機動戦士ガンダム 進撃のオズマ   作:武者ジバニャン

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STAGE3 解き放つ力

 

 

「さっきの声は……」

 

ブリタニア軍のシンジュクゲットー侵攻の最中、オズマは脳量子波で偶然声を聞き、その場所へと向かっていた。

彼が向かっている方向より、けたたましい轟音が響いた。

 

「っ」

 

その音の元はこれから向かう先と重なっていた。その証拠にオズマの進行方向より、見えぬほどの土煙が立ち込める。

だが彼は取り乱すことはなく、あくまで冷静にそこへと進むが....

 

 

 

うああああああああっ!!!

 

 

 

「!」

 

向こうより悲鳴が聞こえ、オズマは急ぎ向かった。辿り着いたその先には、天井が崩れ落盤したと思われる瓦礫が無数にあり、これでは先ほどの悲鳴の主も生きてはいまいとオズマは諦めかけた。

 

「......ん?」

 

だがしかし瓦礫の傍らに滑らかな長い黒髪の少女が倒れていた。オズマは透かさず少女の下まで近寄る。

倒れている少女のすぐ傍らで足を止めたオズマ、その少女の顔を見つめる。

 

その少女の顔を見つめていたオズマの表情が、何処か少し動揺しているようにも見えた。

 

「....似ている」

 

倒れている少女を見てそう呟いたオズマ。彼の頭の中、記憶の一部が呼び起こされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ!――さん!えへへ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ!」

 

「だ....れ...」

 

そんなオズマに、少女は無意識に気付くがすぐに気を失った。彼女を運ぼうとした際、彼の視界に瓦礫下より人の手が映る。

 

「手...まさか下敷きに」

 

冷静にそう呟いた彼は片膝を着いて姿勢を低くし、下敷きになったその手を優しく握った。

その手はまだ幼く、傍らに倒れている少女よりもまだ小さい。

握ってもう生きてはいないことは分かっていた。だがこの子がこうなっているのは何故か?答えは決まっている、ブリタニアのせいである。

何処か悲しげにその小さな手を見つめたオズマは――

 

「.....どうか、苦しみと痛みを忘れて、静かに眠ってくれ」

 

 

そう言い残して、彼は倒れている少女を保護すべく抱き起そうとしたが.....

 

 

「動くな!」

 

「....あ?」

彼が振り向くと7人はいるだろう、武装したブリタニア兵士たちが彼に向けて銃口を向けている。

その兵士たちの指揮官と思しき兵士が一歩前にでる。

 

「貴様、そんな所で何をしている。イレヴンか?」

 

「.....」

 

だがオズマは兵士たちに動じることも、銃を向けられているから怯んでるわけでもない。至って冷静で処か、鋭く射殺す程の眼つきでブリタニア兵士らを睨んでいる。

 

「なんだこいつ....しかし、イレブンであれば、運がないな。手を挙げろ」

ブリタニアの指揮官は銃を持っているのは自分たち、相手は素手で脅威などないと認識する。

それに先ほどから自分たちを睨みつける眼つきが気に入らない。ゲットーにいる人間は皆殺しにしろと命令されているが、指揮官の男は自分たちが優位な立場だからか調子に乗って目の前の男を弄ぼうと考え、下衆びた笑いを浮かべる。

 

「....」

 

「聞こえなかったのか!手を挙げろと言ったんだ!」

 

「.....」

 

オズマは言われた通りに先ほどから態度は変わらずのまま、手を挙げて見せた。

 

「よぉしいい子だ」

 

「....一つ質問いいか?」

 

「なに?」

 

オズマはブリタニアの指揮官に返答を待たずに質問を投げかける。

 

「外が騒がしいのは、どうしてなんだ?」

 

「....っぶ!くくく、どうして?」

オズマの質問が可笑しいのか、指揮官はおろか、部下たちも嘲笑うように笑いを浮かべている。

 

「命令があったからだよ」

指揮官の男は見下すようにオズマにそう教えた。それに対して彼の眉がぴくっと動く。

 

「命令?」

 

「ああそうさ。シンジュクゲットーに巣くっているイレブンどもを皆殺しにしろとのご命令だ」

 

「軍人が、一般人を虐殺するのか?罪悪感はないのか?」

 

その問いに対して指揮官の男は笑ったまま即答する。

 

 

 

 

「相手はイレブンだぞ?“だからどうした?”」

 

「.....」

 

その一言は彼にとって以前にも聞いたことがある台詞である。

 

 

 

 

なに?30バンチコロニーに毒ガスなど、虐殺ではないかだと?ふん!今更何を言っている?オズマ大尉......だからどうした?

 

 

 

「....」

 

それは彼の過去....今更それを思い出しても意味はないと分かっているが、しかしこうも胸糞悪い記憶を呼び起こされては機嫌が悪くなると言うもの。しかも相手のブリタニア兵士たちの、悪びれる様子もなく開き直る奴らを見るとどうにも怒りと共に冷めている自分がいる。

 

「....もういい」

 

「なに?」

 

突然手を挙げていたオズマが、両手を下しゆっくりと兵士たちに近づく。

 

「な、なんだ!?こいつ...とまれ!」

オズマから放たれる異様なプレッシャーに兵士たちは動揺するが、今彼がやるべき事は一つ。

 

「ここまで素直に吐き気を催す奴は、久しぶりだ....救いようがない。ここで死ね...ゴキブリども」

 

その言葉と共に腰から軍用のファイティングナイフを鞘から抜いた。ナイフを抜いた瞬間、オズマから尋常じゃない、この世のものとは思えない殺気がその場空気を支配し、兵士たちは異常とも言える彼の存在感に圧倒され怯え始める。

 

「な、なんだ!?き、貴様!!く、来るな!!う、撃て!!」

指揮官の命令で兵士たちは一斉に発砲...のはずだったが、彼らが引き金を引こうとする前にオズマが人間では有り得ないスピードでブリタニア兵士たちに肉薄、一人首を斬り裂きそのまま捕らえる。

残った兵士たちがオズマに向かって今度こそ射撃するが、それを今捕らえた兵士の一人をそのまま肉盾にして、奴らの射撃から身を守る。

 

オズマが盾にした兵士は仲間からの銃撃によって、無数の弾丸を喰らい聞くに堪えない悲鳴を上げて絶命する。

こと切れた兵士の死骸を今残っている兵士たちに向けて蹴り飛ばす。

思わぬ事に棒立ちになっていた兵士たちが、オズマが蹴り飛ばした仲間の死骸とぶつかりドミノのように倒れてそれが隙となった。

態勢を直そうとしたが、いつの間にかオズマが兵士のライフルを奪い、その銃口を彼らに向けて発砲した。

事が終わりオズマの目の前にはブリタニア兵士たちの無惨な死骸が散乱し、彼はそれをゴミを見るように見下した後、ライフルを捨てて代わりに先ほどの少女――マーヤを抱きかかえてその場を後にした。

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

その頃地上ではブリタニア軍のシンジュクゲットーへの攻撃は続いていた。戦車や歩兵、そしてナイトメアフレームも多くの日本人を容赦なく殺害している。

そのブリタニア軍の量産型ナイトメアフレーム・サザーランドを、一機の赤いナイトメアフレームがスラッシュハーケンで攻撃・撃破した。

 

「ブリタニアめ!よくも!!」

 

そのナイトメアフレーム・グラスゴーに乗っているのは、まるで燃えるような赤い髪をしレジスタンスの戦闘服を身に纏う少女・紅月カレン。

反帝国グループの戦闘員で、反帝国活動を続けている。

 

『カレン、グラスゴーはまだ動くか!』

そこへ彼女の機体に通信がくる。相手は彼女が所属するレジスタンスグループのリーダーである扇要という男である。

 

「大丈夫!私が囮になるから、扇さんはここの人たちを逃がして!捕まるのは私たちレジスタンスだけで!」

 

『わかってる!だけど、これだけ囲まれていたら...!』

 

彼らは全力でブリタニア軍へ反抗しつつ、シンジュクゲットーの日本人たちを逃がそうとしている。だがそれには理由というか、今回のブリタニア軍の殺戮には彼らが一因している。

今回の騒動の発端である毒ガスカプセル強奪、それは彼ら扇グループが行ったものである。

だが毒ガスを強奪したからと言って、別にそれを虐殺のために使う訳ではなかった。彼らはその毒ガスでエリア11のブリタニアに優位に交渉を持ち込むつもりだった。

だが結果は強奪した筈の毒ガスを失い、しかもそれが原因でブリタニア軍のシンジュクゲットー殲滅という最悪の事態を招いてしまった。

 

「ナイトメアのエナジーがもう.....っ!また敵!!」

 

カレンのグラスゴーに二機のサザーランドが迫り、彼女はそこより離れるようにして逃走を図る。

それを見逃さず、彼女のグラスゴーを追走するのはブリタニア軍の純血派のジェレミア・ゴットバルト。

 

「あの片腕のグラスゴーがテロリストの...追うぞ!」

「イエス、マイロード!」

部下と共にカレンのグラスゴーを追うジェレミア。無論敵が自分を追いかけているのは分かっているカレンだが、このグラスゴーは既に戦闘で片腕を失い、エナジーもあと僅かとなっている。

 

「くっ!!あと30分...!」

 

エナジーももう残り少ない状態、このままでは確実にやられる。

その時、彼女の通信に――

 

『――西口だ』

 

「えっ....」

 

『線路を利用して西口方面まで移動しろ』

 

突然謎の通信が舞い込む、声からして男なのはわかった。しかしレジスタンスの通信コードはブリタニアに傍受されないよう定期的に入れ替えている。

にもかかわらず何者かがこの通信コードを利用して、カレンに話しかけている。

 

「誰だ!?どうしてこのコードを知っている!?」

『誰でもいい。勝ちたければ、私を信じろ』

「勝つ...!?」

 

勝つ...謎の声からのその言葉にカレンは眼を大きく開く。まさかこの状況でブリタニア軍に勝てるのかと、だが藁にも縋る思いでカレンはその言葉を信じることにした。

 

「わかったわよ!!西口方面に行けばいいのね!」

 

カレンはグラスゴーを走らせ、言われた通りのルートを移動する。そのまま線路を沿って滑走していく、その後ろをジェレミア率いる分隊が追いかける。

 

「惰弱なイレブンめ。ただ逃げるだけでは狩りにならんだろうが」

 

「さっきのサザーランドは、やっぱり追ってくる」

敵が追いかけてくるのを確認するカレンは、先ほどの通信の男を呼びかける。

 

「おい、これからどうすればいい?」

 

『私を信じたからには勝たせてやる』

 

「前から列車が...!」

その時、カレンのグラスゴーの前方より列車が接近していた。

 

『この上に飛び移れ!』

「分かった!」

カレンは言われた通りに列車の上に飛び乗る。ジェレミアは迫る列車をサザーランドの片腕で止めた。

 

「通用するとでも思ったか。こんな作戦が――お前はグラスゴーを追え」

「イエス、マイロード!ぐああ!!」

部下に命令し、グラスゴーを追わせようとした直後に部下のサザーランドが、線路傍の廃墟ビルより飛んできたスラッシュハーケンによって破壊されてしまう。

 

「なに!?ど、同士討ち....!?貴様!どこの部隊だ!敵は片腕――」

攻撃したのはその廃墟ビルから姿を覗かせていたサザーランドであった。ジェレミアは、この味方は一体何をしている!とそのサザーランドを糾弾すしようとしたが、向こうは何も言わずアサルトライフルで彼の機体の足を破壊する。

 

「くっ!!攻撃された!?まさか、テロリスト!?き、貴様ぁ!!」

ジェレミアはそこで気付く。あのサザーランドは敵によって鹵獲されていると、自分がイレブンに騙し討ちされた理解し憤慨する。

だがそれは彼の冷静を奪うのに充分なものである。

 

「やああああああっ!!」

その隙をカレンは見逃さず、グラスゴーを転進させ行動不能となったジェレミアのサザーランドに吶喊する。

 

「あのグラスゴー!戻って――ええい!!」

敗色は濃厚とジェレミアは脱出機能を起動。コックピット全体が機体から切り離されて射出、パラシュートが逃げたのである。

 

「く!脱出したか」

逃げた敵に忌々しげに見つめた後、カレンは今回手助けしてくれた通信の相手に礼を言おうとした。

 

「助かったよ。でも、どうやってサザーランドを――」

カレンは通信の男が潜んでいる廃墟ビルに向かって見ると、そこにはもう先ほどのサザーランドは居なくなっていた。

 

「あれっ、どこに....」

「おーいカレン!さっきの通信はなんだ?」

扇たちが合流してきた。彼女はどうして扇たちが此処に来たのか不思議であったが、さっきの通信という言葉にまさかと思った。

 

『え?扇さんたちにも?』

「ああ、吉田たちももうすぐこっちに....」

すると扇の通信機にザザッ――っとノイズ音がした後、通信がくる。

 

「ん、通信?」

『お前がリーダーか?』

「あ、ああ....」

『そこに止まっている列車の積荷をプレゼントしよう。勝つための道具だ。これを使って勝ちたくば、私の指揮下に入れ』

言われるがまま扇たちは列車の積荷のコンテナを開ける。その中身に彼らは驚愕する。

 

「全部、ナイトメア....!」

カレンや扇たちが驚き見た積荷は、ブリタニア軍の現主力量産型である複数のサザーランドであった。

 

「こっちにもあるわ!」

「こっちもだ!」

「すげぇこりゃ。話だけでも聞いてみるか」

積荷の中を見てレジスタンス仲間の井上、玉木、秋山が驚愕し、嬉々としている。

 

「こんなに....どうやって....」

『グラスゴーにいる女』

余りの状況にグラスゴーに乗っているカレンは理解できないでいる。そこへ先ほどの通信の男が呼びかける。

 

「は、はい!」

『お前はそのままだ。その機体は攪乱に向いている』

「わ、わかった」

その後の指示でエナジー・フィラーの交換を済ませて10分後に新たな指示が来るまで待機となった。

そして10分後、通信の男の指示により、敵を待ち伏せる。

 

「3....2....1、撃て!!」

指示通り待ち伏せ、扇の号令で積荷より奪取したサザーランドの部隊による一斉攻撃で、ブリタニア軍のナイトメア部隊を撃破する。

 

 

 

「オイゲン卿、バレリー卿!共にロスト!」

 

「なに?伏兵か?」

先ほどまで優勢により勝者の気持ちを味わっていたクロヴィスであったが、部隊の一部がやられたことに戸惑う。

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

一方、マーヤを保護したオズマは彼女を抱きかかえながら、コンテナシップに到着する。

中に入りマーヤを先ほど保護したあの拘束衣の女とは別室の医療用ベッドに寝かせる。

 

「ん....んん...」

 

だが寝かせた筈の彼女が意識を取り戻し目覚めた。

 

「こ、ここは...?」

 

「起きたか」

 

「え....?」

 

オズマの存在に気づいたマーヤは驚く。先ほどまで地下通路にいた筈なのに、気を失って目が覚めたら全く知らない場所で知らない男を目をすればそれは驚く。

 

「あ、あの!こ、ここは!!」

「ここは俺が所有する船の中だ」

「ふ、船...?(私はブリタニアに連れてこられたの...?でも)」

 

だがオズマの姿を容姿を頭から足の爪先まで見つめる。左右非対称の白黒の髪と眼、見たこともない制服みたいな服装、マーヤは恐る恐る問いかける。

 

「貴方が...助けてくれたのですか?」

「ああ、そうだ。だが足を怪我してるようだから、手当はする。事態が落ち着くまでは此処に居るといい」

「.....」

オズマの言葉にマーヤは顔を俯かせ、途端にハッとなって自分がどうしてこうなったかを思い出す。

 

「あの!!私が居た場所に子供たちがいた筈です!!その子たちは!!!」

「....」

彼女は必死な形相でオズマの腕を掴み、陽菜たちのことを問いただす。オズマはそれが先ほどの瓦礫の下敷きになっていた幼い手の持ち主だと分かった。

彼女は陽菜たちの死を目の前で見た、だがそれを受け入れるなんて出来ない――その為、目の前にいるオズマに無事だと、生きていると言って欲しいと現実から逃避しようとしていた。

 

「....」

オズマは無言でそっと自身の腕を掴んでいるマーヤの両手を引き離し――

 

 

「......残念だが」

「っ!!...っ..あ..っうう.....」

彼女は顔を俯かせ、唇を嚙みしめる。

 

「陽菜は、まりは、ともは.....親を失って、辛くても、苦しくても、それでも、ただ純粋に毎日を一生懸命に生きていた子たち....なんです...なのに」

「.....」

「どうしてそんなに簡単に.....人を殺すの....」

彼女そんな疑問は誰も答えてくれない。それが悔しくて、堪らなくて、自分ではどうしようもなくて膝の上に乗せている両手に力が入る。

 

「日本人だから?戦争に負けた国の人間の命は、そんなに軽いの?どうでもいいの!?...そんなに」

彼女の声が段々弱々しくなり、その瞳から涙が溢れ零れる。

 

「そんなに....容易く奪っていいものなのっ.....?」

 

「......」

 

全てに絶望したように崩れるマーヤ。するとそんな彼女の頭を、オズマは優しくそっと触れた。

 

「え....?」

 

「.....」

 

いきなりのことにマーヤは顔を上げ、眼を丸くしてオズマを見上げる。その彼はただ無表情でマーヤの頭を優しく、そして大切そうに撫でた。

その感触にマーヤは優しさを感じ安心し、そしてそれが寧ろとても心地良いと思ってしまう。

 

「あ...ありがと...ございます」

 

「っ!」

 

彼女が照れくさそうにしながら、涙を流しつつ自分を安心させてくれたであろうオズマに感謝を口にする。

だがそれがオズマにとって、彼の過去の記憶がまた――

 

 

 

あ!にいさん!えへへ...ありがと!にいさん!

 

 

「っ!」

 

「あの...」

 

オズマは突然彼女から離れる。マーヤは不安げに自分に背を向けるオズマを見つめる。すると彼は――

 

 

「気に入らないな」

 

「え...?」

 

「兵士でありながら命を奪う覚悟すら持たず、ただ面白半分に命を奪う奴らを見ると....胸糞が湧いてくる」

 

彼の目が殺意に溢れて先ほどのマーヤに見せた優しさは、何処かへと消えてしまっている。

マーヤが不安げに彼に呼びかけようとする、だがその前に――

 

「ハロ!」

 

「ハロ?」

 

オズマがそう何かを呼ぶように叫んだ後、どこからかサッカーボール位の大きさの白と黒のボール型のロボットがそれぞれ現れた。

白くて愛らしい眼つきのが白ハロ、黒くて悪そうな眼つきのが黒ハロ。彼らはぴょんぴょんと跳ねながら、マーヤの傍に止まる。

 

「「ハロハロ!」」

 

「コンテナシップ浮上。地上に出次第出撃する」

 

「「リョウカイリョウカイ」」

 

白ハロと黒ハロが上部の二枚カバー部をパタパタ開きながら、眼をピカピカと光らす。

 

「「コンテナシップ フジョウ フジョウ!」」

 

するとコンテナシップが自動で浮上し、地下から出ていく。

地上に出たことを確認したオズマは、そのまま何処かへと向かう。そんな彼にマーヤが何処か行ってしまう彼を呼びかける。

 

「あの!何処へ!?」

 

「君は休んでいろ。いいな」

 

「あ!待って!」

しかしマーヤの制止を聞かず、オズマは出ていく。すると白ハロと黒ハロがまたもぴょんぴょんと跳ね始める。

 

「シュツゲキヨウイ スタンバイ」

 

「モビルスーツカクノウハッチ カイホウ」

 

白ハロと黒ハロがそう騒ぐと、コンテナシップの上部に当たる所が開き始める。

 

「なに?なんなの?何が起きてるの?」

中に居るマーヤは何が何やら理解できず、白ハロと黒ハロに問いかける。すると――

 

 

「セントウジュンビ!」

 

「シュツゲキ!」

 

 

 

「「ガンダム!ガンダム!ガンダム!」」

 

「ガン...ダム...?」

 

ハロたちが繰り返す名にマーヤは同じく口にするしかなかった。

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

そのオズマはコンテナシップに格納していたある機体のコクピット内部にいる。

 

「リヴァイヴ、聞こえるな」

『はいマスター』

「ブリング、デヴァイン、マレーネに出撃させろ。俺も今から出撃する」

『わかりました』

通信終えたオズマ...その姿はソレスタルビーイングのガンダムマイスター用の左右非対称の白黒色のノーマルスーツを身に纏っている。

オズマはコクピット内の端末操作を行う。システムが起動、その機体のツインアイが光る。

 

 

「さぁ、久しぶりの戦場だ」

 

その機体...ボディ部分は細身で頭部には白と黄色の二対四本のブレードアンテナを持つシンプルなデザイン。

背部から伸びたアームで両肩に配置された二基のGNドライヴ内蔵コーンスラスターバインダーによって特異なシルエットを持つ。

カラーリングは青を強調したトリコロールカラーとなっている。右肩に人骨を銜えた左右非対称の白黒色の狼のエンブレムが付けられている。

 

 

「さぁ、行くぞ...シジョウ・オズマ、ダブルオーガンダム...でる」

 

 

いま異世界にて破壊の力【ガンダム】がその牙を向けるべく、飛翔する....。

 

 

 

 

ヒロイン増やすなら誰

  • モニカ・クルシェフスキー
  • 紅月カレン
  • オルドリン・ジヴォン
  • シャーリー・フェネット
  • ミレイ・アッシュフォード
  • 篠崎咲世子
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