TS薄幸白髪赤瞳超絶カワイイ超能力美少女がサイバーパンク世界を行く   作:第616特別情報大隊

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TMCコネクション//スナイパー

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 ──TMCコネクション//スナイパー

 

 

 カンタレラさんのおかげで当日のホテルの警備がある程度分かった。

 

 当日は狙撃手が周辺を固め、がっちりと警備。ホテルに関係ない人間はホテルに近づくことすらもできなくなる。

 

 まず私たちはそこを潜り抜けてホテルに接近しなければならない。

 

 ホテルに接近してからも、やはり警備は存在する。

 

 民間軍事会社(PMSC)から訓練を受けたヤクザそのものと、民間軍事会社(PMSC)のコントラクターそのもの。

 

 しかし、エリュシオン相手に仕掛けたときに比べれば、ここは遥かにイージーモードだ。もっともエリュシオンのときとは違って、ジェーン・ドウは列席者の皆殺しをご所望ですけどね。

 

「狙撃手が一番面倒かもしれませんね」

 

 私はカンタレラさんが把握した情報をAR上に広げてそう言う。

 

「狙撃手との勝負か。楽しそうだ。今回の仕事(ビズ)はしっかり作戦を立てた方が味わえるだろう」

 

「ですね。作戦は重要です」

 

 狙撃手の数の大まかな位置は分かっている。

 

 狙撃手は3名。ホテルの周囲に死角なく展開していると考えられており、そこから私たちは相手の位置を特定している。

 

「まずは全ての狙撃手を排除する。ここから襲撃していき、ひとり、ひとり始末する。ツムギ、お前はテレパシーで相手の通信を傍受し、警戒態勢の上下を調べておけ」

 

「やっぱり最初は隠密(ステルス)狙いですか?」

 

「ああ。俺としては大騒ぎしたいが、お前はどうせそういうのには盛り上がらないんだろう?」

 

「分かってくれてるんじゃないですか」

 

 毎度毎度敵の警備に正面から突っ込んでいたが命がいくつあっても足りないのです。

 

「しかし、隠密(ステルス)は最初だけだ。雑魚を相手にびくびくする必要はない。ホテルに接近できさえすれば、あとは突入(ブリーチ)して大暴れする」

 

「結局はそうなるんですね」

 

「そういう仕事(ビズ)だからな」

 

 やれやれ。また大暴れしなければいけないようです。

 

「ジェーン・ドウは皆殺しをご所望だ。逃がすと面倒なことになる。そこでホテルへの突入(ブリーチ)前にカンタレラにホテル周辺の車両をハックしてもらい、道路を封鎖する。徒歩で逃げる敵なら追いつけるからな」

 

「お願いしておきましょう」

 

「もう頼んである」

 

 あら? リーパーにしては早い動きですね。

 

「さて、早速だがパーティに乗り込むぞ。数時間後には始まる」

 

「了解です。こうなれば暴れられるだけ暴れてきましょう」

 

 もうこうなれば自棄です。

 

「出発だ」

 

 リーパーがSUVに乗り込み、私も続く。

 

 SUVはセクター13/6まで下っていき、無道会の会合が開かれるホテルに向かった。

 

「ここから先は狙撃手の射程に入る」

 

 リーパーは既に大口径ライフル弾で撃たれた射殺体が道路に転がる場所の手前でSUVを停車させ、私たちは車を降りる。

 

「まずは狙撃手を片付ける。ツムギ、索敵を」

 

「了解」

 

 私はテレパシーを周囲に広げ、狙撃手の思考を探す。

 

『──……ウォッチャー・ゼロ・スリーよりウォッチャー・リード。またジャンキーが侵入しようとしたので射殺した。報告は以上……──』

 

『──……ウォッチャー・リード、了解。引き続き監視を継続せよ……──』

 

 周囲から狙撃手と思しき思考が聞こえてくる。私は思考の位置を特定し、AR上に広げた周辺の地図の上に重ねた。

 

「出ました。狙撃手の位置です」

 

「上出来だ。では、狙撃手を始末しに行くぞ」

 

 リーパーはまずは建物に入り、違法建築によって複雑化したセクター13/6の街を、狙撃手の居る場所に向けて進んでいく。

 

「気を付けろ。狙撃手がひとりで行動しているとは考えにくい。連中はペアで行動するものだ。人間の相方なり、警備ボットなりに背後を任せているに違いない」

 

「警備ボットかもしれません。狙撃手の周りに人間の思考は見当たりませんから」

 

 私は狙撃手の周りの思考を盗み聞いているが、狙撃手以外に人はいないと思われた。

 

「あとはブービートラップの類だな」

 

 リーパーはそう言いホテルの周りにある建物を登っていくと、不意に立ち止まった。

 

「早速地雷だ。処理しておくか」

 

 未来が見えているリーパーに罠の類は通用しにくい。完全に阻止できるとは言わないが、リーパーがトラップに引っかかっているところは想像できないです。

 

「よし。いいぞ。前進再開だ」

 

 てきぱきとトラップを解除しながらリーパーは進み、私も引き続きテレパシーで索敵と通信傍受を行いながら続いた。

 

「狙撃手まで間もなくだ。さて、どう料理するか……」

 

 リーパーは慎重ながらも足を止めることなく進み、そして──。

 

「やっぱりな。警備ボットがバディか」

 

 武装した警備ボットが背中を見張り、狙撃手はホテルの周りを監視する状態で、私たちは狙撃ポイントに踏み込んだ。

 

「どうします?」

 

「こうする」

 

 リーパーはだっと駆けだすと、まずは対応が遅れた警備ボットを一閃。そして、警備ボットが破壊された音に気づいて振り返ろうとした狙撃手の首を刎ね飛ばした。

 

「ははっ。立て籠もっている狙撃手を後ろからナイフキルするのはたまらんな」

 

 リーパーは満足げにそう言い、周囲を見渡す。

 

「ツムギ。次だ。探してくれ」

 

「はいはい」

 

 私は再びテレパシーを広げて索敵。

 

『──……ウォッチャー・リードより全ユニット。全ての要人(VIP)を収容した。会合が始まる……──』

 

『──……ヤクザが何をここまで警戒しているんだ? 戦争でも始まるみたいに備えているじゃないか……──』

 

『──……知るか。俺たちは仕事をするだけだ……──』

 

 おっと。今度は2名の位置を掴みましたよ。

 

「リーパー。敵はこの位置です」

 

「オーケー。さくっと始末していくか」

 

 リーパーと私は再び動き出し、狙撃手の排除に動く。

 

 ごみごみとしたセクター13/6の建物の中をリーパーはパルクールでもするようにして進んでいき、私はテレキネシスで自分を支えながら進む。

 

 建物から建物へと飛び移り、狙撃手がホテルの周囲を警戒するのを潜り抜けて、私たちは次の狙撃手に迫っていった。

 

 リーパーにとってはFPSで芋砂しているプレイヤーをナイフキルするようなものでして、彼は特に困ることもなく次のスナイパーを殺害した。

 

「残り1名」

 

 獰猛な笑みを浮かべるリーパー。血に飢えているようだ。

 

「次はここです。警戒レベルは今のところ上がった様子はありません」

 

「順調だな。少しぐらい想定外のことが起きても楽しいんだが」

 

「私は全然楽しくないです」

 

「それならば少し伏せておけ」

 

「え?」

 

 リーパーが私を突然引き倒すのに私が困惑する中、何かが飛んでいく音がした。

 

「敵はドローンでも見張っている。狙撃手だけじゃないぞ」

 

「そうでした。危ない、危ない……」

 

「カンタレラには俺たちが突入する直前に動くように頼んである。今は支援は受けられない。自力で対処するぞ」

 

「了解です」

 

 私たちは最後の狙撃手を始末しに、移動を開始。

 

 ドローンに捕捉されないようになるべく建物内を移動しながら、私たちは狙撃手の居場所に進んでいった。

 

 仕掛けられている地雷を除去し、警備ボットを始末し、狙撃手をキル。

 

「片付いた。いよいよ楽しい強襲(アサルト)だ」

 

 リーパーは首のない狙撃手の死体の横から、ホテルを見た。

 

 今、ホテルには無道会の幹部たちが集まっている。そして、ジェーン・ドウはそれを全て殺すことを望んでいるのだ。

 

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