前回、虚夜宮から藍染の頼まれ物を持って空座町(レプリカ)に戻って来た。
今回、藍染の提案で初めて現世に来た時に手合わせした四楓院夜一と戦う事に。
さて、どうなる?
四楓院夜一が到着する前の事。
「さてと、先ずはそっちの2人がメノリの護衛で、1人は〈補給〉、もう1人は〈並列思考及び作業〉、最後の1人は〈渦〉を担当して貰おうかな?それで誰かに何かあったら直ぐに対応出来るように」
「「「「「OK!」」」」」
「…大丈夫なの?あの四楓院って確か…」
「ん~…まぁ、確かにこの姿だと近距離戦はちょい苦手だけど、一対多じゃないし、こうやって対策したから大丈夫だよ!〈私達〉はその為に連れて来たんだからさ!」
「それはそうだけど…」
「う~ん…あ!メノリがギュ~ッしてチュッもしてくれたら、あっという間にカタ付けちゃうかもぉ~?」
ギュ~ッ
「…へ?あ、あれ?メノリ?」
てっきり「バカ言ってんじゃないの!」と怒られると思っていたのだが。
「…っ」
カタカタカタ…(小刻みに震えている)
…あぁ、そうか
…我慢の限界が近付いて来たんだね、メノリ
そもそもメノリは戦闘が苦手で、まだ虚になったばかりの頃、自分よりも強い死神から命辛々虚圏に逃げ延びた過去がある。
だから、あっちの隊長格の霊圧に当てられ続ければ、必然的に心身共に強いストレスが蓄積する訳で…。
死神連中を無力化したけど、今度は藍染が崩玉と融合して存在そのものが変質し始めている。
異質な存在への耐性も低いメノリのストレスが減る訳も無い。
しかも、私の〈完コピ〉の瀕死状態もしっかり見てしまっている。
メノリにとっては、精神的に不安定になってもおかしくない状況だろう。
…メノリが怖がりなのは知ってたのに、藍染との〈約束〉にばかり目が行ってたなぁ
…ダメだなぁ私ってば
「…うん、パパッとやって来るよ。だから、イイ子で待っててね」
「…うん」
ちゅっ…はむっ
(メノリのほほにキスしたついでに耳を甘噛み)
「ちょ、ハウラ!?」
(流石に驚きが勝ったらしい、 耳を押さえた)
「さぁ~て、迎え撃ちますか!」
「「「「「は~い!」」」」」
「…もう!」
グイッ!
「おりょ?メノリ?」
ちゅっ
「…へ?」
「わ、私だって、いつもやられっ放しじゃないんだからね」
メノリは顔を真っ赤にしながら仕返しだと言い放った。
「ふ~ん…」(ニヨニヨ)
「な、何よ?」
「べっつにぃ~?さて、行こっか!」
「「「「「良いなぁ~私達も欲しいなぁ~」」」」」
「ダメ~!」
「「「「「ちぇ~!」」」」」
メノリなりの応援に機嫌が急上昇したハウラは意味ありげな笑みを浮かべながら、逆にちょっと拗ねた完コピ達と円陣を組んだ。
…メノリは強がってるけど、いつ限界を超えるか解らないのには変わりないんだよね
…うん×5
…だから、一刻も早くメノリのケアに入りたいからさ、ちゃちゃっとやっちゃおうよ
…ねぇ、〈私達〉
…賛成~!×5
それぞれの右手を重ねて《コンパルティシオン/共有》をかけた。
…これで戦闘のみに集中出来る
崩玉との融合を進める為に瞑想に入った藍染目掛けて、グリムジョーから聞いたのよりも遥かにグレードアップした防具に身を包んだ四楓院夜一が勢い良く降りて来た。
「「「させないよ!」」」
〈私達〉のばら撒いた羽根が藍染を覆い隠した。
「…くっ」
藍染への襲撃を諦めた四楓院…(長いから夜一で固定)がハウラの目の前に下り立った。
「先ずはお主からか…また骨が折れるのぅ」
対するハウラ達はというと、〈完コピ〉の1体は取り出した補給物資を手に距離を取り、もう1体は〈本体〉と〈完コピ〉の中間辺りに立った。
メノリとその護衛役2体は既に退避済み。
最後の1体は控え兼〈渦〉の制御役として上空の中心部に着いた。
「「「さぁて、真面目にやりますか!」」」
改めて羽根を撒き散らしながら夜一へと接近戦を仕掛けたハウラ。
「コンディシオン《インビデンテ/盲目》《ソルデラ/難聴》《アノスミア/嗅覚異常》《フェティデス/悪臭(腐臭)》《ベスティゴ/眩暈》《レンタ/鈍重》《レドゥクシオン・デ・ベロシダ/速度低下》《パラリシス・トタル/全身麻痺》《デビリダ・ムスクラール/筋力低下》《デテリオロ・コグニティーボ/認識力低下》《ペルディダ・デ・カパシダッド/能力低下》!!」
「…はぁっ!」
バリバリバリッ!!
「…っちっ!」
「…随分、性悪な能力を付与しようとしたのぅ。のぅ?小娘?」
「…っ!!」
夜一が発動した瞬閧によって、コンディシオンを付与した羽根を全て吹き飛ばされた。
それとほぼ同時に片翼に霊圧がもろに当たり、体勢が崩れた。
「はぁっ!!」
「…ふっ!」
ズドォォォォン!!
ビシビシビシッ…バキバキバキィィィッ…!!
ハウラに触れる直前、夜一の振るった拳が〈何か〉に当たった次の瞬間、防具にヒビが入り砕け散った。
「なっ!?」
「…コンディシオン《コサ・エスコンディーダ/隠し物》《バラェラ/障壁》《コロシォン/腐食》《ロトゥラ/破損》《デテリオーロ・ポル・エル・パソ・デル・ティエンポ/経年劣化》《アクセララール/加速》《エンペオラ/悪化》《バラェラ/障壁》念の為にもいっちょ《バラェラ/障壁》…ってね」
先程羽根を散蒔きながら接近したのは、反撃をして貰う為の囮で、本命は此方。
自身を《バラェラ/障壁》でしっかり守り、夜一にのみダメージが入るようにと、既に展開していたコンディシオンによって、彼女の防具が全て壊れた。
「くっ…!本当に厄介な能力じゃのぅ!」
「あはははははは!お褒めに預かり光栄だね!」
しかもこれだけの能力を使ったというのに、未だに補給無しでケロッとしているハウラを訝った夜一だが、先程からずっと飲食を続けているもう1人のハウラを見て、補給対策の絡繰りに気付いた。
「…成程のぅ…補給切れは当分期待出来そうに無いという事か…!」
「察しがイイねぇ!まぁ、どうせ平子のオジサン達とのアレコレも覗き見してたんだろうけど!」
「くぅっ…!」
誰と対峙しても良いようにと、対策を施して来たハウラに苦戦させられる夜一だった。
一方、黒崎一心を相手取るハリベル達とスターク、リリネットだったが、スタークが何かに気付き、明後日の方向に虚閃を撃った。
「「「はぁ!?」」」
「ちょ、スターク!?」
「構うな、私達の相手はあの男だ」
「「「は、はい!」」」
ハリベルはスタークの行動の理由に気付き、其方は2人に任せる事にした。
「…どうしたのさ、スターク?」
「…其処に居るのは解っているさ。出て来る気は無いのかい?」
「…流石ですな。序列1位は伊達では無いようで」
現れたのは、2mはあるだろうサングラスをかけた巨漢だった。
「まぁな。アンタが通った場所、ほんの僅かだが空間に不自然な揺らぎが見えたもんでな」
「…成程」
それ以上の言葉はいらないと言わんばかりに塚菱鉄斎は上級破道を、スタークは無限装弾虚閃を放った。
〈本体〉の代わりに渦の中心部に補給をしながら佇んでいる完コピが何かに気付いて、藍染の周囲の羽根(外側にある分)にコンディシオンをかけた。
「コンディシオン《ネウトラリザール/無効化(相殺)》」
バチィッ!
藍染の後ろ、鳩尾(崩玉)を狙っての鬼道が羽根に当たって掻き消えた。
「…来たか…浦原喜助」
瞑想を続けていた藍染がポツリと呟いた。
「どぅもぉ、相変わらず目敏いッスねぇ~」
「ふんっ、アンタに褒められたって嬉しくないね。私の《デテクタール/看破》と《デスクブリール/見破り》それと《アジャスゴ/発見》はそんな甘くない…よ!コンディシオン《ネウトラリザール/無効化(相殺)》」
別方向からの縛道もアッサリと無効化した。
「…いやぁ、実に恐ろしい能力ッスねぇ…」
睨み合う完コピと浦原喜助だが、藍染が口を開いた事で2人は視線を彼に向けた。
「ありがとう、ハウラ。だが、もう十分だ」
「ありょ?もう終わったの?」
「あぁ…漸く崩玉が私の心を理解し始めた様だ」
「…っ!」
「崩玉とは良く名付けたものだな、浦原喜助。まさしくこれは神なるものと神ならぬものとの交わらざる地平を悉く打ち崩す力だ…!」
ズアァァァァ………!
崩玉から湧き出て来る白い何かが藍染を覆い始めた。
「っ!」
カチッ…シュパパパパパ
「「「「「「は?え?何コレ?」」」」」」
「ふ、風船…?」
浦原が杖のスイッチを押したと同時に、ハウラ達の周囲に大量の風船が出来上がり、あっという間に視界を覆い尽くした。
「きゃっ!?」
「「え、何コレ?気持ち悪っ」」
「「…鷹に鷲に梟…これ全部、猛禽類の目玉…?」」
「…ひょっとして…私達が鴉だからって、バカにしてる?」
「「「「「「…許さない」」」」」」
「「…メノリ、耳しっかり塞いでて」」
「う、うん」
「「良し」」
「「「「「「《プロテクトール/保護膜》んでもって《ミル・アグハス/針千本》」」」」」」
スパパパパパパパパァァァァァァン!!
6人がかりで全ての風船を割った。
「「「「「「《アナリシス/分析》…異常無し。でも一応《デシントキサシオン/解毒》あと《ネウトラリザール/無効化(相殺)》」」」」」」
風船を割った事で何かしらの状態異常にならないよう、ケアを施した。
そして…
パァァァァァァン!!
「…くっ!」
「…ゴメンね?私達が散蒔いた《バラェラ/障壁》の数、多過ぎたかな?」
風船で視界を遮られている間も夜一はハウラに拳打を繰り返していたが、ハウラの言う通り《バラェラ/障壁》を付与した羽根に妨害され、今漸くハウラに手が届いたところだった。
「…お主はかなり慎重な性分のようじゃのぅ。喜助を相手しているみた「アレと同一視は不愉快だから撤回しろ」っ!?」
バキィィィィ…!!
掴んだままだった夜一の右手を握り潰した。
「ぐっ…!!」
「はぁ…もうイイから寝ててくんない?コンディシオン《スエニョ・プロフンド/熟睡》」
「…っぁ…」
ドサッ…
夜一は抵抗する間も無く、眠りに落ちた。
「…あ~、良かったぁ…ちゃんと〈アレ〉の効果も出たみたい」
羽根1枚につき同時に付与出来るのは3つまで。
《バラェラ/障壁》を付与した羽根にはもうひとつ《アネステシア・ヘネラル/全身麻酔》も付与していた。
必然的に夜一は《バラェラ/障壁》を砕く度に《アネステシア・ヘネラル/全身麻酔》を浴びる羽目になっていた。
「ハウラ!」
「メノリぃ、疲れたよぉ~」
グゥ~キュルルルルルル
「お腹も空いたぁ~」
「一時的とは言え、補給止まったものね」
「うん…《コンパルティシオン/共有》で弱点対策したつもりだったけど、不十分だったなぁ…死神達は戦闘不能にしたし、追加が来てもこれだけ居ればイケるって思っちゃったのがなぁ…藍染が警戒してる〈あの〉浦原喜助に妨害された場合をもっとしっかり考えるべきだったなぁ…そしたら、補給役をちゃんと隠しただろうし、もっと上手く出来たよなぁ…反省」
「…反省は大事だけど、取り敢えず今は食べなよ。ほら、バナナサンド」
「わぁ~い!あ~む!…ん~!んまぁ~!…あ~メッチャ動いた後のスイーツ美味し~!」
「全くもぅ…一先ず、お疲れ様」
「うん!」
満面の笑顔でメノリの淹れた紅茶を受け取った。
取り敢えず、此処まで。
ハウラが居る事で起きた変更点。
原作には居なかった塚菱鉄斎が参戦しました。
ハウラは帰刃するとその体質故に、接近戦と長期戦がどうしても苦手になるので、完コピと〈胃を共有〉し、〈並列思考、ながら作業〉そして〈渦の制御〉を引き受けて貰う事で弱点を一時的に克服して戦闘に臨んでいます。
1対1であの夜一と遣り合って、メノリに心配をかけない勝ちを得られるとはとても思えず、思いっ切り完コピ達を頼っての無力化に成功させました…。
そして、藍染の野望を止める為の、因縁や確執がある残りの面子がコレで全員出たかなと。
…次は残りのメンバーを無力化して、本物の空座町に行くところまで…書けるかな?