星も転生して来た   作:名無しナビ

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アイ「あーあ。軽い気持ちでコラボガチャを引いたら、私が出ちゃった」

作「出てくる何で普通思わないじゃん…」

アイ「じゃあ次は―――夢に出るね」

作「勘弁してください…」


撮影開始

 土曜日になり俺たちはアクトラインの撮影スタジオにいる。保護者としてあゆみさんがいるが、俺の両親は来ていない。お父さんたちは酷く落ち込んでいたが、なんか長くなりそうなので割愛しよう。

 

 そんなことよりも目の前にいる、かなとあかねの反応の方が重要だ。

 

「おおおおおお、ちちちちち着くのよ私。これは夢にまで見ていたものじゃない。そう、そうよ夢にまで見ていたもの。それがたった今叶ってこれから撮影。そう撮影なのよ! こんな所で気絶なんて――――――」

 

「かなちゃん!?」

 

 ご覧の通り、かなは既に限界スレスレであり、あかねに支えてもらわないと気絶する。それを見ながらアイはイタズラ成功した事に大変満足している。

 

 そんな事でここは面白空間になっているが、周りはの阿鼻叫喚のそれである。悲しい事に見慣れてしまって新鮮さが無いし全員とは言わないが、大人たちは泣いたり倒れたり癒されていたり。最早恒例行事じみた事になっている。

 

 因みに保護者として同伴していたあゆみさんは、現在アクトラインの社長に連れられ別の所で話をしている。最初挨拶をした時に社長は驚きの余りに口を開けていたが、途中で顎が外れてあゆみさんの手で治していた。その後に別の所に連れて行かれた。

 

「かなちゃんの推しってもしかして、アイちゃんとソラくんのこと?」

 

「――――――そうよ。私の推しはアイとソラ。テレビでこそ本名を伏せてただ2人の推しが出来たって言ってたけど、実際はクラスメイトであるアイとソラの事よ。まさかここで黒川あかねにバレるなんて…」

 

「そう…だったんだ…」

 

 かなが自白してあかねに言う。そこでかなは何かに気付いたのかあかねを見る。

 

「待って。まだ自己紹介して無いのに何で2人を知っているわけ?」

 

「あ、えっとそれは」

 

「ふふふ…実は私たちとあかねちゃんは2年前に会っているのだ!」

 

「丁度服を買って店を出た時だったな。あの時妙にジッと俺たちを見てたな」

 

「――――――は?」

 

 かなは信じられない顔であかねを見る。あかねはちょっと戸惑っていたが、何処かちょっと嬉しそうな顔をしている。

 

「つまり私の知らない所でアイとソラで遊んでいたと。へーふーん。ちょー羨ましいんですけど!」

 

「かなちゃんが私に嫉妬。私に嫉妬!?」

 

 訂正しよう。ここは面白空間じゃなくって混沌とした空間だ。かなは嫉妬しながらあかねに詰め寄り、詰め寄られているあかねは何処か嬉しそうにしている。そんな2人を見ながらアイはスマホで撮影をしていた。

 

 おい誰がこの状況をどうにかしてくれ。アイたちは予想通りだったとしても、大人たちが俺の予想を超えるかのように動きをしているんだが。止めてくれよ。これで撮影中止になったら気まずいんだが。

 

「ま、まぁあかねと違って私は小学校も中学校も一緒だし、修学旅行だってアイと一緒の部屋で一緒に寝たし! 別にこれぽっちも悔しくないですしー」

 

「え、同じ学校…?」

 

「そうだよ。私たちは同じ学校だったから修学旅行も一緒だったよ。かなちゃんも言ってたけど、中学も一緒です」

 

 あーあ言っちゃったよ。あかねと遊んでるときは一言も言ってなかったから、かなとは違う小学校に通ってると思ってたんだろうな。実は同じ小学校そして同じ中学校に通っているのは予想外だっただろう。って、あれ。なんかあかねが震えてるんだが。

 

 あかねの身体、正確に言えば肩を小刻みに震えていた。俺はあかねの顔を見ると目元に涙が出ていた。

 

「うぅ…うぅ…」

 

「「え」」

 

「な、泣いてる。もしかして仲間外れにされたと思って泣いているのか!?」

 

 俺がそう言うとアイは撮影をすぐに止めてあかねの所に駆け寄る。かなはさっきまでの態度を改めて頭を下げて謝り始める。

 

「ズルい、ズルいよ…。私も皆で一緒に遊びたかった…」

 

「ご、ごめんね! あかねちゃんとかなちゃんの予定がどうしても合わなかったら、別々遊んでいただけだよ。今度皆で遊ぼ。ね」

 

「本当にすみませんでした。お詫びにアイとソラのツーショット写真をあげます」

 

「かなちゃんも映った写真も欲しい」

 

「どうぞこちらです」

 

 いや正直過ぎ。あかねのやつ、かなも映っている写真をさらっと要求したぞ。そしてかなは何でそんな写真を持ち歩いている。もしかしてお守り代わりに持っているの? 

 

 まぁあかねを慰めるのはアイとかなに任せて、こっちに来るアクトラインの社長の相手をしないとな。

 

「星野ソラ。ちょっといいかしら」

 

「はい」

 

 俺は後ろから来たアクトラインの社長の方に身体ごと向ける。社長は後ろから声をかけたと言うのに驚きもしなかったせいか、ちょっと驚いていた。同時に仕返しを出来なかったことに不満を表していた。ずっと不満な顔をするわけにもいかず、すぐに止めて真面目な顔になる。

 

「初めまして、アクトライン社長の鷹野志保(たかのしほ)よ。貴方の事はあゆみから聞いてるわ」

 

「そうですか。改めて星野ソラです。向こうで黒川あかねを慰めていて、私に似た女性が星野アイです。今回事はその…」

 

「謝らなくていいわ。今回はわたしが言い出した事で起きたことよ。まさか亡くなった星野アイさんと瓜二つの子が来る何て、誰が予想出来るのよ…」

 

「予測不可能思考停止待った無しですね。しかも亡くなったアイさんと同じだと思いますよ。会ったことはないですがね」

 

「頭痛がするわね。昔何回か我が社の雑誌に載せてたのよ。部下に頼んで保管室にある雑誌を引っ張り出してもらって確認したわ」

 

「この短時間でよく確認できましたね。そこまで似てますか?」

 

「完璧にね。あゆみもあゆみよ。まさか近くに原石がいて、その幼馴染も原石。そしてフリーの有馬かなとの仲は良好。ハッキリって規格外ね」

 

「規格外ですか。まぁ分からなくもないですね。そろそろ本題に入りませんか? 時間も押していると思いますよ」

 

「本題に入る前に、先ずあの3人を何とかしないと、ね」

 

 鷹野さんの言う通り。先ずはアイたちを何とかしないといけない。

 

 

 

                       ☆

 

 

 

 時間が経って今は昼休憩の時間になった。俺たちは鷹野社長から許可を貰って、社員食堂を使わせてもらい昼ご飯を食べている。

 

 俺とアイは俺が作ったお弁当を食べているが、かなとあかねは食堂のメニューを注文して食べている。ただアイは前の席で食べているかなの料理に興味があるようだ。

 

「唐揚げおいしそー…」

 

「食べる?」

 

「良いの! あー」

 

「えっ!?」

 

 アイがその場で口を開けて食べさせられるのを待つ。かなは慌てながら箸で唐揚げを掴み、机から身を乗り出してアイに唐揚げを食べさせる。アイは美味しそうに食べているが、かなはもう幸せそうな顔でいた。

 

 ここでアイはお弁当に入っているミニハンバーグを箸で掴んで、お返しにかなの方に箸を向ける。かなはまた慌てながらもミニハンバーグを食べる。それを見ていたあかねは何か言いたそうな顔をしていた。

 

「どうしたあかね。何か言いたそうな顔をしているが」

 

「ズルい…」

 

「それはアイか? それともかな? あるいは両方だったりするか」

 

「両方」

 

「両方。両方かぁ…」

 

 前世でのあかねってこんな感じだったっけ? いや俺たちが関わったからこんな風になったのか。人と関わることで人生や性格も変わるとは言うが、実際それを体験するとよく分かるな。もし前世でアイと関わることが無かったらどうなって―――いや変わらないか。ただタイミングが変わるだけで、今みたいな関係になっているな。あの時お母さんが育った児童養護施設に行ったときに、アイと出会っているからそこから関わることになるんだろうな。でもこの世界は俺や前世のお母さんがいない。それだけでもここまで変わるのは、身を以て知った。この世界のアイさんで。

 

 この世界のアイさんをどうにかしたいとか、そんな事は微塵も考えていない。俺なら遺体がなくても魂さえあれば蘇生は可能だ。だが俺の隣にはアイがいるんだから、アイを優先するのは当然だと思う。瓜二つとは言え向こうは赤の他人だ。なら前世から一緒にいる方を優先するのは当然だと。

 

 って言うか、現代の世界で蘇生何てあまりやりたく。誰にも見られてないのとその場に俺がいればやるかもしれないけど、ここは異世界じゃなく魔法が無い現代。誰が率先して争いの火種になることをやるかよ。

 

 え、アイが殺されたり病死したら? 見られてない所で蘇生しますけど。何を当たり前なことを。誰に説明してるんだ?

 

「私を見つけているけど、どうしたのソラ。何か考え事でもしてるの?」

 

 俺はいつの間にかアイを見つめていたようで、照れながら俺に話しかけていた。

 

「特に深く考えてたわけじゃなんだが、そろそろあの服を着たくなるだろうなぁって考えてた」

 

「あ、やっぱり分かるぅ」

 

「「あの服?」」

 

「そうあの服。見たらかなちゃんとあかねちゃんは絶対に驚くね。それこそ顎が外れるくらいに。午前中は全部言うこと聞いていたから、少しくらいはこっちの我儘を言っても通るんじゃないかなぁ~」

 

「持ってきてるんだ。でもどこにも無いけど、あゆみさんが持ってるの?」

 

「甘い。どうせソラの事だから隠し持ってるわよ」

 

「正解。まぁ気になるだろうけど、午後の撮影の時に見ることになるよ。先ずは昼ご飯を食べようぜ」

 

 かなとあかねは気になっているが、俺は気にせずおかずを箸で掴み食べるのを再開する。

 

 お昼休憩が終わり、また撮影スタジオに戻って来た。俺はスタジオにいた鷹野社長に話をして、服の許可と着替える場所の確保出来た俺は、早速空間から試着室を出して設置してアイドル衣装が入っている袋を出す。

 

「「ちょっと待った!!」」

 

 このままアイに袋を渡そうとしたら、かなとあかねに止められる。ただアイはお構いなしに俺から袋を取って試着室に入っていく。

 

「いやいやいや、いやいやいやいや。いくら何でも手品ってレベルを超えてるわよっ! もはや魔法と大差ないわ!」

 

「ソラくんは魔法使いだった?」

 

「おいおい何でそんな非科学的な事が出来ると思っているんだよ。どっからどう見ても手品だろ」

 

「これを手品と言うなら、全世界にいるマジシャンに土下座して謝りなさい」

 

「ソラくん。ちょっと周りを見よ」

 

 くっ、かなとあかねから手品じゃなくて、魔法でも使っているんじゃないかって訝しんでる。試着室を出すのはやり過ぎたか。そして周りの反応がどう見ても奇妙奇天烈の反応だよ。もうあゆみさんに至っては「あちゃ~」って言ってるよ。

 

「いや何て言われようとこれは手品。そう手品なんだよ。ただ俺の手品能力が高すぎて、魔法と変わらないレベルまで上達してるんだ」

 

「ここまで言い訳すると、逆に関心するね」

 

「何でこうソラってアイ以上に謎の部分が出てくるのよ…」

 

「別に謎でも無いだろ。手品のレベルがただ高いだけだぜ」

 

「どうだが」

 

「――――――おまたせ~」

 

 試着室のドアからアイドル衣装を着たアイが出てくる。ただアイドル衣装はアイさんが着ていたものをアレンジされている。分かりやすく言えば某変身するライダーの中間フォームと言った所だろうか。

 

 案の定と言えば案の定だろう。かなとあかねが声を出してない。かなは口を開けながらアイを指を差し、あかねは右手で口を塞いでいる。周りはもう割愛させてもらう。

 

「あれ、顎が外れてない」

 

「何で顎を外す目的でアイドル衣装を着てるんだよ。既に許可は貰っているから撮影して来い。きっと面白い反応するぞ」

 

「行ってくるね」

 

 すぐに移動してカメラの前に立ちポーズを取る。そのポーズはかつてアイさんがしていたポーズと同じポーズを取り、周りは動揺するがカメラマンは冷静に写真を撮っていた。

 

「ねぇソラ…」

 

「言いたいことは分かる。あかねも心配するような顔をするなよ。亡くなったアイさんじゃないし、別に憑かれてるわけじゃない」

 

「でも本当に憑かれていたら…」

 

「ないない。仮に憑かれていたらすぐに判るし、即座に追い出しているよ」

 

「そ、そうなんだ…ん?」

 

「あんたちょっと可笑しいこと言わなかった? え、見える上に除霊も出来るの」

 

「条件さえ揃えば見えるし除霊も出来るぞ。じゃないとやってられないからな」

 

「さっきの手品と言い条件が合えば幽霊も見れる。でもそう言った特徴の人はテレビ越しだけどオーラとは違うし、やっぱりソラくんは――――――」

 

 うん。途中までしか聞こえなかったが、絶対に聞いておくべきではない内容だな。さて俺もアイと一緒にポーズを取るか。

 

 俺は歩きながら魔法を使ってアイドル衣装に着替え、写真は後日貰えるか考えながらカメラマンと話をして、この姿の撮影許可をもらってアイの隣に立つ。




雑・説明

 星野ソラ

 久しぶりの雑誌の撮影に特に緊張する事なく仕事をこなしていた。周りからまぁ訝しまれていたが特に気にしていないが、さすがに試着室を出してのはやり過ぎたとは思っている。撮影終了後はちゃんと試着室は回収している。

 星野アイ

 この中で一番楽しんでいたのはこの人。四人で撮影出来たことに満足しているし、ソラと一緒にアイドル衣装を着れたことで、テンションが可笑しいことになっている。

 なおアイドル衣装については作者の脳では具体的に書けないので、各自で妄想してください。

 有馬かな

 ついに一つの夢が叶ったと思ったら、ソラとアイが規格外だったため中々心が休めなかった。でも推し達と一緒に撮影出来たからヨシ! あかねにはバレたけど。

 黒川あかね

 既に手遅れ。何度もソラとアイと遊んでいたらこうなるに決まっている。ただあかねが知らない所で三人で遊んでいた事に悲しくなり泣いてしまった。こればかりは予定が合わなかったせいである。ただソラからすれば中学生らしくてちょっと安心した。

 撮影終了後自宅に帰り自室で今回の事を思い出しながら、アイさん関係の動画を見ながら、魔法が出てくるゲームや漫画などでちょっと情報を集めている。

 星野あゆみ

 いた。ちゃんといた。ただちょっと書く予定がなかった。

 鷹野志保

 アクトラインの女性社長さん。容姿は黒髪ストレートで服装はレディーススーツである。前から動画配信をやっていたが、ここ最近は力を入れている。

 ソラとアイをモデルとして雑誌に起用すると決めた社長は、直接ソラとアイを一目見て挨拶をしようしたが、このざまになってしまった。いや誰がこんな事を予想できるか。亡くなった人物が若返って自分の前に現れて、しかもアイドル衣装も着るだと? 一体何の悪夢だ。こんな風に感じていただろう。

 それはそれとして、かなを含めてスカウト出来ないか考えている。

 モデル雑誌ALTER Native(オルタナティブ)は若手からベテラン問わず雑誌に載せている、アクトライン独自の雑誌本である。過去にアイさんもこの雑誌に載っている。そして今回の雑誌ではアイが載っている。これがどういうことか分かりますね。

 社員たち

 もう…むりぃ…。

 あの四人、すっごい青春してる…!

 彼女いない俺達に対してなんだアイツはっ…!

 み、見れるのか。オレ達の僕達の私達の夢の続きをっ!!

 の、四つの感情が渦巻いています。

 因みに試着室またはフィッティングルームには種類があり、今回ソラが出した物はドアタイプのもの。試着室って買えるんだ。
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