TS薄幸白髪赤瞳超絶カワイイ超能力美少女がサイバーパンク世界を行く   作:第616特別情報大隊

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地獄の門が開く//多元宇宙的恐怖または悪魔

……………………

 

 ──地獄の門が開く//多元宇宙的恐怖または悪魔

 

 

 ウルフ元中将を殺害したサロメ。

 

「リーパー。見えますか?」

 

「見える。あれがこれまでお前だけに見えてきたものか?」

 

 今回はリーパーにも見えている。つまり、サロメはついに安定してこの世界に存在しているということです。

 

 それは地獄門がもはや開き切ったということも示唆している。

 

「サロメ。これでいいのだろう? 地獄門は今や完全に開かれた。我々は対価を支払った。だから、大井とメティスに対抗する手段を……」

 

「もはや大井もメティスもその存在に意味はない。我々が地獄を広め、この世界が地獄に飲み込まれれば、お前たち人間の作ったものなど、何の価値もなくなる」

 

「それは……!」

 

 サロメが不気味な笑みを浮かべて告げるのにネテスハイムと呼ばれていた研究者がうろたえるのが分かった。

 

「お前は自らの愚かしさを後悔しながら死ぬといい。私は地獄が広がるさまを見学させてもらうとしよう」

 

 サロメはそう言って姿を消した。

 

「どうやらミネルヴァの連中は嵌められたようだな」

 

「そうみたいですね……。地獄門がこのまま開かれていたら、やはり…………」

 

「世界が終わるってところか」

 

 サロメはミネルヴァを謀り、地獄門を開かせた。彼女は最初からミネルヴァをこのために利用していたのではないだろうか?

 

「地獄門を閉じなければなりません。あのネテスハイムという人に聞いてみましょう」

 

「ああ。今の状況じゃ、情報がなければ動けない」

 

 私とリーパーはネテスハイムさんの方に向かう。ネテスハイムさんは床に崩れ落ち、俯いて絶望している様子だった。

 

「おい、お前。ミネルヴァの研究者だな?」

 

「……お前たちは……傭兵か?」

 

 リーパーが声をかけ、ネテスハイムさんが私たちの方を見る。

 

「俺たちは何者かはどうでもいいことだ。俺たちは地獄門を閉じに来た。それだけ分かっていればいい。お前たちにとっても今や地獄門は脅威なのだろう?」

 

「その通りだが、しかし…………」

 

「何だ? 何か言いたいことでもあるのか?」

 

 リーパーはネテスハイムさんを脅すようにそう尋ねた。

 

「もはや地獄門は我々にとっても制御不能なのだ。閉じることが可能なのかどうかすらも既に分からない状況だ」

 

「と、閉じられないんですか!?」

 

「分からないんだ。ここまで大規模に門を開けたことはなかった。それに制御施設も悪魔たちに制圧されてしまっている」

 

 慌てる私にネテスハイムさんは力なくそう言った。

 

「開けたなら閉じられるだろう。これまではどうやって閉じてきたか教えろ。その方法を試す」

 

「分かった。これまでは錨を僅かに開いた門に降ろして、門を固定し、それによって地獄を観測してきた。だから、今回も錨を引き上げれば、門は閉じるかも知れない」

 

「オーケー。じゃあ、錨がある場所まで案内しろ」

 

「こっちだ。だが、本当に悪魔によって制圧されているぞ」

 

「どうにかするさ」

 

 リーパーは余裕の態度でネテスハイムさんにそう言い、私たちは地下施設を地獄門を安定させるために降ろされた錨のある場所に向けて進んだ。

 

「ネテスハイムさん。あなたはΩ-5インプラントというものを知っていますか?」

 

「ああ。パラテックで実現したインプラントだ。しかしながら、これまでの実験での成功例はあまり聞かないが」

 

「私の頭の中には、そのΩ-5インプラントがあります。成功した例ですよ」

 

「ほう」

 

 ネテスハイムさんは私の方を興味深そうに見る。

 

「しかし、Ω-5インプラントは私の脳を侵襲しています。これを安全に取り外さなければ私が死ぬか、または別人になってしまうんです。あなたはこのインプラントの安全な取り外し方を知りませんか?」

 

 私は彼が知っていることを願ってそう尋ねた。

 

「残念だがΩ-5インプラントを始めとするパラテック関係のインプラントは取り外し方法が確立されていない。我々も一度移植したインプラントを取り外したことはないのだ」

 

「そんな……」

 

 しかし、ネテスハイムさんもΩ-5インプラントの除去方法を知らなかった。

 

 このままでは私は…………。

 

「ツムギ。まだ諦めるな。方法はあるはずだ」

 

「……ええ。きっとあるはずです」

 

 リーパーにそう言われて私は頷く。

 

 そのような話をしながらも私たちは地獄門に降ろされている錨を制御する場所まで向かっていた。

 

 当然ながら悪魔たちが立ちふさがる。私たちは悪魔たちが湧き出ている、その中心部に向かっているのだから当然なのだ。

 

「ボスラッシュとはいかないな。所詮は雑魚ラッシュか」

 

「油断しないでください、リーパー」

 

 リーパーはもはや悪魔たちを脅威にも感じず斬り殺し続け、前進し続ける。私もテレキネシスでリーパーを支援しながら前進する。

 

「制御施設までは間もなくだ。しかし…………」

 

 ネテスハイムさんは私たちの方をじっと見る。

 

「君たちはもはや悪魔よりも恐ろしい存在になっているかのようだ」

 

「そいつは光栄だな」

 

 リーパーはネテスハイムさんを嘲るように笑ってそう言った。

 

「だが、制御室にはここにいるものより恐ろしい悪魔がいる。警戒したまえ」

 

「了解です」

 

 制御室はさしずめボス部屋というところなのでしょう。

 

「それはさっきのサロメって悪魔じゃないのか?」

 

 リーパーは制御室に向かいながらネテスハイムさんに尋ねる。

 

「違う。サロメは、また別種の存在だ。あれこそが悪魔。多元宇宙的恐怖そのものだ」

 

「彼女はあなた方を利用していた。そうなのでしょう?」

 

「そうだな……。今思えば愚かだった。だが、彼女が提供した技術はどれも魅力的で、人類社会を飛躍的に発展させるものだったのだ。扱いさえ間違わなければ、我々は今ごろは不老不死すら実現していだろう」

 

 ネテスハイムさんはこの事態を引き起こしたことを後悔しながらも、未だにパラテックに対する執着を見せていました。

 

「自分たちは賢く、悪魔の技術であろうと使いこなせると思ったか? 思い上がりも甚だしいな。その考えこそが全ての間違いの元凶だろう。パラテックがなかったとしても、お前たちは遠からず破滅していたさ」

 

「恐らくはそうなのだろう……。我々は思い上がっていた」

 

 ネテスハイムさんが後悔する中、私たちは制御室前に到達。

 

「踏み込むぞ、ツムギ。援護してくれ」

 

「任せてください」

 

「3カウントで突入(ブリーチ)だ」

 

 3──────制御室の向こうからは何かの唸り声が聞こえる。

 

 2────今も地獄門は拡大を続けている。

 

 1──ここで防がなければなりません。

 

 0。リーパーが制御室の扉を引き裂き突入(ブリーチ)

 

「オオオオオオオオォォォォ────ッ!」

 

 巨大な部屋の中にはその巨大な部屋を守るに相応しい体長5メートルほどの角の生えた巨人がおり、私とリーパーを見つけると雄たけびを上げて襲い掛かって来ました!

 

「リーパー! やれそうですか!?」

 

「問題ない。叩きのめしてやるよ」

 

 リーパーは余裕の態度で巨人との交戦状態に。

 

「さあ、来やがれ、不細工。ハンサムにしてやるぜ?」

 

 リーパーはいつものように軽口を叩きながら巨人の懐に肉薄する。

 

「まずは一撃」

 

 リーパーが攻撃を叩き込む。超電磁抜刀による高速攻撃だ。

 

 悪魔が衝撃によろめき、リーパーはさらに一撃。

 

「援護します!」

 

 私は周囲にあった金属片を使って悪魔を攻撃し、リーパーを援護した。

 

 しかし────。

 

「再生している……!?」

 

 悪魔はその傷が瞬く間に回復していたのです!

 

「地獄門のせいだ。悪魔たちは地獄門から溢れるエネルギーによって、自らの身体能力を強化している……」

 

 ネテスハイムさんはそう説明する。

 

 不味い、不味いですよ!

 

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