ハウラが藍染のお使いの為に虚夜宮に戻ってからの空座町(レプリカ)の様子を書いてみた。
ハウラがお使いから戻って来るまでの藍染達と死神達+平子の遣り取りは?
先ずは、山本元柳斎の体力温存と、確実に藍染を仕留める為の準備が出来るまでの時間稼ぎとして彼以外の動けるメンバーが行動開始。
VS東仙。
スターク達に監視されていた檜佐木の目的が東仙の説得と知り、藍染の邪魔をしない条件で彼の好きにさせた。
勝手な事をしたとアパッチ達に責められるスターク。
仲間を失う事を誰よりも恐れている自分と彼を重ねてしまった事を認めた上で、
「アイツが加勢したからって、藍染様がやられる訳無いだろう」
と言ったら、全員納得して黙った。
その後は原作通り、東仙は檜佐木の風死に喉を貫かれて倒された。
そして…
狛村達との会話の最中、約束通り藍染が東仙を手に掛けた。
「あ~!あぅぁ~あ!」
「ちょ、落ち着いてよ」
「う″~!!」
「あ~、もう」
「どうする?」
「…仕方ない、《コレ》使うか」
東仙の死に取り乱すワンダーを宥める為に、仕方なくコピー(赤)はハウラから預かっていた小さな《雫型の黒い水晶》を東仙の血溜まりに放り投げた。
「「イイの?」」
「ワンダーの為なら〈本体〉も仕方ないって言ってくれるでしょ。きっと、多分…」
東仙の残滓を全て吸収した《雫型の黒い水晶》は、ウズラの卵サイズの《黒い石》になり、ソレを放り投げたコピー(赤)の手に戻って来た。
「…にしても…まさか、〈本体〉は勿論、私達も大嫌いな東仙に《コレ》を使う事になるなんて、ね」
「「ね」」
「あぅ~?」
「ん?何でもないよ?今は藍染達の方に集中しないと、ね?」
《黒い石》を懐に入れたコピー(赤)は藍染の方へと目を向けた。
VS市丸。
他の隊長達よりも真っ先に始解して藍染に斬り掛かった平子、能力を直ぐに把握した彼に返り討ちにされた。
それでも尚、藍染に向かって行く平子を足止めする役目を市丸は買って出た。
今の戦闘を観察していた市丸は平子の斬魄刀の能力を理解して、兎に角平子の妨害に専念する。
東仙が死んだ後、纏めて相手をすると藍染が言い出したので妨害を止めて休憩に入った。
その後は死神達や黒崎に対してちょいちょい妨害を続ける役目を担った。
VS藍染。
平子を返り討ちにした後、日番谷、京楽の2人を相手取っていたところに、副官の大前田と担当医の制止を振り切って来た砕蜂も参戦。
砕蜂は隠密機動の長でありながら、ハウラにアッサリと不意打ちを食らった事を指摘されて更なる怒りを胸に攻撃を仕掛けた。
「おや、来たのかい?」
「わざわざ挨拶に向かう手間が省けて助かったよ」
「それに、思っていたよりも元気そうで何よりだ」
「あぁ、忘れないうちに労いの言葉を贈っておかないといけなかったね」
「2番隊隊長にして隠密機動の長たる君でも、ハウラの暇潰しの相手は骨が折れただろう?ご苦労だったね」
「っほざけ!」
日番谷は、藍染への隠し切れない憎悪を刺激されて本音を暴露して斬り掛かった。
「隊長として、か…立派な事だ。しかし…本心を偽った刃が私に届くとでも思っているのかい?」
「…何?」
「あぁ…それとも、雛森君が無事に回復したのを目の当たりにして、私への憎悪も綺麗に霧散したのかい?それは何よりだ」
「…あぁ、そうだ。俺はてめぇをこの手で斬れればそれで良い…例え、それで隊長の座を追われようと…後の事なんか知るか!!」
狛村は藍染に尽くしていた筈の東仙を、跡形も無く消した事に我を忘れて襲い掛かった。
「藍染…貴公だけは…貴公だけは赦さぬ!!」
京楽はそんな3人のフォローの為に奇襲を仕掛けた。
「…みんな、血気盛んにも程があるねぇ…!」
そこに市丸の妨害から解放された平子も参戦した。
即席とは言え、互いの能力を知った者同士の連携の末、日番谷の斬魄刀が藍染の胸を貫く事に成功する筈だった。
「シロちゃん、止めて!」
「「「なっ…!?」」」
皆の治療をしていた筈の雛森が割り込んで来なければ。
「何をしているんだ、雛森!」
「…っ退け!!雛森!!」
「嫌!やっぱり駄目だよ!シロちゃんが藍染隊長と戦うなんて!」
「雛森!!」
「嫌!」
「やれやれ…痴話喧嘩は余所でやってくれないかな?」
2人の押し問答に嘲笑を浮かべた藍染は刀を振り下ろした。
「雛森!」
「きゃっ…」
ドンッ!
ザシュッ!
日番谷は咄嗟に雛森を突き飛ばして藍染の凶刃から彼女を守ったものの、左肩から脇腹までを斬られるという代償を負った。
「ぐっ…雛…森…!」
「シロ…ちゃ…シロちゃん!」
「クソッ!」
皆、雛森の精神状態を案じていたものの、今の今まで己のすべき事をしていたから大丈夫だと判断していた自分達の甘さに歯噛みしながらも藍染へと立ち向かった。
地面に倒れ伏した日番谷に、雛森は泣きじゃくりながら手当てを始めた。
そんな中、虚夜宮から戻って来た黒崎一護は迷い無くハッチに斬り掛かった。
ハッチは斬撃を避けられずに左肩を負傷した。
「「「「なっ!?」」」」
「何しとんねん、一護!!」
「っアンタ達こそ何やってんだよ!?」
「「「「っ!?」」」」
「ってか、何でハウラがそんなに居るんだよ!?しかも何かぬいぐるみみたいに小せぇし!」
「「「「…はぁ!?」」」」
「…あれ?バレてる?」
「…あ、そう言えば…黒崎には《鏡花水月》かけてないんだっけ?」
「ねぇ、藍染?」
「ふっ…」
ガシャァァァンッ!!
黒崎の斬魄刀で斬られた左肩を押さえたハッチが嗤った瞬間、《鏡花水月》の解ける音が皆の耳に届いた。
「「「「なっ…」」」」
平子達の前に居るのはローズと拳西にちょっかいをかけていた《エル・オトロ・ジョ/もう1人の私(分身体)》の3体だった。
そして、残り3体は日番谷の怪我の応急処置をしていた。
「なっ…雛森…!?」
「「「ゴメンね~、愛しの幼馴染みじゃなくて」」」
そして、ハッチは藍染へと姿を変えた。
本物のハッチは、雛森と共に藍染の直ぐ傍で血溜まりの中に倒れ伏している。
つまり、ハッチと雛森は今の今まで大きな瓦礫に錯覚させられていた。
不意に先程の、ハウラ達が立ち去った直後の遣り取りが彼等の脳裏に過った。
「…隠れん坊は本当にお終いって事で良いのかな?」
「「「イイよ~」」」
「…本当にもう誰も隠れていねぇのか?」
「「「しつっこいなぁ~、もう!誰も隠れてないし、コピーは私達しか居ないよ!」」」
確かにハウラの肉体の一部をベースに造られたコピーは彼女達3体のみ。
そして、ハウラの羽根から生み出された《エル・オトロ・ジョ》の事は彼等の意識の外にあった。
だって、姿を消した瞬間をしっかりとその目で目撃したのだから。
その後、自分達はハウラのコピーだから羽根をある程度使役出来ると言っていた。
しかし、本当はコピーでなくとも、条件次第で誰でも使役出来るとしたら?
仮定の話だが、ハウラが新たに《エル・オトロ・ジョ》を付与した羽根を用意していたら?
ハウラが藍染に直接〈お使い〉の内容を確認していたあの時に、奴にその羽根を託していたならば、この状況を作り出すのはより容易い事なのでは?
「…クソがっ!」
「卑劣な真似を…!」
「本当にやってくれるね…!」
「おのれ…!」
「っ待て!砕蜂隊長!!」
ハウラと藍染にしてやられた事に気付いた平子達。
来て早々の騙し討ちに憤慨した砕蜂は、京楽の制止も聞かずに黒崎と刃を交える藍染へと突っ込んで行った。
「…良いのかな?《彼女達》を放置して」
「…っ!」
「砕蜂隊長!」
砕蜂に《エル・オトロ・ジョ》3体が貼り付いた。
そして、しっかりとしがみ付いて嗤った。
「「「月並みだけど…《アウトデストゥルクシオン/自爆》」」」
「っ!!」
ズドドドォォォォォン!!!
「…ぐっ…な…なん…の…これ…し…き…!」
「「「ねぇねぇ、しつこいのは嫌われるよ?」」」
「なっ…」
ドスドスドスッ…!!
「こふっ…」
ドサッ…
無理を承知で来た砕蜂は、超至近距離での虚閃と遜色の無い攻撃を3方向からマトモに食らった。
それでも意地と根性で藍染へと向かったが、日番谷の手当てを終えた残りの《エル・オトロ・ジョ》達にトドメを刺された。
「砕蜂隊長!」
「隙だらけだよ」
「「「っ!」」」
ザシュッ…ドスッ…ズバッ…
「ぐっ…」
「ごふっ…」
「かはっ…」
連携が完全に崩れた平子達は遂に倒れ伏した。
「…ふぅ」
「「「お疲れ様~!」」」
ゴォアッ!!
「これは…」
「「「あつっ!あっつ!何何何!?」」」
ジュッ
山本元柳斎を起点に、街全体を大火が包んだ。
《エル・オトロ・ジョ》3体は炎に耐え切れずに消滅した。
「あぅ~?」
「「「あっつ!…このままじゃ…」」」
コピー達はそれぞれの左手を重ね合わせた。
「「「《ラ・トリニダード/三位一体》!!」」」
3体はひとつになり、前髪の色が黒に変わった。
自分達を劣化コピーから完全コピーへと昇華させた事で消滅を免れた。
「「「ふぅ…危ない危ない」」」
「あ~?」
「「「ん~?ビックリさせちゃったかなぁ?私達だよ、私達。ね?」」」
「…ぁう!」
そう言って、ワンダーワイスに笑いかけた。
「…《炎熱地獄》…藍染、お主は儂と共にこの炎に焼かれて終わるのじゃ」
「…この為に彼等は時間稼ぎをしていたと言う事か…全く、ご苦労な事だ」
「ふん!黒崎一護よ、主は退がっておれ」
「え…な、何言って!」
「これ以上、お主を巻き込む訳にはいかぬ。護廷十三隊でも無いお主をな」
「…ジイさん…」
「「「…え?今更それ言うの~?遅すぎな~い?こ~んなに巻き込んどいて~?しかも、しっかり自陣営の戦力としてアテにしてるクセに~?ホント無いわ~。ドン引き~」」」
完コピのツッコミに顔を更に顰めながらも、藍染を見据える山本元柳斎を見返した彼は、苦笑して完コピを止めた。
「可哀想だから其処までにしてあげなさい、ハウラ。それにしても…君と私が心中の真似事を?笑えない冗談だ」
「ほざけ…今から真実となる…一死以て大悪を誅す…それこそが護廷十三隊の意気と知れ」
「はぁ…本当に笑えない…君の相手は私では無いと言うのに」
「何じゃと…?」
「アァ~…ア~!」
「「「やっほ~」」」
山本元柳斎の背後に異形となったワンダーワイスと、いつの間にか帰刃した完コピが現れた。
「「「お宅の相手は私達だよ!」」」
「アァ~!!」
「…ふん!」
ワンダーワイス&ハウラ(完コピver.)VS山本元柳斎の戦いが始まった。
ワンダーワイスの帰刃《滅火皇子/エスティンギル》は山本元柳斎の斬魄刀の能力を封じる為に造られた存在。
そして、此処に居るハウラの完コピは、〈本体〉のお気に入りの1人、ワンダーワイスを生かす為の存在。
よって、彼女はワンダーワイスにバフを掛け、彼が壊れない範囲で全能力を底上げし、逆に山本元柳斎にはバラガン戦である程度消耗しているのも計算に入れた上で、デバフを限界まで掛けまくった。
それでも、総隊長の地位は伊達では無く、全能力を30%程に減らすのがやっとだった。
斬魄刀を封じられて尚、拳と走で対応して来る山本元柳斎の拳打を、完コピのコンディシオン《ミタ・イ・ミタ/半分こ》でダメージを分け合い、粘りに粘った結果、更なる消耗をさせる事が出来た。
「「「…ごふっ…あ…」」」
「ア…アゥ…アァァ…」
ドサドサッ…
「…はぁ…はぁ…はぁ…手子摺らせおって…」
弱体化させる事が出来た影響か、《一骨》では然程ダメージを与えられず、《双骨》の高速連打で漸く内臓にダメージが通り、完コピとワンダーワイスは倒れた。
同時に完コピの帰刃が解ける寸前なのだろう、〈天〉と〈地〉の〈渦〉が外側から消え始めた。
「…さぁ、今度こそお主の番じゃ」
「…やれやれ…確かに2人は倒れたがまだ死んではいない…その甘さが命取りとなる事まで忘れてしまったのか、山本元柳斎」
「…何じゃと?」
ブチブチブチィッ…ブシュァッ!!
もう立ち上がれないが、上半身を何とか起こした完コピが片翼を根元から力任せに引き千切った。
「なっ…!?」
「「「ぐうぅぅぅっ…」」」
「あ、あぅぁぁあ!」
「「「だ、大丈夫…だよ…私達は、ね、あくまで〈完コピ〉で〈本体〉じゃ、ない…〈本体〉さえ…無事なら…何の問題、も、無い…の」」」
「あ~!あ~ぅ!あぁ~!」
「「「…っ私達の、役目、はワンダー、を、生かす、事…その為なら…何も…何も惜しくない!!!」」」
「あぁ~~~!!!」
「「「大好きだよ、ワンダー…コンディシオン《ムニェコ・デ・サスティトゥシオン/身代わり人形》!!!」」」
「む…!?」
「「「…さぁ、ワンダーが封じた《炎熱地獄》と《流刃若火》の《力》は全部この中だよ!!!解放したらどうなるかなぁ!?」」」
そう叫んで人形(かなり簡易な木像)の姿になった元片翼を最後に残った〈地〉の〈渦〉に放り投げた。
「くっ!…させぬ!!」
〈渦〉に入る寸前でどうにか抱え込む事に成功した山本元柳斎に満面の笑みを浮かべながら完コピは叫んだ。
「「「リベラシオン/(解放)!!!」」」
ズゴオオオォォォン!!!
山本元柳斎は、自身の全身で解放された《流刃若火》の《力》の暴走の被害を最小限に抑えた。
「…ご苦労様、もう1人のハウラ…今は休むと良い。ワンダーワイス、君もだ」
「あぅ~…あぅぅ~…」
気絶した完コピに抱き付いてグスグスと泣きじゃくるワンダーワイスの頭を撫でた藍染は、倒れ附している山本元柳斎にトドメを刺すべく歩み寄った。
「ジイさん!!」
「おっと…今は藍染隊長と総隊長の邪魔したらアカン事くらい解るやろ?大人しくしとこ?な?」
「くっ…」
今の衝撃で吹き飛ばされた黒崎が駆け寄ろうとしたが、市丸に妨害されて動けない。
藍染は山本元柳斎にトドメをさせなかった。
完コピが気絶した事で、掛かっていたデバフの効果が消えた山本元柳斎が自分の左腕を犠牲に、破道の九十六・一刀火葬を発動させた。
これには流石の藍染も無傷とは行かなかった。
火傷を負いながらも、山本元柳斎から一気に距離を取った。
一刀火葬の威力に紛れ、市丸を振り切った黒崎が仮面付きの《月牙天衝》を放ち、藍染の左肩に深手を負わせる事に成功した。
経緯はどうあれ、死神達そして平子は全員戦闘不能に陥った。
回復役のハッチと雛森も倒れた。
山本元柳斎も無力化に成功した。
ハウラの願いは虚夜宮の空を守る事と、仲間を1人でも多く生かす事。
対山本元柳斎専用として造られたワンダーワイスは死ぬのが前提の破面。
お気に入りを失わない為の対策を考えた結果、こうなりました。
ハウラが居ない間の空座町(レプリカ)がどうなったのか、頭の整理の為にとメモ書きしてたら結構な文字数に…。
でもおかげで、続きが何とか書けそうで結果オーライ。
次こそ、ハウラ空座町(レプリカ)へ。
ハウラの〈完コピ〉について
ザエルアポロの研究によって完成した存在。
全部で?体存在する。
正確な数を知っているのはハウラ、メノリ、ザエルアポロ、藍染のみ。
完コピがそのまま虚夜宮内をウロウロしていると、〈本体〉が増殖したとしか思えず、東仙を筆頭に他の破面達のストレスが爆速で溜まり、精神に異常を来すからどうにかしろとクレームが。
彼等の本心は、彼女等が必要となるその日まで封印して欲しかったが、相手はあのハウラの完コピ。
下手に刺激すれば何をしでかすか解らない恐怖もあって結局、スタークとリリネットの様に1体を3体に分けて弱体化させる事で妥協した。
前髪の色がそれぞれ赤、緑、黄色で、常に一緒に行動しているのが特徴。
《ラ・トリニダード/三位一体》で完コピver.に戻れる。
《雫型の黒い水晶》
ハウラの剣鉈の鞘に填まっているとても小さな水晶。
全部で7つ填まっている。
虚時代、足輪として身に付けていた。
能力は《リヘネラシオン/再生》。
水晶に掻き集めた遺体や残滓を肉体の材料とし、新たな命として復活する。
《黒い石》は卵。
《白い石》になれば《孵化》出来る。
虚時代、メノリが食べ切れなかった虚の残りを中が空っぽの《黒い水晶》に入れていたら、勝手に新たな命として《孵化》した事があり、以降この《黒い水晶》は非常食或いは保存食生産機と認識していた。
さて、東仙はいつどんな姿で復活するのか…?