前回、ハウラ不在の空座町(レプリカ)について。
前々回、ショタ化したカマキリの所為で黒崎暴走。
ハウラ、ウルキオラ、バラガンの3人でどうにか鎮静に成功。
今回、空座町に頼まれ物を届けに戻るところから。
「よいしょ…っと」
「…当たり前だけど、頼まれた物よりも補給物資の量が多いね」
「まぁね~」
戻って来たハウラの荷物の対比↓
藍染からの頼まれ物:ハウラ個人の補給物資
=1:100(A4が入る段ボール使用)
補給物資はコンディシオン《アルマセナミエント/収納》を込めていた羽根にどんどん収納してショルダーバッグに仕舞い込んだ。
何かあった時用にと、メノリと完コピ達にも持って貰った。
「…その羽根、アンタ以外にも使えんのか?」
「んぁ?うん、まぁね。私が直接渡せばね。込めてあるコンディシオンは、羽根に触れながら《アクティバシオン/発動》もしくは《リベラシオン/解放》って言えば使えるよ」
「ふ~ん…結構便利な能力だな」
「まぁね~…っと、これでヨシ!さて、そろそろ行こっか」
「ま、待てよ」
「んぁ~?何?まだ何かあるの?」
「いや、流石にスルー出来ねぇだろ!?何人居るんだよその〈完コピ〉ってのは!?」
補給物資を完コピ5体と分け合い終わったハウラはキョトンとしたかと思えば、面倒くさそうな表情になってぞんざいな態度で返した。
「イイじゃんか別に、何体いたって。君に何かする訳じゃないし。この子達はメノリと仲間を守る為に連れてくんだから」
「えぇ…」
「質問はもう無いね?んじゃ「ま、待て!」何さ~?早くしてよもぉ~」
「本当に俺専用の黒腔なのかこれ?」
黒崎の指差す先には黒腔の入口。
黒崎に持たせた鍵と同じオレンジ色の矢印の道がここからも見える。
「そだよっ。その鍵はそれひとつだけ。その鍵を持っていないと道は現れないし、自分で作る事も出来ない。さっき説明した通りだよ?」
‘何度も同じ説明させないでよ、面倒くさいな’
‘ってか、さっさとその黒腔に入って空座町(レプリカ)へ行ってくれない?’
と、ハウラの目が語っている。
「…お、おぅすまねぇ」
「私達は別口から行くから。んじゃまた後でね」
黒崎が専用の黒腔に入って行ったのを見届けてから、自分達用の黒腔を開いた。
「さて、ウルキオラは引き続きお留守番で、お爺ちゃん達は…」
「儂は残る…彼奴との契約は此処、虚夜宮の改造許可と賃貸、そして王鍵を創造する際の死神共の露払いじゃ。それらは全て履行し終えた。…儂は虚圏の王、これ以上留守にする訳にはいかぬ」
「「「「「「閣下…!」」」」」」
「あ、そぅ?じゃ、私達だけで行って来るね。この後の行く末まで付き合った上で見届けるまでが〈契約〉だから」
「うむ、気を付けるんじゃぞ」
「「「「「は~い、行って来ま~す!」」」」」
此方にお辞儀をするメノリと手を繋いで元気良く手を振りながら、空座町(レプリカ)に向かった。
その後、更木剣八が接近して来ているのを察知したウルキオラが迎撃に向かい、バラガンは従属官達と共に自宮へと戻った。
そして…
「…んじゃ、黒腔開くね。卯ノ花さん」
「お願いします」
「隊長…」
「後は任せましたよ、勇音」
「っ、はい…!」
卯の花は、あくまで負傷した死神達の治療をするだけ、藍染の邪魔は絶対にしないという条件(コンディシオン《プロメサ・デ・メニケ/指切りげんまん》を交わした)で、此方に居たコピー達に空座町(レプリカ)へ続く黒腔を開けて貰う事に成功した。
黒崎、そしてハウラ達が空座町(レプリカ)に向かってからきっかり15分後、黒腔を開けて貰い、空座町に向かった。
「…ハウラ=リベラシオン…報告は聞いていましたが…本当に変わった破面でしたね…」
まさか、敵である自分と〈契約〉を交わすとは思ってもみなかった。
自身の右手の小指を見つめながら先程の遣り取りを思い返した。
ハウラが藍染からの頼まれ物を取りに行っている間に織姫達から聞いた彼女は、自由奔放で意に添わぬ束縛を嫌うらしいが、実際に会うと真面目で責任感が強く、仲間思いな人物に思えた。
〈約束(契約)〉と〈相棒・仲間〉が己の全てと言っても過言では無い程に。
実際、今は藍染との〈契約〉と〈仲間〉の為に動いている。
「素の貴女と一度しっかりと〈お話〉してみたいものですね」
愉しそうに口元を綻ばせながら卯ノ花は先を急いだ。
当然ながら、黒崎の後に空座町(レプリカ)に辿り着いたハウラ達。
「…う~わ、何コレ」
「こ、此処…本当に空座町のレプリカなの…?」
「の筈だよ~。スターク達居るし」
劇的ビフォーアフターな空座町(レプリカ)に驚きの声が出た。
「あぅあ~!」
「あ、ただいまワンダー。凄いボロボロじゃんか。大丈夫?」
「う~!うぅ~、う~!」
全身ボロボロで上手く起き上がれないらしいワンダーが大泣きしながら手を伸ばして来た。
周囲はまさに地獄絵図。
東仙の霊圧は完全に消滅している事から、多分藍染が彼との〈約束〉を守ったのだろう。
そして十中八九、藍染にやられて気絶或いは動けない状態にされた死神達とオジサン達にあっちの親玉。
ワンダーを生かす為にと全力でフォローしただろうコピー達は《ラ・トリニダード/三位一体》を使い、劣化コピーから完コピになっただけでなく、帰刃もしてワンダーを守り通し、限界が来て気絶したらしい。
状態を診る為に完コピに近付いたら、《黒い石》が飛んで来た。
難無く受け止めたハウラは首を傾げた。
…何が入ってるのコレ?
この《黒い石》こと元《黒い水晶》は、完コピがワンダーを守り切れない可能性が出て来た時に彼に渡す或いは、ワンダーを守れたが自分がヤバイ時に使うように持たせた筈だ。
ワンダーは大ケガを負っているが無事で、完コピは瀕死の状態なのを今確認した。
急遽使わざるを得ない対象が他に出来たのだろうが、肝心の対象が何なのか解らず、周囲の状況を隈無く見てある事に気付いて顔を歪めた。
「…まさか…ねぇ?」
「ハウラ?」
「メノリ、ワンダーの手当てお願いしてイイ?」
「あ、うん」
「さて、と…」
ゴキンッ!ビクンッ…ドサッ
先ずは完コピの首を折ってトドメを刺した。
そして、鞘からもうひとつの《黒い水晶》を引き抜いて、完コピに投げた。
ヒュボッ…シュンッ、ヒョイッ
「…あむっ」(口に放り込んだ)
「ハウラ、ちょっと此処押さえて欲しいんだけど…あれ?完コピは?…あぁ、そういう事?」
「ん」(モゴモゴ&頷き)
完コピの死体を回収した《黒い石》を口に入れてモゴモゴする事約3分、口から出して《白い石》になったのを確認した。
「あぅぅ?」
「完コピは元々私だからね。こうすれば直ぐに《孵化》出来るんだよ」
「…久し振りに見たわそれ」
「で、《エクロスィオン/孵化》っと」
パリンッ…ドテッ
「「「…ったぁ…あれ?」」」
「あ~!」
完コピver.のまま復活した。
早速、この《黒い石》に何を回収したのかを聞いた。
物凄く言い辛いそうに、目を逸らしながら完コピはモゴモゴと経緯を説明した。
~かくかくしかじか~
「…マジかぁ…う″~…ワンダーの為かぁ…なら仕方ない…うん、仕方ない…ね…」
苦虫を口いっぱいに頬張ったような表情を浮かべながら《黒い石》を仕舞い直した。
「嘘だ!!」
「「「「んぁ?」」」」
「な、何?」
「あぅ?」
完コピと情報共有してる間に、藍染と黒崎が何か話してると思いきや、突然、黒崎が叫んだ。
口の動きから推測するに、藍染がコレまでのネタばらしをしたらしい。
今までの騒動は勿論、彼がしてきた戦いの全ては藍染が仕組んだものだと言う事を。
…間違っちゃいないんだよね
…現世でのアレコレは何度も藍染と話し合って動いてたし
…まぁ、買い物は私達個人の用事でだったし、立体迷路は完全に私とザエルアポロの趣味の融合物で、ヤミーと黒崎の暴走と事故は予定外だったけどね
…それはそうと
「藍染、崩玉との融合おめでとー」
パチパチパチ
「っ、ハウラ…いつの間に」
「ありがとうハウラ。でもまだ完全な融合には程遠い…それに今は彼との話の途中なのだけどね」
「見りゃ解るよそんなん。でもさ、肝心の黒崎がパニック起こしてるじゃんか。頭の整理が付くまでの間に、お祝いのメッセージくらい良いじゃん?」
相変わらずのマイペースである。
「やれやれ…」
「あぁ、頼まれ物はちゃんと持って来たよ。ホラ」
(完コピが持ち上げて藍染に見せた)
「そうかい、ご苦労様。では使うまでそのまま持っていてくれるかい?」
「は~い。後さぁ、ワンダーとそのフォローしてた〈私達〉、虚夜宮に帰してもイイよね?」
「あぁ、構わないよ。ロカに治して貰うと良い」
「だってさ」
「「「んじゃ帰るね。よいしょっと」」」
「あぁう~!」
「「「「「「またね~!」」」」」」
「…ひとつ、訊きてえ」
どこまでもマイペースなハウラ達に苦笑する藍染に、漸く黒崎が口を開いた。
「あんたさっき言ったよな…俺が…あんたの探究の最高の素材になると確信したって…何でだ…?何を根拠にそう確信した…?」
藍染は黒崎を一瞥したものの、何も言わない。
「ルキアに会った時から俺を見てたってんなら…言ってみろ…一体、いつそう確信したんだ…!?」
「最初からだ」
「…っ適当な事言ってんじゃ…」
「解らないか…〈最初から〉だと言っているんだ。私は君が生まれた時から君の事を知っている」
「…な…に…!?」
「君は生まれた瞬間から特別な存在だった…何なら君は人間と…」
ヒュッ…ドォォォォン!!
2人の間に黒い死覇装を来たヒゲヅラのオッサンが落ちて来た。
オッサンは黒崎を連れて何処かへ行ってしまった。
「…今の誰?」
「志波一心…今は黒崎一心と名乗っている元死神だよ」
「…あぁ、あのデータにあった…時間の流れって、本当に残酷だね」
「ちょ、ハウラ!」
初対面の相手に失礼極まりない感想を口にした。
「で?どうするのさ?」
「ふむ…崩玉との融合を進めたいし、何より〈奴〉が来る頃合いだろうし…志波一心の事はスターク達に任せよう」
「あいよ」
「は~い!」
「承りました」
「「「はっ!」」
「ハウラには…そうだね、彼女と決着を付けたくないかい?」
「う~ん…まぁ、イイよ。相手しても」
「決まりだね。そして…妨害ばかりで、黒崎一護と真面に戦った事は無かったギン、君が彼の相手をしてあげてくれるかい?」
「…良ぇですよ」
「…さて、どうやら戻って来たようだね。頼んだよ」
「「「「「「はっ!」」」」」」
「「「「「「OK」」」」」」
再び帰刃したスターク達は、戻って来た志波一心を迎え撃った。
「お前さん達が相手かよ…っ!てっきり見学者だと思ってたのによぉ…!」
「藍染様が戦いたい相手はお宅の息子さんなんでね」
「取り敢えず無力化させて貰う」
遠距離特化のスタークと近距離特化で戦うハリベルを補佐するアパッチ達の攻撃に翻弄された一心は、防戦一方となった。
そして…
全ての用意を済ませた物凄く上機嫌なハウラ(帰刃済み)と完コピ2体(此方も帰刃済み)は彼女こと四楓院夜一を迎え撃った。
「「「さぁて、真面目にやりますか!」」」
取り敢えず此処まで。
見学者として参加するかと思いきや、スターク達は黒崎一心と、ハウラは完コピ達と四楓院夜一と戦闘をする事に。
ハウラ達に藍染が次の指示を中々出さなくて、そのまま放置していました…。
他の作品を執筆していたら、突然動き出しました。
内容を忘れない内にと、他のを放っぽって何とか書き上げました。
コンディシオン《プロメサ・デ・メニケ/指切りげんまん》
羽根を手に、指切りげんまんをする事で発動する。
お互いに絡めた小指の付け根に黒い線が1周、指輪のように入る。
交わした契約、約束を破ればこの黒い線から先の小指がギロチンにかかったかのようにポロリと落ちる。
落ちた小指は回道でも元には戻せない。
治療方法?は、元の小指を焼却してから、織姫の双天帰盾で新たに生やす或いは義指を付けるしかない。