁ、も~ちょい数減らしたかったんだけどなぁ…みんなももうガマン出来ないみたいだし、仕方ないかぁー

 

そう言いながらもいだ右腕を明後日の方向に放り投げ、装置をOFFにして姿を現した。

 

「…漸く姿を見せたな」

「あらら…中々可愛いじゃないの」

「京楽?」

「…でも本当、あの華奢な身体の何処にあんな力があるんだかねぇ?やってる事相当エグいし」

「…まぁ、破面は見た目で判断出来ないからな」

「…随分、巫山戯た真似をする小娘じゃのう…」

 

初っ端から手痛い攻撃を受けて、既に戦線復帰が難しい吉良、檜佐木、斑目、綾瀬川に嗅覚をやられた狛村、利き腕をもぎ取られて重傷の射場、そしてもう予備が心許ない転界結柱。

正直言って、絶体絶命に等しい状況だろう。

 

「仕置きじゃ、儂が直々に相手をしてやろう」

「ヤダね!」

「逃がさぬ!」

 

ビュゴッ…ガキィィィン!!

 

「ぬぅ…!?」

「儂の可愛い孫に何をするつもりじゃ?この糞爺!」

「「「「「「かっ…閣下!?」」」」」」

 

趣味が良いとは言えない椅子に座っていた老人が、何時の間にか巨大な戦斧で山本元柳斎重國の刃を防ぎつつ、彼の前に立ち塞がった。

 

「孫…?ほぉ…孫ならば、愛でるだけでなくきちんと躾をせんか、この馬鹿爺が!」

「フン!何を言うかと思えば!他者に従順なハウラなどハウラに非ず!天真爛漫大いに結構!自由気ままに周りを振り回して心の底から笑っておるのが可愛いんじゃろうが!!」

 

…何言ってんだ(の)、この(お)爺さん?

 

間違い無くこの場に居る死神達はそう思っただろう。

後方でも何気にハウラ以外の同胞達の大半が、微妙な表情を浮かべながら目をそらしている。

 

「…その甘やかしが、あのような傍若無人を増長させ、助長しておるのだという事を、骨の髄まで叩き込んでくれるわ!」

「フン!それこそ余計な世話!無用の長物よ!熨斗付けて叩き返してやろうぞ!」

 

何にせよ、ハウラのやりたいようにやらせた結果、爺対決が勃発した。

 

 

 






この先もハウラは出しゃばり続けます。
仲間を失いたく無いので。
死神同士のいざこざが終われば、本来の虚夜宮での生活に戻れるのだから。
大好きな空を飛びつつ、仲間達との賑やかな毎日を願う彼女は何でもやりますよ。
それこそオサレなんて求めない、卑怯上等、血生臭かろうが、泥臭かろうが、何だってやりますよ。
藍染との〈約束〉を守りつつ、自身の〈願い〉を叶える為の戦い開始です。












※本当に余談※
ハウラはノイトラ自身を嫌っていますが、彼の戦争論については一定の理解を示しています。
決して間違ってはいませんから。
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