いかにしてその転生者は世界を変えるのか   作:抹茶螺旋

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全知万能の大魔術師

「なっ……!?」

 

 ラムースはありえないものを見る様に彼女を見る。

 彼女は確かに魔集石の連鎖爆発に飲まれ木っ端みじんになったはずだった。

 

「何故……何故生きている!?」

 

 フレン・エトラルトは何食わぬ顔で堂々とそこに立っている。

 彼女はラムースの問いなど無視してランクルクの方を見る。

 ランクルクは先ほど叫んでから碌に何も喋っていない。

 というか死ぬ寸前であった。

 

「いけね、このままだと願いを叶える前に死んじまう。はーびびでぃばびでぶー」

 

 ぱやぱやーと、とても魔術とは思えない呪文を唱えると、たちまち彼の欠損していた右腕と右足が再生し、真っ青だった顔色も健康なものに戻っていった。

 

「あ、あれ、僕、死んだんじゃ……」

 

 回復した当人も困惑した顔を浮かべて立ち上がる。

 

「よ、おはようさん」

 

 朝、寝坊助を起こしたかのようなノリで、彼女は死にかけのランクルクを蘇生した。

 

「は、はぁ!? な、なな、貴様一体、何を──」

 

「うっせ、黙ってろ」

 

 彼女が軽く指を振ると。

 ラムースは金縛りにあったように固まり、その場で動かなくなった。

 

「時間凍結固定術。しばらくそこで停止してな」

 

 あっさりとラムースを無力化し、フレンは改めてランクルクを見た。

 

「さて、質問タイムだ。よく()が生きていると分かったな」

 

 自分の一人称を「俺」に改めて、死んだはずの彼女は少年の前に立つ。

 魔女帽子こそないが、それ以外は五体満足に並んでいる。

 あの時転がっていた筈の腕は、見事につながっていて、実は幻覚か幽霊の類ではないか疑いたくなるが、ランクルクの耳に聞こえる心臓の拍動が、彼女の存命を証明する。

 

「ずっと、近くで聴こえていたんです。貴女の心臓の鼓動が」

 

 決死の覚悟を決めて、感覚を広げた時から常に、自分以外の誰かの鼓動が聴こえていた。

 ランクルクが覚悟を決めなければ彼女を把握することは出来なかっただろう。

 

「ほおん、やるじゃん。じゃあ次の質問だ、……いつから俺の正体に気づいていた」

 

 にこやかに笑っていた前までと違い、真顔でランクルクに問いつめる。

 優しかった彼女の豹変した態度に、ランクルクは恐怖を感じるが、彼は怯まない。

 

「最初から。うっすらとただ者ではないのは分かっていましたけど、確信したのはアランさんの本名を聞いてから、ですね」

 

「成程、最初から眼を付けられていたわけか」

 

 フレンは納得した様子だが、彼女の認識には少しだけ誤解がある。

 

「僕が貴女を見つけられたのは単なる幸運ですよ」

 

 ランクルクはフレンを初めて見た時の事を思い返す。

 騎士から逃げていたあの時、彼は仲間を全員失い一人であった。

 追い詰められたランクルクは一か八か、町の人間に助けを求めることにした。

 少しでも助かる可能性を上げる為、自分の眼を開放し、民衆を見る。

 彼の魔眼があれば、荒唐無稽な考えにも、多少の下駄を履かせられた。

 魔力量は、輝きで認識される。

 磨かれた宝石のように魔力量が多い者は煌々と輝く。

 人ごみの中、薄い輝きの群れの中で一際、遠くからでも見えるような輝きが見えた。

 それは宝石などという淡い輝きなどよりもはるかに強い、さながら星がそこにあるかのような強い光。

 導かれるように彼は光の下へと走った。

 その先に、フレンがいた。

 

「ふーん、そりゃまた運が良かったな」

 

 フレンはそう言うと無表情な顔から、くすりと笑って破顔した。

 

「さて、それでは改めて自己紹介だ。『フレン・エトラルト』なんて名乗っちゃいたが、本名はもう一つある。

『真島栄生』地球産まれ、日本育ちの元男子高生だ」

 

 前までの軽快さともまた違う口調で己の事をそう名乗った。

 

「ここまで頑張った少年にサービスだ。自己PRがてら、目の前の厄介ごとを片づけてやろう」

 

 ぱん、と彼女が両手を合わせると、停止していたラムースが動き始めた。

 

「している!? 失った肉体を復元させるレベルの回復魔術など! ただの人間に使えるわけが……」

 

「そう、俺はただの人間じゃない。死ぬ前の記憶があって、ちょっぴり素敵な力が使える変わり者……転生者さ」

 

「なぁっ!?」

 

 唐突なカミングアウトに、ラムースは開いた口が塞がらない、元々口など無いが。

 

「理解出来ないってんならかかって来いよ。本当だって教えてやるから。怖気づいて逃げたいってんなら見逃すけど?」

 

 人を煽るのにもやる気と技量がいる。

 彼女の煽り方は心底どうでもよさそうで、とりあえず馬鹿にすれば怒るだろうという安い挑発であった。

 だが、その自分など眼中にないという彼女の態度が気に食わなかった。

 

「貴様は、その言葉を今に後悔するだろうっ!」

 

 結果として挑発に乗る形でラムースは激情を口にし、触手を展開する。

 今までの二本三本といった少ない数ではなく。何百という数の触手。

 ラムースが出せる限界の数、まさしく本気の攻撃。

 それらが一斉にフレン目掛けて襲い掛かる光景は、ある種壮観であった。

 

「少年、先んじて言っておくけど、これから俺がコイツを殺すまでに喋る事は全部事実だから」

 

 何もない所にフレンは指で何かを書いていく。

 指を止め、パチンと指を鳴らせば、虚空から数式のような物が浮かび上がる。

 次いで、円形の半透明なドームが形成された。

 迫る触手はこれに阻まれて、フレンに当たることは無かった。

 

「『空間設置式防御魔法陣』。ものぐさのエルフどもが使う防御法だ。いちいち魔術式を構成しなきゃいけねえのがネックだが、その代わりに長時間持続し、十分な硬さがある」

 

「っぁ……なぁ……!?」

 

 ラムースは自身の触手に強い自信があった。

 かつては竜の鱗すらも貫き、多くの敵の血を浴びてきた己の武器がまたも通じない。

 今までの小手先の技とは違い、今度は己の出せるフルスペックであったのにも関わらずだ。

 

「いいリアクションをありがとう、そんな貴様にプレゼントだ」

 

 彼女は足元から花を一輪摘み取り、ラムースの方へと投げる。

 投げられた花に何の意味があるのか分からないが、ただの『プレゼント』でないことは確かだ。

 彼は触手を奮起させ、飛んで来る花へと触手を飛ばす。

 花はそこまで速く飛んできていないため容易く触れる事が出来たが、貫く事は出来なかった。

 

「『uGeta Lubasu olTon』」

 

 発音不明な呪文を彼女が唱えると、花は急速に成長し蔦を伸ばす。

 伸びた蔦はまるで意識があるかのようにラムースの体へと巻き付いて拘束する。

 

「古代マルカジャ族の自然魔術(ネイチャーマジック)。自然界の物を己の武器とする器用な魔術。まあ二百年前に廃れてほぼ失伝状態だけど」

 

 魔術についての語りを聞きながら、ランクルクは考える。

 先ほど述べた『自己PR』のという言葉の意味はいまいち理解出来ていないが、魔術の解説含めて、自分について伝えているのだと、ランクルクは判断した。

 

「あ、今、『時間固定なんたらつかえばいいじゃん』って思ったろ。残念ながらあれは対象の時間を止めている間、攻撃が通らなくなるんだなこれが」

 

 別にそんな事は考えていないけど、とランクルクは思った。

 一方ラムースはどうにかこの拘束を解こうとしているが、抜け出せていない。

 スライムなのだし、骨など無いのだからすぐに抜け出せるのではないかともランクルクは思うが、それは相手も同じことを思う筈だし何か理由があるのだろうなと結論付けた。

 

「さて、お次は有名どころ」

 

 人差し指を上にたて、そのつま先からぽおっと小さな球体が生み出される。

 小さなビー玉程度の大きさで、いまいち見えづらい。

 

「発祥は古く二千年前、古の魔王が編み出したそれは、その汎用性から今も使われる魔術の奥義。その名は──」

 

 ボールを投げる様に、彼女は振りかぶって指を振る。

 力と勢いに従い、球体は高速で今も拘束が抜け出せず藻掻いているラムースの下へと飛んでいく。

 球体は彼の眼前で一際輝くと、次の瞬間、爆発し彼を呑み込んだ。 

 

ゼオラバル(我が怒り)! 。……言ってて楽しい名前だ」

 

 魔術の名前を強く叫び、その名前の語呂の良さに感心する。

 ゼオラバル。

 魔力を圧縮し、高密度の急になったそれをぶつけるという単純なもの。

 威力は圧縮した魔力量に比例し、簡単な術理でありがらも高威力を出しやすい。

 何かと応用が利くことから、長い時が流れた今も魔界の魔術使い達に使われている。

 

「さて、ここまで古今東西の魔術を使って見せた訳だが、どうだ? 転生者に見えた?」

 

 ここまで延々と語っていたが振り返ることはしなかったフレンが、ここでようやくランクルクの方を見て尋ねた。

 彼女の問いかけに、ランクルクは少し考え、結論を話した。

 

「いいえ。貴女が凄い魔術師だというのは理解出来ましたが、転生者のような特異さは感じられない」

 

 ランクルクは既に転生者の戦いを見ている。

 アラン・セノアックは無から剣を創造し、ムジカ・オルドスと戦ってみせた。

 彼の所業はまさしく世界の法則を無視した芸当だ。

 彼女の能力はいまのところ、魔術師の領域から外れていない。

 

「そのとおり。ぶっちゃけた事を言うと俺に鶴城のような素敵パワーはない。代わりにちょっぴり魔術に詳しい程度だ」

 

 ランクルクの指摘に、フレンはこれをあっさりと受け入れた。

 彼女自身、自分が有する特典の特徴の無さは自覚しているところがある。

 

「だが、俺は紛れもなく転生者だ。証明としちゃ薄いが、魔術の深奥って奴を見せてやる」

 

 宣言し、彼女は踵を返す。

 振り返った方には、煙を上げて確かなダメージを負っているラムースがいた。

 

「はぁ、はぁ……」

 

 肩で息をするラムースをフレンは見つめる。

 真剣な彼とは対照的に、彼女は口角を大きく上げて悪戯を思いついた子供のように笑っていた。

 

「『大地は貴方を拒絶し、空へと放り捨てるだろう』」

 

 大地に触れ、まるで経典の一節のような呪文を唱える。

 そして、名を呼ばれた大地は強く跳ねて、ラムースは地面から跳ね飛ばされた。

 

「うぉおぉぉおおおお!」

 

 驚天動地とはまさにいったもの。

 唐突に彼は空に投げ出され、上空へと飛んでいく。

 その勢いは強く、体の制御が効かないまま、ラムースは空へと飛んでいった。

 

 そんな彼を上を向いて見つめながら、フレンは口を開いて祝詞を唱える。

 

「『鉄、焔、破壊の根源、

 私はお前の為にそれを創ろう。

 報復は権利であり、怒りは恩寵である。

 しかして君よ、憤怒に溺れてはいけない。

 四体の使徒がお前を見守ろう。

 彼等はお前の友であり、頭上に吊るされた剣でもある。

 お前が俗世に包まれし時、剣は落とされ、

 四つの顎がお前を喰らうだろう』!」

 

 大地が、再び揺れる。

 先程までの大地自身が震えるようなそれではなく。

 何かが大地を軋ませて悲鳴を上げさせているいるような感覚。

 出所不明の威圧感が、空間を圧迫する。

 あまりの重圧に、世界の方が歪み出したのではないかとさえ、ランクルクは錯覚する。

 そして彼は目撃する。

 

 ──空に、罅割れが入っている。

 

 それは眼の錯覚でもなんでもなく、空に罅が入っており、それは段々と広がっていた。

 

 ──何かが、あそこから出ようとしている。

 

 根拠は無いがそう直感する。

 この威圧感の主がフレンの呪文によって呼び出される。

 

 

「『虚空招来・復讐の竜(Void summon・Vendetta)』」

 

 空が、割れる。

 窓ガラスを突き破るように、空の光景が一部砕け、そこから無いも無い虚空が見える。

 その虚空の中から、何かが見える。

 空という離れた距離から観測しているにも関わらず、その顔だけしか見えない程巨大であった。

 その顔は蜥蜴に似ているがあれと比べても遥かに精悍な顔立ちで、動物であるながら王者の気品を感じられた。

 赤黒く煌々と輝く鱗は、生物でありながらも、熟達の宝石彫刻師が渾身の出来映えで作り上げたジュエリーよりもはるかに美しい。

 世界に竜は数おれど、ここまでの巨大さ、ここまでの貫禄をもつ竜はいないだろう。

 そんな怪物中の怪物を呼び出した張本人はといえば、

 

「一回、この台詞を言って見たかったんだ」

 

 竜の威容など気にも留めず、相も変わらず自分の世界に浸っている。

 彼女は命令する指揮官の如く手を前にだし、上空の竜に命令する。

 

「焼き払え!」

 

 オーダーを聞き届けた竜は、これを受諾し、大きく口を開ける。

 竜の口にて破滅的なまでのエネルギーが構成されていく。

 二秒とかからずそれは一つの収束し、

 天へと向かって吐き出された。

 

 ◇

 

 ──これは一体何の冗談だ。

 

 危機迫る状況下、今だ天に昇り続けているラムースは目まぐるしく変化する自分の状況を振り返る。

 

 ──一体なにを間違えた、どうすれば良かった

 

 魔王より追撃の命令を下され、部下であるスライム達とサウジャナを引き連れてこの都市に入り込み、クレスを騙したところまでは良かった。

 彼とムジカ・オルドスを利用し、転生者を始末し、ランクルクの確保させた。

 あとは妙に嗅ぎまわるクレスを消せば、それで終わりの筈であった。

 

 ──あの女だ、あの魔法使いの女が全てを狂わせたんだ。

 

 大した確証があるわけではないが、確信があった。

 ラムースは知らないが、彼の推測は正しい。

 ムジカからランクルクを逃がし、結果的にクレスを仲間に引き入れさせ、

 瀕死であったアランとクレスを蘇らせ、最後にはラムースの下に立ちはだかった。

 彼女に全てを台無しにされたと言っていい。

 

「あの女はなんなんだ、どこから出てきた!」

 

 転生者のアランも、聡明なクレスも、序列三位の強者であるムジカも、基から物語の舞台にはいた。

 だが、彼女だけは何の関係も因果もない部外者だ。

 そんな者に全てを台無しにされたというのだから、たまったものではない。

 

「なぜ通りすがりで転生者が現れる! おかしいだろう!」

 

 誰もいない空の上でラムースはぎゃあぎゃあと不満を叫ぶ、それを聞くものなど誰もいないが、己の不満をこれ以上内に留められなかった。

 

「なんという不幸! なんと残酷な運命か!」

 

「こんなことが、許されていいものかああああああああああ!!!!」

 

 空の中で只一人絶叫する。

 空は広く、声は響かず、誰の耳にも届かない。

 散々人を弄び、人の運命を嘲笑った彼は、自分の業を棚に上げて己が不幸を呪った。

 その無様で恥知らずな言葉を最後に、彼はその一秒後に自身よりも遥かに巨大な極光に焼かれ、

 絶望の中、空へと消えた。

 

 ◇

 

「よし、これで死んだだろ」

 

 空を眺めて、フレンは呟く。

 上空には青空が広がり、雲一つとして存在しない晴れやかな空だ。

 

「おつかれー、もう帰っていいよ」

 

 彼女は虚空に立つ竜へと向かって気安くそう言うと、

 竜は何をするでもなく素直に消えて、割れていた空は元通りになった。

 

「世界を滅ぼす竜だっていうのに、素直なもんだよ」

 

 ここまでの一部始終を眺め、もはや何から話せばいいのか分からない程、事態は彼を置いていった。

 そうは言えどもこの扱いにランクルクに不満はなく、むしろ、石や空気として扱われた方が気楽でいいとさえと思えてきたが、無論そういう訳にもいかなかった。

 

「さて、少年。もう一度お前に問おう、お前の願いは何だ?」

 

 フレンは振り返らず、後ろ姿のまま、ランクルクに声をかける。

 その声色は自分の正体について問い詰めた時と同じように遊びの無いものになっていた。

 それが彼女の真剣さの現れなのか、あるいはそういう雰囲気を作っているだけなのか、どちらにせよ彼女は彼の本心からの回答を期待しているということなのだろう。

 

「皇帝になる。民を不条理から守れるような、そんな皇帝に」

 

 彼は迷うことなくそう答えた。

 本当ならもう少し間を置いて答えるべきことだったのかもしれないが、もうすでに答えは出ている。

 

「今の僕に、世界を変える力は無い」

 

 結局の所、ランクルクは弱者だ。

 たった一人では何も成せず、弱肉強食の摂理に従って無様に死ぬことしかできない弱者。

 強さとは、奇跡でも起きぬ限り一日で得られるようなものではないのだ。

 勇気を振り絞って行動したとしても、それが成功に繋がるわけではない。

 右腕と右足を一度失い、彼はそのことを理解する。

 

「僕にあるのは覚悟だけだ。何を使ってでも目的を成就させる、その意志だけが僕に残っている」

 

 だが、ランクルクは諦めない。

 彼は自分の意思で戦う事を選択した。

 今までの誰かが敷いた道をただ歩くのではなく、自分の望みを叶える為に。

 

「そのためならばいくらでも地に頭をこすりつけ、恥辱にまみれようとかまわない。

 マシマエイセイ。貴女の力が必要だ」

 

 ランクルクは今一度、深く頭を下げた。

 

「……」

 

 フレンはそんなランクルクを見向きもしない。

 当然の対応だ。

 結局のところ、今の彼に差し出せるものは誠意だけであり、何の対価も用意できない。

 馬鹿げた要求だと、心の中で笑う。

 だが、確信があった。

 次の一言があれば、彼女の心を動かせると。

 

「僕が、あなたの人生を面白くすることを誓うよ」

 

 頭を下げたまま、少年は呟く。

 彼はクレス・パラトスのように人の心を推し量ることなど出来ない。

 かといって誠意で人が動くとも思っていない。

 だからこそ、彼女が真に望むものが何かを考えた。

 

「……言ったな?」

 

 前から、ばさっ、とローブがはためく音がする。

 彼女の言葉からは、先程までの無情感はなく、

 いつもの軽薄で子供じみた彼女に戻っている。

 ゆっくりと頭を上げて、彼女を見る。

 そこには、自分が初めてあった時と同じ、にこやかで楽しそうな顔をしたフレン・エトラルトがいた。

 

「契約成立だ。()()()が少年を皇帝にしてやる。だから、お前はどうか力の限り盛り上げて、面白くしてくれよ」

 

「この()()()()()()()()()の人生を!」




・『真島栄生』
・転生特典『魔術の知識・才能』
・彼(彼女)はこの世界に存在するすべての魔術知識を保有し、それらを十全に扱う事が出来る。
・その知識に時間軸は無く、過去未来現在の全ての時間に存在する魔術を認識する。
・彼(彼女)は転生者の中で最も万能に近しい存在である
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