TS気怠げ少女の憂鬱〜どうでもいいけど平和に生きたい〜 作:雷雷帝王
Side レイ
オレは定時になってた為、アパートへの帰り道を歩いていた。一応、強盗は死なない程度に氷漬けにしたし、証拠も残っていない。そもそもオレがチカラを使えるなんて誰にも言ってないし、誰にも気づかれない
なんてことを考えながら人気の無い道に入って行った。この時、油断しなければ面倒な事に巻き込まれずに済んだだろう
「そこの人ー!待ってくださーい!」
「あぁ?」
遠くからそんな声が聞こえ、最初はオレじゃないと思ったがこの道にはオレしか居ないため仕方なく振り向くとそこには、強盗を退治したアイツがこっちに向かって走ってきた。……もの凄く嫌な予感しかしないがここで逃げれば逆に怪しまれる、適当にいなして帰るか
「いやー呼び止めてごめんなさい!ちょっと貴女に用があってですね!」
「あ、はぁ……」
「何ですかその微妙な反応!ってそんなことより貴女ですよね!さっきの強盗を氷漬けにしたのはっ!」
はい、面倒くさい〜……てか、なんでバレてんだよ。まぁ、まだ誤魔化せるだろ
「なんのことですか?」
「いやいや、誤魔化したって無駄ですよ!私の第六感が貴女だって叫んでます!」
「……」
「あっ!面倒くさそうな顔しましたね!」
……ヤベーマジで面倒くせぇのに捕まったな。今すぐ逃げるべきだったな。……にしても、コイツの目どっかで見たことあるような……
「?何ですか?私の顔に何か着いてましたか?」
「いや、何でもない」
「そうですか。って、それより私行きたいところがあるんですが、案内してくれません?」
「……お前、図々しいな。人にあらぬ疑いをかけた上にソイツに道案内を頼もうなんて」
「えへへ〜って、私はまだ貴女が強盗を氷漬けにした人だと疑ってませんよっ!」
「……はぁ~、取り敢えずついてこい。その場所は良く知ってる」
「!ありがとうございます!あっ!ますまだ名乗ってませんでしたね。私は
「……
「はい!これからよろしくお願いします、レイさん!」
「人の話を聞けよ……はぁ、まあいい、早く行くぞ」
オレはこれから長い付き合いになるバカ女…ヨウカと出逢った。そしてこの日の出逢いをひどく後悔するのであった
Side ヨウカ
私は今、とある人に道案内してもらっている。霜華レイさん……私の直感が言っている。この人は凄く強い、そもそも誰にも気づかれずに強盗を氷漬けにするくらいなのだ。強くて当たり前だ
なんて考えていたらいかにも何が出てきそうな雰囲気を醸し出してるボロいアパートに着いた
……えっ、まさか私がおばあちゃんの代理で大家さんをするアパートってもしかしてここ?いやいやっ、まさかそんなわ…け……あったわ
なんて啞然としていたらレイさんが荷物をまとめて出てきたおばあちゃんに話かけていた
「大家さん、お孫さんつれ来ましたよ」
「あら、レイちゃん!ありがとねぇ〜」
「えっ!?おばあちゃん、レイさんと知り合いなの!?」
「知り合いもなにもレイちゃんはここに唯一住んでる子だよ」
「えっ……えぇ〜〜〜〜!?」
「コラッ、いきなり叫ぶんじゃない。全く、レイちゃんを見習ってほしいもんだねぇ」
「だ、だってっ!レイさん、こんなボロアパートに全然住んでそうな雰囲気が無いんだもん!」
「あんた、誰のアパートがボロいってぇ!」
「……あの、部屋に戻っていいですか」
「あっ!レイちゃん、悪いねぇ。こんな事に巻き込んじゃって……ヨウカ、しっかりやるんだよ!」
「うん!私頑張るから、おばあちゃんは安心しててねっ!」
「全く、あんたは……。ヨウカ、なんかあったらあたしかレイちゃんに言いなよ。レイちゃんもヨウカの事頼んじゃってもいいかい?」
「ええ、任せて下さい。大家さんも身体に気をつけて下さいね」
「大丈夫だよ、おばあちゃん。私とレイさんなら怖いものなしなんだから!」
「なんでレイちゃんにそんな懐いてるのか知らないけど、レイちゃんを変なことに巻き込むんじゃないよ」
ギクッ!
「そ、そんな訳ないじゃ〜ん」
「大家さん、オレは大丈夫ですよ。なので安心して下さい」
「ホントかい?じゃああたしはもう行くよ」
おばあちゃんはそう言いながら荷物を持って歩き始めた。私は遠くなってくおばあちゃんの背中に向かって叫んだ
「おばあちゃん!私、頑張るから!このアパートは任せて!」
私がそう言うとおばあちゃんは振り返って手を振ってくれた。私は嬉しくなります思わず隣にいるレイさんに抱き着こうとしたらレイさんに顔面を掴まれて近づくことを拒否られた
「……はぁ~、大家さんの部屋を見てこい。大家をやるなら書類とか色々あるだろ」
「ハッ!そうでした!おばあちゃんの部屋って何処ですか?」
「そこの階段のすぐ下の部屋だ。後は自分でやれ」
「レイさんはどうするんですか?」
「オレは部屋に帰る」
「えぇ〜レイさんもう帰っちゃうんですか〜」
「お前なんで会ったばかりの奴にそんな懐いてんだ?」
「え?だってレイさん、凄く強いじゃないですか。それに、すんごく綺麗な人ですから」
「……なんだそれ。はぁ、まあいい。なんかあったら言えよ」
「……はいっ!」
私は今日、ずっと憧れてた東京で少し思ってたのと違うけど暮らすことになった。そして、後に憧れの人となる人と出逢った
Side レイ
なんなんだ、あのバカ女は……毎日あの調子で話しかけてくるのか?
「はぁ~、マジでメンド」
何故か謎にオレに懐いてるし、しかも直感だけでオレがやったってバレたし。あー面倒くさい
「レイさーん、ちょっといいですか?」
「……はぁ~少し待ってろ」
扉を開けるとバカ女の嬉しそうな顔が出てきた
「どうしたんだ?」
「いえ、私の住むとこを決めようと思いまして」
「?大家さんの使ってた部屋に住めばいいだろ」
「それだとレイさんとお話できないじゃないですか!なので私、決めました!今日からレイさんの隣の部屋に住みます!」
「……は?」
「だってこんなボロアパートで二人しか居ないのに離れて暮らすなんて寂しいじゃないですか。なので隣同士で暮らせば結果オーライですよねっ!」
「はぁ~……」
オレはあまりの暴論に頭を抱えてため息をついてしまったのだった
霜華レイ…これからのことに不安を覚え始めた人、隣にその原因が来ると分かっていやになった
虹束ヨウカ…今日から東京で住むことになったり、同い年の人と実質二人暮らしになって舞い上がってる人、話す時はベランダから声をかけようと思ってる