TS薄幸白髪赤瞳超絶カワイイ超能力美少女がサイバーパンク世界を行く   作:第616特別情報大隊

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パワーストラグル//強襲

……………………

 

 ──パワーストラグル//強襲

 

 

 戦闘が始まったのは、私たちがバンカーに到着してから1時間後のことだった。

 

『全ユニットへ。上層で戦闘が始まった。警備ボットが次々に交戦状態に突入している。現時点で襲撃者の正体は不明。ただし、敵はとんでもなく重武装だぞ。アーマードスーツまで持ち込んでやがる。警戒せよ!』

 

 広瀬さんから私たちを含めた全員に警報が発せられる。

 

「アーマードスーツ!? マジですか……!」

 

「敵はクーデターを企てている大井内部の勢力だ。アーマードスーツぐらい持ち出すのは簡単だろう」

 

「うへえ……」

 

 アーマードスーツは人が着用する装備で、重装甲と重火力を有する兵器だ。その性能はちょっとした戦車みたいなものです。

 

 私のテレキネシスでもそんな相手には手も足も出ないでしょう。テレキネシスでは手も足も使いませんけどね。

 

「ああいうデカ物が出てくると楽しめる。そうでないと面白くない」

 

「どうかしてますよ……」

 

 リーパーはアーマードスーツを相手にする気満々です。

 

『畜生。上層はほぼ敵に制圧された。連中は隔壁をこじ開けて、こっちに来ようとしている。全ユニット、交戦に備えろ』

 

 エレベーターエリアの上の方でゴオッと炎が燃える音が聞こえる。

 

 どうやら封鎖された隔壁をこじ開けるために溶断を行っているらしい。警備システムがマトリクスからスタンドアローンになっている以上、隔壁を開けるにはそういう力業しかないのだ。

 

「リーパー。敵が来ますよ」

 

「ああ。どんな連中か拝んでやろう」

 

 私とリーパーが戦闘配置に就き、エレベーターエリアの警備ボットたちもジョロウグモ君を含めて配置に就いた。

 

 そして、不意に炎の音が消える。

 

『──……アーモリー・コマンドより全ユニット。バンカーへの突入(ブリーチ)開始だ。まずはスタングレネードを叩き込め……──』

 

「スタングレネードに警戒してください!」

 

 私は相手の思考をテレパシーで読んで警告を発する。

 

 カラン、カランとエレベーターエリアの上から金属が転がってくる音がし、私はその音を発しているものをテレキネシスで掴む。

 

 次の瞬間、上の方で激しい炸裂音と閃光が瞬いた。

 

『──……ゴー、ゴー、ゴー……──』

 

 それから複数の重量のある物体が降下してくる音が響く。

 

 金属のこすれる嫌な音とともに姿を見せたのは────。

 

「アーマードスーツ!」

 

 2.5メートルはある鋼鉄の巨人が6体!

 

 ARデバイスは目の前に現れたそれが大井重工製48式強襲重装殻であると示します。

 

 つまりは問題のアーマードスーツですよ!

 

「いいな。こいつらは俺が殺る。ツムギ、お前は雑魚の相手をしておけ」

 

「はいはい!」

 

 アーマードスーツに続いて強化外骨格(エグゾ)を装備したクーデター軍の歩兵部隊が突入してくる。強化外骨格(エグゾ)によって運用可能になった電磁ライフルを装備した連中ですよ。

 

『──……アーモリー・コマンドより全ユニット。警備を迅速に排除しろ……──』

 

『──……ツヴァイヘンダー・ゼロ・ワンよりアーモリー・コマンド。了解……──』

 

 そして、交戦が開始された。

 

 アーマードスーツは腕にマウントした口径12.7ミリ重機関銃でまずは警備ボットを狙い、重々しい射撃音とともに重機関銃が火を噴いた。

 

「被弾、被弾、被────」

 

「わわわわっ!」

 

 通常の警備ボットは一瞬でスクラップに!

 

「ふん? 俺の脅威度は警備ボットより低いと判断したか? なるほど────」

 

 リーパーは自分が真っ先に狙われなかったことに不満気に呟き──。

 

「────なら、戦闘ってやつを教育してやろう」

 

 リーパーの姿が消えたと思った次の瞬間、彼はアーマードスーツに肉薄し、その戦車並みの装甲があるアーマードスーツを“鬼喰らい”で貫いていた。

 

『──……なんだ、こいつは。まさかサイバーサムライか……──』

 

『──……そいつは機械化していない。生身だぞ……──』

 

 アーマードスーツ部隊に混乱した通信が流れている。

 

 その間にもリーパーは大胆不敵に動き続けており、アーマードスーツ部隊は火力を警備ボットからリーパーに向けて対処を開始した。

 

「射撃、射撃、射撃」

 

 しかし、敵はリーパーだけではないのです。

 

 ジョロウグモ君が重機関銃でアーマードスーツ部隊を銃撃し始め、装甲こそ貫けないものの、相手をよろめかせたり、兵装を破壊したりする。

 

「さてさて、私も仕事(ビズ)をしないといけませんね」

 

 私の相手はアーマードスーツ部隊の後ろから侵攻中の歩兵部隊だ。

 

「ファイア!」

 

 私はエレベーターエリアで進むに進めず固まっている歩兵部隊に向けて、ファイアスターター能力を使って炎を放つ。

 

『──……クソ。予想外のことが起きている。ここは火力で突破するぞ。合図したら一斉に前方に火力を叩き込め……──』

 

『──……了解。無反動砲を使います……──』

 

 歩兵部隊はエレベーターエリアにあるものを遮蔽物にしながら無反動砲やグレネードランチャーを構え、その狙いを前方に──つまりは私たちに向ける。

 

 しかし、狙われているのが分かるならばやりようはあります。

 

『──……3、2、1──撃て……──』

 

 一斉に敵の重火器が火を噴こうとする中で、私はテレキネシスで放たれそうになっている弾頭を掴む。そして、そのまま────。

 

「ドカーン!」

 

 弾頭はランチャーから僅かに放たれた時点で爆発。

 

 弾頭はサーモバリック弾頭だったのか、あるいは別の高威力爆薬だったのか、巨大な爆発が生じて、歩兵部隊が爆発に包まれる。

 

「派手にやったな、ツムギ。これは負けてられん」

 

 リーパーは私の起こした爆発ににんまりと笑うと、アーマードスーツ部隊にさらに猛烈に襲い掛かる。

 

 アーマードスーツ部隊は重機関銃に加えてロケット弾まで発射して乱闘を繰り広げるが、相変わらずリーパーは謎の強さでそれらの攻撃を全て回避してしまっている。

 

『──……スモークを展開してやつの動きを封じる……──』

 

 と、ここでアーマードスーツ部隊が一斉にスモークディスチャージャーから煙幕を展開して、私たちは真っ白な煙の中に囚われてしまった!

 

 不味いです! 相手はセンサーで私たちの姿が見えているでしょうが、こっちは生身なので何も見えませんよ!

 

「リーパー! 大丈夫ですか、リーパー!?」

 

 私は煙の中で叫ぶが、リーパーからの返事はない。

 

 それから銃声と爆発音が次々に響き、私は不安になってきた。

 

 テレパシーで思考を読もうとするも、先に壊滅した歩兵部隊の混乱した思考が散在していてなかなかリーパーに絞れない! 死にそうになっている人の声ばかりがノイズになって響いてしまっています!

 

 そうこうしているうちに煙がゆっくりと晴れていき────。

 

 

「ははっ。なかなかいいスコアが出せたみたいだ」

 

 

 そこには“鬼喰らい”を手に楽しげに笑うリーパーがいて、ばらばらになったアーマードスーツの残骸が転がっていた……。

 

 

「嘘でしょ…………。あの中でアーマードスーツを全滅させたんですか…………?」

 

 私は思わず呆気にとられた。

 

「そこそこの難易度だった。楽しめたぞ」

 

「はあ……」

 

 この人はどうしてここまで強いのでしょう? 全く以て謎です!

 

「しかし、まだ追加が来そうじゃないか?」

 

 リーパーがそう言ったとき重々しい何かが立てる金属音がエレベーターエリアの上から響いてきた。アーマードスーツよりも巨大で、重たい何かが降下してきます!

 

「リーパー。これは一体何が……!?」

 

「さあな? だが、まだまだ楽しめるようだ。次のステージに突入と行こう」

 

 そして、その巨大な何かがエレベーターエリアに降下してきた。

 

 それは────。

 

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