TS薄幸白髪赤瞳超絶カワイイ超能力美少女がサイバーパンク世界を行く   作:第616特別情報大隊

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ワイルドファイア//接敵

……………………

 

 ──ワイルドファイア//接敵

 

 

 私たちはパトリオット・オペレーションズの大部隊の方に向かってる。

 

「この先だ」

 

 無人警備システムからの映像を把握しているミノカサゴさんがそう言い、リーパーが慎重に曲がり角の先を見る。

 

「いるぞ、いるぞ。大所帯だ。今なら背後から奇襲できる」

 

「じゃあ、派手におっぱじめようか」

 

 リーパーが告げ、ミノカサゴさんが右手の袖をめくる。

 

「あたしが第一撃を叩き込む。それから突っ込め、サイバーサムライ」

 

「了解した。サイバーサムライじゃないがな」

 

 ミノカサゴさんがそうリーパーに向けて言うと、彼女の手が……。

 

「おお?」

 

 ミノカサゴさんの手ががちゃんと変形し、グレードランチャーのような銃身が腕から飛び出る。その銃口をミノカサゴさんは素早く廊下を進むパトリオットのコントラクターたちに向けた。

 

 すると電気の弾ける音ともに何かが射出され、後方を進むパトリオットのコントラクターたちが血の霧になった!?

 

「ほう。電磁フレシェット弾か」

 

「イエス。火薬のにおいがしないから、爆発物探知犬にも検出されない」

 

 リーパーはすぐに何が起きたのかを理解し、ミノカサゴさんは2発目を叩き込む。

 

 フレシェット弾と言うのは無数の針を飛ばす砲弾で、対人兵器だ。ミノカサゴさんはどうやらそれを腕に仕組んでいたらしい。

 

「ファック! 攻撃を受けてるぞ!?」

 

「敵を探せ! 後方だ!」

 

 パトリオットのコントラクターたちは一斉に動き、私たちの方を向く。

 

「今だ。突っ込め」

 

「オーケー」

 

 ミノカサゴさんの放った打撃からパトリオットのコントラクターたちが立ち直らないうちにリーパーが斬り込む。

 

 リーパーは一瞬で敵との距離を詰めて、最初の犠牲者を斬り伏せる。

 

「こいつ、サイバーサムライかっ!?」

 

「畜生! ぶち殺せ!」

 

 強化外骨格(エグゾ)を装備し、旧式の電磁ライフルを装備したコントラクターたちがリーパーに銃口を向けた。

 

 しかし、リーパーには未来が見えている。

 

 銃弾は彼をかすめることすらなく、リーパーは“鬼喰らい”を振るって獲物を屠っていく。血の筋が宙を舞い、壁に鮮血がスプレーされる。

 

「何だ、何なんだ、こいつ!?」

 

要人(VIP)をすぐに避難させろ! 要人(VIP)の避難が最優先だ!」

 

 流血とともに混乱が広がっていき、怒号と銃声が響き渡る。

 

「あいつ、本当にサイバーサムライじゃないのか……?」

 

「違いますよ」

 

 ミノカサゴさんは信じられないという顔でリーパーを見て、私はそう言った。

 

「それより私たちはお土産(パッケージ)の確保を」

 

「そうだね。あの兄ちゃんが暴れている間に仕事(ビズ)を終えよう」

 

 ミノカサゴさんはそう言って先頭に立ち、リーパーが暴れてる廊下を避けて、お土産(パッケージ)である黒沢バレリアとベルセルク・ウィルスが存在する建物への侵入を試みた。

 

 しかし、途中で暴れるリーパーへの対応に向かうパトリオットのコントラクターたちとばったり出くわしてしまった!

 

「お前たち、どこから────」

 

 すぐさまそのコントラクターにミノカサゴさんが電磁フレシェット弾を叩き込んで撃破。私たちは強引に突破を図る。

 

「こっちにも敵だ! 畜生、研究所全体が襲撃を受けているぞ!」

 

 しかし、パトリオットは研究所全体で警戒態勢に入ってしまった……。

 

「不味いですね。黒沢バレリアを無傷で連れ出せるでしょうか?」

 

「最悪生きていれば手足がなくてもいいだろ」

 

「うへえ」

 

 ミノカサゴさんが軽い調子で言うのに私はげっそり。

 

「とにかくお土産(パッケージ)をひっつかむまで安心するんじゃないよ」

 

 プロらしくミノカサゴさんはそう言い、私たちは急いで研究所内を進む。

 

 パトリオットのコントラクターとまた遭遇することはなく、私たちは比較的順調にベルセルク・ウィルスが保存されているだろうP4レベル実験室があり、さらには黒沢バレリアがいる研究棟に入った。

 

「今も黒沢バレリアの位置は把握できていますか?」

 

「もちろんだ。問題なし。こっちだ」

 

 私が尋ねるのにミノカサゴさんはそう応じ、私たちは無機質な雰囲気が漂う研究所の廊下を駆け抜けた。

 

 遠くからは銃声や怒号が聞こえ、まだリーパーが交戦中だと分かる。

 

「あの男、死んじまうんじゃないか?」

 

「大丈夫です。リーパーは殺しても死にませんよ」

 

 私もリーパーの心配はしていません。

 

「それならいいけど。黒沢バレリアはこの先だ」

 

 そう言い、ミノカサゴさんは『ウィルス研究棟』と書かれた廊下の先に進み、その先にある部屋の前に立った。

 

「黒沢バレリアはこの中。無人警備システムだといるのは研究者だけだ」

 

「では、踏み込ましょう」

 

「了解」

 

 ミノカサゴさんが扉を蹴り破り、私もそれに続いて突入。

 

「ひいいっ!」

 

 研究室内では3名の研究員らしき人間が悲鳴を上げていた。

 

「黒沢バレリア。一緒に来てもらおう」

 

 ミノカサゴさんがそう言うのは、黒髪をベリーショートにした40代ごろの女性で、研究室の隅で震えている女性だった。

 

「それからベルセルク・ウィルスはどこに保存している?」

 

「そ、それなら冷凍保管庫に……」

 

「案内しろ。だが、変な真似をすれば殺す」

 

「は、はい!」

 

 ミノカサゴさんは銃口を黒沢バレリアさんに向けて脅し、彼女は私とミノカサゴさんを冷凍保管庫へと案内する。

 

 そして廊下を進む中、方向から足音が響いてきた。

 

「ちっ。まだあんたの相棒は暴れているが、さきにこっちを押さえようってやつらが来ている。あたしはここで連中の相手をするから、あんたは黒沢とベルセルク・ウィルスを確保してきてくれ」

 

「分かりました!」

 

 ミノカサゴさんにそう言われて、私は黒沢さんと冷凍保管庫へ向けて急ぐ。

 

「ちなみにウィルスに感染の危険性は?」

 

「い、今の段階の、ベ、ベルセルク・ウィルスはとても弱いウィルスで、空気中ではすぐに死滅してしまうし、熱にも弱い。だから、よほどのことがない限り、感染が広まることはない、と考えている……」

 

「それは何よりです」

 

 あのお猿さんを狂暴化させるようなウィルスには感染したくありませんからね。

 

「た、ただ、感染している個体に噛まれたりすれば感染する、その恐れがある」

 

「うへえ。ゾンビみたいじゃないですか…………」

 

 噛まれたら感染するウィルスって本当に存在するってことにびっくりですよ。

 

「慎重に扱ってほしい。もし何かあれば大変なことになる」

 

「分かっていますよ。そのつもりです」

 

 黒沢さんにそう言われ、私たちは冷凍保管庫に入った。

 

 冷凍保管庫にはずらりとウィルスや細菌を冷凍保存する容器が設置されており、その中のひとつがベルセルク・ウィルスのものだった。

 

「これがベルセルク・ウィルスのサンプルだ……」

 

「どうもです。ここから持ち出してどれくらい持ちます?」

 

「ポータブルの冷蔵装置を使えば3時間程度は……」

 

「では、それも一緒にお願いします」

 

 私は黒沢さんがウィルスの入った金属容器を小さな冷蔵庫みたいな箱に入れるのを見張りながら、周囲の思考を盗聴し、索敵を続ける。

 

 そこでマズそうな通信を傍受。

 

『──……これでは我々の研究成果が奪われてしまう! ここはあれを解き放つしかない……──』

 

『──……馬鹿を言うな。あれはまだ実戦テストされていなんだぞ……──』

 

『──……ならば、今ここでテストすればいい。ネテスハイム博士もそう望んでいる……──』

 

『──……クソ。何ということだ……──』

 

 

 これは明らかにヤバい実験体が解放されるフラグですよ……!

 

 

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