悪の化身の英雄賛歌   作:wakawaka

11 / 25
悪神と戦争遊戯

 

「ロキー!戦争遊戯(ウォーゲーム)しようぜー!」

 

「「「「「!!」」」」」」

 

 その日、ロキファミリアはいきなりホームにやってきたアンリマユにそう告げられた。

 

「なんや?朝からいきなり?それに戦争遊戯?なんでうちがそんなの受ける道理があんねん?うちらは今、闇派閥の相手で手空いてないんや。アストレアあたりにでも構ってもらい。しっし!」

 

 朝食を邪魔された神ロキが代表して答えたが、アンリマユはそれを予想していた。

 

「そう言うと思ってこんなの作ってきたぜ。」

 

 アンリマユはひらひらと懐から封筒を取り出した。

 

「なんや?ってこれ!?」

 

 封筒を開けるとその紙には「ロキファミリアの魔石及び素材の換金の停止」と描かれていた。

 

 「「「「「「な!!」」」」」」

 

「こんなん通る訳ないやろ!」

 

 ロキファミリア中から驚愕声と罵声が響いた。

 

「通るんだなあ!これが!なにせ、俺達は今オラリオの完全支配にチェックをかけてるからな!」

 

 事実アンリマユファミリアがその気になればオラリオを沈めることは可能だろう。

 

「!!」

 

「へえ?」

 

「な!」

 

「自分何やってるのか分かっとんのか!?」

 

「てめえが戦争遊戯受ければ何も起きねえよ。」

 

 正しく脅迫。仮に本当にこの紙に描かれた内容が本当ならロキファミリアの財政は大きく圧迫されることは目に見えている。

 

「さあ、返事はどうしたロキ?」

 

 当然ロキとフィンは現在のオラリオの状態を正しく理解しているが故に冗談でないことを理解していた。

 

 だからこそこの力技な脅迫もロキファミリアには有効であった。

 

 つまり、最短でロキファミリアをアンリマユは詰み持ってきたのだ

 

「何だ!何だ!」

 

「アンリマユファミリアの宣戦布告だあ!」

 

 周りの団員達も慌て始めていた。

 

「落ち着け!」

 

 フィンの号令が飛ぶ。

 

「何が目的や。」

 

「アイズ・ヴァレンシュタインの移籍。それだけだ。」

 

「な!?」

 

「「「「「「「はああ!?」」」」」」」

 

 リヴェリアは絶句し、ファミリアの団員達も驚きの声を上げた。

 

「良いだろ。ロキ。」

 

「待て、ロキ!フィン!アイズを賭けた戦争遊戯など認められるか!?」

 

 無論、今までアイズの母代わりであったリヴェリアはそんな戦争遊戯を受けることに賛成出来るわけが無かった。

 

「無駄だリヴェリア。この神は恐らくそうすると決めたら絶対に譲らない神だ。それにあのファミリアが全力で破壊にこられたら今度はどうなるか分からない。恐らくもう退路は断たれた。」

 

「な!?そんなばかな!?こんな短期間でどうやって?」

 

「簡単だ。他の闇派閥も一枚噛んでるんだろう。」

 

「さてな?」

 

 アンリマユファミリアはギルドの制限を受けない現在唯一のファミリア。しかし、その実態は秩序側ではなく闇派閥と本人が自己申告している。その主神が本気で動いた以上出来る事は降伏か抵抗の2択だけだ。

 

 つまり戦うことだけが彼らがアイズを守る手段である。

 

「チっ!こうなったらボコボコにしてやれやフィン!」

 

「決まりだな。やろうぜ!戦争遊戯!」

 

 バタン!

 

「待ってください。」

 

 その時、アンリマユファミリアの魔女、クロが完全武装で扉を壊しながらやってきた。

 

「お邪魔しますね。ロキファミリアの皆さん。」

 

 この少女こそオラリオを沈めた片割れであり地獄絵図を作り出す歌を唄った歌い手である。

 

「総員、耳を塞げ!でなかれば・・・・」

 

 即座に実際に攻撃を受けたノアールの指示が飛んだ。

 

「お!クロこっちの話は付いたぜ!」

 

 だが、

 

「ふん!」

 

「ぐはあああああ!」

 

 繰り出されるは歌ではなく、大ぶりの右ストレート。全く予想していなかったアンリマユはノーガードで顔面にくらいきりもみ回転しながら吹き飛んだ。

 

「この度はうちの主神がバカをやってしましい申し訳ございませんでした。」

 

「何やってやがるクr・・・。」

 

 ドタドタと壁から抜け出した悪神は目の前の己の眷族を見て絶句した。

 

「何やってるはこっちの台詞です。主様。」

 

 正に怒髪天。クロのオーラはそれはもうどす黒くなっていた。

 

「子供を親元から引き離す戦いなんて何やってるんですか?」

 

 逆鱗に触れられた竜のごとく怒りの形相に顔を歪めるクロに対して当事者であるはずの

ロキファミリアは傍観者になっていた。

 

「ああん!?俺は欲しいものを手に入れるだけだ!大体あいつはてめえと同種だ!」

 

「何をいうかと思っていれば・・・幼女を追いかけ親から奪い取る。私はそんなこと許しませんよ!いいですか!親から無理矢理引き離された子供は・・・!」

 

 キィーー。

 

 親から子供を引き離すというクロにとっての禁忌に触れる主をなんとしても止めようと言葉を尽くそうとした時、ロングヘアの金髪そして金眼見る者全てに将来の潜在能力を感じさせる少女が朝食の場にやってきたのだ。

 

「リヴェリア?どうしたの?」

 

「・・・・・・・・・・・・。」

 

 まさになんてタイミングで来てしまったんだと言わんばかりの顔をするリヴェリア。それを無視してクロは笑顔で少女に話しかけた。

 

「・・・あなた、名前は?」

 

「お姉ちゃん。誰?」

 

「・・・そうね。私はクロ。あなたは?」

 

「アイズ。」

 

「そう、アイズちゃんか!」

 

 クロは振り返ってなりふり構わずロキの胸ぐらをつかんだ。

 

「・・・ねえ。神様。この子に何を芽生えさせたの?」

 

 クロは打って変わって怒りの矛先をロキに変えていた。少女の怒りは片手でロキを浮かせていた。

 

「ギブ!ギブ!首閉まってしもうてる!」

 

 クロの怒りはついに怒髪天を超えているのである。

 

「おーい。クロ。俺達のやってることはただの可能性の促進だ。そういうモノが発現したっていうことはそれを本人が持っていたっていことだぞ!」

 

「・・・・・・。」

 

「つまり、そこの神。多分そこまで関係ないぞ。」

 

 アンリマユは事実だけを並べた。

 

「・・・そうですか。」

 

 解放されて尻餅をつくロキ

 

「いやいや、おっかない眷族やな。アンリマユ。」

 

 死ぬかと思ったと嘆息をつくトリックスター

 

「まあな。こいつ子供に対しては死ぬほど甘いからな。」

 

「主様。」

 

「何だ。」

 

「これはようするにこの人達からこの子の親権を奪い取る戦いということですね?」

 

 クロのどす黒い目がアンリマユを写していた。

 

「・・・まあ、そう言えなくともないか?」

 

「分かりました。今回の戦い、何が何でも勝ちます。」

 

 話が最初と全く違っているがそこには有無を言わせない迫力があった。

 

「そ、そうか。頼んだ。」

 

「今日は帰ります。ロキファミリアの皆さん。戦争遊戯で会いましょう。」

 

「・・・はあ、何か趣旨がずれたがまあ、こっちの要求はそこのちびっ子の移籍だ。」

 

「じゃあ、うちらが勝ったらそっちの眷族の移籍や!」

 

「ああ、いいぜ?どうせ俺達が勝つ!」

 

 そう言ってロキファミリアとアンリマユファミリアの戦争遊戯が決まった。

 

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 ロキファミリアでは早速作戦会議が始まっていた。

 

「アイズを賭けるなど私は反対だ!」

 

 親代わりをしてきたリヴェリアは大いにこれに反対し、それにより派閥のエルフは全員、反対派に回った。

 

「せやけどこのまま放っといたらあの神何やらかすか不明やし、何よりやらなきゃ一方的に負ける。なにせ、あのアパズレの眷族を一蹴するほどやからなあ。」

 

「だが・・・。」

 

「まあ、勝てばこっちは戦力大幅アップや。それに戦争遊戯である以上、片方が圧倒的に有利なゲームにはならへん。うちにはフィンがおるんや負けへん。負けへん。」

 

「あっちは仮にも闇派閥ですよ!ルールを守る保証なんて・・・。」

 

「いや大丈夫だろう。あの神の動向から明らかなオラリオとの敵対はあえてしないように動いていることは確認できている。」

 

「ですが・・・。」

 

「それにアストレア様がいれば恐らくあの神はそこまでのことが出来ない。」

 

「・・・」

 

「決まってしまったものは今更しょうも無かろう。では何からするフィン?」

 

 ガレスは覚悟を決めていた。

 

「まずはより詳細な情報集めだ。フレイヤファミリアからも聞きに行くとしよう。リヴェリア頼めるかい?」

 

「・・・オッタル達が私達に助言をしてくれるとは到底思えんが・・・なるほど、あの二人狙いか。」

 

「ああ。今回ばかりはなりふり構っていられないからね。「白黒の騎士」に頼む。なにせ久しぶりにこっちが挑戦者だ。」

 

「しかも賭けられてるのがアイズとあっては儂らとて負けるわけにはいかんからな?ガッはっはっはっは!」

 

「・・・あの団長、アンリマユファミリアと戦争ってことは分かったんですが・・・それに勝ったら闇派閥をうちにいれることに・・・。」

 

「そうとは限らないよ?第一、あのクロっていう子は孤児院の先生をしているし、あの騎士は看護師をしている。それにアストレアの眷属もお墨付きをしている。」

 

「はい?アストレアファミリアが闇派閥に?」

 

「あれ?知らなかったかい?さっき来たクロはアストレアファミリアの眷族と一緒に行動しているんだよ?」

 

「てっきりでまかせかと・・・。確かに街を巡回していたり、病院に襲撃してきたフレイヤファミリアを素手で追い返したり、闇派閥から市民を救ったり噂になってましたが・・・。」

 

「全て事実だ。補足しておくと近頃の病院騒動はフレイヤファミリアによるアンリマユファミリアへの襲撃だ。まあ全部あの騎士が鎮圧しているようだけどね。」

 

「な!あのフレイヤファミリアを一人で撃退!?てっきり誇張された噂かと・・・。」

 

「ああ、だからこそ僕達は全力で準備をしなくてはならない。そうだね、ゼウスとヘラに挑む気持ちでいると良いよ。」

 

「「「「「!!」」」」

 

 ゼウスとヘラ、黒竜によって全滅させられたかつてのオラリオの最強であり英傑達。その苛烈さを知る者達は冗談抜きで震えていた。

 

「フィン?どうして貴様は笑っている?」

 

 ゼウスとヘラの恐ろしさを知る者の一人であるノアールは尋ねた。

 

「おっと笑っていたかい僕としたことが・・・。そうだな。じゃあ、聞こうノアール。僕達は彼らに勝てたことがあったかい?」

 

 フィンはうっかりと言う風に口元の笑みを消しながら語り出した。

 

「・・・無いな。最後のあのボロボロの状態の奴らとの勝負は別にして、相手にすらされていなかった。まるでゴミの扱いだなグアッハッ八ッハ!」

 

 ノアールは語る彼らが全盛期の時、自分達はゴミ以下だったと。

 

「ああ、そうだとも僕もいや俺もリヴェリアもガレスも全員揃って洗礼を受けて地面を這いずり回ったのも10や20じゃない。だからこそ、俺達は示さなくちゃならない。かつての彼らに匹敵するであろう彼女達に。」

 

 彼らの中の炎が上がった、熱が上がった、どうしようもない程苛烈な何かが彼らを動かし始めていた。

 

「かつて僕達は負け続けた。引き継いだと言っても未だに暗黒期は終わらせられずレベルも全く届いていない。だが聞こえていただろう彼女達の偉業を。彼女達が来てから方法はどうあれ闇派閥の襲撃は軒並み縮小していった。」

 

 かつてのゼウスとヘラが君臨していた時のように。

 

「それに加えてあのオッタル達を一蹴してのけた。」

 

 それこそ彼女達の強さの証明。

 

「彼女達がオラリオを襲撃してきた時から予感はあった。それが今来ただけだ。相手はたった2人のファミリア。これに勝てなきゃ俺達はマキシム達にまた笑われるだけ。そんなのは俺はごめんだ。」

 

 勇者の声がファミリアに広がる。

 

 いつも冷静沈着であり的確な指示をだしあの狡猾な闇派閥をここまで圧倒してみせた彼が己を向きだしにしていた。いや、待っていたのかもしれないこの時を。なにせ勇者を名乗る彼は悪戯にオッタルのように戦いを仕掛けることができない。

 

 だからこそ・・・

 

「そんな彼女達が全力で僕達を戦争遊戯という舞台で正面からくるんだ、俺はかつての屈辱を泥をここで清算する!僕達はこの戦い、勝ちに行く!」

 

 勇者は声を上げる、絶対強者である彼女達を下してみせると。

 

 ドン!ドン!ドン!

 

 武器を地面にたたきつける音が響いた。

 

「「「「「オーーーーー!!」」」」」

 

 歓声が上がり、武器が掲げられた。

 

 ここにロキファミリアの意思は決定した。

 

「良いだろう!やってやる!」

 

 ノアールは獰猛な笑みを浮かべ

 

「全くこの小人は!」

 

 ガレスは武器を掲げた。

 

「はあ、仕方あるまい。」

 

 リヴェリアは小さく微笑む。

 

「さてはフィン!実はうずうずしていたね!」

 

 バーラは笑った。

 

「仕方あるまい。あれはそういう小人だからな!」

 

 ダインは苦笑した。

 

 ロキファミリアは爆発させた士気の元アンリマユファミリアの攻略に乗り出した。

 

 

◆◆◆

 

 

 リヴェリアは打って変わってロキと話をしていた。

 

「・・・あの娘、見ただけでアイズの正体を見抜いたのか?」

 

「・・・せやなあ、あの娘の言葉に嘘は無かった。何が見えとったんやろ?」

 

「だが、神アンリマユは同種だと言っていた。つまりあのクロという娘にも似たようななにかが?」

 

「・・・いや多分似て非なるモノやな。多分あのクロちゃんの方がひどいんやないかなあ。勘やけど!」

 

 ロキは笑った。

 

「まあ、せやから怒っとったんかもしれんけど・・・。」

 

「・・・あのクロはアイズに何をするつもりなんだ?」

 

「そんなもん勝って確かめればええ。せやからリヴェリア、気張れや!」

 

「・・・ああ。その通りだ。」

 

 リヴェリアも本気を起こしてアンリマユファミリア攻略に乗り出した。

 

 

 

 

◆◆◆

 

「ついに!ついに!アンリマユとロキが激突!キタコレー!」

 

 神々は沸きに沸いた。

 

「つう訳でゲーム決めるぜえ!」

 

「ヒュー♪ヒュー♪」

 

「司会はこの度もこの人アストレア!」

 

「お願いね。」

 

「え?何でまたアストレア?」

 

「決まってんだろ。何かあったらアストレアしかアンリマユ止められねえからだよ。」

 

「はあ、良いね!アンリマユ!」

 

「実は良い奴アンリマユ!」

 

「あ、でも今回の戦争遊戯、原因、幼女じゃん!」

 

「え!最速到達者(レコードホルダー)の!?」

 

「え!ロキの所のアイズちゃん狙い?クソー!先越されたーーー!!」

 

「俺も欲しい!美幼女!」

 

「俺も俺も!」

 

「言い趣味してんな!アンリマユ!」

 

 ある神からは賛辞が

 

「サイッテー!アンリマユ!」

 

「見損なったわ!」

 

「やっぱあいつ闇派閥よ!」

 

 ある神からは罵声が響いていた。

 

 正に賛辞と非難の嵐である。

 

「はーい!静粛にね!」

 

そして神会が始まった。

 

「今回の戦争遊戯はアンリマユファミリアとロキファミリアの戦いです。」

 

「それを含めて今回は真面目な会議を所望します。」

 

「といってもなあ・・・。」

 

「ねえ?」

 

「戦力差がなあ?」

 

「ここで大食い対決なんてしたら俺達送還コースだし・・・。」

 

「そもそも、エヴァちゃんが刀ブンブン振るだけでロキファミリア溶けちゃうよ?」

 

「これで勝算7:3ぐらいにするのムズくね?」

 

「ふざけすぎれば俺達が送還、真面目に戦闘にすると勝算10:0の一方的蹂躙(ワンサイドムーン)、どうしろと?」

 

「かくれんぼにでもする?」

 

「さすがにロキファミリアの圧勝が目に見えてる。」

 

「人数差はあるはずなんだけどなあ・・・。」

 

「本当にぶっ壊れだよなあ・・・。」

 

「あれ、でもエヴァちゃんなんか仲間呼び出せるって聞いたんだけど?」

 

「あ!そう言えば!」

 

「そこんとこどうなの、アンリマユ!」

 

「ノーコメント」

 

「ええ!マジなの!?」

 

「あれ、それってエヴァちゃん一人で軍隊作れっちゃったり?」

 

「一騎当千ならぬ一騎当軍かな?なにそれ、恐・・・・。」

 

「で、どうするよ?」

 

「砦の合戦でもさせるか?多分、エヴァの一撃で全部吹き飛ぶぜ。」

 

「ウェーイ!ぶっ壊れ!」

 

「そもそも怒り狂うフレイヤファミリアをボコれる時点でお察し・・・。」

 

「助っ人でもありにする?」

 

「ええ!誰が参加するよこんなおっかない戦争遊戯に・・・。っていうかアンリマユの戦力増強はだめだろ!」

 

「それはそう!」

 

「司会進行!どうにもならなそうです!」

 

「・・・仕方ありません。ならばルールを作って戦力差を縮めます。」

 

「ルールかあ。じゃあ、殺し無しとか!」

 

「あ!良いじゃん!これでアンリマユファミリアの蹂躙劇は緩和する。多分・・・。」

 

「まあ、さすがに英雄候補失いたくないし・・・」

 

「おーい!アンリマユ!エヴァちゃんの弱点プリーズ!」

 

「やるわけねえだろ!」

 

「ちっ!」

 

「・・・砦の取り合いならあるいは?」

 

「ん?どういうこと?」

 

「だってエヴァちゃんは一人だろ?一騎当軍だけどそんな魔法でもスキルでも長時間の運用は子供達の能力的にキャパオーバー。ただでさえぶっ壊れ性能なら多分そこに制限が入ってる。なら攻撃か防御どちらかにしか行けないとなればロキファミリアにも付け入る隙を提供できるんじゃない?」

 

「確かに・・・。高性能なスキルや魔法には代償や制限が入ってるものだけど・・・。」

 

「なるほど!エヴァちゃんが攻守どちらかに入るしか無くなればそこが穴になる!」

 

「でもクロちゃんがいる!」

 

「ああ!孤児院の美少女先生!」

 

「絶対に子供達の性癖ぶっ壊す美少女!」

 

「BSS誘発先生!」

 

「BSS・・・僕が先に好きだったのに・・・良いよね!」

 

「司会さーん。ここに闇派閥とどっこいのがー。」

 

「さてと、ええっと彼女歌うだけで周りが絶叫すると・・・。」

 

「えっ!強!ていうか恐!」

 

「俺も食らった!トラウマぶり返して鬱になった!」

 

「以外と簡単に治ったけどな。」

 

「神さえも鬱にする歌かあ・・・。えっ聞いちゃダメ?じゃあ、クロちゃん拠点で歌ってるだけで終わりじゃあ・・・。」

 

「まあ、仕方ないだろ。そこら辺は多分対策立てられるだろうし。」

 

「まあ、これ以上はやっても無駄だし対策立てるの勇者だし。」

 

「ロキーー!今、眷族達どんな感じーー?」

 

「えらい気合い入ってるでー」

 

「そっかー。じゃあ決まりじゃね?」

 

「そんじゃあ、砦の奪い合いによる攻防戦か?」

 

「ルールは殺生禁止、あとはまあ、助っ人禁止?あれ?勝利条件は?」

 

「普通は大将落とせばだけどエヴァちゃんが大将になったら詰むしなあ・・・。」

 

 一体誰が、一人でポンポン仲間を出せて剣からビームじみたものを出す英傑に勝てるというのか?

 

「まあ、囲んでリンチが出来ないってことだもんね~。逆に囲んでリンチできたりしてーー。」」

 

「・・・仕方ないここは旗取りにするか?」

 

「旗ねえ?」

 

「だってこうでもしないと本当にエヴァちゃん剣ブンブン振って終わるよ?」

 

「そりゃあまあ、ねえ?」

 

「じゃあ、旗は砦の頂上、勝利条件はあくまでも旗の入手あるいはファミリアの壊滅かな?」

 

「良いんじゃない?まあ、これでもロキファミリアの勝率大分低いけど・・・。」

 

「ロキファミリアだしどうにかするでしょ・・・。」

 

「まあ、多分・・・。」

 

「それじゃあ、ゲームは『砦合戦』ルールは先に旗を取るか敵ファミリア全員を戦闘不能にすること。なお、自ら旗を燃やすといったことはルール違反とします。助っ人参加はお互いになし。それから殺生は全員禁止であり、死者が出た場合その時点で殺した側の反則負けとします。」

 

「さて、両者ともこれで良いですか?」

 

「良いぜ~」

 

「まあ、ええやろ・・・。」

 

「それでは決定とします。まあ、戦争遊戯は一週間後でいいでしょう。」

 

「それでは今回の神会はこれまで。両者共に正々堂々戦ってくださいね。」

 

「「「「悪神とトリックスターが正々堂々とか絶対しないだろ・・・。」」」」

 

 ・・・珍しくその他の神々の意見が一致した瞬間だった。

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

「やっと・・・やっと見つけた。」

 

 一人の女が馬車に乗りながら道のりで手に入れたオラリオの情報を流し読みしながらオラリオに向かっていた。

 

 彼女はいかにも商人と言うかのように馬車には多くの物を積んでいた。だが、特出すべき点があった。それは目が両目とも包帯のようなモノで覆われていることだ。だが、その女はそれをものともせず馬車と共に目的地に向かう。

 

「はあ、この時期にオラリオかあ~、行きたくないなあ~。」

 

 この暗黒期のオラリオに力の無い者が行くということはただの自殺行為である。

 

「でも、まあ行かなくちゃね。」

 

 その女の背にはとある神の「神の恩恵(ファルナ)」が刻まれている。

 

「ロクデナシの私が今行きますよ。兄弟(マイブラザー)




ロクデナシ参戦
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。