ようこそ騎士王がいる教室へ   作:笹杭L

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筆が乗ったので投稿。
リハビリなう。

久々の更新なのに、めっちゃ見てくれてるわ。
感謝。


あっ、退学者が出ます!




第8話 【テスト返却】 阿鼻叫喚

 

「おはようございます。さて、皆さんお揃いですね」

 

 教壇に立つ我らがCクラス担任、坂上先生。

 彼は少しピリついている教室へ入ると、手に持っていた筒状の紙を置く。

 

「先日は中間テストお疲れ様でした。結果が出ましたので、朝のHRは発表の時間とさせてもらいます」

 

 そうです。中間テストが終わって少し経ち、今日。採点結果が発表される日なのです。クラスメイトがソワソワピリピリしているのは仕方ないのですよ。

 

 いやー、あの一件からは中々大変でした。

 勉強場所を図書室から教室やカフェテリアへと移動させましたからね。

 

 ひよりが駄々をこねてきました。

 自分たちの班がどういう眼で見られているのか分かっているので、そこまで強くは言ってきませんでしたけど。

 

 そのまま短気組+私&ひよりというペアで、テスト3日前まで通常勉強に励み、その日以降は龍園くんからクラスに提供された過去問の取り組みにシフトしました。

 

 あっ、ちゃんと全問一致の本物ですよ?

 そして、クラスには過去問の詳細はまだ伝えていません。知ってしまったら勉強への意思が無くなり、これからある試験でも何か裏はないかなーみたいな思考に囚われてしまう可能性があるので。

 

 龍園くんは採点結果が発表された後に伝えるようです。

 

 このクラス以外の出来事だと、Dクラスがテスト前日にかなり騒いでいるご様子でした。

 まぁ、テスト範囲変更の通知がされたのだと思います。

 

「私はとても誇らしいです。Cクラスに配属された皆さんが、()()()()()()()()()()学力という面で他のクラスを上回ったことが」

 

 おっと、先生の話はちゃんと聞きましょうね〜。

 

「Cクラスでは、全ての科目で7割以上の生徒が100点満点を記録しています。一番低い点でも赤点ラインの上限である50点を大幅に越えています」

 

 そう言って、丸めてあった紙を広げて黒板へ掲示していきます。そこには中間テストの個人成績が教科別でズラリと並んでいました。

 

 私? 私はもちろん、満点ですよ?

 あっ、徹夜漬けではないですよ。過去問を入手した日から、何回も繰り返し解いて理解したんですから。

 

 高校の範囲は何一つ分かりませんが、過去問に出た範囲だけは類似問題とかも含めて、しっかりと解くことができるぐらいにはなりました!

 

「ハッ、おいおい。俺はそんな事が聞きたくてここに居るわけじゃねぇ」

 

「ふむ、それもそうですね。では…………残念なことに今年度の新1年生から赤点が出ました」

 

「ククッ」

 

 うわー、悪い笑みですよ、アレ。

 しかし赤点。色々と細工させては貰いましたし、Dクラスの状況を鑑みれば出るのは必然ですか。

 

 ザワザワと教室内が騒々しくなりました。

 赤点、言ってしまえばこの学校から去る事になるのですから。

 

「悲しいことにDクラスから5名ですね。Cクラス含めて、それ以外には居ませんので安心してください」

 

 おや、意外に少ない? 前日にテスト範囲変更が告知されたにしては、被害があまり…………。

 

 あっ、違いますね。

 龍園くんの顔から溢れんばかりの邪悪が滲み出ています。彼が何かしらを画策したのでしょう。

 

 私には何も伝えられてません。

 聞いたら答えてくれますかね?

 

 教室から騒音が減りました。

 やっぱり自分たちでないと教師から伝えられるのは安堵感が違うということですね。

 

「さて、少し早いですがHRは終わりです。特に伝えたい事項もありませんので、一限目が始まるまでは自由に使ってください」

 

 坂上先生は教室の隅に移動を始めました。

 

 …………ふむ。龍園くんの話を聞くつもりですね?

 

 自由時間となりましたが、誰一人として動きません。

 いや、王になった彼とその側近だけが動きます。

 

 石崎くん一行が教室の窓や扉を閉めて、アルベルトくんが王の後ろに控えています。

 

「これで分かっただろ? このクラスの王が誰なのか」

 

 龍園くんはそう言ってチラリとある人物を見ます。

 視線を向けられた()はアザがまだ残る顔で、龍園くんを睨みつけています。

 

 私が従っている時点で、若干の不満はありますがクラスの大半は龍園がリーダーを務めることを認めていました。

 しかし、どの時代にいるものです。反乱や革命、自由を求め支配から逃れようとする勢力は。

 

 彼は龍園くんの支配に最後まで抗った生徒です。

 しかし、龍園くんが試験の構造に気づいてクラスに貢献したという点で名実ともに彼は負けてしまいました。

 

 これからは従う素振りは見せつつも、反抗勢力として龍園支配からの脱却を狙っていくのでしょう。

 

 

 

「答え合わせといくか」

 

 今回の中間テスト。うちのクラスは幹部陣以外に過去問の秘密を知りませんでした。しかし試験本番、気づいた人もいたのではないでしょうか。

 

 過去問と一問一句、全く同じであることに。

 

 龍園くんはそれをクラスに伝えていきます。

 あと、偽の過去問を配布したことも一緒にですね。

 

「オレが何故、アルトリアを使ってまでクラスからポイントを徴収したと思ってやがる? こういった工作においてプライベートポイントは破格の意味を持つ」

 

 ふっふーん。頑張って皆を説得しました。

 その内の一割ほどが私の食費になっていることを知る者は幹部陣以外にいません。

 

「安心しろ。てめぇらが俺についてくるなら、頂上の景色ってのを見せてやる」

 

 その言葉にクラスに熱が籠ります。

 いいですね、これが青春というものなのですね。

 

 きゃー、龍園さま~。マスタ~。

 心の中で声援をあげます。

 

 そしたら何故か龍園くんはぶるりと震えて、変なモノを見たかのような眼でこちらを見てきました。

 

 心外ですね。

 

 おっと、こんな時に電話が掛かってきましたね。

 龍園くんなんて無視して、こっちを優先しちゃいましょう。

 

 電話の相手は、テストが終わってから採点発表される今日までの間で知り合った()で、少し人見知りが激しい人ですね。

 ちょっと厄介なのに付き纏われていましたので、助けてあげたら想像以上に懐かれました。

 

 ですが、素直でいい子なので、つい面倒見てしまいます。

 

 中間テストの成績でかなり不安を覚えていたので、いくつか助言をしたのですが、多分その件ですね。

 

 あっ、もしもーし。

 

 

  

 その後、龍園くんからの連絡事項がいくつかあり、HRの時間はそのまま終わりました。

 

 クラスの雰囲気は最高ですね!

 

 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 Side 綾小路

 

 

 クラスの雰囲気は最悪だ。

 

 中間テスト前日になって発覚したテスト範囲変更。

 本来2週間前には伝えられるソレが、Dクラスにのみ伝達されていなかった。

 

 それが分かってすぐにオレは動いた。

 茶柱先生が中間テストを告知した際に言った、とある発言から可能性として考えていた。

 

 しかし、特に根拠のないものであること。

 堀北の尽力で裏技を使わなくとも、赤点の回避は問題なさそうであること。

 

 これらのことから動く必要はないと思っていた。

 即ち、過去問。

 

 オレの行動を不審に思った櫛田がついてきたお陰で、上級生から過去問を入手するポイントを減らせたのは僥倖だった。

 

 しかし、少しだけ予想外のことも判明した。

 

 過去問が50点分しか合っていないことだ。

 セットで手に入れた小テストでは一問一句同じなのに対して、こっちは半分しか同じではない。

 

 全て先輩が教えてくれた。

 本当なら他年生の分も知りたかったが、流石にポイントが足りない。

 

 取引で過去問を手に入れた時には分からなかったが、()()()()()()()()()()()なら分かる。

 

 赤点の仕組みはクラス平均を半分で割った値。つまり、赤点ラインが50を越えることはないということだ。

 確かに、過去問だけを覚えれば確実に赤点は回避できるということになる。先生の言葉に矛盾は…………無い。

 

 矛盾は無いが、この状況にひどく違和感を覚える。

 

「さて、今回の中間テスト。()()()()()()()()全員が酷い点数を取った影響で、平均点が非常に低い」

 

 貼り出された教科別の成績が書かれた紙。

 それぞれに引かれた赤い線。

 

 赤点のボーダーは24点。

 クラス平均は48点だった。唯一、高円寺のみが高得点で、小テストで高円寺に並ぶ点数を取っていた幸村や、85点を取れてた平田に櫛田、堀北すら低い点数だった。

 いや、彼女は敢えて抑えていたという方が適切か。

 

 そんな中、小テストでも成績が著しく低かったクラスメイトは当然ながら赤線から下に名前があった。

 

「改めて告げよう。池寛治、沖谷京介、菊池永太、佐倉愛里、須藤健。お前たちは残念ながら赤点だ。これから退学の手続きをしなくてはな」

 

 これだ、幾つも覚えた違和感。

 先生が言語化してくれたおかげで、その一つが分かった。

 

 山内がいない。

 お世辞にも、須藤や池と同じ領域にいる彼が過去問を持ったところで乗り越えられるとは思えない。

 

 彼は余裕綽々と言った顔で机に座っている。

 

 隣を盗み見ると堀北も同じ答えに辿り着いたのか、山内をバレない程度に凝視している。

 

「先生っ! このような結果は納得いきません! テストの範囲変更の周知は他クラスに聞けばずっと前にされていた。僕たちだけがされていなかった。その状況下で赤点となったら退学なんて、どう考えてもおかしいっ!!!」

 

 普段は誰に対しても分け隔てなく優しい平田が声を荒げている。優しい彼ならそう立ち上がってもおかしくは無いのだが、彼が纏っている感情が普通じゃない気がするな。

 

「そうか平田。お前は納得できないか。しかし、社会に出ても同じように言うのか? 社会とは理不尽に満ちている。自分だけに災いが降りかかることなど往々にしてあり得る事だ」

 

 そんな平田の主張を鼻で笑い、一蹴するのはオレたちの担任である茶柱先生。

 

「それによく見ろ。大半の生徒はこの不測の事態でも、しっかりと乗り越える事が出来ている。落ちた生徒は努力が足りなかった。その一言で十分だろう」

 

 自らこの状況に陥れておいて、よくもまあそんなことを言えたものだ。落ちた生徒、特に須藤と池は阿鼻叫喚が如く声を出している。

 

「だとしても、過失は茶柱先生に帰属します! いくら言葉で取り繕っても、失態はなくなりません!」

 

「ほう? であれば……だ。平田洋介、いや不良品ども。お前たちは何を求める?」

 

 茶柱先生は平田から断固として、認められないという答えに対して回答を望んできた。その眼には何かを待っている節が見て取れる。

 

「当然。改めてテストの実施を求めます」

 

「不可能だ。既にテストは行われた。再テストは不可だ」

 

「っ……なら、赤点となるボーダーを下げてください!」

 

「校則として定義されているから難しいな」

 

「くっ…………なら成績表の書き換えをしてください。先生ならそれくらい問題ないでしょ!」

 

「すまないな。成績は既に他の先生に周知されている。変更は()()()()()が無ければ不可能だ」

 

「だったら、どうしろっていうですか!?」

 

 平田が告げる要望を悉く切り捨てていく茶柱先生。

 どんどんと要望の内容がダーティーなものになっているが、それでもダメと否定され平田はいよいよ吐き捨てた。

 

「さて、どれも私の権限ではどうにもならないものばかりだったな。それで話はもう終わりか? 無ければ私はやることがあるのでな、失礼させてもらうが」

 

 教室を見渡し、他に何か言うことは無いかと確認する先生。そんな中、一人の生徒がおずおずと手を挙げた。

 

「あ、あの…………」

 

「ん、お前は佐倉か。どうした?」

 

 手を挙げたのは、ピンクの髪が特徴的だが眼鏡を掛けてどこか芋っぽい雰囲気を醸し出す女子生徒だ。

 

 佐倉と呼ばれてたな。赤点組の佐倉愛里って彼女の事だったのか。交流の無いクラスメイトは全く分からん。

 

「先生は、入学初日に『プライベートポイントで買えない物は無い』みたいなことを言ってました、よね? もし……本当なら、テストの点も買えたりしますか?」

 

 それはオレも考えていた。

 というより、須藤たちが赤点を取ってしまった時用に使おうとすら思っていた。

 実際、今のHRが終わった後に、茶柱先生へ交渉しようと考えていた。

 

 佐倉愛里。赤点であることを鑑みるに、勉強はできないが頭は回るということか。

 

 彼女がそれを発言したことで、茶柱先生は眼を見開いていた。先生からしても、その回答は予想外だったのだろう。教室内も一気に騒がしくなる。

 

「そうじゃん! 確かに買えない物は無いって言ってたよな紗枝ちゃん先生!」

 

「確かに……それなら……」

 

「ふふ、実に面白くなってきたじゃないか」

 

 同じ境遇の池、現状を打破したい平田、爪を研ぎながら推移を見守っていた高円寺。それ以外にも多くのクラスメイトが声を上げていた。

 

「佐倉、お前からそのような提案が出るとは思っていなかった。正直言って驚いた」

 

 眼を見開いていた茶柱先生は、少しの動揺の後に復活、先程までとは対照的にその口元には小さな喜色が見て取れた。

 

「ああ確かに、私は初日に言ったな『この学校で買えない物は無い』と。いいだろう、本来ならもっと高いが、今回は詫びも兼ねて1点当たり一律──10万で売ってやろう」

 

 ビキり。

 先程まで可能性があると希望に満ちていた教室内が、茶柱先生が放った一言で、一瞬にして凍り付いたのを肌で実感する。

 

「はっ? じゅ、10万!? 冗談じゃないっすよ!!」

 

「言っただろう? 本来ならもっと高い。私のミスがあったからな、10万という破格の値段で売ってやると言ったんだ。入学初日には手元にあった程度のポイントだぞ、まだ手が出せるだろう?」

 

「そんな大金、今の僕らが単独で払える額じゃない……」

 

 間違いなく無理だ。

 元々物欲の無いオレですら、既に食費やら何やらで3万近く消費している。五月の頭でポイントの支給がなかった以上、絶対に10万を超えることは出来ない。

 

「良いことを言うじゃないか。そうだ、()()では払えないな。さて、佐倉。お前はどうする?」

 

「…………少しだけ、待ってもらっていいですか」

 

「いいぞ。私は今、機嫌がいいからな」

 

 そう言って佐倉は端末を取り出し、どこかへと連絡を始めた。

 

「そうだな。自分一人で払えないなら、友人に借りればいい。少なくとも他クラスなら、まだポイントに余裕はあるだろう」

 

 先生の発言で、これまた他のクラスメイトも動き出した。特に、1点差で赤点に落ちた須藤はすごく必死だ。

 

「なぁ、頼む皆! 後でぜってぇ返すから、ポイントを貸してくれ!」

 

「他の皆もお願いっ! 助けたいから協力して!」

 

 そんな須藤に乗っかって、いい子ちゃんを演じる櫛田がいる。こんな時にも大変だな。

 あっ、目が合った。

 

「……あぁ、今大丈夫かい……ありがとう。急で申し訳ないんだけど、ポイントを貸してくれないかな?」

 

 平田はその人脈を使って、他クラスの友人にポイントの融資を頼んでいるようだ。

 

 と言った具合で、クラスの半分くらいは助けること、助かることに奔走し、残りは我関せずだったり、そもそも諦めてる。

 

 特に池や菊池、沖谷は全教科の赤点を超えようとすれば合計で5点以上も払う必要がある。

 50万、三人合わせれば150万、払えるわけがない。

 

 そんな中、最初に声を出した佐倉は電話を続けていた。

 

「うん……そうなんだ…………えっ……うん、分かった……」

 

 一度電話を切って、深呼吸を挟んだ。

 

「どうした佐倉、断られたか?」

 

 ニヤニヤとした表情を隠すことなく、喋り始めた茶柱先生を完全に無視して、佐倉はもう一度端末で連絡を取っていた。

 

「大丈夫? うん、私はいいよ……そう……本当に? うん分かった……ありがとう」

 

 そして短い会話をした後、電話を切り茶柱先生へと顔を向けた。

 

「先生、私のプライベートポイント全部と、友人が貸してくれた分、合わせて10万、支払います」

 

「あぁ受理した、成績表は書き換えるとしよう。増えた点を記録するのは正当な理由だからな。佐倉愛里、無一文になるが大丈夫か?」

 

「少し、き、厳しいかなって、思います」

 

 契約は成ったようだ。

 茶柱先生は黒板に貼り付けた紙に書かれている、佐倉愛里のテストの点数を二重線で消し、その横に1点追加された状態で書いた。

 それに合わせて、赤で引かれた線を修整して彼女の下に改めて引き始めた。

 

「さて、一人抜けたな。他にはいないと判断するが、いいんだな?」

 

「待ってください! もう少しだけ、時間をください!」

 

「やらん、私も忙しい。提案者である佐倉だから待った。お前に使う時間なぞない」

 

「なっ!? そんな……っ!」

 

 何とかクラス全員分を集めようとしていた平田だったが、流石に150万をすぐに用意するのは不可能なようだ。

 

 スタスタと歩き教室を出て行く茶柱先生。

 それを止められず、俯くしか出来ない平田。

 諦めきれず、いまだ足掻こうとする須藤。

 諦めきった他の赤点組。

 幾人かのクラスメイトから話しかけられる佐倉。

 

 茶柱先生が教室を出たのに合わせて立ち上がる堀北。

 それとオレ。

 

「……堀北もか」

 

「…………ええ、少なくとも須藤くんに関しては、私が面倒を見ると言った。自分の発言くらいは守らないと、兄さんのようには……なれない」

 

「そうか」

 

「それに貴方一人で行ったところで意味無いでしょう?」

 

「まぁな。でもやれることはやろうと思って」

 

 こんなこと言ったが、堀北は動くと思っていた。

 あの日の夜、アルトリアが去ったあと、兄である生徒会長から回りくどいながらも()()を受けた堀北なら、須藤に関しては最後まで力になるだろうと。

 

 堀北と共に教室を後にしたオレは、職員室へと向かう茶柱先生へと追いつき、プライベートポイントを堀北と割り勘することで、須藤の1点分を購入した。

 

 出来るなら、池や落ちた生徒も助けたかったが、如何せんポイントが無いので諦めるしか無かった。

 

 須藤を助けることは出来たが、自力で助かった佐倉を除いた三人はその日の放課後のうちに退学処分となった。

 

 

 クラスの雰囲気は最悪だ。

 

 

 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

 

 

 放課後。

 

 次の計画立案や方針決めをする為に、龍園率いるCクラスの幹部陣は、カメラの無い個室であるカラオケへと向かっていました。

 

 その最中────

 

「また会いましたね、龍園くん」

 

 幼い女王に出会いました。

 

「ハッ! おいおい、坂柳よぉ。以前見た時よりも駒が増えてるんじゃないのか? ゾロゾロと引き連れやがって」

 

「そっくりそのまま貴方にお返ししますよ?」

 

 Aクラスの二大巨頭……いえ、話を聞く限りでは対立している与党と野党と言った感じでしたっけ。

 

 そのうちの一角、坂柳有栖さんですね。

 彼女は6人を侍らせて、私たちに話しかけてきました。

 対してのコチラも6人。数の上ではいい勝負です。

 

「C.Dの上級生へに対してのアクションは貴方ですよね。中々、面白いことをしてくれました」

 

「そうかい、気に入ってくれたようで何より」

 

「ええ、おかげで葛城くん一派は見事に自滅してくれましたので」

 

「おいおい、王たる者がクラス一つ未だに纏め切れてねぇなんて底が見えるぜ? それと過去問は真面目ちゃんには効果ねぇだろ」

 

「ふふ、遊んであげてるだけですよ。過去問もちょっと吹き込めば、綺麗に転がってくれたんです」

 

 おおー。なんか舌戦が始まってますよ。

 お互いにカリスマは十分持っていますし、言葉にキレもあるので、スゴイ映えますね!

 

「──それと、貴女はアルトリアさんですね」

 

 呼ばれました。

 

「ええ、その通りです。こうしてお話しするのは初めてでしたね。改めてアルトリア・ペンドラゴンです」

 

「ご丁寧にありがとうございます、私は坂柳有栖です。早速ですが、アルトリアさん。Aクラスに来ませんか?」

 

 いきなり! 特に話したこともない方から、急に求められました。悪い気はしませんね。

 

「本当に節操がねぇな。品性が透けて見える」

 

「おやおや、貴方にそれを言われてはお終いでしょうか」

 

「けっ……ああ言えばこう言う。会話に面白みがねぇ」

 

 ちょっとー! 私が話していたんですけど!

 勧誘された直後に、横から龍園くんが口を挟んできました。勝手に喋りだしたかと思えば、つまらないとすぐに口を噤みましたよ。

 

「勧誘してくれたことは感謝します。しかし、私は表向きCクラスを統括する身。あなたの誘いに乗ることは出来かねます」

 

「ええ、分かっております。つい口に出てしまっただけですので、お気になさらず」

 

 あら、そうなんですね。

 てっきり優秀すぎる私が欲しくなったのかと思いました。(どやぁ)

 

「ですが、ここで出会ったのも何かの縁。連絡先の交換だけでもしませんか?」

 

「いいでしょう…………アリスとお呼びしても?」

 

「もちろんですとも。アルトリアさんとはお友達になりたいと思っておりましたので」

 

 そう言うとクスクスと彼女は笑い始めた。

 

「失礼しました。家族以外で下の名前を呼ばれることなんて、あまり無かったものですから。ましてや同級生では」

 

 あっ、かわいい。

 

「それでは私たちには、これから用事がありますので失礼しますね。龍園くんも、戦える日が来るのを楽しみにしてますよ?」

 

「ハッ、威勢のいい女は嫌いじゃねぇ。BとDを潰した後は、お前たちだ。それまでに、お遊戯は終わらせておくんだな」

 

 

 ……………………銀髪。

 

 ……………………身体機能の欠陥。

 

 ……………………天才。

 

 ……………………ロリ!

 

 はっ!? 閃いた! (通報した)

 

 

 

「…………やっと行ったか。ったく、会うだけで時間を消費する女だ」

 

「マスター」

 

「あァ、何だ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アリス…………こっちに引きずり込みませんか?」

 

 





イリヤと坂柳
何か思ったより似てた。⋯⋯似てるか?

地獄のDクラス
こんな状況でも、まだ諦めきれていない人が何人かいらっしゃるようです。

佐倉愛里
あんまり目立ちたくなかったけど、退学は嫌なので頑張った。彼女を知る者からしたら考えられない発言。誰かから何かしらの干渉があったと思われる

違和感
気が付いたら消えていた。
ホワイトルーム最高傑作である綾小路ですら、記憶に残せない程小さな違和感。
山内春樹、やはりアイツはブラックルームの⋯⋯⋯。


読んでくれてありがとう。

策略の詳細

  • 事前に知っておきたい
  • 重要なシーンで「一体何が⋯」とともに回想
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