描いてる途中で気づいたんだけど……
別にアルトリアさんじゃなくても良くね?って
いや!? 良くないが?
モチベの問題ですわ
あ、それと感想で言われた水泳の部分をちょっとだけ改稿しました。
龍園宅での作戦会議を終えた翌日、私は朝一番に職員室へ訪れています。
理由としましては今回の中間テストの説明で、先生が告げた言葉に違和感があり、何かしらの裏技があるのではないかという意見が昨夜出たからです。
候補として幾つかの見繕ってきた対策が可能かどうかを先生に聞くことで判断しようというわけです。
「失礼します! 1年Cクラスのアルトリアです。坂上先生はいらっしゃいますか」
よくありますよね、職員室に入るときに言う定型文的なやつ。
名前を告げ職員室を見渡すと、何と驚き殆どの先生が揃っていらっしゃるようです。
朝の会議か何かあるのでしょうか?
あ、坂上先生もしっかりと居ましたね。
私はそのまま入室許可をもらい、先生のもとまで向かいます。
「おはようございます、ペンドラゴンさん。何かありましたか? 必要であれば場所を変えますが…………」
チラリと周囲を見渡しながらそう言っています。
ふむ、クラス間の対決に先生方もかなり参入してくるという判断で良いですかね?
「いえ、大丈夫です。昨日お聞きした中間テストについて、幾つか質問をまとめてきましたので確認しようと思い、伺いました」
「っ…………聞きましょう」
おっと、凄いですね。中間テストについてと言ったタイミングで職員室にいる大半の先生、特に1年生の担任はコチラの会話に耳を傾けている様子です。
先生方にとってはかなり重要な話なのでしょう。
「まず1つ目に、この学校ではプライベートポイントで買えないものは無いとお聞きしました。それは中間テストの問題用紙、及び模範解答を購入することも可能ということでしょうか?」
「…………ええ、可能です。しかし、詳しいポイントはその時となりますが、購入するには莫大なプライベートポイントが必要になってきますよ」
⋯⋯ほう、買えるんですね。予想通りです。
「ありがとうございます。では次に、こちらもプライベートポイント案件なのですが、テストの点数を買うことはできますか?」
「そちらもまた可能です。こちらも担任の匙加減になりますが、少なくないプライベートポイントを要求されます」
「ありがとうございます。それから――――」
そして、追加でいくつかの質問をしました。
どれも中間テストにおいては的外れもいいところな内容です。
何故そのようなことをしているのかというと……とある質問に対して先生全員の反応が知りたいから、ですね。
これまである程度の声量で話していましたので、職員室全体にこの会話は聞かれているでしょう。
というより、聞こえるように話しています。
「ありがとうございます。それでは最後に…………」
正直言って今までの質問は前座です。
場を温め、外れた質問をすることで少し気が緩んできたこのタイミングで核心を突いた質問をします。
これから告げる本命に対してどんな反応をしてくれるかを確認するためです。
「…………過去問をいただくことは可能でしょうか」
「「「……っ…………」」」
流石は先生ですね、一瞬だけ顔に動揺がありましたがすぐに取り繕ってます。普通の生徒であれば気付かなかったでしょう。
まぁ、その動揺が私に伝わった時点で意味はないのですけどね。
「通常の学校であれば過去問というのはあまり一般的ではありませんが、この学校はかなり特殊です。それに資格や検定、入試受験などでは過去問を解くことはよくあります。用意していないはずが無いと思ったのですが」
「それは…………申し訳ありません。学校側はその用意をしておりません」
おっと、それは少し想定外ですね? いや、先ほどの先生方の反応を見れば過去問自体は正解でしょう。
となってくると…………いやちょっと待ってください、『学校側は』ということは…………。
「提供も購入も、過去問自体を取り扱ってませんので、対応出来かねます」
「なるほど。学校側は、ですね」
「っ! …………はい。学校側は、です」
驚きながらも喜色を混ぜた顔を見せる坂上先生。
「ありがとうございました。質問は以上です」
一礼をして私は職員室を去ります。
確信を得ることができましたね。
この特殊な学校で過去問を用意していないなんてことあるでしょうか?
もしあったとしても、あの様な言い方はしないでしょう。学校側という発言から、生徒側は持っていると捉えることもできます。というより、先輩たちからしてみれば去年、一昨年に受けたテストですからね。
持っていても何らおかしくはないでしょう。
となってくると大事なのは他学年への伝手ですか。
あと、真面目そうな人。
…………彼の力を借りるとしましょう、先行投資の件もありますし。
ポチポチっと、もしもーし!
「おはようございます先輩…………中間テストについて相談がありまして…………はい、ありがとうございます…………分かりました。では、放課後に…………」
これでよし!
後は、幹部陣にこの情報を共有しておきましょう。
◇ ◆ ◇
「いやー、凄かったわね! あの子!」
「ああ。気付く者が出てくるのは予想済みだったが、まさか翌日か」
「私としても正直驚いてます」
アルトリアが去った職員室は、さながら嵐が過ぎ去ったかの如く緩い雰囲気となっていた。
理由は先の質問を一言一句逃さぬかのように集中して聞いていた為、気が緩んだ瞬間にやって来たド級の質問。緩急が激しく、先のやり取りを見てるだけで疲れてしまったのだ。
そんな中、星ノ宮を始め1年生の担任たちはアルトリアの様子について語っていた。
「あの子、雰囲気凄いけど入試試験圧倒的最下位なのよね?」
「ええ、仰る通りです。その代わり身体能力が極限まで極まっているので例年の様に、Cクラス配属となりました」
「あれ聞くと、お馬鹿な子って印象無いんだけどなー」
「それはそうだろう。アレは勉強ができないのではなく、必要がなかったからしなかったに過ぎない。実際、担当面接官からは学力は無いが知性や判断力は目を瞠る物がある、という評価を貰ってる」
彼女については1年職員は全員、その評価を確認していた。そもそも、日本の将来を支える人材を育てることを掲げているこの学校に、他国の生徒を留学生とはいえ受け入れているのはかなりの異例だ。
政界からの圧力により入学が決定したが、どういった人物か判断できなかったので理事長より教師たちが見て確認してほしいという言葉を貰っている。
「これからどうなっちゃうんだろうなー、あの様子だと中間テストの攻略法分かっちゃってる感じだよねー」
「嫌なことに、俺たちの反応を見て確信した様子だったぞ。場所を変えず、教師の目が多い職員室で質問をしていたのは少なからず、我々の反応を探るためでもあるだろうしな」
「こちらとしては嬉しい限りです。これからも期待したいですね」
HRまでの短い時間を彼らは雑談に花咲かせていた。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「――――それで、あいつと出会ったのはいつだ?」
あの後、幹部陣への共有を終え過去問の入手先を龍園に相談すると俺も行くと言って、放課後である現在一緒に先輩との待ち合わせ場所まで向かってます。
先方には既に同行者がいるのは伝えています。
「入学して1週間経った頃でしょうか。クラス分けの詳細を把握するために3年生の階層に出向いた時に、遭遇しましたね」
「ほう、その時点で把握できていたのか。つくづく優秀な頭を持ってるな」
「当たり前です、あまり舐めないでください…………話を戻します。その時に何故居るのか聞かれたので詳細を話すと気に入られたのか、先行投資として多少のポイントを頂き、ついでに連絡先を交換しました」
「なるほどな…………いやちょっと待て。先行投資、いくら貰った?」
「…………100万ほどですが、何か?」
堀北会長からいただいた資金を告げると、露骨に顔を顰めてきました。
「だったら俺との契約は要らなかったろ、返せ」
「いやです! 食については一切妥協するつもりはありませんので、これからも食費は貰います」
「ったく、しょうがねぇ女だ」
そんな話をしていると、待ち合わせ場所まで来ました。特別棟の屋上ですね。
監視カメラがないので好きなこと、やりたい放題です。
この場所を指定してきたのは相手側です、しっかりとこの場所の重要度を理解しているようですね。
まぁ、当然ではありますか。なんたってこれから密談を行う相手は…………。
扉を開け屋上に入ると、この学校の頂点である生徒会長の堀北学がいました。
「お待たせしました、堀北会長」
「いや構わない。そっちは…………龍園で間違いないな?」
「ああ、そうだ。俺もお前に用があってな」
「そうか、では後で聞くとしよう。さてペンドラゴン、大体は分かっているが念の為聞いておこう。何のようだ」
流石は生徒会長、話が早いのは助かりますね。
「これから始まる中間テストの対策です。教師に過去問について確認したところ、学校側は持っていないとのことでしたので、貴方から購入することはできますか?」
「ふっ、お見事だ。こんな早い段階で接触を図ってきただけのことはあるな…………あるぞ、俺が1年の時に受けた中間テスト全教科分だ」
生徒会長からしたらこの展開も予想済みなんでしょうね。
「ありがとうございます。それで幾らで売ってくれますか?」
「そうだな、一教科あたり1万の計5万で売ろうかと思っていたが、一つ条件を呑むなら全教科含めて2万で売ってもいい」
「条件、ですか。お伺いしても?」
「アルトリア・ペンドラゴン…………生徒会に入る気はないか」
「っ! 生徒会ですか」
ほんとに驚きです。まさか、会長直々に勧誘されるとは思ってもいませんでした。
堀北生徒会長から距離を取り、龍園くんに耳打ちします。
「流石にクラス間競争もあります。マスター、Cクラスのリーダーである貴方の意見を聞いても?」
「…………ハッ、いいぜ。アルトリア、生徒会に入れ。後で意図は話してやる」
「分かりました」
指示に従い、勧誘を了承します。
「堀北会長、勧誘の件ありがたくお受けします。これからよろしくお願いします」
「ああ、いい返事が聞けて良かった。それでは、2万で取引成立だ」
「ちょっと待て。会長さんよ、ついでに小テストもつけてくれねぇか」
「…………いいだろう、慎重なやつは嫌いではない。しかし龍園、お前は評価を見た限りでは暴力的と聞いていたが、その片鱗が見えんな」
「ハッ、よく知ってんじゃねぇか。だが、暴力で勝てねぇ相手がいたもんでな。だったら、それ以外でも支配できるよう試行錯誤するのは当然だろう? 俺は可能性があれば獲りにいくが、勝率0の無謀な真似はしねぇ」
「ふっ、よく見えているようだ」
そう、私と堀北生徒会長。
どっちも戦闘力は極めて高いです。会長を見た限りでは、日本武術のカラテを修めているような筋肉の付き方です。
つまり、この場には龍園が勝てる相手は居ないということです。彼もそれを本能で理解しているのでしょう。
「よし、送り終えたな。それで、龍園は俺になにか用でもあったか」
「…………小テストが全く一緒、こいつが示すのは中間テストは過去問と全く同じ内容というわけだ」
「ふむ、肯定したいところだが詳細は学校の規則で話せなくてな」
「いや、かまわねぇ。俺は過去問が対策になると考えた時、一つ策が思いついた。念の為、有効かどうか確認しておこうと思ってな」
「言ってみろ」
なんでしょうか、先の共有のときは何も教えてくれなかったですけど。
「…………新しく作った偽の過去問を上級生から下に流すのは学校側として、ルールに抵触してるか?」
わーお、悪辣〜。
確かに! それが有効なら中間テストの秘密に気付ける賢い人ほど引っ掛かる策ですね!
「まぁ、問題ないだろう。こちらとしてはあまり退学者は出して欲しくないのだがな」
ふむ、退学者を出したくないのですね。
そのまま、策を実行してもいいですが心象が悪くなりそうですね。ちょっとテコを入れましょうか。
「では、50点分だけ問題をそのままに、残りを偽の問題に変えるのはどうでしょう。しっかりと授業に取り組んでいれば問題ないですが、勉学を怠り過去問にしか頼らない、学生の風上にも置けない人物を対象とした攻撃です」
「それであればこちらが何か言うことはない」
「ありがとうございます、会長」
そして、私たちの密談は終わりました。
帰りに龍園くんから、テコ入れについて色々言われましたが、会長に取り入ったほうが後々便利という論法で押し通しました。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「これよりHRを始めたいところだが、どうやら下級生から話があるようでな」
上級生のクラス、中でもポイントに困窮しているC.Dを対象に龍園はHRをppで買い取り、時間を確保した。
そして、椎名や金田の手で作成された50点分が同じ偽の過去問、小テストを配布した。
『もし、過去問を求める生徒がいたらその過去問を渡せ』
『ああ、しっかりと50点分しか同じじゃねぇのは伝えろ』
『これは契約だ、一人当たり2000ppやる』
『過去問を求める生徒からもppを徴収すればいい』
『返金する必要はない』
これを2.3年のC.Dクラスの計4クラスに対して行った。
2000pp×40人×4クラスの計32万。
HRの時間購入費に10000pp×4クラス
退学者の分を差し引くと大体35万前後の支出。
本来、入学して1ヶ月の一個人に支払える額ではないが、これを龍園は自クラスからppを徴収することで解決した。
徴収額は3万ppと少し重たいが、アルトリアの説得と龍園に逆らえる者が居るはずもなく。
これからの試験も有利に進めるためと毎月徴収されるようになる。
感想、評価って凄いね!
めっちゃやる気でる
(ストックが全然ないのに投稿始めちゃってるから、ヤバい!)
収支
クラス貯金40×3=120
食費・偽問策略 8+35
120-43=77万