願いが叶った私は心のままに飛び続けたい。   作:如月雪見

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前回、ヤミーの思い込みによる暴走を、黒崎一護の死を偽装する事で止める事に成功した。


虚夜宮に戻ろうとしたら、予想外の攻撃をされてハウラは軽傷を負い、黒崎一護は胸を貫かれて倒れた。

もうひと悶着確定。


収束

 

 

「「ハウラ!」」

「私は大丈夫、掠っただけだから。それより」

「黒崎君!黒崎君しっかりして!今、今治すから!」

「「「危ない!」」」

 

バッ!!

 

「きゃっ!?」

 

チュインッ!チュインッ!チュインッ!

 

「ちょ、コレ…!」

「虚夜宮の侵入防止の装置が暴走しているな」

「何やってんのさ!?ザエルアポロ!」

『はなせテスラ!』

『すみませんノイトラ様、ご容赦を!』

『そのまま抑えてろ!いい加減、大人しくしろこのクソガキ!』

『がっ…』

 

ドサッ…カタカタカタ、タンッ!

 

『はぁ~、はぁ~…済まないね。今解除したよ』

「…何があったのさ?」

 

ザエルアポロによる事の経緯は以下の通り。

テスラが幼児化したノイトラをザエルアポロの研究所に運んで来たから状態を診た。

両脚を斬られた後も暴れた影響で、体液と共に漏れ出た霊圧が多過ぎて、肉体の崩壊を避ける為に縮小したのだろうと推測、詳細を調べる為に体細胞を採取、分析して処置をした。

その後ヤミーと黒崎の戦闘が始まり、ハウラ達が止めに入った頃にノイトラは目を覚ました。

暫しボ~ッとしていたと思いきや、ハウラと黒崎がモニターに映った途端、突然暴れ出した。

身体と同じく縮んだ得物を振り回し、モニターを破壊しようとしたので2人がかりで止めようとしたが、体格差があり過ぎて中々捕まえられず、その間にノイトラの得物が装置のボタンに何度もぶつかり、その所為で電源が入り、引き金が引かれた。

運悪く、その誤射が黒崎の胸を貫き、ハウラの左肩を掠めた。

 

「…あのカマキリ、余計な事を!」

「〈双天帰盾〉っきゃあ!?…っ何で!?どうして!?」

「「「どしたの姫?」」」

「手当てしたいのに、傷が…傷が〈双天帰盾〉を拒んでる!」

「「「「「「はぁ!?」」」」」」

「どういう事だ?」

「解らない、解らないよ!こんな事今まで一度も無かったのに!」

 

 

 

 

一護Side

 

…一体、何が起きたんだ?

…何で俺は倒れてるんだ?

…俺はただ仲間を

…井上を取り戻したいだけなのに

…井上の声が聞こえる

…なにがどゥナッテルンダ?

…ナニモワカラナイ

…トニカクオキナキャ

…オイ、ウゴケヨ

…ウゴケウゴケウゴケウゴケウゴケウゴケウゴケウゴケウゴケウゴケウゴケウゴケウゴケウゴケウゴケウゴケウゴケウゴケウゴケウゴケウゴケヨ!!

 

        ド…クンッ!!

 

…ナンダ!?

 

       ドッ…クンッ!!!

 

…ナンダヨコレ!?

 

      ドッッ…クンッ!!!!

 

…ッ!?

 

 

 

全身に強い衝撃が駆け抜け、俺の意識は途絶えた。

 

SideEnd

 

 

 

        ゾクゥッッッ

 

 

 

何故か織姫の手当てを受け付けない黒崎から、言いようの無い怖気が、狼狽える織姫以外の全員に走った。

 

「「「「「「「「…!」」」」」」」」

「「「離れて!!」」」

「きゃ…」

 

     -ガァァァァァァァァ!!!-

 

        ゴォアッ!!

 

「「きゃあっ!?」」

「「「「「姫/メノリ!!」」」」」

「「「「「「「「…っ!?」」」」」」」」

 

凄まじい雄叫びと共に勢い良く立ち上がった黒崎に、みんな息を呑んだ。

つい先程のヤミーとの戦いで虚化した時とは違う2本の角が生えた仮面、腰まで一気に伸びた髪、病的なまでに白くなった肌、異様に伸びた手足の爪、貫通して開いたままの胸の穴…。

明らかに人間じゃない、虚に酷似した姿へと変貌した彼から皆が距離を取り、警戒した瞬間。

仮面の角の先端に霊圧を溜め始めた。

その姿勢はどう見ても虚が虚閃を放つソレであり、その角の先にあるのは虚夜宮である。

 

…まさか、虚夜宮を!?

…私の空を壊すなんて

 

「ダメ――――――――――――!!」

 

咄嗟に〈地〉にある〈渦〉を掻き集めて彼の虚閃が直撃するであろう虚夜宮の壁に設置した。

 

      ドオオォォォォォン!!!

 

「くぅぅぅっ…!!」

 

      ドドオオォォォォン!!!

 

「「きゃあぁぁぁ!?」」

「「「「「「「…っ!!」」」」」」」

「「「ぐぅっ…!」」」

 

放たれた虚閃を〈地〉の〈渦〉に何とか全て収納し、自分達から最も遠い〈天〉の〈渦〉から収納した虚閃を放出した。

その威力にハウラの頬が引き攣り、ウルキオラとバラガンも押し黙った。

 

「…っう、嘘でしょ?私の〈渦〉が…」

「「…っ」」

 

ハウラが重ねた〈渦〉のうち収納に使用したひとつが原形を失ってグニャリと歪み、それを放出した〈渦〉も、その威力に形を保ち切れず崩壊した。

つまり彼の虚閃は、ハウラが空座町(レプリカ)で放ったあの〈黒い虚閃〉なんて比較にならない、文字通りケタ違いのモノである事を示した。

 

…あんなモノが虚夜宮に直撃したらヤバイなんてもんじゃない!

 

「お爺ちゃん、ウルキオラ!」

「「解ってる(おる)」」

「お前等はメノリ達と避難せぃ。間違っても奴には近付くでないぞ」

「「「「「「はっ!」」」」」」

 

従属官達はバラガンの命令に深く頭を下げて、メノリと護衛2人を囲みながら、巻き込まれる可能性の低い場所へと移動を始めた。

 

「黒崎くん!!」

「行っちゃダメ!!」

「今のアイツ見たら解るでしょ!?」 

「下手に近寄ったら肉片にされちゃうよ!」

「っでも…!」

「〈本体〉とウルキオラとお爺ちゃんがどうにかするまでは近付けられないの!お願いだから聞き分けて!」

「…っ…うん…」

「「「…ゴメンね」」」

 

ヤミーとクッカプーロもザエルアポロによって無事に回収され、全員が避難をしたのを確認した3人は、黒崎の暴走を止める方法を模索しようとした。

 

が、

 

今の攻防で虚夜宮を破壊するにはハウラの〈渦〉が邪魔と判断したらしく、黒崎は標的をハウラに変えて襲い掛かって来た。

 

「ちょっ!」

 

帰刃してスピードに磨きがかかったハウラに、斬撃を飛ばしながら付いて来る黒崎の様子から、恐らく内包する虚に心身を乗っ取られていると推測。

その上で、虚夜宮に再びあの虚閃を撃たせる訳にはいかない、ハウラに釘付けになっている間に、あの角をどうにかするのが最優先と3人は判断した。

 

しかし…

 

「…っこれ以上のデバフは無理っぽいよ!!しかも、私の移動範囲と回避パターンを把握してきてるかも!このままじゃヤバイ!!」

※帰刃中のハウラは〈渦〉がある範囲内のみ移動可能。〈渦〉の位置をその都度移動、操作しないと移動範囲を広げられない。

 

ハウラはコンディシオン《レンタ/鈍重》《デビリダ・ムスクラール/筋力低下》《デテリオロ・コグニティーボ/認識力低下》《ペルディダ・デ・カパシダッド/能力低下》をそれぞれ付与した羽根を重ね掛けした《バラェラ/障壁》に混入して黒崎にぶつけ、自身には《アクセララール/加速》を付与し、響転も駆使して逃げ続けるが、これだけのデバフをかけても、虚の本能で動いているだろう彼との距離はどうにか10数m開いただけで、どう頑張っても補給は出来ても反撃までは出来ない。

 

「十分だ」

「兎に角、今は回避と補給に専念せぃ」

「っうん!」

 

ハウラに《アクセララール》に《アウメント・デ・フエルサ/筋力増加》《アウメント・デ・カパシダッド/能力上昇》を付与して貰ったウルキオラが響転で割り込み、黒崎を抑え込んだ。

 

     -ガァァァァァァァァ!!!-

 

「っ、喚くな」

「五月蝿いのぅ」

 

尚も暴れる黒崎に響転で接近したバラガンは《セネスセンシア》をかけて、更にその動きを鈍くさせた。

3人がかりで漸くその場に拘束する事に成功した。

 

そして

 

「ゴメンね~!ちょっとその角切るだけだから…さ!」

 

枝切り鋏を手にしたハウラが、黒崎の角の片方に刃を当てて勢い良く閉じ

 

ガキィィィィン…パキッ!!

 

「っえ?何コレ!?硬っ!!」

「「何っ…!?」」

 

れなかった。

 

     -ガァァァァァァァァ!!!-

 

「くっ…!このっ…!」

 

枝切り鋏が刃こぼれした事に驚くハウラに、敵意剥き出しの黒崎がウルキオラを振り払おうと再び暴れ出した。

 

「暴れるでないわ小童!いい加減、観念せい!」

 

聞き分けの無い子どもを叱るかのように怒鳴ったバラガンが、《セネスセンシア》を纏った右手で、ハウラが切断しようとした角を思いっ切り掴んだ。

 

     -ガァァァァァァァァ!?-

 

急速にボロボロになっていく角からバラガンの手を振り払おうと藻掻く黒崎に、ハウラは新しく生成したより頑強な枝切り鋏を当て直した。

 

「ナイスお爺ちゃん!!今度こそ!!」

 

そして、漸く角を切り落とす事に成功した。

 

バキンッ…!!

 

     -ギャァァァァァァァァ!?-

 

       バリィィィィン!!

 

断末魔にも似た絶叫と共に仮面が割れた。

そして、肌の色、腰まで伸びた髪、手足の爪が元に戻り、ウルキオラに向かって倒れ込んだ。

 

「「「…ふぅ」」」

「ハウラ!」

「「「「「「閣下!」」」」」」

「黒崎君!」

 

ハウラ達は元の姿に戻った黒崎が再び暴走しないか警戒しつつ、刺激しないようそっと降りて来た。

 

「黒崎君!」

 

  ギュアッ!ヒュッ…シュン…

 

横たえた黒崎の胸の穴が綺麗に消えた。

 

「…む、胸の穴が…え?」

「多分、虚の超速再生が働いたんだと思うよ」

「…って事は…」

 

ガバアッ!

 

「ひゃっ!?」

「…井上?…俺は…一体?…何があったんだ…?」

「目ぇ覚めた?とりあえず何があったか説明するね」

 

  ~かくかくしかじかこれこれうまうま~

 

「…虚夜宮を…俺が…!?」

「まぁ未遂だし。完全に不慮の事故だからね、今回は許すも許さないも無いよ。後は…さっきかけたデバフを全解除しないとね。コンディシオン《カンセラシオン/取消》っと…これでヨシ!」

 

とてもイイ笑顔で状況を説明したハウラに、顔面蒼白になった黒崎を安心させる為のフォローをした。

 

「さて、今度こそ中に戻ろっか」

 

 

 

虚夜宮に戻って来て早々、ハウラとそのコピー達にウルキオラそしてバラガンは、グリムジョーが更木剣八に負けたのを感知した。

 

「あ~…やっぱりかぁ~」

「当然の帰結だろう」

「まぁね、あの藍染が戦闘を避けるくらいだもんね」

「フン、これであの小僧も身の程を知って少しは大人しくなろう」

「それはどうだろうね?ケガが治るまでは大人しいかもだけど、治ったらまた元気に挑んで来そうだよ?」

「…違いないな…フン」

「他はどうなってるかなぁ~?」

 

ネリエルに任せた茶渡達は、合流した朽木白哉と共にお茶とお菓子でおもてなしを受けている最中。

卯の花烈と虎徹勇音は少し前にゴールしたらしい。

涅マユリはスタートへの転移を何度も繰り返すうちに、装置がついに誤作動を起こし、どういう訳かザエルアポロのゴミ箱(ジャンク部屋)へ行ってしまい、そこのゴミを漁っては彼にとって価値のあるモノをドンドン回収している最中らしい。

 

「…取り敢えず、虚夜宮の事は俺に任せて、お前は藍染様からのお使いを完遂しろ」

「…そだね。お言葉に甘えるとするよ。とりあえず、頼まれた物取りに行かなきゃね…っと、その間に黒崎を診たいならどうぞ?えっと…卯の花さん…だっけ?」

「「なっ(えっ)…!?」」

「お気遣い痛み入ります」

 

直ぐ傍の物陰から副官の虎徹勇音を連れて、卯の花烈が出て来た。

 

「黒崎には万全の状態で行って貰いたいからね。それが藍染からの頼み事のひとつだからさ。ね?メノリ!」

「ちょ、ハウひゃあっ!?」

 

ヒュバッ!!

 

メノリに抱き付いたその瞬間、ハウラが姿を消した。

恐らく、頼まれ物を取りに行ったのだろう。

 

相変わらず、自由奔放な奴である。

 






取り敢えず此処まで。

次回は再び現世(空座町のレプリカ)へ。



ハウラが居る事で起きた変更点。

ショタ化したノイトラの所為で一護の胸に穴が開き、暴走状態に。

ハウラ、ウルキオラ、バラガンが共闘して何とか黒崎一護を鎮静させた。
よって、ウルキオラが刀剣解放・第2階層を見せずに終わった。



虚夜宮の現状確認。

グリムジョーVS更木剣八、当然ながら剣八の勝利。
グリムジョーは当面、ベッド生活決定。
朽木白哉は、ネリエルの説明(あくまで茶渡達は死神達の問題に巻き込まれた被害者達として、争いが終わり次第現世に戻す予定である事)を一先ず受け入れ、警戒しつつもルキア達と共におもてなしを受けている。
卯の花烈と虎徹勇音は黒崎一護の手当てと診察を。
消耗した霊圧の回復等を2人がかりでやる事で、時短治療が出来た。
マユリ様は、そろそろご機嫌取りしないとヤバそうなので、取り敢えずザエルアポロのゴミ箱部屋へ行って貰いました。
彼ならば、どんなゴミも上手く再利用してしまいそうですので良いかなと。

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