TS薄幸白髪赤瞳超絶カワイイ超能力美少女がサイバーパンク世界を行く 作:第616特別情報大隊
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──野犬狩り//ゲームセット
元韓国海兵隊の
「ひ、ひいっ!」
殺害対象のハッカーであるニュクス17は崩れ落ちた
「お前がニュクス17だな」
「た、助け────」
特に命乞いを聞くこともなく、リーパーはさっとニュクス17を斬り殺した。
「さて、あっけない幕引きだったな」
既に駐車場の炎は消え始めており、黒焦げになった車が数台並ぶだけだ。
「リーパー。部屋に突入したとき、何があったんです?」
「ああ。初歩的なブービートラップと無人警備システムの相手をしていた。あの手の細々したやつを処理するのは、あまり達成感がないな。おまけのミニゲームみたいな、そんな感じだ」
「はあ。そうですか」
「それより
「面倒な相手でしたね。どれも人間離れした動きをしていて。どれだけインプラントを入れればあんな動きができるんでしょう?」
私の見た
正直、もう二度と相手にしたくない類の敵ですね。
「ふうん。そういう感想か……」
リーパーはそう呟きながら、ARデバイスで死んだニュクス17の顔写真を撮影。
「ジェーン・ドウ。お望み通り、ニュクス17は死んだ。これで終わりか?」
『ご苦労様でした、リーパー。話があるので一度セクター4/2の喫茶店に来てください。そこで報酬も渡します』
「了解だ」
それからリーパーが私の方を向く。
「ツムギ。ジェーン・ドウから次の指示だ。セクター4/2の喫茶店に行くぞ」
「はいはい」
私とリーパーはニュクス17や
『リーパー。
「カンタレラ。片付いたよ。世話になった。あとで報酬を送金しておく」
『それならついでに遊びにおいでよ。ツムギちゃんも連れて』
「暇があったらな」
カンタレラさんからも確認の連絡があった。
「暇があったらって。どうせ暇でしょう?」
「この手の
「そこら辺、気遣うのは意外ですね」
「カンタレラなしだとマトリクスがからきしだからな」
優秀なハッカー相手の選択肢を間違って、機嫌を損ねたくないとリーパー。
「恋愛ゲームでもやってるつもりですか?」
「恋愛ゲームか……。それはあまり趣味じゃないな。あれは何が面白いんだ?」
アクションはないし、自由度も微妙だとリーパーが言う。
「それはストーリー性でしょう。人と人が交わっていく物語を楽しむゲーム。そういうのじゃないですか?」
「何がいいのか分からんな」
「あなたは人間を殺すことにしか興味がないですもんね」
リーパーにとって人間は無害なNPCか、殺してポイントが入る敵でしかないのだろう。彼に他人にどう殺すかということ以外に興味を持たせるのは無理なように思えます。
「そうかもな。テキストばかり読ませるゲームより、実際にアクションするゲームの方が俺は好きだ。テキストばかりのゲームはもはや小説だろう? ゲームを求めているのに小説を読まされて何が楽しい?」
「ゲームに求めるものは人それぞれですから」
ゲームの嗜好が云々というより、
リーパーと言う人間にとって本当に全てはゲームのようだ。
「そろそろ到着するぞ」
そんなどうでもいい話をしながら私たちセクター4/2の喫茶店前に到着。
リーパーはいつものように路上駐車を避けるために周囲を回っておくよう車の自動運転に命じ、私たちは喫茶店に入った。
喫茶店はセクター1桁であるセクター4/2に相応しいもので、高級感に満ちていた。
その内装はいわゆるチェーンのコーヒー店などとは違い、天然の木材をふんだんに使用した落ち着いた作りだ。それから化学薬品臭の混じっていない天然物のコーヒーの香りがする。
客層はビジネスマンなどが多いようで、高級店に相応しい客層だ。
「待ち合わせをしている。ジェーン・ドウって女だ」
「お待ちください」
そんな店のカウンターにいる高級モデルの接客ボットにリーパーが言い、接客ボットは情報を処理するようにしばし沈黙する。
「お待たせしました。こちらへどうぞ」
それから接客ボットは私たちを個室に通した。
「待っていましたよ、リーパー、ツムギさん」
ジェーン・ドウは個室で私たちを出迎えた。
「
それから彼女はまず
「あなた方にはこれでふたつの
ジェーン・ドウはリーパーにそう尋ねる。
「ああ。使える。その点に疑問はない」
「そうですか。あなたがそう評価するからには確かなのでしょう。では、今後とも継続して私の方で雇用しましょう」
リーパーの答えは短く、あっさりしたものだったが、ジェーン・ドウは別にそれ以上の答えを望まなかったようだ。
「というわけですので、あなたにはIDを準備しておきました、ツムギさん。今後はこれを使ってください」
ジェーン・ドウの方からそう言われてデータが送信されてくる。
「犬養ツムギ?」
そこには役所での手続きから職質の際に提示する身分証、そして自販機での買い物にまで必要になるIDのデータが記されていた。
名前は犬養ツムギで年齢は18歳と……?
「ええ。犬に飼われている犬には相応しい名前かと」
「はあ……。でも、年齢は……?」
私はどう考えても18歳にはなっていないのですが…………。
「未成年だと
「それが通じるなら構わないですけど」
私が18歳と言って周りに通じますかね……?
「それよりジェーン・ドウ。次の
「今はありませんよ。コーヒーでも飲んで親睦を深めようと思っただけです」
「俺は紅茶がいい。アイスの。それからケーキはいつものやつ。名前は覚えてない」
「ベイクドチーズケーキですね。そろそろケーキの名前ぐらい覚えたらどうです?」
リーパーは興味のないことにはとことん興味がないらしい。ジェーン・ドウがリーパーのお母さんに見えてしまいます。
「あなたはどうしますか、ツムギさん?」
「私はコーヒーで」
ここでケーキを頼むほど図々しくはない。ここは絶対に高いお店だ。
「リーパー。可能であれば────」
ジェーン・ドウが告げる。
「ツムギさんが能力を使った際のデータは記録してください。私の方で参考にさせていただきます。いいですね?」
「ああ。暇があればやっておく」
「そうしてください」
私はコーヒーを飲みながらリーパーにジェーン・ドウの言ったことがほとんど頭に入っていないことをテレパシーで見ていた。彼は目の前のベイクドチーズケーキをどう食べるかということだけ考えている。
ジェーン・ドウの方はと言えば…………読めない。
彼女が何を考えているのか、私にも分からないのだ。
「それからツムギさんは定期的に渡した薬は飲んでください。あなたにいきなりよく分からない場所で死なれても迷惑する人間が出ます」
「ええ。なるべくベッドの上で死ぬようにしますよ」
「よろしいです」
ジェーン・ドウはそういってコーヒーを口にする。
「さて、これからもともに
彼女はそう言い、笑うことなく私たちの方を見た。
確かに強欲な
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本日の更新はこれで終了です。