サイヤ人に転生した俺が転スラ世界で最強になる件 作:ランカー
ゴブリン達の守護者となった俺とリムルは別行動をとることにした。リムルは村長の案内で牙狼族との戦いで傷ついた重傷者の元へ行き、そして俺は一部のゴブリン達に、牙狼族を迎え撃つために柵を作るよう指示し、そのまま空を飛んで行った。
ゴブリンA「ちょ!カイス様!?」
ゴブリンB「どこ行くんですか〜!?」
カイス「すぐ戻るさ!」
俺はゴブリン達にそう言って、飛んで行った。
村から遠く離れたところに複数の気配を感じたからな。それをちょっと見にな。
そして、先程感じた複数な気配がする方の近くまで行き、そこで空中で止まって下の方を見ると、そこには数十匹の狼が集まっていた。
カイス「・・・あれか。牙狼族ってのは。」
村長の息子が手にした情報な通り、結構の数だな。
まっ、問題ねぇか。あんくらいなら軽く吹っ飛ばしてやれるだろ。
とはいえ、ゴブリン達を巻き込んで被害出したら俺のせいになっちまうからな。派手な攻撃はしないでおくか。
ひとまず俺は村へ戻ることにし、反転して飛んで戻った。
村へ戻ると複数のゴブリン達が柵を作って、それを糸で固定し、強度を高めているリムルがいた。
地面に降りると、リムルは俺に気づいて俺の元に来る。
リムル「あ、カイス!どこ行ってたんだよ!?」
カイス「ちょっと様子見にな。さっき向こうで気配を感じて見に行ったら、いたぜ牙狼族。」
ゴブリン達『!!』
リムル「そうか。それで、数はどれくらいだった?」
カイス「けっこういたぜ。まあ、今の所動きはないがな。」
リムル「なるほど。じゃあ、襲撃してくるのは夜か。それまでに柵を完成させるぞ。」
ゴブリン達『おおー!!』
カイス「頑張れよお前ら。んじゃ、俺は修行に・・・」
リムル「おい、それでもコイツらの主か!お前も手伝うんだ!」
柵作りはリムル達に任せて修行しようと思ったが、リムルに引き止められて柵作りすることになった。
まあ、仕方ねぇか。ゴブリン達のために出来ることはしてやんねえと。修行はその後だな。
数時間後、牙狼族との戦いに向けて村の防備のための柵を作り終え、俺はその後人気ないとこで軽く修行していると日が沈んで、すっかり夜になった。
俺とリムル、ゴブリン達は牙狼族を迎え撃つ準備を整え、警戒していると・・・
ゴブリンA「き、来たっす!牙狼族っす!」
見張り役のゴブリンが木の上から牙狼族の群を目撃したため、それを俺達に知らせてきた。
それを聞いてゴブリン達に緊張が走る。
そんなゴブリン達をリムルは落ち着かせる。
そして知らせ通り、牙狼族の群がやってきた。
カイス「俺が見た時よりも数がいるな。」
リムル「全員集まってなかったんだろ。あの数・・・情報通り100匹ほどだな。」
カイス「ま、大丈夫だろ。こっちは準備万端なんだからな。」
リムル「ああ。」
迫ってくる牙狼族の群を見て俺とリムルはそう言う。
牙狼族は、長と思われる右目に傷がある牙狼族を先頭に他の牙狼族も走っていたが、村の柵を見て動きを止めた。
牙狼族の長「ふん!あの様な貧弱な柵、何の役に立つ!?」
牙狼族の長の息子「親父殿・・・」
牙狼族の長がゴブリンの村に作られた柵を見てそう言う。
すると、額に星型の痣がある牙狼族が声を掛ける。
視線の先には、俺とリムルがいたからだ。
牙狼族の長「スライムと、人間・・・?」
リムル「このまま立ち去るなら何もしない。さっさと立ち去るがいい!」
カイス「リムルの言う通りだ。いてぇ目に遭いたくなかったら大人しくとっとと帰れ!」
牙狼族の長「小賢しい!スライムと人間ごどきが我ら牙狼に命令するな!あの柵を薙ぎ倒せ!ゴブリン共を血祭りに上げろ!」
牙狼族の長の雄叫びにより、10数匹の牙狼族が柵を薙ぎ倒すべく向かってきた。
だが、その途中で見えない何かに邪魔をされて向かってきた牙狼族達は傷つき、そこへゴブリン達は矢を放ち、俺も連続でエネルギー弾を放って攻撃する。
ゴブリン達の矢によって牙狼族は次々と倒れ、俺のエネルギー弾が直撃した牙狼族達は大きく吹っ飛ばされていく。
その光景に何が起きたのか分からず、牙狼族の長は動揺したが柵の前に牙狼族の血がついた無数の糸に気づいた。
牙狼族の長「・・・ん?糸!?」
カイス「やっと気づきやがったか。」
リムル「俺のスキル『鋼糸』だ。」
牙狼族の長「貴様らの仕業か!」
リムル「そうだ!ま、この糸を仕掛けたのは俺なんだけどな。」
牙狼族の長「矮小なる魔物と人間の分際で!捻り潰してくれる!」
牙狼族の長の息子「親父殿!」
牙狼族の長はそう叫んで俺とリムルに向かって突撃してきた。
リムルが仕掛けた鋼糸を噛み切り、そのまま俺とリムルに飛びかかる。
ゴブリン村長「リムル様!カイス様!」
カイス「ふっ!・・・!!」
牙狼族の長が飛びかかってきた事で上を向いた。
だが、それによって俺は夜空に浮かぶ満月を見てしまった。
ま、満月が出てたのか!?確かに夜にしてはやけに明るいと思っていたが・・・
そう思っていたその瞬間!ドクンドクンドクンドクンと心臓の鼓動が高鳴っていく。
そして俺の意識は、途切れた。
〜リムルSIDE〜
俺達に向かって飛びかかってきた牙狼族の長は空中でピタリと止まった。
そう。俺が仕掛けたもう一つの糸『粘糸』によって身動きを封じたのだ。
牙狼族の長「こ、これは・・・!?」
リムル「『粘糸』さ。」
牙狼族の長「こ、これしき・・・!」
リムル「潔く負けを認めたらどうだ。カイスも言ったが、これ以上痛い目に遭いたくないなら、負けを認めて去れ!」
牙狼族の長「ふざけるな!スライム如きが・・・!」
リムル「そうか、なら・・・ん、カイス?」
俺の言葉に牙狼族の長にそう言って、糸から抜け出そうともがく。
それを見て俺はトドメを刺そうとした。
だが、カイスの様子がおかしい事に気づいた。上を向いたまま動かないからだ。
不思議になった俺はカイスが見てる方を見たら、満月が浮かんでいた。
満月を見たのか!?ま、まさかカイスは・・・!
それに気づいた時、もう遅かった。
カイスの着てる服が破れ、口の中の歯が鋭くなっていき、体もどんどん膨れ上がり、全身から毛が生え出した。
リムル「マズイ!お前ら、離れるんだ!」
ゴブリン達『えっ?』
リムル「早くしろ!急げー!!」
俺は声を荒げてゴブリン達にそう言うが、もう遅かった。
グオオオオオオオオオッ!!
その咆哮と共に、カイスは全身が茶色の体毛に覆われた巨大な大猿になってしまったからだ。
牙狼族『なっ!?』
ゴブリン達『ええええええええ〜っ!?』
リムル「くっ、恐れてた事が・・・!」
カイス『グオオオオオオオオオッ!』
大猿化したカイスは理性なく暴れ出し、リムルの粘糸によって身動きが取れない牙狼族の長を踏み潰そうとする。
牙狼族の長「ま、待て!」
それを見たリムルは咄嗟に粘糸を解いて、牙狼族の長を助け出す。
牙狼族の長は、間一髪踏み潰されずにすんだ。
牙狼族の長の息子「親父殿!ご無事ですか!」
牙狼族の長「あ、ああ。・・・スライム、何故我を・・・」
リムル「話は後だ!早く逃げるんだ!」
リーダーゴブリン「り、リムル様!カイス様は、一体どうしてしまったのですか!?」
リムル「話は後だって言っただろ!お前らも早く逃げろ!」
俺は暴れ回るカイスを見て犠牲者が出る前にゴブリン達と牙狼族に逃げるよう促すが、パニックで動けない者もいるのもあり、さらにカイスは近くの木々を引っこ抜いて投げつけてくるため、逃げるのも困難だった。
すると、カイスは俺達とは全く真逆の方を向くと口から巨大なエネルギー弾をぶっ放ちやがった。
リムル「ヤバい!伏せろおおおおおおっ!」
ドッカーーーーーン!!
カイスの放ったエネルギー弾が着弾すると大爆発が起こり、凄まじい衝撃と爆風によって俺達全員、吹き飛ばされそうになる。
ゴブリン達『ぐううううううっ!』
リムル「お前ら、大丈夫か!?」
リーダーゴブリン「な、なんとか・・・」
牙狼族の長の息子「我らも大丈夫です!」
カイス『オオオオーーーーンッ!』
リムル・ゴブリン達・牙狼族『!?』
カイスの大きな咆哮と共に、辺り一帯に無差別にエネルギー弾を放っていき、それによって周囲が炎に包まれて行った。
リムル「マズイ!このままじゃ森全体が火の海だ・・・!アイツを元に戻すには、尻尾を切るしかない!」
カイス『グオオオオオーーーッ!』
リムル「カイス、止まれー!!」
カイス『グウッ!!』
リムル「えっ?『バシンッ!』うわあああああっ!」
俺は辺り一帯に無差別にエネルギー弾を放ち、木々を薙ぎ倒しながらどこかへ行こうとするカイスを止めるため、尻尾を切ろうと接近してジャンプした。
だが、カイスは顔をこっちに向けてきたその瞬間、俺は尻尾で攻撃され、大きく吹き飛ばされ、勢いよく地面に叩きつけられた。
ゴブリン村長「リムル様!」
リーダーゴブリン「だ、大丈夫ですか!?」
リムル「あ、ああ。なんとか・・・」
カイス『グルルル・・・!』
リムル「くっ・・・みんな、ちょっと頼みがある!」
リーダーゴブリン「なんですか?リムル様。」
リムル「俺がアイツの注意を引きつける。だから、お前達は隙を見てアイツの尻尾を握るんだ!」
ゴブリンA「し、尻尾っすか!?」
リムル「ああ!尻尾を握ればアイツは力が抜けるはずだ!頼んだぞ!」
リーダーゴブリン「わ、分かりました!」
俺はゴブリン達に指示を出し、こっちに来るカイスの向かって動き始める。
カイスも俺に気づいた様で、俺に向かってエネルギー弾を放ってきやがった!
俺は間一髪で避けたが、その衝撃の余波で吹き飛ばされた。
あ、危ねぇ。あんなのまともに喰らったらお陀仏だ!
リムル「水刃!」
カイス『ガッ!』
リーダーゴブリン「今だ!」
ゴブリン達『うおおおおおっ!』
俺は水刃を連続で放って、カイスの体を切り裂いた。
大したダメージはないようだが、それでも怯んで隙が出来た。
それを見てバンダナを巻いたゴブリンの合図で、村長以外のゴブリン達が一斉に尻尾を掴もうとした。
カイス『グウウ、ガアアアアアーーー!!』
ゴブリン達『うわああああっ!』
だが、カイスは俺の攻撃のせいで怒ったみたいで、ゴブリン達を薙ぎ払って俺に攻撃をしてきた。
俺は間一髪かわせたが、ゴブリン達はみんな地面に叩きつけられてしまった。
リーダーゴブリン「ぐ、ぐうっ・・・!」
ゴブリンA「い、痛いっす・・・!」
ゴブリン達『ううっ・・・!』
カイス『グウウウッ!!』
カイスは近くに生えてた大木を引っこ抜き、薙ぎ払われて勢いよく地面に叩きつけられて動けないゴブリン達に向けて振り下ろそうとする。
ゴブリン村長「ああっ・・・!」
リムル「止めろカイス!止めろーーー!!」
カイス『オオオオオオッ!・・・!?』
俺は急いで止めようとしてそう叫ぶが、間に合わない!そしてカイスが大木を振り下ろそうとした。
その時、突然全身に力が抜けたのか、投げつけようとした大木を手放し、ヘナヘナとなってしまう。
それを見て、俺はもちろん、ゴブリン達と牙狼族は困惑していた。
ふとカイスの背後を見ると額に星型の痣がある牙狼族と数匹の牙狼族がカイスの尻尾に力強く噛みついていた。
それで力が抜けたんだな・・・!
牙狼族の長の息子「今です!」
リムル「ああ!よくやった!水刃!!」
俺はカイスを元に戻すために、尻尾を狙って水刃を放った。
ザンッ!という音が響くと同時に、尻尾が切断された。
それによって大猿になったカイスがどんどん小さくなっていき、元の姿に戻ったカイスはそのまま倒れ込んだ。
リムル「カイス!」
俺はカイスの元へ向かう。
ゴブリン達と牙狼族達は何が起きたのか分からず困惑していた。
後で説明しないとな。
とりあえず、カイスを運ぶとするか。
今回はここまでです。
予想してたと思いますが、満月を見てしまった事でカイスが大猿になって大暴れしたことで戦いどころではなくなりました。
リムルが尻尾を切ったことで元の姿に戻りましたので、しばらくは大丈夫ですが、いつの日かまた尻尾が生えてくるかもしれません。
次回はゴブリンや牙狼族に名付けするまでの話の予定です。
それでは、また次回