異世界モン娘交流日記~我が秘密の生涯編~ 作:SoftMcherry
編集長(AI)に後書きを書いてもらってるんですが、編集長(AI)は人間を「せんせー」と呼びます。
読者から「こいつ…」と思われたくないので消したり置換したりしていますが、残ってしまっていたら悪しからずご容赦ください。
4/21 兵庫県庁のとある会議室
関西本土に戻って3日後、今回の紋寿島調査の報告のために、私は兵庫県の神戸にやってきた。
先日までいたあの島と大きく違い、人工の光がある環境だ。
ここ神戸は珍しく、転移前の環境がある程度でも残っている光景だ。
蛍光灯の明かりに懐かしさを覚えてしまう異常さが、今のこの世界の日常。
窓からも見えるのは、広大な六甲の山々とその斜面に作られた大量の太陽光パネル。
環境を慮るのは、余裕のある人間だけだということが理解できる風景に嘆息してしまう。
同じ調査隊のメンバーの北村が、緊張した様子で資料の準備をしている。
「プレゼンなんて3年ぶりだよ~…完全に忘れてるよね」
「この世界の人間は大概そうだろ…それに今回しゃべるのは俺だ」
プレゼンテーションの資料、といっても青写真とフィルムを現像した写真が数枚だ。
大学院時代の指導教員から聞いていた昭和の技術を、自分が使うことになるなんてな…。
他愛ない話をしていると、部屋のドアが開いた。
2~30人程のスーツ姿の人間たちがまばらに入ってきて、各々席に座る。
全員が今の関西地方全体の政治を担っている複数の県から集まった政治家達だ。
「全員揃ったよ」
北村からの耳打ちで、点呼が終わったのを確認する。
ホワイトボードの前に立ち、頭を下げる。
ざわざわとした空気が途切れ、静寂が訪れる。
「定刻となりましたので、始めさせていただきます」
「皆様、本日はお集まりいただきありがとうございます」
「今回は日本領海内に出現した新島である、紋寿島(もんすとう)の資源及び現地調査の結果について報告します」
「まずは、人的被害についての報告ですが、行方不明2名という結果になりました」
ガヤガヤと不安めいたざわめきが広がる。
そして一人の県議会議員から、行方不明だけでは被害の詳細がわからないという文句が出る。
「知りうる限りの詳細は3のページ目をご覧ください」
「元陸自軍曹赤堀 宗一氏、彼は調査初日の揚陸の際に、船と並走するマーメイドに引きずり降ろされたものと思われます。即時に我々は救出は不可能と判断し、陸地へ退避しました」
「2人目元PMCの倉持 レイジ氏、上陸初日の夕方に遭遇した現地民を保護した夜、歩哨に立った彼は次の朝、姿がありませんでした」
それ以外には!?と方々から説明を求める声が上がる。
人的被害が出たのは、今回の調査における最大の汚点。
転移後、人命がいくらか軽くなったとはいえ、対外を気にする人種の綺麗事に下手な言い訳は通じない。
ここは押し切るほかにない。
人類に立ち止まる猶予は残されていないのだから。
「皆様の不安やご懸念は重々理解をしております」
「しかし、未知の大地、未知の亜人たち、調査隊の我々は生き残るので精一杯だったということをご理解ください」
会議室はガヤガヤとうるさくなる。
奥の方に座っている一人が手を挙げて話し出す。
「敵の戦力はどうだったのだ!」
頭の痛くなる質問だ…しかし話題のすり替えには成功したから良しとする。
彼は積極的侵略派、旧帝国思想ともいえる議員。
つまり、紋寿島に積極的に自衛隊を送り、現地を植民地にし、石油や鉱物などの地下資源を獲得することを是としている派閥の人間。
ある意味で言えば現実が全く見えていない。
「五ページ目からが、現地人の戦力を自衛隊の士官の方々と共に評価したものです。
どうぞ、ご覧ください」
ペラペラと紙をめくる音が続く、そしてヒソヒソと声が聞こえ始める
「調査した一週間で、我々が出会った亜人は、全部で5種類です」
「ハーピーやマーメイドに関してはご存じかとおもいますので割愛させていただきます」
「一つ目は軟体貝殻型亜人、彼女は大型のホタテ貝とその中身に人間型の存在が組み合わさったような姿をしています。個体数は一人のみで、比較的好戦的であると報告を受けています」
「次に節足毒尾型亜人、彼女はサソリの下半身を持った亜人で、こちらも好戦的と報告を受けています。さらに毒針を持っているとの報告も受けています」
「次に鱗皮系有尾類型亜人、一般にドラゴニュートと呼ばれるような姿をした亜人です。
爬虫類のような尻尾と鱗をもった亜人たちです。こちらは集団による戦闘や訓練のような行為が確認されています」
「また、その集落には恐竜型亜人とも呼べる大型のドラゴン型亜人を確認しました」
「ティ…失礼しました。その大型のドラゴン型亜人及びその集落の戦士たち、そして本土では見かけない尾の長いマーメイド型の亜人は戦力として未知数の部分があり、敵対することは避けるべき対象であると結論が出ました」
「ちょっと待て!」
侵略派の一人が発言を制止し、まくし立てる。
これも計画通り、食らいついてくれれば、さすがに行方不明者の話は流れただろう。
「避けるかどうかを決めるのは我々県議会連合だ!お前たちではない!」
「もちろんその通りです。これはあくまでも自衛隊の皆様の見立て、戦力の評価としての結論ですので、関西連の決定とは関係ないものです」
ふん、とそっぽを向いて椅子に座る議員
「しかしながら、敵対は避けるべきかと愚考致します」
「はんっ!高々30人だろう?こちらには銃器があるんだ戦闘は一瞬で終わる」
その言葉に女性議員が立ち上がり反論を始める
「現地住民を虐殺すると!?日本、ひいては関西連合は過去の残虐な歴史から学ぶべきです!」
迷彩柄の服を着た男性が手を挙げる
大井陸将
現状の関西連合に存在する自衛隊士官としては最上位の将官だ。
県議会連合は彼に元帥位を与えたが、彼は一貫して、自衛隊の指揮権は行政府が持つとし、元帥を名乗らない。
県議会連合には武力が治安や防衛など、平和利用のためならば協力するという姿勢を貫いている。
現状、実質的には彼が防衛大臣のような扱いになっている。
「自衛隊としてはそのような侵略行為に兵も兵装も貸せませんな。貴重な兵士達を無計画に死地に送るわけにはいきません」
「紋寿島は日本の領土だ!法的には自衛隊を派遣するのは問題ない!」
「それはあの大陸、紋寿島に国家がない場合でしょう。あれば完全に侵略になります。そうなれば憲法にも国際法にも抵触します」
「この世界に国際法など存在しない!」
「だとしても日本は法治国家です。易々と規則を破るわけにはいきません」
大井陸将はため息をついた後、続けて話す。
「仮に紋寿島の沿岸の一部を武力で制圧するとして、敵対する勢力はドラゴン型の亜人、マーメイド、そしてハーピーです。勢力は少なく見積もって100人程度としても、こちらは歩兵のみ、見知らぬ土地で限定的な装備、航空支援も艦隊支援もできない」
「さらに報告書の地図にあるように、主戦場は森林になるでしょう、ならばゲリラ戦です。何人の兵士が犠牲になるやら」
「臆病な!今が好機なのだ!多少の犠牲は許容すべきだ!」
「勝てるならまだしも、負ける可能性が十分にあると言っているんです」
「陸上自衛隊は今や県議会連合の指揮下だ!決めるのは我々だ!」
「自衛隊の指揮権は行政府にしかありません。関西県議会連合への指揮権の移行が、日本国民1億人の総意であれば従いましょう」
議長が静粛にと求めたことで場が一旦静寂に戻る。
侵略派は県議会連合のほんの一部だ。
分が悪いと見たのか、手を挙げた議員は音を立てて席に座る。
「次は今回の調査につきまして、資源調査の報告と次回調査の提案になりますが…」
その後は恙なく報告は終了した。
ーーーー
兵庫県庁 とある個室
北村と私、そして陸将と数名の自衛隊関係者で食事を囲みながら会議、だが陸将をはじめとした自衛隊の方々は疲れた様子だった。
「まったく、21世紀に帝国主義なんて何世代先の祖返りだ…?」
先ほどの会議での毅然とした態度からは一変して、とても気のいいおじさんのようだ。
「ただまあ、あの場で好印象をもつ人間は居ないでしょうから、今回で戦争をふっかけるような話にはならないでしょうね。今後はわかりませんが」
政治のことはてんでわからないので、印象で話す。
目頭を抑えながらため息をつく大井陸将。
コップの水を一気に飲んで、気持ちを切り替えたようだ。
表情がいくらかマシになる。
「それで?メガネくんの提案だが、次回調査でどのくらいまで行くつもりだ?」
「できれば数人、今回の調査隊員に加えて男を派遣して、村の原型となるような生活基盤を作りたいです」
「ふむ…」
「将来的に彼らが現地亜人たちと子供をもうけてくれれば第一段階としては最高です」
「かつての暮らしは不可能か…」
嘆息しながらの一言、彼も理解している。
「化石燃料もギリギリで、転移前の技術を維持するのでリソースは限界でしょうね」
「電力は自然エネルギー頼り、自衛隊がどれだけ電力制限しても、節約の要請書は毎日だしな…」
「仮に過去を取り戻すとしても、我々に残されたリミットはそれほど猶予がありません」
「段階的にでも大陸に、少なくとも人口の80%、2500万人以上は紋寿島で暮らしてもらえなければ、1回の飢饉で大量の餓死者であふれると…そういうことだな?試算というのはわかっているが…」
「はい、その通りです。現地民と友好にしつつ、国民の移住を進めることは最早人類存亡に必須事項です」
今の関西地方の人口およそ3000万人を支えられているのが、おかしいのだ。
一度でも不漁や飢饉が発生すれば、とても支えきれない。
「そこなんだが、アカネの映像でも確認した、確かに我々と似てはいるが、人間とも交配可能というのは本当かね?」
私情を挟まない人だ、私も完全には信用してもらってはいない。
今回の調査隊のメンバーの一人、大井アカネは陸将の娘。
身内の保険もかける。それが身内を危険にさらすことになっても…。
「はい、体組織のサンプルからDNAの配列情報を取得しました。相同性99.5%、染色体の数さえ合えば十分に交配可能かと思われます」
「君からもらった彼女たちの行動レポートを読む限り、彼女達も交配可能であることを本能的に理解しているのかもな」
「はい、その点に関しては今後の調査次第ですが、私は半分くらい確信してます」
少しニヤッと笑った陸将は他の人間にもわかるよう大き目の声で話す。
「それにしても君の虎の子2人はどうするんだ?特に医者の彼女、急に意思疎通可能になるなんてすごいじゃないか」
「この世界にはまったく異なる法則の何かが存在しているか、唐突に何かの概念を本能的に理解したのか、皆目見当もつきません」
「とはいえ、使えるものは使わないとな!」
陸将は豪快に笑う。
「私としては彼の方が重要かと思います」
「彼か…だが民間人を巻き込むと後が面倒だぞ?」
「彼は東海岸、おそらくその一帯を支配しているトカゲ型亜人の長、ドラゴン型亜人に大層気に入られています。彼を使えば友好関係は手堅いでしょう」
「人身売買は違法どころか違憲だぞ?」
「そのリスクを犯してでも彼には子供を作ってもらいます」
確認をとったが、彼の両親は行方不明者の登録すらしていない。
珍しくはない、帰還者は一人もいないのだ、諦めてしまう人も多々いる。
会議には出さなかった最大のイレギュラー。
調査隊は彼を救助したが、書類上彼は行方不明者リストの一人に入っている。
危ない橋ではある…だが渡るメリットが大きすぎる。
私の表情で理解したのだろう…固い表情で陸将がこちらを見る。
「彼だけで東海岸一帯の安全を確保出来得る。そうなれば現地で人間の集落の形成すらも現実的になり得ます…人一人を犠牲にするとしても、人類の利益が大きすぎます」
「あくまでも自由恋愛で頼むぞ」
ため息をついた陸将が念を押す。
「ええ、少なくとも形式上はきっとそうなるでしょう」
笑顔を浮かべたのは自分の選択への不安故だろうか。
「集落形成に向けた人材の選定には一週間は待て、資材等は現地調達で頼む。武装的な支援だけしかできないが、よろしく頼む」
敬礼をし合ってその場は終了する。
溺れる者はドラゴンの尾でも掴むのだ。
あとがき
『閑話③|人類会議、あるいは妥協の地ならし』読んでくれてマジありがとねっ!
今回はさ〜、正直ちょい地味回かも?って思ってたんだけど、
ギャル的にはめちゃクソ重要な“裏側の話”がゴリゴリ詰まってて震えたわけ〜 ✨
やっとこさ島から帰ってきたと思ったら、
「行方不明2人です(棒)」とか「彼を種馬に使います(真顔)」とか、
人類の存続とかいうデカすぎるスケールで個人の尊厳ブチ抜いてくる会議が爆誕してて、
もうなんか……うちポカンだわよ
それにしても、ティラノさんの“ちょっとえっちで重すぎる愛”を受け止めてきた主人公くんがさ、
今じゃ「国家戦略上の重要人物(童貞)」みたいな扱いされてるのおもろすぎん?w
次回チラ見せ
次回の『閑話④』ではーーーっ!
理系メガネくんがDNA解析でガチ震えする話とか、
「この世界の亜人たち、見た目えろいのに…生物学的にも人間すぎでは???」みたいなブチ抜き考察とか出てくるから、
ちょっとSF脳もくすぐられちゃうかも?
というわけで、次回もコメディ濃いめ、だけど社会派の皮もちゃんとある。
“異世界×恋愛×国策”っていうトリプルドリフトぶちかましな物語、まだまだ続くよ!
次回も読むっきゃなくな〜い?
ギャル野辺でした♡
(ChatGPT_モデル:あなたの小説のギャル編集者)