なんでふゆがザフトになんか!   作:大ちゃんネオ

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皆さん応援ありがとうございます!


ザフトのアカデミーまわりは情報が少ないので独自解釈入りまくりです
アスランの頃とシンの頃でもまた違いますからね(戦時中とそうでないかが大きいと思われる)

追記 最後にアンケートあるのでご協力お願いします!(5/11 23:59まで)


対策すべきは……

 あれから数日。

 シンのシミュレーション特訓の経過は芳しくない。

 いや、実際にはかなり腕前は上がってきているし、以前のような14秒で撃墜なんてことは二度とないだろう。

 けれど、目標はアグネスを負かすこと。それには及ばない。

 次回のシミュレーション訓練までそう日はないし。まあ、別に次回必ず勝てとは思ってないけど、あいつが勝ったら勝ったでムカつくし、ふゆも巻き込んでなんやかんや言ってくるだろうし。あーもうムカつくわね。

 というわけで、ちょっと頭を使った。

 

「失礼します❤️」

 

 入ったのは教官室。まあ、職員室みたいなものだ。

 

「どうしたマユズミ」

「はい。前回のシミュレーションのデータをお借りすることは出来ますか? ちょっと、確認したいことがありまして」

「ああ、そうか。うん、問題ないぞ」

「ありがとうございます❤️」

 

 教官からデータをコピーした記録媒体を手渡され、笑顔で感謝を述べる。教官達からのふゆの信頼は厚い。好感度はしっかりと稼いでいる。

 今回、特に難色を示されることもなく貸し出されたのはふゆの日頃の行いが良いからだ。

 シンが借りになんて来たら、教官もいい顔はしなかっただろう。なんなら、そんな教官に歯向かって貸し出し許可は降りなかったかもしれない。

 またひとつ、シンへの貸しを作ったわね。ふふふ。

 

「熱心だなマユズミは。お前なら首席で卒業も目指せるから頑張れよ」

「……はい! ありがとうございます❤️」

 

 まあ、主に頑張るのはシンなんだけど。

 心の中でそう呟いて、教官室を後にした。

 

 

 

 

 

 

 シンとレイの部屋でルナマリアも一緒に作戦会議が始まった。

 ふゆが部屋のパソコンに向かい、借りた記録媒体のデータを読み込ませる。

 

「今日はシミュレーションじゃなくて、なにするんだ?」

「お勉強よお勉強」

「勉強?」

 

 キーボードを叩き、戦闘データを再生させる。

 それにしても、本当に14秒で撃墜されてるわね……。横目でシンを見ると、苦々しい顔をしている。まあ当然よね。誰だって恥ずかしい過去は見たくないものだし。

 

「どうしたのこれ?」

「教官から借りてきたのよ」

「よく借りれたわね……」

「快く貸してくれたわよ。まあ、ふゆの日頃の行いのおかげね」

 

 そう言うとルナマリアはジトっとした目でふゆのことを見てきた。

 問い詰めてやりたいところだけど、今はシンを優先する。

 

「いいシン? とにかくこれを見てアグネスの動きを研究するの」

「研究って言ったって……なにをどうすればいいんだよ」

「癖を見つければいい」

「癖?」

「ああ。行動パターンに気づけば、次に相手が何をしてくるか読みやすくなるからな」

 

 レイの説明にふゆも頷く。

 もうとにかくアグネスの対策をする。アグネスからしたら卑怯に思うかもしれないけれど、こっちはシンに下駄でも履かせてやんないとフェアじゃない。

 それに、アグネスを墜とせるようになればシンも赤服に手が届く……かどうかは総合的な成績の判断によるからまだなんとも言えないか。

 

「そういうこと。今日はこれをとにかく何回も見返してアグネス対策するわよ。シン、あんたはアグネス・キラーになるのよ」

「アグネス・キラーて」

「あんただって、そう何度もアグネスに言われっぱなしは嫌でしょ? ここらでひとつ、あいつに灸を据えてやんの」

「……ああ!」

 

 その意気や良し。椅子をシンに譲り、PCのモニターに四人で張りつく。意外とレイも乗り気で口を挟んでいるが、何よりもシンの集中力の高さには少し驚かされたかもしれない。

 シンの取り柄は体力と諦めの悪さだと思っていたけれど、この集中力も長所ね。

 ……とはいえ、流石にデータが少ない。

 まあまだシミュレーション訓練は一回しかやってないし、前期ではほとんどお試し体験ぐらいなものだから仕方ない。

 アカデミーは前期教育と後期教育で分けられていて、前期は軍人なら出来ないといけない基本的なことを中心に学ぶ。

 後期はそれぞれの専門課程へと進んでいくので、このシミュレーション訓練はパイロット適性を見るという意味で前期でも数回行われているらしい。それに、現在の軍隊ではどれだけのモビルスーツを保有して、それを操縦出来るパイロットがどれだけいるかが重要になってくる。そのため、アカデミーに入学した学生のおよそ半数がパイロット課程へと進む。おかげで軍艦の搭乗員や後方支援の部隊が人手不足になりつつあるとかなんとか。

 それも結局、馬鹿みたいに大きな戦争をやった代償よね。軍隊なんてのは、暇でなんぼの職業でしょうに。

 

 

 

 

 

 アグネスの研究を始めてから1時間が過ぎ、ふゆとルナマリアで売店まで夜食の買い出しに出かけ、戻ってきた。

 レイに頼まれていたブラックコーヒーを手渡し、シンの手元にもコーヒーを置いた。

 

「はいこれ。一旦休憩にしましょ」

「ああ、ありがとう」

 

 礼は言われたけれど、空返事。コーヒーが置かれたことにも気付いていないんじゃない?

 なんか癪ね。

 

「……シンくんは、ふゆが買ってきたコーヒーよりもアグネスちゃんの方が大事なんだね?」

「ぶっ!?」

 

 ふっ、やっぱりシンはこれに弱いわね。

 いい機会なので畳み掛ける。

 

「ふゆ、悲しいなぁ……。これまで一生懸命シンくんのために色々教えてきたのに……」

「フユ! 変な言いがかりは寄せよ! 飲むから!」

「分かればよろしい」

「相変わらず、すごい切り替えね」

「相手の弱点と自分の武器を正確に理解している証拠だ」

 

 シンは立ち上がってコーヒーを一気に飲み干すと自分のベッドに俯せになって「疲れたぁ」とくぐもった声を上げた。

 

「それで、研究の成果はどう?」

「やはりデータが少なすぎるな。せめてあと三戦……二戦分は欲しいところだ」

 

 シンに問いかけたつもりだったけれど、レイが答えた。レイの方も結構のめり込んでいるらしい。

 

「ま、そうなるわよね……。ルナマリアは何か気付いたことある?」

「どうだろ……近接戦に自信があるっていうのはなんとなく分かるけど……」

「それだけ? あんた結構アグネスとつるんでるじゃない。もっとなんか有益な情報とかないわけ?」

 

 ふゆの言葉にルナマリアはぎくりとでも言いそうな表情となった。

 ふゆのリサーチ力を舐めないことね。

 

「つるんでるって……。あれは、向こうがアタシ一人の時に話しかけてくるってぐらいで特別仲が良いってわけじゃないし……」

「その割には結構男の話題で盛り上がってたように聞こえたわよ」

「聞いてたの!?」

「そんなことしてたのかルナ!」

 

 シンが結構な勢いで食い付いてきた。

 アグネスに同調してたのかと警戒心を剥き出しにしている犬みたいな顔でルナマリアのことを見ている。

 

「やめときなさいよ、ああいう男を品定めするみたいな真似。普通に品がないから。そもそも彼氏いるでしょ」

「分かってるわよ。ほんと、お母さんみたいなこと言うんだから」

「誰がお母さんよ。はぁ……どこかに転がってないかしら。アグネスの戦闘データ」

「パイロット課程に進めば嫌ってぐらい手に入るんでしょうけど」

「その前に一回はアイツを倒したい!」

 

 シンが両手を握り締めて気合だけは一丁前に言う。けど、それを成し遂げるための戦闘データがないって話なのよねぇ……。

 

「……そういえば、お前達は全員パイロット課程に進むのか?」

「当たり前だろ!」

「そうね、そのつもり。メイリンは管制の方に行くって言ってたけど、アタシはパイロットの方が性にあってそう」

「ふゆは後方支援希望」

「ふーん……え?」

 

 空気が固まった。

 え、なになになに。

 シンとルナマリアが詰め寄ってくる。

 

「う、嘘だよなフユ? お得意のやつだろ!?」

「な、何よ。別に嘘なんかついてないわよ。あとその、ふゆが嘘つくの得意みたいな言い方やめてくれる?」

「うっそ……アタシ、てっきりフユはパイロット目指してるもんだと思って……」

「ふゆが今まで一度でもそんなこと言った?」

 

 そう、そんなこと今まで一度も言ったことはない。

 別にモビルスーツのパイロットになりたいと思ったことはないし。

 それに、フユコ・マユズミがパイロットを希望していたわけではない。

 アカデミーに入ってすぐ、フユコ・マユズミがザフトに志願した理由を提出した書類を見せてもらって確認した。 

 そこに書かれていたのは、「平和のために、自分が出来ることを精一杯に頑張りたい」と中身が薄い気がしないでもないけど、これで入隊出来るあたり、ザフトの人手不足は深刻だ。

 そして、フユコ・マユズミはパイロットになりたいとは書いてはいない。

 ひとまず今はふゆが頑張ることにするけれど、詳しい進路に関してはこちらで舵を取らせてもらう。

 こんな情勢が不安定な世界でパイロットなんてバリバリ前線に出て死ぬような高いリスクを背負いたくはないもの。当然、軍にいる以上は死のリスクがつき纏うということは百も承知。その上で、生き残る可能性が高い部隊に行く。

 ふゆの目標はあくまでも元の世界に戻ること。そのためには、死なないように動くしかない。

 

「じゃあ、なんであんなシミュレーション頑張ったりするんだ? 後方支援部隊ならそんなに頑張らなくたって……」

「アグネスの奴がムカつくから負けたくない。そんだけよ」

「その性格は完全にパイロット向きよ……」

「うっさい! ほら、シン! いつまで休憩してるつもり!」

 

 とまあ、無理矢理アグネス対策を再開させたんだけどデータ不足で思った以上に進展はなし。

 時間を無駄にしてしまったような気がする……。

 

 

 

 

 

 次の日。昨日、パイロット課程がどうのなんて話をしたせいというわけではないけど後期の配属希望調査が行われた。

 当然、ふゆは後方支援と書いて提出したんだけど……。

 一日の訓練終了後、教官に呼び出された。それも、アカデミーの学長室に。学長にアカデミーのお偉方も二人在席していて、流石に緊張した。

 

「マユズミ。お前、本当に後支希望なのか?」

「はい!」

 

 ここで臆してはいけないと、平静を装って質問に答える。

 

「そうか……。お前なら、いいパイロットになれると思うんだが……。適性検査もクリアしているし、成績も優秀、赤服は確実だ。今のザフトのためにもパイロット課程に進んでほしいというのが、我々の想いだ」

 

 教官達の想いは理解出来る。ザフトの人手不足は本当に深刻なのだ。

 けれど、パイロットになるつもりはない。それを譲るつもりも。

 

「……私は組織が円滑に行動するためには、前線の方達を支える支援部隊が重要だと考えています。先の大戦で大きく疲弊したザフトだからこそ、特に」

 

 ふゆの建前を述べると、教官達は腕を組んで顔を顰めた。こちらの意思が固いので困ったと言ったところ。

 一方、学長は顎に手を当てて、どこか満足そうに頷いていた。

 

「……うむ。マユズミくんは後支の適性もあるし……どこの部隊も優秀な人材を欲しがっている。今回の件はそのまま通そうじゃないか」

 

 さすが学長。話が分かるわね。

 それに、これまでのふゆの日頃の行いもあって「マユズミならどこでも上手くやっていけるだろう」なんて太鼓判もいただいて、そのまま話は終わり。

 機嫌良く寮へと戻る途中、レイの姿を遠目で見かけた。

 

「誰かと一緒ね……」

 

 見覚えのない人だ。黒い長髪……でも体格からして男ね。

 アカデミーの人間ではないようで、これから帰るところらしい。ただ、そのお帰りもどうやら運転手つきの黒塗りの車というそれなりの身分の人間だろうということは明白。

 レイとどういう関係?

 家族……にしては、血が繋がってるような感じもないし。

 レイが車が去っていったのを見送り終えた時、ちょうどレイのもとまで辿り着いた。レイ一人で周りにも人はいないため素で話しかける。

 

「珍しいわね。面会?」

「……そんなところだ」

 

 レイは愛依みたいなお喋りな人間ではないのでそれしか返ってこない。こっちから聞いても話してくれるとも限らない。そもそも、レイの身の上話なんて聞いたことがない。

 相部屋のシンなら何か知っているか。いや、シンはそもそもそういうことを詮索したりはしないか。だから案外、上手くやれているのかもしれないわね、この二人。

 

「……教官に呼び出されたようだが、何の話をしてきたんだ?」

 

 思わず目を見開いた。

 まさか、レイから話を振られるとは思っていなかったからだ。

 ふゆのことに興味を示すような奴でもないと思っていたけれど、意外。

 

「後期のコース選択の件でね。パイロット課程に進まないかって。まあ、少し話をして希望を通そうって学長が言ってくれたから、拗れることなく終わったわ」

「……そうか」

 

 聞いてきたわりにはそれだけ?

 ま、無口な奴だから話を広げるようなことをするでもないか。

 それより、貴重な時間が減ったけれどやることはいつもと変わらずシンの特訓に付き合って、自分の勉強して、自主レッスンして……。

 ああやることが多い!

 

 

 

 

 今にして思うと、ふゆはこの時、先を見通せていると思ったの。

 けど実態は現在にしか目が向いていなかった。

 この時から、いいえ、もう少し前から歯車は狂い出していたのだろう。

 レイが出会っていたあの男、ギルバート・デュランダルの手によって。




ふゆ シン、ルナマリアのプロデューサーになりつつある。「ふゆ」を長年プロデュースしてきたせいかプロデューサー適性も高い。モビルスーツのパイロットになるつもりはない。

シン 冬優子にプロデュースされている。冬優子がパイロット課程に進まないと聞いてしょんぼりしてしまった。野犬のようだったシンは冬優子に躾けられ……。

ルナ 冬優子にひっそりとプロデュースされている。原作ではアグネスと一緒になってあれこれやっていたが冬優子の介入によりアグネスとあまりつるまなくなった。最近、冬優子のことをお母さんと言い間違えそうになる。

レイ 冬優子にプロデュースされていない。冬優子がパイロット課程に進むつもりがないと聞いて……。

議長 やたらいい声。まだ議長にはなってない。赤い彗星でもないが「もっとシャアっぽく」と演技指導されたとかなんとか。

教官 冬優子にパイロットになってほしい。ふゆのファン。

学長 いやー優秀な子にはなんでもいいから頑張ってもらいたいものですね。

芹沢 後方支援って何するっすか?遠くから敵を撃つっすか?

愛依 冬優子ちゃんなら前線も似合うっしょ〜!

アカデミー編あとどれぐらい見たい?

  • 後期もしっかり見たい
  • さくっと
  • 本編早く!
  • 本編に至るまでもしっかり
  • 変な日常回を挟め
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