どうも作者です。
どうやら、『荊棘の道は何処へ』は今日で1年経過するらしいですね。
「……」
「どうしたのさ、険しい顔して」
これは由々しき事態だ。こんな事初めてだし、放置して良いものでもない。
「……瑞希から、連絡が返ってこない」
暁山瑞希に連絡を送ったのは2日前。しかし、返信もないし、既読も付かない。
「
「……覚えがない」
最後に会ったのは、文化祭の後夜祭前だ。東雲絵名と何か約束事をして別れてから……。東雲絵名なら何か知っているだろうか。
でも、東雲絵名の連絡先知らないし……。
……SNSのDMに連絡入れれば良いかな。それとも、東雲慎英に聞けば良いか。それか、東雲彰人か。
東雲彰人に連絡を繋いでもらうとするなら、学校に行かなくては……。
「……とりあえず、東雲絵名にDM送ろう」
反応がなければ東雲慎英なり、東雲彰人なりどうにかして連絡を繋ごう。
私には情報が無さすぎる。
「……
「はいはい。なに?」
「……瑞希のスマホ、入れる?」
「前に入ったことがあるから入れると思う。試してみるよ。一旦外に出てくれるかい?」
「……わかった」
「ごめんね。このセカイ、
そんな何が起こるかわからない場所に私を置いて行けないとか、なんとか。
セカイで『虚独な月』が流れ出し、私はセカイから追い出されて自分の部屋に戻された。
さて、
ベッド下にしまってあるビニールシートを広げ、床に敷き、万が一汚れても大丈夫な様にベッドにもかけておく。
部屋の隅に立て掛けて置いてある画架を置いて、キャンバスを設置。絵の具の詰まりを少し解消して……。
『ただいま。戻って来たよ』
「……おかえり。早かったね」
『そりゃ、行って帰ってくるだけだから』
「……」
それもそうか。いや、行って帰ってくるってことは何も話せなかったと言うことなのでは?
「……瑞希、どうだった?」
『それなんだけど、残念ながら会話は無理だった。暗い場所にスマホを置いてるのか。それとも、朝比奈まふゆの時みたいにスマホが壊れているのか。詳細はわからないけど、連絡は取れなかったし、出会えもしなかった』
「……そう」
塞ぎ込んでるのかな。……本当に何があったんだ。喧嘩でもしたのかな。暁山瑞希は東雲絵名とかなり仲が良かったし、喧嘩してから気まずくなって顔を合わせにくくなったとか。
「……位置は割り出せる?」
『出来るよ』
「………………行ってみるか」
時間的にまだ日は高い。かなり遠くに住んでいるとかではない限り。そこそこ遠くても倉庫に寄ってバイクで行けばいいだろうし。
「……直線距離、どれぐらい?」
『ちょっと待ってね。……10kmもないぐらいかな』
そこそこ離れてる。電車でいくまでもないぐらいか。
「……街中?」
『そこまではわからないよ。でも、個人の家って考えると、徒歩よりもバイクに乗った方が探すのは楽だと思うよ。街乗りだからガソリン代はかかるかもしれないけど』
「……ん」
助言感謝。
じゃあ、会えるかはわからないけど行ってみようかな。
……でも、絵を描きたい。
「……行こう、か」
でも、先に片付けをしてからかな。
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倉庫でバイクに跨り、ヘルメットを被り直す。
『あー、あー。
「……聞こえる」
マイクとスピーカーの調子も悪くなさそうだ。
「……案内、よろしく」
『はーい。じゃ、行こうか。そこそこ離れてるから、何か音楽でも聴きながら行くかい?』
「……大丈夫。
『はーい。じゃあ、なにを話そうか』
倉庫からバイクを走らせる。
……会いに行くなら、何か手土産でも持って行こうか。なにが好きだったかな。ポテトとかカレーライスが好きだったのは聞いたことがあるけど。
「……
『瑞希なら、何を渡しても喜ぶんじゃない。友達なんだろ?』
「……そう、ね」
なんか、暁山瑞希に対して冷たくない? いや、私以外に対しては基本塩対応だけどさ。今日は一段と冷たいね。
「……
『そりゃまあ、ね。……あまり
「……そう、ね。……だから、話をしに行く」
なぜ私はスルーされているのか。それが知りたいから私は暁山瑞希に会いに行くんだから。
「……あまり、瑞希のこと。好きじゃない?」
『いや、嫌いじゃないよ。
「……そう」
お互いに迷惑かけ合って、困ったら助け合うのも友達というものだろう。
──さよなら。
……なんで、迷惑かけてもらえなかったんだろう。私って、頼りないのかな。
「……私って、頼りない」
『
「……」
側から見て私はいっぱいいっぱいに見えるのか。まあ、手が空いているわけではないけど、基本暇だし。そこまで追い詰められてるなんてことはないはずなんだけど。
「……私、そう見えるの?」
『
「…………そっか」
そうか。私は……追い詰められている様に見えるのか。
『そこの信号曲がったほうがいいかも』
「……ん。……そう言えば、
『ああ、⬛︎⬛︎⬛︎。……髪の毛をビーコン代わりに置いて来たから大丈夫だよ』
「……そう」
髪の毛ってことは、……青タイツとは別の分体か。
しばらくバイクを走らせ、彷徨うこと、約20分。
暁山瑞希の家(暫定)の近場にあったバーガーショップでフライドポテトだけ購入して、暁山瑞希のスマホがある地点に到着した。
……ここが暁山瑞希宅か。
呼び鈴を鳴らして、少しすると扉が開いた。
「はーい。どちらさ、ま……」
「……久しぶり」
来客が私であると気がついた暁山瑞希。すかさず扉を閉めようとする。しかし、そんなことを想定していない私ではない。
扉はもう掴んで閉じられない様にしているし、万が一閉じられても締め切られない様に足を挟んだ。もう逃さない。
「……安心して」
「何を」
「……私、一人で来た」
「何も安心できないんだけど。というか、玲音はどうしてボクの家に──玲音のミク!」
そう。
「……私と話をするべき」
「……話すことなんて「私が、瑞希に話がある」。……ボクにはないよ」
なんと強情な。
「……瑞希。選んで。大人しく私と話をするか。セカイで強制的に話をさせられるか」
そう言えば、このままセカイに暁山瑞希を引き摺り込んで、私も引き摺り込まれるとなるとどうなるんだろうか。
セカイは
基本的に、私が鳴らせば。一度入ったことのある暁山瑞希なら巻き込んでセカイに連れ込むことも出来るだろう。
さあ、選ぶがいい。自分で大人しく話し合いのテーブルに着くか。話し合いのテーブルに強制的に座らされるか。
「……わかったよ。とりあえず上がって」
「……ん」
玄関の扉を開けてもらい、私は家の中に入れてもらった。
「……瑞希、これあげる」
「バーガーショップのポテト? 新しい味出たんだ」
「……ん。手土産」
「そんな気を使わなくてもいいのに……」
気を遣っているというより、これは
「……新しい味。気になるから、一緒に食べたかった」
味を共有したかっただけ。味の感想やらなんやらで話がしやすくなるんじゃないかと、買って来ただけだ。
「そっか。じゃあ、……食べながら話す?」
「……ん」
……でも、パッと見た感じそんな食べながら話せるテンションではなさそうだ。押しかけて来た手前、私があまり言えたことではないんだろうけど。
「……疲れてる?」
「そんなことないよ。……いや、考え疲れてはいるかも」
「……そう」
暁山瑞希の部屋に入り、座る。……さて、
「……話、しようか」
さて、何故私は未読スルーを決められているのか。あの日、何があったのか。
強引なのはわかっているけど、話してもらおう。
「……あの日、何があったの?」
私の問いに、暁山瑞希は顔を曇らせた。
最近書いてて思うのですが、やっぱり宵崎玲音ってかなりやべー奴なのでは?
こんななの姉をやってるなんて、宵崎奏は大変ですね。