星も転生して来た   作:名無しナビ

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アイドルのライブ・その1

 五年生になった星野ソラです。今日はアイドルのライブ会場に来てます。既にライブは終わっていて、今はアイドルと写真撮影会の時間だ。ただ俺たちは並ばないで最後尾になるように時間を潰している。

 

 そもそも何でアイドルのライブに来てるのか? ただ単にネット抽選で当たったからだよ。当然俺たちはこれは外れると思っていて、記念応募感覚でやったら当たったんだよ。当然だが面倒な事が起きる覚悟はしてるし、話を聞いてから断る。

 

 因みにメンバーは俺とアイとお母さんだ。未成年の俺たちは保護者同伴じゃないと入れないから、今日は休みになっているお母さんと一緒に来た。

 

「アイ。解っていると思うが、今はまだ並ぶなよ。どうせお前の事だからペンダントを外して一緒に撮ろうと思ってるだろ」

 

「もっちろん。どうせなら素の状態で一緒に撮りたいし驚かせたい」

 

「大丈夫なのかそれ。一緒に撮ろうとしてるアイドルは誰だ?」

 

和泉(いずみ)ちゃん! 私のファンみたいだから一緒に撮ったら喜ぶでしょ。何ならソラがチェキで撮ってできた写真にサインを書いて渡せば、もっと喜んくれるにちがいない」

 

「なに止めを刺す事を平然とやろうとしてるんだお前は。んな事やればその場で尊死するぞ。前世のアクアとルビーを思い出してみろ」

 

「……ソラも人のこと言えなよね」

 

「言えないけど、アイよりずっとマシだ」

 

「そのアクアとルビーって子は、ソラとアイが関わるとそこまで変わる?」

 

「変わる、マジで変わる。俺とアイは推しみたいだから異常に変わる。ただちょっとその年から可笑しいだろって所はあったな。今でも謎。いやもしかしたら――――――」

 

「私と同じ転生者かもね。私たちと言う実例がいるし」

 

「否定したいけど、納得できてしまうんだよ。ただの天才だと思って無理やり納得してたし、これからもそうする」

 

『間もなく写真撮影を終了します。まだの方はすぐに列に並んでください』

 

 アナウンサーが流れ、会話を止めて俺たちはすぐにアイドルの和泉の列に並ぶ。並ぶとスタッフが後ろに並び看板を持っているものを見ると、終了と書かれていた。

 

 並びは俺が前でアイが後ろでその後ろにお母さんがいる。アイを先頭にすると大変になるし、他の人たちにも迷惑をかけることになる。

 

「んーこれってソラを前にしても駄目じゃないかなって思ってきた」

 

「何で? 俺は別に騒がれるほどじゃないだろ」

 

「ソラ自身はね。でもソラって髪を伸ばせば私と瓜二つじゃん。和泉ちゃんって私のファンだから、すぐに気付くと思うんだよねぇ。テレビ番組、アレは凄かったと思うよ。あそこまで罵倒しながら指摘したんだし」

 

「あの『どこまでコスプレできるか!』通称どこコスか。確かにあの罵倒は凄かった。でもあの中で指摘をしてたからまだよかったが、しなかったら炎上ものだな」

 

「普通ならやらないよあんなこと。でもYouTubeの方で色々動画を出してるから、いつもの通りだからヨシッ。って事になってるからね」

 

「上手いやり方だよな。素をさらけ出しているから、ある程度はファンも受け流される。これは強い。でも、そうか。俺もアイさんと思われる可能性がるのか…これは詰みだろ? どうする、今なら引き返せるぞ」

 

「もう遅いと思うよ。次ソラの番」

 

 アイに言われ前を見るとアイドルの和泉さんがいた。だが和泉さんは俺を見て、何かを確認するかのような表情で俺を見ていた。

 

「まさか、いやそんなまさか。でも無いって言いきれないし、ここで選択をミスればもう会えない可能性がある。ならば試すのみ。ちょっと待ってね」

 

 和泉さんは一度離れる。少し待っていると、何処かで見た事がある髪色をしたウィックを持ちながら俺の所まで来る。

 

「おまたせ。そしてお願いがあります。どうかこのウィックを付けてもらってもよろしいでしょうかッ!!」

 

「――――――え、嘘でしょ。いくら何でも確定する早くない? 付けないと駄目ですか」

 

「お願いします。わたしを助けると思ってどうが、どうかこのウィックを付けてお見せくださいませ…」

 

 おいおいマジか。見ただけでここまで判るとか、ガチファンは怖いな。とりあえず後ろにアイたちは…アイはニコニコでサムズアップで、お母さんは苦笑いをしている。つまり俺が決めろって事ね。良いだろう。こうなれば自棄だ。

 

 俺は頭にウィックを付けて、前世でアイが色んなポーズをしていた中で1つを選びこの場でポーズを取る。ポーズを見ている和泉さんは震えているがその表情は歓喜に満ちている表情だった。嫌な予感がした俺は一先ず他の人に写真を撮られないように、この会場全体に魔法を使っておく。

 

「ほわああああぁああぁぁぁああぁぁぁああああ!? アイさんだ誰が何と言おうとわたしの目の前にアイさんがいる!! ナンデナンデ今までコスプレイヤーを見て来たにどいつもコイツも所詮は偽物だったのに今目の前にいるのは完・全にアイさんになっているコスプレイヤーさんがいるえ、良いんですかわたしがこれを見てしまって良いんですか仕事中になのにファンとの交流会の為にやっているのに逆にわたしがコスプレイヤーさんと交流会になってらっしゃるですけどタダで良いんですかホントにタダで見て良いんですかいくらでも払いますよあ、取ろうとしないでくださいそのままでお願いしますどうか終わるまでいや事務所に帰るまでどうかこのままでお願いしますできれば事務所まで同行してくれますと大変恐縮でございますが大丈夫でしょうか?」

 

「大丈夫じゃないです」

 

「あ、そうですか…」

 

 こっわ。やっぱりガチファンこわ。なんかもう何を言っているか分からないし、息継ぎなしで喋り切ったぞ。俺でこれならアイはどう反応するんだよ。とりあえず終わらせてアイと交代しよう。

 

「写真を撮りましょう。最後の人が待ってますよ」

 

「――――――は、そうでした。撮りましょう撮りましょうすぐに撮って最後の人も終わらせて貴方の撮影会を始めましょう!!」

 

 可笑しい。何で全部終わったら俺の撮影会が始まるんだ。と言うか始まらないよ、アイがいるからそっちを優先するだろ。でも同じ顔をしているから、結局俺も撮られるのか…。

 

 和泉さんと一緒にツーショットを撮り始めるが、和泉さんはどうも落ち着かずにいる。隣でブツブツ何を言っているが、内容が自己暗示のようでどうにか正気を保っているようだ。

 

「やっぱりウィック外しましょうか? その方が安定すると思うのですか」

 

「だだだだ大丈夫です。あと少しで安定するのでもう少々お待ちくださいぃぃぃ」

 

 和泉さんは深呼吸をして気持ちを切り替えたのか、顔の表情が引き締まっていた。また同じような事にならないように、すぐに写真を撮る。写真はチェキなのでちょっと待つだけで写真は出来上がり、和泉さんから手渡しされる。俺は渡された写真を見ると和泉さんと同じようなポーズを取っていて、特に怪しい所は無くホッとする。

 

「ありがとうございました。ツーショットが撮れて良かったです」

 

「いえいえ凄腕コスプレイヤーさんの為なら何十枚も何百枚でも撮りますよ!」

 

「そうですか――――――じゃあ次は私と一緒に撮ってね」

 

 声真似をしながら俺がそう言うと、待ってましたっと言わんばかりに、後ろからアイが来る。アイは俺の隣に来て身に付けていたペンダントを外して、アイを認識出来る状態になる。俺はアイの後ろに立って両肩に両手を置く。

 

「初めまして星野アイでーす。ツーショット、楽しみにしてました」

 

「私と一緒にツーショットを撮ったんだから、こっちの私も一緒に撮ってくれる、よね」

 

 声真似をして話をしたが、流石にやり過ぎたか? まぁどうせ面倒になる事は確実だから、色々引っ掻き回してみようと思った。やり過ぎると思うけど。

 

「――――――ほぎゃ」

 

「あ、倒れた」

 

「分かっていましたが、やはりこうなりましたか。さっきから周りが泣いていたり倒れてますが、何処かで見た事がある光景ですね。てか和泉さんの魂がガチで抜けていて危機的状況なんですが!?」




雑・説明

 星野ソラ

 当選するとは思って無かった。どうせ外れてただの休みになると思ったいたら、当選した。当選した理由はまさか氏名とかじゃ無い事を祈っている。

 星野アイ

 同じく当選するとは思って無かった。当選したら行ってアイのファンである和泉を驚かせようとした。結果的に成功するが…。

 星野千春

 この人も当選するとは思って無かった。今回は仕事が休みで保護者として同行した。

 和泉

 中学一年生でアイドルをやっている、アイのガチファンである。今現在三途の川を彷徨っている。

 テレビ番組『どこまでコスプレできるか!』でアイのコスプレの審査員として出ている。ガチファンとは言えコスプレはあくまでコスプレなので、ある程度は妥協をしているつもりである。似てないコスプレイヤーは容赦なく罵倒し、直せるところはちゃんと言っている。

 この番組はアイ限定でミヤコは審査員として何回も出ている。ただ和泉の言葉使いに若干引いているし、途中で同意を求められても困る。

 因みにミヤコ曰く「アイの存在を忘れてほしくない」と言う理由で許可を出している。忘れられることが本当の死だからね。
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