願いが叶った私は心のままに飛び続けたい。   作:如月雪見

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前回、浦原喜助にしてやられたものの、どうにか最悪は回避出来たっぽい。


今回、黒崎一護以外の無力化に成功、尸魂界にある本物の空座町へ向かう事に。



本物の空座町へ

 

 

ハウラ達が休憩、回復に勤しんでいる間、藍染は浦原喜助を徹底的に叩きのめすべく猛攻を繰り広げていた。

 

そして…

 

ズドドォォォォォン!!

 

「…ぐっ…げほっ…っ…」

 

ボタッ…ボタタッ…ドサッ…

 

「…っ浦原さん…!」

「だけや無いで。あっちの方見てみぃ」

「…っ親父…っ鉄斎さん!?…っ夜一さんまで…嘘…だろ…」

「…やっぱり、こうならはりよったかぁ…」

「…ギン、今、黒崎一護に何をしようとしていた?」

「別に?言われた事しかしてはりまへんよぉ~」

「…そうか」

 

いつもの調子で薄笑いを浮かべながらギンは返事を返した。

そんなギンを一瞥しながら藍染は、ハウラ達に尸魂界に向かうから此方に合流するように連絡を取った。

 

「此処の〈転界結柱〉を壊すよりも、尸魂界に転送された本物の空座町へ向かった方が都合が良い。手間だろうが頼むよ」

『もぐもぐ…んっ…りょ~か~い』

「…彼、あのままで良ぇんですの?」

「あぁ…先に王鍵の入手をする事にしたよ。彼はその後だ。ゆっくり時間をかけて仕上げと行こう」

「お~い!来たよ~」

「皆、集まったね…さてギン、穿界門を開いてくれ」

「はいはいっ…と」

 

ゴゴゴゴゴゴ…

 

穿界門が十分に開き切る前に、何を思ったのか完コピの1人が黒崎一護の所に降り立ち、話しかけた。

 

「…その顔、〈今〉の藍染のヤバさを理解してるんだね?」

「…っ」

 

市丸にも同じ事を言われたのだろうか、更に項垂れる彼に苦笑しつつ、藍染の理想の試金石になって貰うべく、言葉を続けた。

 

「まだ幼い君には酷な話だけどさぁ…立ち止まるのは勿論、そうやって項垂れてるヒマは無いよ?だって、藍染は王鍵を作りに行くんだよ?それがどういう事か…解らない程バカじゃないよね?」

「…っ!」

「行くよ、ハウラ」

「ハイハ~イ!んじゃ、最後の最後まで抵抗してよね、黒崎一護?じゃないと、〈みんな〉が困る事になるよ」

「……っ!!」

 

ただ1人そこに座り込んだままの少年には厳し過ぎる現実だけを残して、完コピは彼等に続いて穿界門を潜り抜けた。

 

 

 

「…本当に〈君〉は抜け目が無いね」

「…ん~?何の事か解んないけど…まぁ、褒め言葉として受け取っとくよ」

「ふっ…」

 

バキッ…バラバラバラ…

 

「「「「…っ」」」」

「「「…藍染様(隊長)」」」

「「「「「「あらま」」」」」」

 

断界へと入った瞬間、藍染の頭部を覆っていた白いモノが砕け落ちた。

 

目の色が白目に焦げ茶の瞳孔から紫目に白い瞳孔へと変わったのを見たメノリ、ハリベル達、スターク、市丸ギンは息を呑んだ。

特に激しく動揺したメノリは、反射的にハウラに強くしがみ付いた。

そんなメノリを落ち着かせるように背中をゆっくり撫でながら、完コピ達共々微妙にズレた感想を口にした。

 

「ふ~ん…首から下はそのままなんだ~」

「ぇ?ちょ」

「髪がメッチャ伸びてロン毛になったのと目の色が文字通り変わっただけか~」

「もっと大きな変化があると思ってたのに~」

「何か肩透かし食らった気分~」

「「「「「「ね~?」」」」」」

「ハ、ハウラ…」

「お、お前等…」

「外見以外にも目を向けるところがあるだろう!?」

「「「「「「えぇ~?」」」」」」

「構わないよ。ハウラの本音は下手なおべっかよりもずっと良い」

「「「「「「だってさ」」」」」」

「「「~っ!!」」」

「何にせよ、尸魂界の終焉を私自身の目で見る事が出来るのは実にありがたい…さぁ、行こうか」

 

…ドドドドドドドドドドド

 

「「「…んぁ?」」」

「「…何の音?」」

「…アレって…」

「拘突だね」

「「「あれが…拘突?」」」

「捕まったら最期…とかいう?」

「…確かにヤバそうだな」

「ひっ…」

「はぇ~…初めて見た」

(更にしがみ付いて来た涙目のメノリの頭と背中を撫でながら)

「あかんあかん、早よ行きまひょ。アレは霊圧の側やのうて理の側の存在やないですか。霊圧でどうこう出来るモンちゃいますよ」

「…ふっ…何を怖れる事がある?ギン」

 

バシュッ…

 

藍染は手を翳す事すら無く、ほんの一瞥をくれただけで拘突はバラバラになった。

 

「理とは、理に縋らねば生きて行けぬ者の為にあるのだ」

「…わ~ぉ」

「こ、粉々…」

「「「「「~♪(口笛)」」」」」

「さぁ、行こうか…理の涯へ」

 

…藍染、ちょっとはしゃいでる?

…今のところ、殆ど思い通りに行ってるからなぁ

…調子に乗り過ぎなきゃイイけど

 

ハウラの懸念など知る由も無い藍染は悠々と断界を渡り、尸魂界へと辿り着いた。

※因みに、メノリは拘突に完全にビビって腰が抜けた為、ハウラのお姫様抱っこで移動する事になった。

 

「…へぇ~」

「「「「「ココが尸魂界かぁ…」」」」」

「ふむ…空座町から少し逸れてしまったか」

「…言うときますけど、ボクの所為じゃあらしまへんよ。藍染隊長が拘突にちょっかいかけた所為で、軸がずれはったさかいに」

「…そうだね、皆すまない。〈今の私〉が〈何処まで〉〈何が出来るのか〉を確かめたくて仕方が無かった事を認めよう。…そう言えば、この辺りでも実験をした事があったね」

「…そうやったっけ?色んな場所でやっとったからなぁ…もう覚えとりまへんわ」

「そうかい?…それは残念だ」

「《エル・エスコンディテ/かくれんぼ》に《エル・オトロ・ジョ/もう1人の私(分身体)》モードは《ゴリオン・デ・ハバ/文鳥》っと…あのさ、空座町探して来てちょ」

「ハ~イ」

 

藍染と市丸が自分達の知らない昔話をしている間に、分身体に空から目的地を探して貰う事にした。

 

「…見~つっけたっ…んぁ?」

「如何したんだい、ハウラ?」

「…ん~…何か、無力化した筈の金髪の巨乳…ミラ=ローズ達が相手したのが来てるみたい」

「「「なっ!?」」」

「…ほぅ?」

「…遠目からだけど、歩くのがやっとってくらいにしか回復してないっぽいけどね」

「「くそっ…」」

「…無駄にしぶといですわね」

「…まぁ、居場所は解ってるし、取り敢えず空座町に行こうよ」

「…そうだね。尸魂界もこれで見納めだ。ゆっくり歩いて行こう」

「「「「「は…はい/あ、あぁ」」」」」

「「「「「ほ~い!」」」」」

 

 

 

歩く事十数分、藍染曰く尸魂界にはそぐわない空座町に辿り着いた。

 

「…さて、始めようか。ハウラ、箱を」

「は~い」

 

ビリィィィ、バリバリッ、ガサガサガサ…ジャラジャラジャラ…

 

「…空座町の地図数枚と縄の縛り方の説明書に空座町在住の人間の資料が十数名分…」

「…あとはドールサイズの錫杖(約20㎝)と…生糸?」

「布に包んであるのは…木の杭…かな?」

「「「「「…うっ…」」」」」

「「「「「な、何コレ…」」」」」

「何だろ…何か、触りたくないな」

「君達のその反応は当然だ、恥じる事は無い。虚の本能から来る拒絶反応だからね」

「…ひょっとしなくても、コレが王鍵の媒介になるとか?」

「その通りだよ。この地図に示してある赤い印の場所にこの錫杖…楔を固定して生糸で繋ぎ、最後にこの媒介に結ぶ。それで儀式の用意が調うよ」

「「「「「ふ~ん…」」」」」

「全部で8箇所…ね」

「…先ずは錫杖の固定からだな」

「…そうだな…生糸は1本だけのようだし」

「んじゃ、私とメノリに護衛の2人でひと組、残りの3人でもうひと組ね」

「…勝手に決めるなよ」

「藍染様の指示を待つ気は無いのか?ハウラ」

「構わないよ。その代わり、2本ずつ頼めるかな?」

「OK。比較的近いココとココ、それとコッチの2箇所行って来るよ」

「では残りの…此処をスターク、此方をハリベル達に任せたい…頼めるかな?」

「「はいよ/はっ!」」

「待ちなさい…藍染…ギン…!」

「「「「「「んぁ?」」」」」」

 

儀式の用意をする為に移動しようとしたところに、金髪の巨乳こと乱菊が割り込んで来た。

 

「「ちっ…」」

「…今度こそ仕留めて差し上げますわ」

 

無力化に失敗したと苛立つミラ=ローズ達を市丸が止めた。

 

「その必要は無いで」

「「なっ」」

「何を…」

「ボクの昔の知り合いがすいません藍染隊長、お邪魔やからあっちへ連れて来ますわ」

「構わないよ。どうやら彼女は話がしたいらしいね。移動する時間も勿体無いだろう?此処で存分に話し合うと良い」

「そないな迷惑かけられまへんよ。責任持って処理して来ますよって、そっちはそっちで準備進めてておくれやす」

「ちょっ…」

 

ヒュッ…

 

有無を言わせず市丸は乱菊を連れてどこかへ飛んで行った。

 

「…行っちゃった」

「ふっ…相変わらず面白い子だ…さて、私達は儀式の用意を始めよう」

「「「「「は~い」」」」」

「「はっ!」」

「あ、ねぇ藍染」

「何だい?」

「黒崎一護の妹達とか友人とか…親しい人間達はどうするのさ?」

「…そうだね。以前言っていたハウラの案を採用しようか。彼等を見付け次第、結界の外に出して一先ず生かそう」

「…イイの?」

「その代わり、黒崎一護が来た時、成果が芳しくなかった場合は、私の意志で如何するか決めるよ」

「…まぁ、ソレで黒崎一護が藍染の理想になるなら…イイんじゃない?」

「決まりだね。楔を打ち込みに行った先でこの資料にある人間達に遭遇した際は、生きたまま、出来る限り無傷で結界の外に出してくれないか」

「「承りました/はいよ」」

 

それぞれが担当する箇所へと向かった。

 






今回、大真面目に悩みました。
王鍵を創生する場所と材料は兎も角、それを実践するとしたら具体的にどうやって10万もの魂魄を材料に鍵を創生するのか考えた結果、他作品のマンガやゲームに出て来る儀式を参考に、貧相な頭で考えてみました。
その結果、
『重霊地の特に重要な箇所に錫杖型の楔を打ち込み、1本の生糸で繋ぐ事で特殊な結界を張り、その周囲或いは内部に存在する魂魄を木の杭に一気に集結させる』
が無難な方法かなぁ…と。

原作の藍染はどうやって王鍵を創生するつもりだったのでしょうか…。



次回、市丸ギンの真の目的辺り…から?
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