異世界モン娘交流日記~我が秘密の生涯編~   作:SoftMcherry

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後半苦手な展開というか文章すぎてナンザーンでした。
前半の専門用語の連発に関してはフレーバーテキストみたいに読み飛ばしてもらってもそこまで影響ないです。筆者の趣味みたいなものです。

後半は話が重たくて重たくて…人間味がなくなっちゃいました…。


閑話④『不確定な結論と未帰還前提の調査隊』

4/28 朝

 

兵庫県 とある研究室

 

調査終了から一週間後、今回の調査で得たサンプルの解析結果の報告会のために、私は自身の所属する研究室に赴いた。

 

転移以降、人数が随分少なくなってしまった。

今では教授を除けば、若輩の自分が最年長だ。

 

「では、今回真壁先輩に採取していただいたサンプルの解析結果について報告します」

 

前回DNAの配列情報を解析してくれた後輩の報告が始まる。

 

「結果としては、血液のサンプルからは人と同じ白血球が得られました。さらに人間と同様の培養液で培養することができ、染色体のバンドパターンまで一致します」

 

調理場で指を切ったトカゲ娘から得た血液と唾液の混じったサンプルだ。

細胞が生きていたようで、ホッとする。

 

「実際のバンドパターンの写真は今全員に回しているものになりますが、染色体数は46で人間と同じです」

 

「実際ここまでスムーズに進むとは思いませんでした。はっきり言ってコンタミを疑っています」(*サンプルに異物混入してしまっていること)

 

素直に同意する。最善は尽くしたが、サンプリングは完璧ではなかっただろう。

染色された細胞の顕微鏡写真が回ってくるが、コントロール(比較対象)として置かれている人間のバンドパターンと全く同じだ。

 

異世界の人間と我々の染色体がほとんど同じ…?

間期の凝集パターンとかが違う…?

いや…

 

結果と直感が一致しないことはしばしば起こることだが、今回に関しては因果関係が全くわからない。

 

「次回は再試験を進めるとともに、今回使用した培養細胞のDNA配列を…」

 

こうして3人の報告をノートにまとめた。

 

染色体数は人間と同数。

3種類の亜人のミトコンドリアDNAの人間との相同性は99.5%。

→人と交配が可能な可能性は十分ある。

 

FOXP2(言語に関係すると言われる遺伝子)も検出された。

つまり、話すための脳や身体の構造が、我々と同じ可能性がある。

 

培養細胞形態は元の世界の真核生物と同様の構造が見られる。

アミノ酸にD型が検出されなかった。

→構成する要素、形態から我々と同じ

 

………。

 

収斂進化として生物が人型をとるのか…否、環境が違えば最適解は必ず変わる。

 

髪の毛のみとはいえ、構成するアミノ酸が完全に同じ構造を取るのか?

そもそも何故、我々と同じくDNAで遺伝情報を伝達するのか?

 

ありえないほどのDNA配列の一致率…逆に不自然だ。

 

真壁はひとまずの結論を出した。

科学的には決して支持できないが、結果は一つを指し示す。

 

この世界の人間と我々は同じ一つの共通祖先を持っている…としか思えない。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

兵庫県某所

 

「まったく!どいつもこいつも!」

 

思わず机の上の書類に拳を叩きつける。

 

奴らは現状が全く把握できていない。

現在のこの国、我々の置かれている現状を考えれば、当然の結論なのに。

 

この世界の人間は我々だけではない。

 

それはマーメイドやハーピーといった亜人種だけのことを指しているのではない。

 

「…」

 

目が向けられるのは、とある文章の解読文が載せられた一枚の紙と、その原本の写真。

 

山口県の沿岸に流れ着いた1本のボトルメール。

そこには英語やスペイン語の混じった数枚の紙が入っていた。

写真からみるに、ほとんどは判読不可能なほどボロボロの紙。

 

「恋人」、「待つ」、「愛」

「君が読んでいるとき」

「君が来ていないことを望む」

 

明確にこの世界に我々以外の地球上の人間がいる確かな証拠。

 

今日のレポートにもあったが、この世界の亜人たちは我々人類よりも遥かに強い。

だからこそ手遅れになる前に…自分たち以外が手に入れる前に。

 

「この世界では誰よりも我々が”持っている”側にならねばならんのだ。

手に入れさえすれば、どんな奴らにも対抗できる」

 

この世界で人類が生きて、この先も繫栄するために。

 

「まあ、”持ってる”側に着く者は少ないに越したことはない」

 

100年後の世界で繁栄した人類はこう言うのだ。

私の、私たちの決断は間違っていなかったと。

 

 

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5/1 兵庫県 北部沿岸 とある施設

 

放棄された旅館を県が買い取ったものだが、随分と小綺麗に改装されている。

売り払われたガラス窓の代わりに障子窓になっており、景色は見えないものの、逆に内装はより日本の原風景らしくなっている。

 

無人の旅館の大広間に、北村と自分を含めて6人の男が浴衣姿で集まっている。

他の4人は新たにメンバーとして選抜された、いずれも訓練を受けた男たちだ。

 

明日には女医の住垣とカメラマンの大井がやってくることになっており、調査隊もそれなりの大所帯になってきたのを実感する。

しかし、ここに民間人の彼はいない。来るのかもわからない。

 

今回のミーティングの目的を考えると、頭が痛い。

自分が至らなかったせいで、隊員たちの生涯の選択を奪うのだから。

 

新規隊員たちを見ると、目の前の様々な酒と食事を前にうずうずしてるようだ。

焦らす趣味もないので、話を始める。

 

「お集まりいただきありがとうございます。とりあえず乾杯といきましょう」

 

「「「「「「乾杯」」」」」」

 

実に久々の冷たいビールが喉を通る。学生時代はわからなかったありがたみの一つだ。

わざわざ高い金を払って氷屋からブロックアイスを購入した甲斐がある。

 

「あんたがこの隊のリーダーか?同い年くらいだってのにすげえじゃねえか、

 堂前 剛(どうまえ ごう)だ、よろしく」

 

がっしりとした体付きした男が話しかけてくる。

 

「橘 政則(たちばな まさのり)です。オジサンだけど気楽に話して欲しいね」

 

隊員の中では最高年齢の男性、確か歳は46だかのはずだ…。

 

「そうそう、隊長が固いとこっちも気ぃ遣うって~、

 オレは沖 亮太(おき りょうた)、よろしくね~」

 

次に話しかけてきたのがこの隊最年少の金髪男子だ。

この見た目も性格も、態々リクエストして選んでもらったのだ。

彼が来なかった場合、実は次期調査における本命だったりする。

 

食事を口に含みながら、頷いている少しふくよかな男性が梅田 崇央(うめだ たかひさ)だろう。

 

「まあ、そこは追々ということで、お願いします」

一口酒を飲み込んだ。

 

「あはは、固いって~」

 

「それより、前回一緒に行ったっていう民間人がいねぇぞ?」

 

説明を求めるように新規隊員たちの目がこちらを向く。

 

「彼は今回のミーティングには参加しません」

 

顔を見合わせた彼らは少し気まずそうに話す。

 

「一発目から仲間外れたぁ、なんか…そいつに問題でもあんのか?」

 

「彼は…ドラゴン型亜人に完全にターゲットにされてます、たぶんもう戻れない程度には。余計な情報を彼に与えて彼女達との関係が拗れたりしたら、私も計画も無事では済まなくなるので」

静かに首を振った上で、しっかりと目を見て返答する。

 

 

「ほーん、前回レポートのティラノさんって人?そんな強いの?」

 

彼らには会議で使用したレポートの一部を見てもらっているが、写真は極秘扱いなので共有できていない。

 

「陸将の評価では確実に対処するには戦車数台と航空支援は必須とのことです」

 

「89式じゃ勝ち目はないじゃん」

 

「そもそも沖が携帯すんのはグロックだろ?」

 

重要なことなので、一度咳払いをして注目をとった上で、はっきりと言っておく。

「今回のミーティングの内容についても彼には秘密です。現地でも彼が現地民と仲良くしようとするのを手助けする程度にとどめてください」

 

神妙な面持ちで全員が頷く。

実際に会えば拍子抜けするかもしれないが、多少は脅しておいても損はないだろう。

 

ここで一人一枚の紙を配る、見慣れた青写真だ。

「では、今回の目標は小規模なキャンプ地の形成です」

 

「具体的には?」

 

「木造で家を3軒、あくまで目標です。こちらに長期滞在する意図を現地の人々に理解してもらうことが目的です」

 

「侵略と受け取られたら、現地民からの妨害があるんじゃないか?ドラゴン型の亜人だけじゃないんだろ?」

 

堂前から質問が来る。

 

「それは十分あり得ます。が、そのあたりはティラノさんとの関係を積極的に、周囲に見えるようにアピールしていければ、起こりにくいのではないかと予想しています」

 

続けて、重要なことを話しておかなければならない。

 

「最初に皆さんに知っておいて欲しいのですが、今回皆さんには現地での開拓及び護衛の任務として集まっていただきました。

ですが現地のティラノさんやその集落の人々からは、村に移住する可能性のある男、それも伴侶の候補として見られるものと考えておいてください」

 

「なんでだ?」

 

怪訝そうな顔でこちらを見る新規隊員一同。

 

前回調査の失敗ではあるんですが…そう前置きして話し始める。

「ティラノさんの村に訪問した際、ここにいない彼を紋寿島に置き去りにする社会的リスクを考慮して、ティラノさんから引き剥そうとした際の交渉の結果です。

こう言ってしまうと何ですが、完全に失敗でした」

 

 

「最終的に我々が男が沢山いる集団であることを証明すること、自由恋愛でのアレコレを許可した上で、結局引きはがした彼とティラノさんを再会させる約束という…無意味とは言いませんが、博打も博打です」

 

次回調査も確定していない段階で…よくも交渉材料にしたものだ。

 

「最初から俺らを“亜人の婿候補”だってことか?」

疑うような、少し怒りの滲んだ声で堂前が訪ねた。

 

「そうと決まったわけでは…ありません」

 

当然の怒りだろう、島に行ってしまった後の不確定要素が多すぎる。

場合によっては強制的に島で生涯を終える可能性もあるのだ。

 

「じゃあ、万が一がありゃ逃げてもいいってか?こっちにも相手を選ぶ権利はあんだよな?」

 

「おそらく、逃げることはできないと思います」

 

沈黙が辺りを包む。

 

……。

向こうの執着心を甘く見た時点で、あの交渉は失敗だったのだ。

得られる対価は変わらないのに、約束事だけを増やす結果になってしまった。

行方不明者の一人として彼を処理する決断も取れたのに…。

 

「まあでも、戦車相手に無傷で帰ってきたなら上々だね~、こうなったらしょうがないよ~」

 

沖が感心したような慰めに、少し気持ちが軽くなるが、ここで嘘をつくわけにはいかない。

 

「島でそういう関係になった場合に、俺たちの扱いはどうなるんだよ」

 

「……本音を言えば、最善の状況で皆さんを現地に送ることができているとは思ってはいません」

 

「申し訳ないとは思っていますが……どういう扱いになるとしても、私たちがやるしかないんです。人類の生存圏を広げるためには…」

 

「落ち着こう…最悪の場合は奴隷みたいな扱いになるのかい?」

橘が静かな声で訊ねる。

 

「結論から言えば、おそらくはそれなりに優しく丁重に扱われるものと思われます」

 

「なんでだ?」

 

「…一応そのように交渉したからです」

 

「ですが、交渉において私たちが話した内容もどこまで伝わっているかわかりません。向こうの出方によっては、全員ティラノ村の共有財産という可能性もありえます」

 

「ふむ、共有財産…?それはどういうことかな?」

神妙な…それでいて興味深そうな声で橘が聞いてくる。

 

「現状可能性として考えられる話ではあるのですが…

紋寿島、もしくはこの世界の亜人にはオスが生まれないか生まれにくい、もしくは生まれてもすぐに死んでしまう可能性があります」

 

「はあ?」

疑問の声を上げた堂前のほうを見る。

 

「前回接触したドラゴン型亜人の集落では30人程度が暮らしていましたが、オスは0でした。当然集落は女性中心の社会が形成されていました。

彼女たちの対応を見るに、少なくともドラゴン型の亜人の集落ではオスは保護対象、最悪の場合は資産です」

 

「資産にするほどオスが生まれない?そんな生物すぐに滅ぶだろ」

 

「その部分は今後の研究でどうなるか、とても興味深いところですが…一旦置いておきます。今回の我々に関わってくる部分としては、おそらく性行為に関する部分です」

 

「未知の性病ってやつ~?おお怖い怖い」

相変わらず、沖の調子は軽い。

 

「いえ、むしろ性行為に関しては積極的に行っていただいて構いません。もはや医療は人類の免疫に任せるしかない程度に猶予がありませんので」

 

ここにもしっかり釘を刺しておかなければならない点はある。

 

「ですが、念のためこちらからは一切手をださない方向で行きたいと思います。ですが、できればできた子供は我々が形成する集落で育てるという方向でコミュニケーションをとってください」

 

「ん~?随分あべこべだね?浮気はしまくっていいけど、子供は手元に置いとけってこと?」

 

「子供に関しては我々の保身のためですので、向こうが拒否した場合は飲んでください」

 

「なにせ意思疎通の関係上わからないことが多いのです。セックスに限らずどんな扱いがタブーなのか、彼女たちのコミュニティでハーレムが許されるのか、許されるとしたら何人までなのか、複数種類の亜人で許されるのか、コンセンサスを得ていくにはそれなりに時間がかかるでしょう」

 

「その結果で我々に対する向こう側の扱いというのは変わってくると考えてください。

ですが彼女達の対応を見る限り、ひどい扱いにはならないと思っています」

 

「彼女達との関係の維持の為に必要なら、私も切り捨ててください」

 

「彼女達との確かな絆を無くして、我々人類の未来はありません。人道的な問題があるのは承知の上です。ですが、ここがまだ人類が未来を選択し得るターニングポイントなんです」

 

…。

 

「ま!女の子に囲まれて生活とか、それもう異世界ハーレムじゃん?気楽にいこーよ~」

 

沖のおかげで雰囲気はいくらか軽くなった。

 

「おいおい、オレらはセックスしに紋寿島に行くわけじゃないぞ」

 

「そんなこと言って~案外最初にゴウっちが最初にコロッと惚れちゃうんじゃないの?」

 

「まあ、最初から亜人に売られるってんなら癪だが、自分の対応次第ってんなら話は別だ。それに考えてみりゃ、異世界で結婚するってんならこういう事も、いつかあり得んのかもしんねえしな」

 

「調査隊のリーダーとしては、今回の調査中に妊娠発覚までいってくれると先が大分明るくなりますよ。まあ、おそらく、前回の彼女たちを見る限り、向こうからやってきますがね」

 

「若いってのは元気があっていいねぇ」

橘の表情はどこか他人事だ。

 

「彼女達のアプローチはかなり積極的です。…気を付けなければならないのは、”何かしら”を受け取るなどをした瞬間に、婚姻が成立するなんてこともありえることです」

 

「逆に言えば何の浮いた話もないままでいられる方が珍しいってこったな」

 

「まあ、ある程度は成り行きに任せるしかないところはあります。

恋人もいない未婚の人間をわざわざ集めた理由はそこにありますしね」

 

「シモの倫理よかこっちの心配だ」

 

そう言って堂前は紙にデコピンする。

そうして話は開拓の話に切り替わる。

 

「家建てられる土地かも分からんのに七人で3軒?」

 

「3軒建てたって10人は居るから、普通に7人はテントだろ?」

 

「ハリボテで2畳くらいの適当なやつ建てる感じ~?」

 

「だったらちゃんとした小屋を一軒建てるべきだろ?丸太で何本必要になるやら」

 

「木の選定から始めるとして、期限は…1ヶ月か」

 

「食料調達と並行しないとだからもっと大変だよね」

 

「現地の人たちから狩猟を学びたいねぇ」

 

「銃って狩猟用に使っていいの~?」

 

「おい、ハンドガンでなに狩るつもりだ」

 

「説明では護衛用って聞いてるからだめじゃないかな?」

 

「猟銃の申請しとくけばよくない?」

 

「狩猟免許なくてもいけるのかい?」

 

「まあ、できるとこまでやるしかねえな」

 

会議は踊る、されど進まず…だが元々のこのミーティングの目標は"目的"の共有と親睦を深めることだ。

隊員たちからどう思われているのかは不安だが、直ちに問題があるような形で終わらなかったのがせめても救いだった。

 




 ✨**閑話④『不確定な結論と未帰還前提の調査隊』あとがき by 編集長ギャル野辺✨ 

はいは〜い!ここまで読んでくれてありがとね〜 
今回の閑話④、マジでやば〜〜い重みがズシンと来たっしょ!?

てかさ、最初の研究室パート、**DNA一致してんじゃん!?**ってとこ、
うちはもう「えっ!?これマジで異世界?」ってオーバーヒートしたわけよ  

しかもアミノ酸の構造とか染色体とかが共通部分多すぎってなによ〜!
理屈じゃ説明つかんくらいヤバい運命感じるっしょ!?
収斂進化?偶然?ちっがーう、それもうドラマじゃん、ロマンじゃん、愛じゃん(!?)

んで後半の調査隊サイド、空気変わったよね!?一気に現実突きつけられてんじゃん!
博士は博士で淡々としてんだけど、内心めっちゃ切羽詰まってんのがギャップで良い!
**マジで人間の業!業が深いッ!!**   

次回は多分!第三章でお会いしましょう。
ギャル野辺でした♡

(ChatGPT_モデル:あなたの小説のギャル編集者)
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