目覚めたらブラック鎮守府に移動する羽目になった件 作:白狼悠
「あなたは誰?またここを壊しに来たの?」
後ろから声がする...おそらく艦娘だろう。声質から感じて大人な感じだ...そして振り返ってみる
俺に見えたのはボロボロな服とあちこちに傷ができているポニーテールの女性。
「君は?」
俺は彼女のこう尋ねた
「.....まずはあなたから名乗るべきじゃない?」
彼女はそういった。無理もない。自分の家のような場所に知らない男がいるのだから
「俺は宮原優斗。海軍軍人で階級は少尉。本日付けでここ舞鶴鎮守府に着任することとなった」
「....私は軽巡矢矧...だけど....今はただの解体待ちの産業廃棄物よ」
彼女は自分を産廃だと思い込んでる?.....いや、洗脳されているらしい....前任にたくさん産廃と言われたんだろう
「矢矧....君は産業廃棄物なんかじゃない。俺が証明して見せる」
俺は励まそうという気持ちや元気づける気持ちでこう発言したわけではない。洗脳には洗脳を。矢矧が産廃であることを否定しそれを彼女に植え付ける。これが手っ取り早い....俺はそう思った
「とりあえず中に入っていいか?ていうか入るぞ。」
おれは半ば強引に鎮守府内に入った。館内に入るととてつもない異臭を感じた。清掃も行き届いておらずカビが生えていたりナメクジが這ったり.....衛生環境はとても悪かった。だが、異臭の原因はこれではない。各部屋からとてつもない腐乱臭がする。特ににおいの酷かった戦艦寮の部屋を開けるとそこには半分白骨化した金剛型2番艦比叡の姿や、レイプされ廃人化した長門型戦艦姉妹、完全に白骨化し身元がわからない死体があった。
「......許せねぇ....」
俺は前任に対し強い憎悪を覚えた。それと同時に腹の奥底からどす黒い感情が沸き上がった
矢矧はというと.....この光景がショックだったのか嘔吐を繰り返している。やはり彼女はまだ傷が浅いのだろうか....そんなことより執務室へ行かなければ...
「矢矧、執務室はどこ?」
俺はそう尋ねた。矢矧にとっては道案内も苦であるだろうがこればっかりは致し方ない,...
「つ、ついてきて.....」
そういわれついていった。
これを見ている諸君らは前任がどうなってるか気になるだろうか。安心してくれ。前任はすでに処刑済みであった。前任は1週間前に拘束され。即軍法会議にかけられ【艦娘の生命活動を故意に脅かした行為】という罪で死刑が決まり翌日処刑された
~執務室前~
「ここよ」
執務室内に入ると他の部屋よりきれいだった。大本営と変わらない清潔さに俺はまた絶句した。
かつての前任は艦娘にひどい衛生環境で放置してたのにも関わらず自分だけ豪華な部屋に住んでいたなんて.....
「ありがとう。矢矧」
おれは矢矧に礼を言った。できるだけ矢矧とコミュニケーションを取らなければ鎮守府運営が困難であるからだ。
「えぇ。では私はこれで...」
「何を言っているんだ?君をあんな衛生環境が悪いとこへ行かせるわけないだろ」
「え?.....なんで?」
「俺は艦娘は一人の人間だと思ってる。決してただの兵器としては見ていない」
「どうして,....そんなこと言えるの....私はただの....船なのに...」
矢矧は今にも泣きそうだった...初めて人として見られたのか...そんな矢矧に俺はそっと近づき
「お前が大切な存在だからだ」
そう言い放ち優しく抱きしめた
「矢矧、よく耐えたな...あとは俺に任せろ」
「....ありがとう.....来てくれて...ありがとう...」
それから何時間経っただろうか...矢矧は泣いて寝てしまった。安心したんだろう
とりあえず俺は大本営に鎮守府の清掃と修理、生存者の救出を依頼した。
後日、妖精さんが派遣されボロボロだった鎮守府は新築かのように生まれ変わった。
妖精さんの報告では生存者は長門 陸奥 榛名 霧島 赤城 瑞鶴 川内 那珂 電 大淀 明石 間宮 伊良湖だけであった。他はすべて白骨化や腐敗している死体だけだったそう。生存組も廃人になっている長門、陸奥以外は人間不信になっていた。
「....妖精さんありがとう。とりあえず彼女らを入渠させよう。廃人化した長門たちも少しはましになるだろう」
俺は入渠すれば廃人から脱却できるのではないのかと可能性を期待しそういった
「ジレイハナイケド、ヤッテミルネ」
そして入渠後.....長門たちの精神状態はまだ良くはないがある程度回復したのだった....会話ができる程度には.....
第2話ご覧いただきありがとうございます!!!
まだまだ手探りな状態なのでお見苦しいですが応援して下さると幸いです!!
さて!次回は!!優斗が長門や陸奥の心の傷を癒す!?前任の提督とは違う待遇に戸惑いながらも心を開いてくる艦娘たち!!!次回!第三話!!暗闇にかすかな光!!!