キャラはダークソウルメインだけど、月光はフロムゲーに偏在するので色々と混ざるかも知れません
今回長め
△月×日
よっぽど涙を流してしまったのだろう、前回の日記帳が一部滲んでしまっている。気づけば日が昇っており、またもや深い森の中にいた。
結局、他者からの人間であるという保証は無くなってしまったが…確かに認められていた時はあったのだ。それならば、今度こそ完全に騙し切ればいい…己が魔族とバレても人だと言えればいい
折れはしない、この日記こそが変わらず私を人だと証明してくれるのだから。そう言えば、あの街で見た情報通りなら魔法はイメージで……
[血で汚れており、日記の一部が隠れている]
△月◻︎日
流石にしくじった。血を吐いてしまい、日記帳を汚してしまった。
だが、確かに効果はあった。色々と試行錯誤した上で、最終的に枝を喉奥に何度も何度も突き刺したら、塞がっていたものが取れたかの様に喋れる様になり、魔法も十分に使える様になった
…半ばヤケになっていた気もするが
魔法と言えば詠唱…想像しやすくなったおかげか、
これで、昨日立てた計画もできそうだ
×月◯日
今日の討伐記録・魔族 2匹
×月◻︎日
仲間を呼ばれた
討伐数 6匹
◻︎月◇日
流石にバレて来た、襲撃をくらった
討伐数 5匹
◯月×日
今までは残り少なくて代えも無い貴重な日記帳だったが、記念で久しぶりにたくさん書くことにした
何故なら…この幸運のお陰だ!魔族に襲われていた人を助けた結果、近くの街まで案内してくれたのだ。
角をフードで隠していたおかげか実力のある戦士と思われている。それに、今度は喋れるため前よりも上手く取り入ることが出来た。
このまま行けば用心棒としてではあろうが…また人として暮らせそうだ。それに、彼とは話を通して意気投合し新しい日記帳を貰える程仲良く出来た。
もしかすると、もしかするかもしれない
わからない わからない
だまされた、くさりに囚われて、とじこめられた。
まほうが使えないもの近くに置かれて、ナニカサレタ。
暗かったけど、月がみててくれた
だから一人じゃなかった、さびしくなかった
でも、おなかがすいてたまらなかった
だからうでを、むりやり引っぱって、くさりにひだり手だけ残して
おいしい、ダメなこと。でも、大丈夫
これを書いているから、私は人間
×月◇日
少し、おちついた。時間が分かっておちついた
ナニカしていたあの人は言っていた
私は人の言葉を喋るだけの化け物だと
囚われていた屋敷の外に出て、助けを求めても同じ言葉が返って来た。人でなし、化け物……
でも、諦めてはいけない。誰かに人だって言って貰えれば、私は……
☆月×日
左手は無くしたが…あれから何度も魔族を殺したり、人を助けたりした。魔族を殺す度に私は人間なのだと信じられたが、人助けだけは駄目だった
単に逃げられるだけならまだ良い。時には騙してこようとしたり、兵士がやって来たりしたのだ。それに…気絶させたら、美味しそうに見えてそのまま食い殺しそうになった事もある
だから、次で最後にしよう…もう大丈夫だ、魔族を殺して日記を書けば私は人間だ
☆月◻︎日
信じられない、信じられなさすぎて自分の正気を疑いそうなので書き記す。
最後にしようと決めた人助け
賊をのして檻に囚われていた人達を助けると…
一人だけ、私を、私を認めてくれる人がいた。
彼の名前は「ビッグハット」ローガン
背丈に合わない大きな帽子と手に持った杖が特徴の少年。
魔法使いらしく、エルフや魔族でも無いのに魔法を使えるらしいが不意を突かれて杖を奪われてしまい、囚われの身になってしまったらしい。
最初は焦った、何せ彼は渡した杖をこちらに突きつけたのだから。慌てて気絶させようと
ローガンが、先に杖を下ろし…
都合の良い幻覚、死に際の夢…書いている今でもやはり信じられない
私を人間だと言ってくれた
それからは、あまり覚えていない。しかしローガン曰く、彼に抱きついて泣いてしまったらしい
☆月◇日
ローガンは…"ソウル"なるものをイメージする事で心を読む魔法を使えるらしく、それであの時に私の心を読んだらしい。何でも、心がないと呼ばれる魔族に使ったらどうなるか気になったのだとか
期待外れなことに(?)私は人の心を持っていたが…彼には魔法研究の協力を求められた。どうやら、それ以上に突然変異とも言える魔族の私や見えた心が気になったらしい
そういう訳で(?)昨日から、ローガンとの共同研究生活が始まった。
深い森の小屋の中。よくわからない器具が沢山あり足の踏み場が無かった為、掃除から始まってしまうという何とも奇妙なスタートではあったが…
彼は、笑っていた。私も、笑っていた。
彼も人と関わるなんて随分と久しぶりだったらしく、こんな掃除であっても楽しいものだと言っていた
・月×日
ローガンから新たな日記帳を貰えたので色々書く。
彼との生活は最高だ。お互いに色んな本を読んだり、料理したり、一緒に寝たり…人間相手に感じていた飢えは不思議と消えていて、心の色んな部分が満たされていくようだった
魔法なんか、それはもう面白さの頂点だ。
前までは単純なものしか使わず、必死になって使っていたからか楽しさなど無かったが…現在、彼と学んで実践を繰り返す事は今まで味わった事がない様な快感を私に与えている。
私は魔族だからか覚えるのも早く、最初は教わる側だったのに気づけば肩を並べて一緒に研究していた
……ここだけの話、彼は身の回りの事が疎かで。初めて自分で開発した魔法は、部屋を片付ける魔法だ。
過去に殆どの家事をしていた事が、便利な家電の想像を可能に…こんな所で役に立つとは思わなかった
・月◻︎日
今日はローガンに誘われて、彼と共にとある洞窟へ行った。
色とりどりの結晶があちらこちらで輝いている、とても美しい場所だった。彼曰く魔法のインスピレーションが湧かない時には、いつもここに来るのだとか。
天才とは1%の閃きと99%の努力である
彼のいう通り、どんな人でも天才になってしまうと感じる程に素晴らしさだった
・月☆日
魔法の発明が完成した
ローガンも同じらしくお互いに紹介しあう
彼は、
私は、
森を美しき結晶が覆っていき、それを光線が溶かしていった
この時は…もうお互いに大はしゃぎだった。お互いに抱き合って成功を祝いあったり、成功したのは君のおかげだと言い合ったり……
私は月と洞窟が放つ光の美しさから。彼は私の心に少しだけ見えた、月光に照らされた雪の寒さと美しさから魔法を作り上げたのだ
今までの悪い事も良いことに変わった…最高の1日であった事は間違いなかった
♪月・日
彼から誕生日がいつかと聞かれた。
何でも例の魔法で見られるのは強い記憶だけで細かい事はよく分からないらしく、このままでは祝えないのだとか
私としては大変困ってしまった。何せ前世でも意識した事は無かったし、今世ではいつ産まれたのかも不明なのだから。悩みに悩んで、1ヶ月後が誕生日だと言うと…
この日は彼の誕生日でもあったらしく…
彼と共に街へ行く事になってしまった
当然、大反対した。私一人が行くのならまだ良い、しかしローガンまでが一緒では危険が彼にまで及ぶ。絶対に許容出来なかった
しかし…自分の身くらい自分で守れる、どう思われても良い、と言われてしまい、最終的には襲われたら真っ先に逃げる事を約束して行く事になった
¥月・日
この日は、彼にも私にとってもターニングポイントになった日だった
彼の生まれ故郷らしい街、料理が美味しい店があると言われて誕生日のお祝いとして行く事になった。不審者のようだったが街ではフードにローブまで被って完全に姿を隠していた。しかし、それにも関わらず私は余り注目されなかった
注目を浴びていたのはローガンの方だ
しかし、良い意味では無かった。それは私が良く知っている…腫れ物を見るような、疎外するような視線に陰口
街を出ようと言ったが、慣れているからと言われてそのまま例の店にまで行き続けた
そしてその店では…あまり書きたくはない。
だが、そのような事が起こったとだけ
『お誕生日、おめでとう』
碌でも無い対応、しかし幼い顔に笑顔を無理やり浮かべて祝う彼。美味しいはずの料理は泥の方がマシな味に思え…もう限界だった。彼の苦しそうな、それでも空元気を見せている姿が昔の私に重なってしまったのだ
金は既に払っていた、居ても立っても居られず彼の手を無理矢理引いて店からも街からも離れて森へと戻った。
ローガンに少しの申し訳無さを感じつつも小屋へ戻り、共に料理を作ろうと提案。この時に
"君と作る料理が一番美味しい"だとか、
"君の笑顔が完璧になる食事こそが一番"だとか、勢いで言ってしまった。
しかし、その言葉で彼は…喜んでくれた。思い返すと、少し恥ずかしいが
いつもと同じ、しかし一番楽しい食事を終えると彼はぽつりぽつりと話し始めた。
あの街では心を読む魔法を使って様々な問題を解決していた事。しかし、やがて疎まれる様になって行った事。魔法自体受け入れられなくなり、森で一人暮らしていた事。心を読む魔法だけでなく全ての魔法が嫌いになりかけていた事
かつてとは逆に、彼が泣いていた
だから、私はローガンに伝えた。
魔族として人を殺し食べてしまった事。それなのに、人間であることに固執し続けた事。その為に同族も他の人間も殺してきた事。そのせいで誰にも受け入れられなくなった事。そんな時に彼に出会った事。そして……心を読む魔法のおかげで初めて人だと認められた事。ローガンという大親友ができた事
そして、『お誕生日、おめでとう』と
この日、私達は真の意味で親友に…そして同類になったのだ。人にも魔族にも受け入れられなかった者として
△月×日
今日も魔法の研究に開発、時間の感覚が狂いそうだが日記を書けば少しはマトモになる…気がする
最近、彼は私の首元まで背丈が伸びた。ヒゲも生えてきており、大人になった事がよく分かる
○月◻︎日
最近、彼が外に出る事が多くなった。
何でも他の魔法使いと交流し始めたらしい。喜ばしい事なのだが、少しの嫉妬を感じてしまう。
今日は…エー何とかという魔法使いと話してきたらしい。
彼から聞く話は新しい刺激となり、私にとっても新しい魔法の開発にも繋がるのだが…やはり疎外感を感じてしまった。
☆月◇日
今日は魔族だけが使えるらしい…呪いと魔法について解析と開発が完了した。取り敢えず出来たものは3つ
及び、この呪いを解く 解呪石
それと、飛行魔法
特に呪いは、余り作りたく無いものだったが…ローガンにとってのインスピレーションになるかもしれないため何とか作り上げたのだ。
使わないのは勿体無い、という事で彼が呪いを使ってみようとしたが……魔族だけに使えるという話は正しく彼には使えなかった
だが飛行魔法は中々の出来だった。彼も私も童心に帰って空を飛び回る楽しさを享受できたのだ
☆月◇日
最近、ローガンの髪に白いものが目立ってきた。更には動く事も億劫になってきた様で私が抱える事も増えてきた…これは、何だっただろうか
☆月◇日
彼はベッドに戻らず、ずっと研究机に張り付いている。体に悪いと言っても一向に聞いてくれない。どうすれば良いのか分からない
¥月・日
『お誕生日、おめでとう』
溝だらけのローガンの手から渡されたのは、左手…それも結晶で作られたものだ
彼は言った。
先が長く無い事は分かっている、だからそれまでにコレを作り上げたかったのだと。例の魔法使いにも協力を願ったのだと。これを使う為の魔導書があるから読んで使って欲しいと
そして…幸せに生きて欲しいと
訳がわからなかった。彼と出会ってから大した時間も経っていないのに…何故お別れが来てしまうのか、幸せに生きて欲しいとはどういう事か。
質問したい事が沢山あったのに、口を開こうとした時
彼はもう、安らかに眠っていた
¥月#日
今朝ローガンを………
彼を、生前に望んでいた方法で葬った
ローガンは、いつでもあの洞窟が好きだった。
そして言っていた、"僕が先に死んだら、死体は結晶に包んで欲しい"…と
ただの冗談だと思っていた。だが彼は本気だった
私は魔族で、彼は人間。当然ながら寿命の差がある…だから、彼はこうなる事を分かっていたのだろう
私は人だった…だから、人間の寿命は短いと分かっていたのに…。何で気付かなかったのだろう。もっと、もっと話したい事も行きたい所もしたい研究も沢山あった……最期の時を、共に迎えたかった。行かないでくれ、私を置いていかないでくれ。お前がいないと酷く寂しいんだ…どうやって生きたら良いか、生きて良いかも分からないんだ…だから、だから………
フリーレンと言えば寿命差
この小説だと原作の描写にはつまの先にも届かないですが、最善を尽くしたつもりです