ゲーミング用語でデレる台湾女子フアンちゃんと僕の初めてのPC自作 作:メソポ・たみあ
蓮がPCショップでばったりフアンと出くわした、その翌日。
蓮は自分の机に座って頬杖を突きながら、ボーっとしていた。
「おい蓮、お前どこ見てるんだよ?」
蓮の前の席の持ち主であり、同時に友人でもある
石畑は眼鏡がトレードマークの短髪の男子で、他のクラスメイトたちからは〝ハッター〟という渾名で呼ばれている。
何故ハッターなのかと言うと、元々は名字の石畑から取られたイッシーという名字で呼ばれていたのだが、「まるで鹿児島県・池田湖に住むとされる水棲UMAみたいな響きだからやめろ」と本人が嫌がったためハッターと呼ばれるようになった。
ちなみにそんなハッターと蓮はゲーム仲間でもあり、よく一緒にオンラインでゲームをして遊んだりする仲だったり。
話しかけてきたハッターに対し、蓮はボーっとしたまま返事する。
「別に。なにも見てないけど」
「ククク、嘘を吐け。俺にはわかるぞ……お前の視線の先にあるモノがな!」
ハッターは蓮に対して顔を近付け、小声で話す。
「ズバリ……フアンちゃんだろ?」
蓮にとって、それは無意識の行動だった。
自分でも知らず知らずの内に、視線がフアンの方へと向けられていたのだ。
蓮の席はクラスの中でも後ろの席であり、対してフアンは一番前の席。
そのため、昨日の一件もあり自然と蓮の目は彼女に向けられてしまっていた。
「なんだぁ? お前もあの子を狙い始めたのか? やめとけやめとけ、あの子に
「べ、別に狙ってるつもりなんかない。そういうハッターだって、フアンちゃんを可愛いって言ってたじゃないか」
「クク、残念だったなぁ。俺はもう〝嫁〟を見つけてしまったのさ!」
ハッターはそう言うと、ポケットからスマホを取り出して画面を蓮に見せつける。
「見ろ! 今話題沸騰中のソシャゲ【スカイアーカイブ】のヒロインが一人、ユーカ・アオハルの最高に可愛いホーム画面をッ!」
ハッターが見せ付けたスマホには、可愛らしい女性キャラがデカデカと映し出されていた。
【スカイアーカイブ】という
対するハッターはコンシューマーゲームもやりはするが、どちらかと言うと手軽に遊べるソシャゲに熱を注ぐタイプだった。
ハッターも蓮と同じく帰宅部で放課後はバイトに勤しんでいるが、そのバイト代のほとんどをソシャゲのガチャにつぎ込んでは「これはお布施だ! 開発会社を助けるために貢ぎ物をしてるんだ!」と宣って蓮を呆れさせている。
つまりハッターは重課金者でありソシャゲ廃人でもあった。
「悪いが俺は今、ユーカのことしか目に入らない。三次元なんてお断りだ」
「……ソシャゲへの課金もほどほどにしておきなよ。次お金ないって泣きついても、もうジュース奢ってあげないからね」
「うぐッ! そ、そこをなんとか……!」
「ところで、なんだけどさ」
蓮は話題を切り替える。
そしてフアンの方を見つめたまま、
「フアンさんもゲームとかやるのかな? PCとか詳しかったりして?」
「え? さあ……そういう話は聞いたことないが」
蓮もハッターも、ユンシア・フアンという少女のことをほとんどなにも知らない。
知っていることと言えば台湾出身の留学生で、クラスでも浮いた存在であるということくらい。
だがそんなのはクラスメイト全員が知っていることであり、例えばフアンの趣味とか好物みたいな個人的な話はまるでなに知らなかった。
――蓮は、昨日のことが凄く気にかかっていた。
彼女は何故PCショップなんて場所にいたのか? それも、あのPCショップの〝二階〟って――
どうしても気になった蓮は、放課後に直接聞いてみることにした。
▲ ▲ ▲
――時刻は十五時三十分。
ホームルームが終わり、蓮たちが属する二年C組の生徒たちは一斉に席を立つ。
これから部活に向かう者、友人と一緒に町へ遊びに行くもの、自宅へと帰ろうとする者――。
そんな中、フアンも帰路へと着くべく鞄に教科書などを入れていた。
すると、
「あの……フアンさん?」
彼女は一人の男子生徒に声をかけられる。
――蓮だ。
彼に話しかけられたフアンは驚き、小動物のようにビクッと肩を震わせる。
「昨日は本当に奇遇だったね。でもフアンさんがああいうお店にいるなんて、意外だったよ」
「……っ」
蓮はできるだけ警戒されないよう気さくな感じで話しかけたつもりだったが、フアンは急いで鞄の中に教科書などを詰めると席を立ち、逃げるようにクラスから出ていく。
「あ、ああ待って! フアンさん!」
急いで追いかける蓮。
フアンから避けられているのはもはや明白であったが、せめて邪な考えはないということだけでもわかってほしかった。
廊下の中を小走りで逃げるフアンに対し、
「い、いきなり話しかけてゴメン! で、でも僕は、PCに詳しい友達が欲しかったんだ!」
彼女の背中に向かって、そう叫ぶ。
すると、フアンの足が止まった。
「じ、実はゲーミングPCを買おうと思ってるんだけど、僕ってPCに全然詳しくなくて……」
「……」
「昨日、フアンさんお店の二階から降りてきたでしょ? あそこの二階って確か、色んなPCパーツがバラバラに売ってあるはずだよね」
昨日蓮やフアンが訪れていたPCショップは、一階が
ゲーミングPC初心者である蓮には、マザーボードや
お店に並んでいる
だがそんな無知であるが故に、蓮は思ったのだ。
「あのお店の二階でパーツを見てたってことは、かなりゲーミングPCに詳しいのかもしれない」と。
フアンは、蓮にとってなにがなんだかわからないディープ過ぎる〝二階〟という場所から降りてきた。
それも手にはビニール袋を持っており、なにかしらの商品を購入したのは明白。
「だからもしかしたら、フアンさんってゲーミングPCに詳しいんじゃないかと思って」
「……」
「よ、よければなんだけどさ、僕にゲーミングPCのこと色々教えてほしいな、なんて……」
蓮が照れ臭そうに言うと――ようやくフアンは振り向く。
そして長い前髪で隠れた瞳で、チラッと彼の方を見た。
「……你想要什么样的电脑?」
「――え? な、なんて?」
「あ……ん……え、と……パ、ソコン……PC……?」
少々カタコトでたどたどしくはあるが、フアンは日本語を発してくれる。
「ど、どんなPCが、欲しいですか……?」
――それは、フアンが初めて蓮とコミュニケーションを取ってくれた瞬間であった。
彼女の言葉を聞けた蓮は嬉しくなって、思わず笑顔が零れる。
しかし同時に、
「あ、あの、どんなPCって聞かれると……」
「游戏……どんな、ゲーム、したい……?」
「そ、それなら
【
これは家庭用据え置き機でも遊べるゲームであり、蓮も以前から遊んでいるタイトルであったが、できればより高画質・高解像度で遊んでみたいと思っていた。
そんな蓮の要望を聞いたフアンはどこかオドオドとした様子で、少しの間悩ましそうに視線を泳がせる。
そして数秒後、再び恐る恐る蓮と目を合わせ――
「そ、それじゃ……またあのお店、一緒に行く……?」
作者は中国語も台湾語(國語・台湾華語)も完全素人のガバガバ知識なので、翻訳アプリを使っています。
だから所々おかしくても許して……。
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