TS薄幸白髪赤瞳超絶カワイイ超能力美少女がサイバーパンク世界を行く   作:第616特別情報大隊

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ワイルドファイア//偵察

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 ──ワイルドファイア//偵察

 

 

 ミノカサゴと名乗った女性は座っていた椅子から立ち上がると、私たちの方に歩み寄ってきた。

 

「一応今回の仕事(ビズ)の認識を確認していいか?」

 

「もちろんです」

 

 ミノカサゴさんはそう求め、私は頷く。

 

目標(ターゲット)は帝都生化技研の研究者で、殺しではなく拉致(スナッチ)が目的。間違いないな?」

 

「ありません」

 

「そして、やつが研究しているウィルスについて強奪(スナッチ)を実行」

 

「その通りです」

 

 ミノカサゴさんがひとつずつ確認していくのに、私が頷く。

 

「オーケー。ちゃんと仕事(ビズ)の目的は共有しているらしい。ジョン・ドウ、ジェーン・ドウの類から違った命令を受けていて、現場でそれが分かったって話になると不味いからね」

 

 どうやらこの手の仕事(ビズ)には慣れているらしく、ミノカサゴさんはそう言って安堵していた。

 

「裏切ったり、裏切られたりするのは確かにごめんだな」

 

 そこでリーパーが私の方に視線を向ける。

 

 私はミノカサゴさんの思考を読んでおり、彼女が別の目的を持っていないことを確認しているので、リーパーの視線に頷いて返す。

 

「じゃあ、早速殴り込むか」

 

「待ちな。そりゃ不味いよ。こっちの情報だと研究所には民間軍事会社(PMSC)の連中が警備についている。パトリオット・オペレーションズって連中だ」

 

「ああ。大した相手じゃない」

 

 リーパーは何度もパトリオット・オペレーションズと交戦して、彼らを撃破しているだけあって余裕の態度です。

 

「随分と大口叩くね。だが、一緒にやるからにはこっちの意見も聞いてもらうよ。まずは偵察からだ。帝都生化技研ってところはそこそこの広さなのに、こっちはそこに3人で突入(ブリーチ)しようってんだからね」

 

 ミノカサゴさんは慎重な人のようです。

 

 正直、リーパーとどっちが頼りになるかというとミノカサゴさんの方ですよね……。リーパーはいつもドーンと入って、バーッとやるぐらいの大雑把な作戦しか立ててくれませんから……。

 

「リーパー。偵察からやりましょう。念のためです」

 

「まあ、たまにはそうやってのんびりやるのもいいかもな」

 

 私もリーパーを説得し、まずは偵察という路線が決定した。

 

「じゃあ、出発だ。運転はあんたに任せていいかい?」

 

「いいぞ」

 

 ミノカサゴさんはリーパーにそう言って、私たちはリーパーを先頭に外に出る。

 

 それからSUVに乗り込み帝都生化技研へを目指した。

 

「この手の仕事(ビズ)の経験は?」

 

 SUVの中でリーパーがミノカサゴさんに尋ねる。

 

「あるよ」

 

「へえ。じゃあ、これまで経験した仕事(ビズ)の中で一番危険だった仕事(ビズ)ってのはあるか?」

 

「そうだね。樺太の旧ロシア海軍の地下原潜基地から脱出する仕事(ビズ)が一番危なかったかね。オホーツク義勇旅団と日本海軍特別陸戦隊に挟まれてさ。危うくミンチにされるところだった」

 

「なら、かなり腕が立つみたいだな」

 

「そこそこだ」

 

 ミノカサゴさんはリーパーに煩わそうにそう返していた。

 

「偵察って具体的にはどうします?」

 

「マトリクスからとドローンを利用したものの2段構えだ。突入(ブリーチ)ルートと脱出ルートはしっかりさせておきたい。警備の規模も分かれば文句なしだ」

 

「マトリクスから……。ハッカーに当てが?」

 

「ある。もう仕事(ビズ)を任せているから、あとで情報を共有しよう」

 

「手際がいいですね」

 

 ミノカサゴさんは頼りになりそうです!

 

「ところで、ちびっ子。あんたの役割は?」

 

「私はリーパー同様にドンパチと、それから情報収集を」

 

「へえ。小さいのに頑張ってるね。偉い、偉い」

 

 ミノカサゴさんがそう言って私の頭を撫でる。犬猫の扱い…………。

 

「そろそろ到着するぞ」

 

 リーパーがそう通達し、私たちの間に緊張感が生じた。

 

 SUVはゆっくりと速度を落とし、リーパーは窓の外を見ながら車を止めた。

 

「あれが帝都生化技研だ」

 

 帝都生化技研はセクター9/7というあまり治安が良くない場所でありながら、そこそこの規模の研究施設だった。

 

「うちのハッカーから研究所の見取り図が来た。共有する」

 

 ミノカサゴさんがそう言って私たちと研究所の見取り図を共有。

 

「ふん。正面はやはり無人警備システムが山のようにあるな。で、問題の黒沢バレリアの居場所だが」

 

「ここにP4レベル実験室がある。問題のベルセルク・ウィルスがそれなりに危険なものならば、ここで扱ってると思う。ただ、そこに同時に黒沢バレリアがいるという保証はないな」

 

「結局は研究室内を探し回ることになるのか」

 

「待て。うちのハッカーが無人警備システムへの侵入を試みている」

 

 ミノカサゴさんの雇ったハッカーは研究所の無人警備システムへの侵入を試みているらしい。もし、それが成功すればベルセルク・ウィルスの場所も黒沢バレリアの居場所も分かりますね!

 

「オーケー。侵入に成功。内部の情報が来たぞ」

 

 おお! これで仕事(ビズ)の難易度が下がりましたよ。

 

「クソ。旧式の無人警備システムみたいだな。生体認証スキャナーが部分的にしか機能していない。一体どこにいやがる…………」

 

 ミノカサゴさんは愚痴りながらも無人警備システムで目標(ターゲット)を捜索。

 

「掴んだ。やつの居場所はここだ」

 

「P4レベル実験室がある棟と同じ建物の部屋だな」

 

「ああ。あとはドローンで上から様子を見よう」

 

 そう言ってミノカサゴさんは外に出るとキャリーバッグを開く。

 

 その中には軍用グレードのクアッドロータードローンが収まっていた。

 

「それっと」

 

 ミノカサゴさんは操作デバイスにBCI接続すると、ドローンを飛ばす。

 

「映像を共有してくれ」

 

「あいよ」

 

 私たちにも情報が送られてくる。空から見た帝都生化技研の映像だ。

 

「物騒なもので武装した狙撃手がいるな。口径30ミリの対物電磁ライフルか」

 

「ああ。パトリオットの連中は結構な武装をしているぞ」

 

 私には武器の種類などはそこまで分からないので、ドローンで掴んだ位置にいるパトリオットのコントラクターたちの思考を盗聴しておこう。

 

『──……定時連絡。異常なしだ。何も起きてない……──』

 

『──……今日は気合を入れておけ。要人(VIP)が来るんだからな……──』

 

『──……分かってる、分かってる。全く忙しいぜ……──』

 

 何やら愚痴っていますが、要人(VIP)とは…………?

 

「リーパー。敵は研究所に要人(VIP)が来ると話してます」

 

「ふん? 要人(VIP)が来る、か。また愉快なときにタイミングがあったな」

 

「愉快じゃありませんよ……」

 

 私にとって不愉快ですらあります!

 

「ちびっ子。あんたも敵の通信をハッキングしたのかい?」

 

「そんなところです。ある程度、通信情報は掴めますから頼りにしてください」

 

「そりゃあいいね」

 

 私の活躍にミノカサゴさんも満足げ。

 

「そろそろ作戦を立てようぜ」

 

 リーパーはそう言って見取り図を開く。

 

「今回は黒沢バレリアとベルセルク・ウィルスってお土産(パッケージ)を安全に外に連れ出す必要がある。というわけで、隠密(ステルス)は必要だろう。最短距離で、密かに入って密かに拉致(スナッチ)

 

「異議なし。なら、突入(ブリーチ)ルートはこんなもんかね」

 

 リーパーが示した作戦方針にミノカサゴさんが突入(ブリーチ)の場所を決定。それは資材搬入用の裏口付近にある警備の手薄な場所だ。

 

「オーケー。万が一の場合のプランBだが、隠密(ステルス)が失敗した場合は俺が暴れ回って陽動を行うから、その間にお土産(パッケージ)を運びだせ。ツムギはミノカサゴと一緒に行動しろ」

 

「大丈夫ですか?」

 

「問題ない。それにこれはプランBだ」

 

 リーパーはそう言っていますが、この人わざとプランBを発動するようなことはないですよね……? ちょっと心配です…………。

 

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