TS気怠げ少女の憂鬱〜どうでもいいけど平和に生きたい〜   作:雷雷帝王

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第6話(霜) 龍の集会

 

Side レイ

 

 熊型龍癌(りゅうがん)が出たことで学校が1日休みになり、オレは久し振りに1人で外を歩いていた。ただ、今回は目的があって1人になっていた。オレは約束の場所である寂れた路地裏に着き、そこで待っていると

 

霜華(しもばな)様、お迎えに上がりました」

「……そうか」

 

 声のする方を向くと、そこには刀を携えた女侍がいた。コイツは確か、雷の龍人(りゅうと)だったか

 

「私の手を取って下さい。そうすれば一瞬で龍神様方の方へ連れて行くます」

 

 そう言って女侍は手を差し伸べた。オレはその手を取ると一瞬でさっきの寂れた路地裏から地面は辺り一面が緑の草原で空は雲1つ無い青空が広がっていた。そして、オレの目の前には円卓を囲んで座ってる6人とその隣で立っている5人がいた。さっきまでオレの隣にいた女侍が座ってる少年のそばに立った。そして、オレの方を向いたピンク髪のおっとりとした雰囲気の女性がオレに近づいてきた

 

「レイちゃ〜ん!久し振りじゃない!会いたかったわぁ〜」

「はぁ~……悪いが遊びに来たわけじゃない。今回は報告をしに来ただけだ」

「報告ぅ?」

「ああ、龍の愛し子を見つけた」

「!?それは本当なの……?」

「オレが下らないウソを言うと思うか?」

 

 オレの言葉にさっきまでおっとりとした雰囲気は消え、真面目な雰囲気になった

 

「そう、分かったわ。レイちゃん、そこに座りなさい」

 

 そう言われてオレは円卓を囲んでいる椅子に座った。それを確認して女性…愛の龍神を中心に会議が始まった

 この会議はただの会議じゃない。龍神達が集う《龍の集会》、大事な事から下らないことまで月1にあるこの集会で決まる。まぁ、ただ大体は月1のお茶会とかしてるがな……

 

「レイちゃんが龍の愛し子を見つけたわ」

「!?それは本当か!?」

「……マジで」

「へぇ〜それは面白いことになりそうだね!」

「そうか!そいつは燃えるな!」

「おい!見つけたんならなんでここに連れてこなかったっ!」

 

 オレンジ髪の男がオレに向かって怒鳴りつけてきた。コイツは勇気の龍神でありそして、対ギフト犯罪組織《ハウンド》のトップだ。オレはコイツが個人的に嫌いだ。それに、コイツにバカ女を見せる訳には行かない。コイツは必ず強制的に7つのギフトを目覚めさせようとさせるはずだ。それは避けなければいけない

 

「おい!聞いてるのかっ!!今すぐに連れてこい!このダボが!!」

「勇ちゃん、少し静かにしてちょうだい」

「黙ってろ!オレはこのダボに話してんだっ!!おいっ!なんで連れてこなかったんd「はぁ~……うるせぇ」……」

「ボスッ!貴様っ!自分が何をしたのか分かってるのか!!」

 

 オレは五月蝿さの余り勇気の龍神を氷漬けにした。が、隣にいた勇気の龍人以外、誰も何も言わなかった

 

「皆さんも!この冒涜者を粛清すべきだと思いませんかっ!!」

「龍人ごときが(わたくし)達に指図するのかしら?」

 

 海の龍神が上品に扇子を口元に持っていきながら勇気の龍人を威圧した。勇気の龍人はたじろぎながら反論した

 

「!?そ、それは……で、ですが!この冒涜者はボスに…龍神に危害を加えたのですよ!!」

「はぁ~……静粛に」

 

 愛の龍神がそう言うとオレを含めたこの場に居る全員の視線を奪った。これは愛の龍神の権能の1つ、愛を独り占めにした。気を強く持たないと心まで待ってかれるヤバい権能だ

 

「そもそも、レイちゃんをこの場に居る龍人のみんなと違って特別なの。分かる?」

 

 そう言いながら愛の龍神はオレに近づいてきた。……権能を使った状態で近づかないでほしい。抗うのに結構精神使うから

 

「この子は()()()()()()()()()()()()()()()()()龍人なの。成ろうと思えばいつでも龍神になれる存在なの。分かる?」

 

 氷の龍神、奴はオレに会って全権能を譲渡してから残りのチカラを使って生と死の境に空間を創り、そこでオレが来るのを待っている。そして、このことはオレしか知らない。いや、知ることが出来ない。氷の龍神が創り出した空間にいるとその存在を忘れる、それは龍神も例外じゃない。つまり、他の奴らからしてみれば突如、行方不明になったがその姿形が分からず氷の龍神としか分からない存在ってことになる

 

「なっ!?そいつが氷の龍人……!?しかも、いつでも龍神になれるだと!?」

「そうよ。氷の龍神に会えばすぐに龍神になれるわ。そして、レイちゃんは氷の龍神の居場所を知っている」

「!?な、なんだと!このダボ!!早くその居場所を教えやがれ!!」

 

 いつの間にか復活してた勇気の龍神がオレに怒鳴りつけてきた

 

「はぁ~、死ねばワンチャン会えるかもですね」

「お前っ……!!この俺を舐めてんじゃねえぞっ!!」

「勇気の龍神、貴方は落ち着きがないわね。粛清します」

 

 そう言って愛の龍神は勇気の龍神に近づくと愛の龍神が持つ一番ヤバい権能を使った

 その権能は愛の独占だ。簡単に言えば強制的に愛の龍神の信者にすることが出来る。その信者は愛の龍神しか目に付かず愛の龍神しか永遠に愛することしか出来なくなる

 マジでヤバい権能だ、しかも回避不可だしな

 

「あ…が……」

「さて、私は決めたわ。愛し子ちゃんはレイちゃんに任せるわ。けど、愛し子ちゃんにギフトを渡すかどうか悩んでる子も居るから気をつけてね」

「はぁ~……つまり、面倒事に頭から突っ込めと」

「そういうこと♪頼んだわよ、レイちゃん。っと、その前にもうギフトを渡した子達以外で賛同してくれる子はいるかしら?」

「異議なし!俺はこの上なく熱くなってるぞ!」

(わたくし)も異議なしですわ」

「ボクも異議な〜し」

 

 残りのギフトを渡してない龍神達がそう言ったのを見て愛の龍神はオレの方を見た

 

「最後に、レイちゃん。龍神になる決断を早くしてほしいわ。レイちゃんも気づいてるでしょ?人間性がどんどん無くなってることに」

「……そうだな。知ってる」

「それに、龍人であり続ければ持て余した権能が貴女を蝕む。愛し子にギフト授けてほしいのもあるけど。レイちゃんのことが心配なの……」

 

 その目はさっきまでの冷酷さは無く心底心配する目になっていた

 

「……分かってる。それでももう少しだけ、人のぬるま湯に浸からせてくれ」

「そう……分かったわ。……さて、今日の集会はお開きよ。みんなこの後のお茶会に来るかそのまま帰るか自由にしていいわよ」

 

 オレはお茶会には参加せず、帰ることにした

 

「レイちゃんはどうする?このまま帰る?」

「ああ、そうさせてもらう」

「愛し子ちゃんが気になる?」

「はぁ?そんな訳無いだろ」

「いいのよ!私は愛の龍神!恋を応援するのもまた愛!」

 

 ヤベ、変なスイッチ入った

 

「さぁ!レイちゃん!根掘り葉掘り聞かせてもらうわよ!」

 

 そう言って愛の龍神はオレの手を取ってお茶会用に用意されたテーブルとイスに座らせれた。あれ?オレ、帰るつったよな?他のお茶会に参加した龍神も目を光らせてオレを帰してくれる気は全く無いようだ

 オレは心の中でバカ女に呟いた「ごめん、帰り遅くなる」と 





 霜華レイ…実は結構危ない状態になってる人、無意識下でヨウカの下に帰りたがってる

 龍人…龍神に権能の一部を貰った人間、次期龍神候補でもある
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