UA8000突破。そして、お気に入り登録が100を突破しましたー。やったね。
今後ともよろしくお願いします。
気がつけば12月。今年もあと30日程度で終わる。今年もあと残すところ僅か。
放課後の校舎裏。ひとけのないこの場所で、私は5人から呼び出しをくらっていた。
目の前には5人の男子生徒が居る。
「……」
それぞれがそれぞれの形で手を差し出してきている。深々と頭を下げる者。手をとってもらえて当然だ言う態度の者。スマホを起動させてチャットアプリの友達登録画面を表示させている者。……私にどうしろと言うんだろうか。
手を差し出している中には、クラスメイトや校内で見たことある程度の者。元クラスメイトや先輩。本当にどうしろと。
「…………」
「あっ、返事を」
「やっぱり、誰とも付き合わないんだよ」
「……さらば、我が初恋」
「諦めないからな!」
「……悔しいなあ」
足早に校舎裏から去る。なんだこの茶番は……後は体育館裏と、体育館倉庫と……。全部バックレてやろうか。
「全部付き合ってくれるんじゃないのかい?」
「……」
「そんな嫌そうな顔をしないでほしい。大勢から告白される人間は貴重なんだ。それも、男女ともにとなると更にね」
「…………私は、誰とも付き合わない」
そもそも、男子人気なら草薙寧々もそこそこあるはずだ。小動物っぽさは一定の人気を集めているらしいし。
「寧々には誰も行かないからね」
「……何かした?」
「フフ、それは秘密だ」
……幼馴染が好きだね。まあ、妹みたいなモノなんだろうか。話を聞く限りだと幼少の頃から一緒だったみたいだし。
それなら納得がいく。私だって、姉さんに変な男がつかないよう手は回すだろうし。姉さんから誰かに行くならとは思う。しかし、それでも相手を見定めたい。
「……なんで、この時期は告白が増える、のかな」
「そうだね。もうそろそろクリスマスだからじゃないかな。聖なる夜を一人で過ごすより、恋人と過ごしたいんだろう」
「…………そんなもの、なのか」
「そんなモノだよ」
一人が寂しいから恋人を作るなら、別に私じゃなくても良いだろうに。それに、家族といるのもそう悪くはないと思うんだけどなあ。……今年はどんなケーキ作ろうかな。
まあ、いい。次の場所に行こう。
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放課後、愛? の告白を聞くために態々出向いた後。私は暁山瑞希と神代類の二人とともにバーガーショップに来ていた。
「お疲れ様ー、玲音」
「……瑞希、も。ね」
「二人ともお疲れさま」
「見てるだけの人は楽で良いね」
「僕には誰も来ないからね」
暁山瑞希はメッセージアプリ越しでお誘いがいくつかあったらしく、それの対処。全て上手くかわしたようだ。他校の人が中心。
私はメッセージアプリを使わないし、クラスのグループにも参加していないので手紙という古風なラブレターやお呼び出しで校舎裏、体育館裏、体育館倉庫、屋上、学校近くのコンビニで他校の生徒から告白を受けた。もちろん全て断った。恋人を作る気はないし、相手が本気なら尚更のこと。私がそれを受けるのは相手に失礼というモノだ。
最近は、冬服のスカートをロングにして裏起毛タイツで暖かいのでズボンからスカートに戻った。まとわり付く感じはないからやっぱりスカートの方が楽だ。
「そう言えば、玲音は食べないの?」
「…………ポテト、だけで良い」
「ハンバーガーは苦手かい?」
「……そんなに食べられない、から」
よく食べれるなと思う。私はポテトだけで十分だ。家に帰ればご飯作るし。
「それで? 何か良さそうな演出とか、台本は思いついた?」
「フフ、君たちのおかげでね。ふと思ったんだ。ロミオを追いかける幾人ものジュリエットが居ても良いんじゃないかってね」
「ロミオ 〜バトルロイヤル〜が、ジュリエット 〜バトルロイヤル〜になる可能性があるってこと?」
「そうだね。そうなる可能性もある」
前回、ジュリエットを手にしたのは最強の剣のロミオだったが。そのロミオを倒して手に入れるジュリエットは一体どんなジュリエットなんだろうか。宇宙一の美しいジュリエットだろうか。それとも、ロマンスを夢見る純情のジュリエットだろうか。
「ただ、詳しい事は司くんと決めるし。女性主人公は司くんじゃ演じきれなさそうだから、寧々になるかな」
「たまには良いんじゃない? 寧々ちゃんも演技出来るんだし、司先輩にロミオやらせれば」
「それも考えたんだけど、司くんにはジュリエットの騎士をしてもらおうかと思ってね」
天馬司が騎士役か。あまり想像がつかない。と言うか、それは……
「…………最強の騎士を従えるジュリエット」
「そっちの方が司先輩っぽいね」
「フフ、至る考えは同じみたいだね」
ジュリエットとは名ばかりの、最強の称号を持つ騎士が獅子奮迅の活躍をするショー。タイトル詐欺だろう。もう、ロミオじゃなくて騎士と結ばれるやつになるのでは?
「そう言えば、玲音ってなんでそんなにモテるの?」
「…………わからない」
「ミステリアスな雰囲気が人を引き寄せるんじゃないかな。あまり話さないし、顔もあまり見せない。しかし、普段は隠れた素顔は美人顔。ギャップもあって孤高の存在。彼らからは、玲音がそう見えるんだろう」
「実際は、ただ興味がなくて。顔を見せるのが苦手なだけなんだけどね」
「…………わからない」
本当になぜ私に好意を寄せるのかわからない。ああ、でもそう言えば……
「…………罵ってほしい。言われた」
「あー、そっちかー」
「なるほど。自分の趣味のために虐められたい人も集まるわけだ」
「玲音から蔑む視線向けられたら怖いと思うけど。それが快感なのかな……」
「世の中いろんな人が居るからね」
「……もう、慣れた」
「前からこんな感じなの?」
「……」コクコク
中学でも、まあまあ声をかけられる事は多かった。姉さん関連もあったけど、私宛のものもいくつかあったかな。男女両方から。鹿野ちゃんがいなくなってからはすごく増えた。ストレスで一部髪の毛が脱色。白髪と化してしまうほどに。
それからも私たちは雑談を楽しみ、一緒にバーガーショップを出た。神代類は買う物があるらしく、電化製品店の方へ向かった。
「……帰らない、の?」
「……うん。ちょっと、玲音と話したいことがあってね」
「……移動、する?」
すぐそこにベンチもあるし、公園もあるから立って話すよりは楽で良いだろう。
「このままでも良いかな。すぐ終わるし」
「……そう」
夜風が冷たくて寒い。暁山瑞希は寒くないのだろうか。
「……カイロ、いる?」
「いいよ。悪いし」
「……二個ある。いる?」
「なら、もらおうかな」
未開封のカイロの封を切って中身を軽く振り、息を数回吹きかける。揉むと目詰まりして発熱が遅れるので、そのまま振っている方が暖まりが早い。
温まったら暁山瑞希に手渡す。あったかいだろう。少しお高い良いやつなんだ。
「ありがとう。……玲音はさ。なんで、そんなにいつも通りでいられるの?」
「……?」コテッ?
「いや、ほら。先週に結構重たい話したじゃん? だから、……ほら。ボクも多少思うところはあるんだよ」
「……?」コテッ?
ちょっと何を言っているのかわからない。
「もう、本当にわからないなあ。どうしたら、普通に振る舞えるんだろうって」
「…………普通、に。振る舞う?」
別に普通に振る舞っているつもりはない。私は今までどおり、私らしく過ごしているだけだ。
「……1番辛いはずの玲音はいつも通りなのに、聞いただけのボクが辛いなんておかしいじゃないか」
「…………瑞希」
辛い。辛い、か。そうだね。私は辛いんだ、多分。
でも、私にはもうそれを感知する機能が正常に機能していない。機能しても極端な機能しかしなくなってしまっている。
「…………瑞希はそのまま、でいい」
そう、暁山瑞希。君は、そのままでいい。そのままの方が人間らしい。
だって、私は化け物になってしまったから。
「……それが正常だから。…………私、みたいになってはいけない」
「じゃあ、ボクはどうしたら」
「…………ゆっくり、ゆっくり。気持ちを整理、して。私の
まだ、この仮面は破れていない。まだ壊れていない。継ぎ接ぎだから、どんな衝撃で壊れるかわからない。
だから、暁山瑞希。こんな人間を羨むより、君は、まだ君のままでいい。
私のようにならないでほしい。
「……うん。じゃあ、もう一度。気持ちの整理がついたら、あの話をさせて」
「…………いいよ」
暁山瑞希が鹿野ちゃんのことを知ってどう感じたかなんて私にはわからない。私のことをどう感じたかなんてわからない。でも、私は暁山瑞希との会話が好きらしいから。
「…………瑞希、
「うん。また明日ね」
学校で会えるかなんてわからない。ひょっとしたら、今から事故にでもあって私は死ぬかも知れない。
その時、君は泣いてくれるだろうか。
………………泣いて、くれると良いな
お気に入り100超えましたし、何かこういうのが見たいとかあれば感想の方にどうぞ。気が向けば書くかもしれない。
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