ハウラの存在がもたらした変化。
転界結柱と死神達が大ピンチ。
そして、 爺VS爺勃発。
互いの得物を激しくぶつけ合う爺達を尻目に、ハウラは他の面子に提案した。
「お爺ちゃんがあっちの親玉の対応してる間に、こっちは残りの連中やっちゃわない?」
「「「「おい!」」」」
「「「何仕切ってんだ(の)よ!」」」
「「「命令するな!」」」
「…命令じゃなくて提案しただけなんだけど?それにさ、お爺ちゃんの加勢に行きたいなら、アイツ等をどうにかしないとなのは確定してるのに?」
「「「「「…クソッ(ン、もぅ)!!」」」」」
ハウラのごもっともな返しに悪態を吐きながら、アビラマ達は転界結柱の防衛で手一杯の死神達に向かった。
そして、ハウラはというと…
…あの中で1番厄介そうなのはアイツ
…でも先にあっちをやっといた方がイイかも
…よ~し!
「アンタに決めた!!」
「うぉっと!?」
「「「浮竹(隊長)!?」」」
ガギィン!ガッ!ガガッ!ガギギィィィン!!
「兎に角、頭数減らしたいんだよ…ねっ!」
「くっ、くぅっ!うぁっ…ぐあぁぁっ!!」
「「「浮竹(隊長)!?」」」
ガキィッ!!ザシュッ!!
反撃を許さず、お得意のスピードと怪力で攻め立て、浮竹の左腕を切り落とす事は出来なかったものの、かなりの深手を負わせる事に成功した。
「そのまま寝てて…っ!チッ!!」
ドゴッ!!シュボァッ!!
ハウラが何かに反応し、浮竹を蹴飛ばして明後日の方へと向かった。
「ぐぁっ!?…ごぼっ、うっ、げほっ、げほげほっ…」
「「「浮竹(隊長)!」」」
「だ、大丈夫だ…しかし、一体何が…?き、君達は…!?」
浮竹は脇腹を勢い良く蹴られ、吹き飛ばされたその場で蹲りながら吐血した。
明らかに不機嫌になったハウラの視線の先には、浮竹と京楽にとって懐かしい顔触れ達が居た。
101年前、藍染の実験によって虚化させられ、現世に逃げ延びた平子達である。
彼等は空座町と隣町の境目に来たものの、関係者以外が入れないように張られた〈結界〉を前にどうするか相談していたところで雀部長次朗と遭遇、中がどうなっているのか簡易的な説明を受けながら入って来た。
まぁ、勿論ハウラは気付いていたものの、狛村に邪魔されて行けないからと後回しにしたのだが。
彼等の行動を見過ごせなくなり、浮竹を仕留めず深手を負わせる程度に留めたのである。
「どうやって入ったのか知んないけどさぁ…邪魔なんだけど?平子のオジサンと…UMA達」
「誰がUMAや!」
「ちょい黙っときひよ里…すまんなぁ、お嬢ちゃん。こっから先は通行止「虚閃」」
ヒュゴォォォ………ドオォォォォォン!!
藍染との〈約束〉の邪魔をされてかなりご立腹のハウラは容赦が無かった。
「「うぉあぁぁぁぁぁ!?」」
「「あっぶなぁ!!」」
「何すんのやお嬢ちゃん!?」
「それはこっちのセリフ。邪魔だって言ってるでしょ?しかも、折角無力化した連中回収して何する気さ?治療とかされたら迷惑だし、最悪なんだけど?…っ見付けた!」
「行かさへんで!」
「邪 魔 だ っ て 言 っ て る で しょ ? そ の 耳 は ちゃ ん と 機 能 し て る の か なぁ ?」
ヒュッ…ガシッ、ブチブチィッ!!…ポイッ
「っあああぁぁぁぁ!!」
「「「ひよ里!?」」」
「五月蝿い」
「ごぶっ…!」
ドゴォッ!!…パシッ!ダンッ!
得物を天高くに投げたと思いきや、追い掛けたひよ里の両耳を遠慮無く引き千切って放り投げた。
両耳があった箇所を両手で押さえ、激痛に叫ぶひよ里を鬱陶しげに見遣り、下腹部を殴り飛ばして落ちて来た得物を手に目的地へと向かった。
「ひよ里!」
「ごふっ…あ…ぐぅっ…げほっ…はっ…はぁ…」
殴り飛ばされた衝撃に耐え切れず、吐血するひよ里を回収した平子は、ハウラが〈とある場所〉へと向かっているのが見えた。
「アカン!ラブと拳西が!!」
「任せて!白のぉ~!スーパー瞬歩!!」
仮面を被った白が真正面に回り込んで来たのを見たハウラの表情が【無】になった。
ハウラの纏った気配が変わった事に気付き、嫌な予感がした平子とリサが声を上げた。
「っアカン!」
「待ちや、白!」
「白のスーパーキィィィッッック!」
ヒュッ…ザシュ!!
白の蹴りに合わせて得物の鉈を鋭く一閃、右足の膝下を斬り落とした。
「ったぁぁぁぁぁ!?」
「し つ こ い し、 五 月 蝿 い」
ハウラは痛がる白の右肩と頭頂部にそっと手を置いて…首を約180°回した。
ゴギィィィィィン!!ブチブチィッ!!
「かはっ!?」
「白!?」
ブンッ…ドォンッ!!
流石の白も、首の可動域を無視しての無理矢理な捻りに耐え切れず糸の切れた人形のようにハウラに腕を掴まれて宙に浮いている状態になったのを、ハウラはそのまま地面に投げ飛ばした。
「あぁ、 ウ ザ かっ た」
ヒュッ…タタタッ…トンッ
【無】の表情のままのハウラは、無機質な声でそう呟いて本来の目標へと向かった。
「待てや!!」
白は完全に意識を失っている。
そしてハウラはまた霊圧遮断装置をONにした。
フッ…
「くそっ!」
「って、アイツの霊圧が!?」
「何処に…!?」
「…っ!」
再びハウラの霊圧を感じられた瞬間には、自分達にとって〈行って欲しくない場所〉へと虚弾を撃ち込みながら急降下して行くハウラが居た。
「何時の間に!?」
「くそっ!距離が!」
自分達〈仮面の軍勢〉にしか認識出来ない特殊な〈結界〉へと、一先ず吉良を回収したラブと拳西が向かっている先に虚弾を撃ち込み、行く手を妨害するハウラが急降下して来た。
「っ速い!?」
「くそっ!吹っ「邪魔」がはっ!」
あっという間に距離を詰めたハウラは裏拳で拳西を殴り飛ばし、ラブから吉良を奪ったついでに虚弾で牽制しつつ、そのまま急上昇、更に〈結界〉に向かって虚閃を放ってから逃亡した。
幸いにも〈結界〉への直撃は無かったものの、ハッチは〈結界〉の張り直し、更に重ね掛けの強化を施す事で予想以上の消耗をさせられた。
「くそっ!」
「拳西!先にひよ里と白を頼むわ!」
「アイツは俺達が追う!ラブには手負いの2人の所(狛村と射場)の応援行ったれや!」
「おぅ!」
「解った!」
漸く見付けた負傷者を結界まで後少しのところで奪われたものの、新たな負傷者を頼まれ拳西はハッチの結界へ、ラブは狛村の所へと移動を開始した。
ハウラは適当なビルの中に吉良を放り投げ、そこで手鞠寿司を頬張り、お茶を啜りながら状況把握をした。
…あのお爺ちゃんが手子摺るなんて
…あっちの親玉、歴代最強は伊達じゃないか
…う~ん、お爺ちゃんの従属官達だけとは言え、あの犬とグラサン予想以上に粘ってるなぁ
…てか、何あの巨大鎧?
…しかもあの変なアフロが加勢に行っちゃったかぁ
…あの少年と巨乳、ハリベル達相手に善戦してるし
…う~わ、あの少年ってば、装置丸ごと凍らせちゃったよぉ
…あれをどうにかするのはかなり面倒くさそうだなぁ
…ってかあの3人、さっさと帰刃してあのキメラ出せば良いのに、何で出さないのさ?
…スタークはあの1番厄介そうなのとやり合ってる
…あの白髪と交代した金髪ワカメは多分、平子のオジサンの仲間だよね、同じ気配がするし
…今は私が残りのオジサン達を惹き付けてるけど
…あの2人が何時回復して参戦して来るか
…それまでにどうにかしなきゃヤバいよね
…う~ん、出来ればこれ以上手の内は見せずに済ませたかったなぁ
「…仕方ない、か」
インカムで戦闘中の全員に声をかけた。
「あのさ、予定外の横槍の所為でこれ以上は消耗戦、グダグダのジリ貧になる可能性が出て来たと思うんだよねぇ」
「…で、私さぁ本当はしたくなかったけど、藍染との〈約束〉は絶対に破りたくないから帰刃する事にしたからさ」
ー足、引っ張らないでね?ー
………………ゾワァッ………………
ゴクリ
誰かの息を呑む音が聞こえた。
…ヤバい
…ヤバいなんてもんじゃねぇだろ
…ハウラの機嫌は限り無く地の底に落ちてるぜ
…ヤらなきゃヤられる
…死神なんかにとか言ってたら終わりだ
…本気、出さなきゃね
「おい…」
「「「「「解ってる(わ)」」」」」
「…?」
「何じゃ?」
「…何をする気だ?」
…今の声音、あの時のと同じじゃね?
…あぁ、間違い無いね
…もう次は無いのですわよ、私達
「…真面目に終わりにしようぜ」
「「同感だ(ですわ)」」
「…何の事かしら?」
…ハウラの機嫌が悪くなった原因は奴等か
…早く加勢に行かねばな
「その為に…終わらせる」
「…何?」
…ハウラめ、やる気満々じゃのぅ
「…儂も負けてはおれんのぅ」
「む…?」
…仲間を失いたくないのは俺達も同じだしな
「…本気、出すか。リリネット!」
「解ってるよ!」
「え?」
破面達の雰囲気が変わった。
そして…我先にと競い合うように帰刃した。
「煌めけ《宮廷薔薇園ノ美女王》」
「頂を削れ《空戦鷲》」
「水面に刻め《蟹刀流断》」
「気吹け《巨腕鯨》」
「踏み潰せ《巨象兵》」
「喰いちぎれ《虎牙迅風》」
「突き上げろ《碧鹿闘女》」
「喰い散らせ《金獅子将》」
「絞め殺せ《白蛇姫》」
「討て《皇鮫后》」
「朽ちろ《髑髏大帝》」
「蹴散らせ《群狼》」
帰刃する為に、地面に降りたハウラは、首を傾げた。
「ありょ?どしたんだろみんな?何かいきなりやる気満々だなぁ」
どうやら、自分の口調は兎も角、声音が無機質なままなのに気付いていないらしい。
その所為で皆(特に従属官達)が戦々恐々としている事にも。
「まぁいっか。さてと…」
突然、破面達が帰刃した事に動揺している死神達と平子達を尻目に、ハウラは得物を手に、鞘は地面に突き刺して固定した。
そして…
ー焦がれろ《黒羽飛天》ー
解号を口にした。
次回、ハウラの真の能力は…。
書いてて混乱して来たので、状況確認↓
前回、ハウラによって転界結柱破損、それぞれの守り手重体により戦線離脱。
ハウラ、浮竹の左腕切って重傷を負わせる。
雛森と平子達参戦。
拳西、ラブが怪我人の回収、ハッチの結界へ。
雛森が鬼道の達人と知り、ハッチの助手に。
ハッチ、回復役として現世で使用していたのと同じ結界の中で雛森と待機中。
ローズが浮竹の代わりに転界結柱の守護に。
残りのメンバーがハウラの相手に。
しかし、早々にひよ里、白が負傷、戦線離脱。
ハウラ、拳西とラブの作業を妨害、吉良を奪還してビルに隠した。
虚化出来る平子達相手では、同胞のみが認識出来るブレスレットの効果は薄い為、霊圧遮断のボディースーツ頼みになってしまった。
そして、他の破面達が予想以上に苦戦しているのに加えてラブまで加勢したのを見て、今後の事を考えて温存していた帰刃をする事に決めた。
キレた(と判断された)ハウラの八つ当たりを回避するもしくはハウラへの加勢の為に、他の破面達も帰刃をする事に。