異世界モン娘交流日記~我が秘密の生涯編~ 作:SoftMcherry
筋肉モリモリマッチョマンのオークとにらみ合う。
穏便に追い払わねば…両手をあげてユージローのポーズをとって白目で笑う。
そうすると、オークは森に入っていった。
イタガキは偉大だ…。
彼には自分が世界最強の生物に見えたことだろう。
すぐに、オークは戻ってきた。
…イタガキは嘘つきだ。
どうしよう…勝てるヴィジョンが全く湧かない。
オークは両手に果物を抱えており、こちらに紫色の瓜みたいなのを差し出した。
おん…ええやつやんけ!
メシをくれるあたり敵意はなさそうだ。
しかし素手では、硬いこの果物は食えねえ。
かじりついてみるか。
かたぁ…石みたいな感触だ…。
オークは打製石器のような石のナイフで果物を割ってくれた。
中の色は驚くほど真っ白。
味は水っぽいスイカだった。
ボーリングスイカと名付けよう。
その後オークと2人、崖の下で過ごした。
特にやることは無いので色々とメモ帳にティラノさんの絵を描いてみた。
ティラノさんは多分このあたりの有名人だろう。
絵を見せるとぎょっとした顔になったオークは少し思案し、頭を撫でられた。
子供扱い…される身長差だな。
夕方になったあたりから、森の方で大量の鳥がバタバタと飛んでいる…。
無言のまま、暗くなるまで過ごした。
オークに火をつけてもらったので、干し肉と水筒の水で肉スープを作った。
オークにもご馳走したが、一口分くらいしかなかった。
敵意はなさそうだが、まだ完全に油断はできない……そんな距離感。
オークと二人、焚火の傍で就寝した。
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まだ辺りの暗い時間に目が覚めた。
オークの安らかな寝顔で小さく悲鳴が漏れた。
身体をさすって、頭を撫でてくるオーク。
んん…寝るぅ。
オークは意外と安心感を感じる顔つきをしていた。
次の朝、ひとまず海に出ようと決め、海岸を探すことにした。
大根やら人参やらが飛び交う海の絵を描いてオークに見せると、オークが歩き出した。
荷物を背負ってついていく。
海に出ると遠くに関西本土が見えた。
やはり、とんでもない距離を歩いてしまったわけではなさそうだ。
とりあえずオークと共に、浜に沿って歩き出す。
キャンプは多分海に向かって右側にあるはず…。
とぼとぼと歩く。水筒の水が心もとなくなってきている。
視線の先に黒い物体が転がっているのがみえた。
打ち上げられていた。
昆布みたいなのかなんなのか、褐色の海藻の身体を持ったモンスター娘だった。
スカートみたいなヒダとくるぶしにもヒダヒダがあった。
昆布娘としよう。
なんか、干からびている。
おっぴろげな平原もしっかりと確認しておく。
ええ、貧乳でも私は差別などしませんとも。
オークが制止するような声をあげるが、水を口に注ぎ込む。
ピクピクと唇が動く。
そういえば、こういうときって自分では飲めなくなってるんですよね?
こういうとき、命を救うための行動は医療行為に該当するんですよね?
大義名分大事。
水を口に含んでから、昆布娘に熱烈なキスをした。
これだから人生はやめられねえぜ。
水を送り込むと、少しずつ昆布娘の喉が動いた。
ラストの水だが仕方ない、人命優先。
将来、お礼に来るやもしれん。
あの時助けていただいたモンスター娘です…。
結婚は不可避だろう。
昆布娘はそこそこに大きいが、背負っていくことにしよう。
意外と重量はなく、十分歩くことができた。
見慣れた円形の物体が見えてきた。
ホタテさんの貝殻だ。
一気に遭難の恐怖は消え、安心感がでてきた。
ようやく知っているところに帰ってきた。
せっかくだけど、ホタテさんに会っている時間はない。
キャンプに急ぐため、ホタテさんを素通りしようとすると、ギィッとホタテ貝が開く。
おおう、相変わらずお美しいピンクだぜ。
しかし、今は一刻を争うのだ。
今日は急いでいるという意思表示と、昆布娘を助けられるかの確認の意味を込めて、ホタテさんに昆布ちゃんを見せる。
見るなりホタテさんは、驚いたような表情になった。
すぐに触手を伸ばし持ち上げて、昆布ちゃんを海につけ込んだ。
…それで行けるのか。
運んだのは逆に良くなかったね?
5分後、肌艶は戻ったが、いまだ意識がない。
昆布ちゃんを看病していると、ホイッスルの様な音が森から聞こえた。
森の方からメキメキと音が聞こえ始める。
ドンドンと何かの音が近づいてくる。
まあ、予想通りティラノさんだった。
ティラノさんのタックルで、2人して海にドボンしたまま、ずぶ濡れで抱き合った。
750㏄(ナナハン)に轢かれるくらいの衝撃はあっただろう。
ティラノさんは少し泣いていた。
心配をかけてしまったのかもしれない。
その後オーク、ティラノさん、ホタテさんの3人で昆布ちゃんを囲んで会話が始まった。
ーーーーー
おいおい、あんな童貞の男で満足できんのかよ。
うるさい!私たちには愛があるんだ!
へへへ、その愛とやらが大切とか、俺のモノを知ってからも同じことがいえるかな?
や、やめてください!私たちにはあの人がいるんです!
ぐへへへへ。
ーーーーー
頭上で行われている3人の話し合いに脳内アテレコをつけて遊ぶ。
童貞の寝取られアラートが鳴りっぱなしだった。
とりあえず昆布ちゃんはキャンプに連れ帰った。
何故か歩かせてはもらえず、だっこされた。
森ではピーピーと指笛の音が聞こえる。
落ち着いたらティラノさんに怒られるかもと覚悟していた。
しかし存外そんなことはなく、いつもより過保護な感じになっただけだった。
トカゲ娘は昆布ちゃんを丁重に抱えていた。
呼吸はなんとなく安定してきているようにみえる。
今度ホタテさんにお礼に行こう。
キャンプに着いてから、女医が介抱のために女医のテントに入れた。
すでにキャンプに戻っていた博士から、どうして迷ったのかを聞かれた。
思ったより近くに川があったので、方向転換したことを伝える。
報告を聞いた博士は頭を抱えていた。
どうやらマーメイド達が新居の広場の近くまで川の迂回路を作ったらしい。
なぜそんな事を…。
博士が「あのマーメイドは親バカだな」と呟いたのを聞いて、思い当たった。
ロリっ子とカーツ大佐は親子だったのか
ロリっ子の友達の為に、川の形を変えようというのだ。
確かに親バカだが、意外に偉い人なのだろうか
とりあえずお昼ご飯を食べた後、女医に昆布ちゃんを任せて出発した。
今度はトカゲ娘とティラノさんの5人で、輪形陣みたいなフォーメーションで新居に向かう。
昨日見た川は一部が人2人分くらいの幅になっており、真剣な顔をしたマーメイド達が凄まじい勢いで作業をしている。
木々の合間を縫うように作られた用水路に沿って、森を切り拓いている。
斧で切り落とされた木々や泥は、水に浮かべて輸送されている。
カーツ大佐が帰ってから三日くらいの工事なのに…マーメイドパワー恐るべし。
川を迂回して進むと、ティラノさんと開拓した北西の広場に出た。
完成したという大きな平屋ができていた。
それよりも目立っていたのは…見覚えのない池だ。
茶色く濁る池の中でマーメイド達が土木作業するという、未だ見慣れない光景に手を振ると、数人のマーメイドはテンション高く手を振り返してくれた。
ティラノさんはちょっと苛立っているようだった。
確かに家に浸水とかしたら大変だ…でも水がすぐに手に入る環境にはなったね。
マーメイドたちには感謝しないと。
家の前に着いた。
自分が住むにしては大きい、大きすぎるが仕方ない。
なるっきゃないね、一国一城の主に!
荷ほどきをして、色々と部屋の中を整えた時点で、夕方だった。
キッチンらしき竈を確認すると、寸胴もこちらに運んできているようだった。
現場作業で疲れているであろうマーメイドたちの分も含めて、夜ご飯にカレーを作った。
キャンプでもらってきた食材で作った野菜&魚のカレーだった。
カレーにしてもうまいのか…この大根は…。
イカやエビはないのが残念だ、マーメイドたちとの交流が進めば、もしかしたら物々交換なんてのもあるかもしれない。
皿の確保も急務だ…マーメイドたちがコップでカレーを食べている光景はかなり忍びない。
夜、ティラノさんとご就寝。
この家、ハイパーキングサイズくらいのバカでかいベッドがあったが、もしかしてティラノさんと一緒に住むのだろうか?
だとしたら大変うれしいのですが。
童貞は行けるところまで行くつもり満々だったが、その日は1ペロもなかった。
前回暴発したからだろうか…?性の信頼が失われたのだろうか?
そう思うとティラノさんには恥という恥を全部見られてるんじゃないか?
「幻滅」…その言葉が頭をよぎって、素直に泣いた。
ティラノさんが抱きしめてくれた。
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次の日
朝からトカゲ娘たちの挨拶が飛び交う。
自分もティラノさんやトカゲ娘にがうっうする。
トカゲ娘達の布団の方から大変スパイシーな臭いがしたが、昨晩のカレーのせいだろうか?
ティラノさんとの間に気まずい雰囲気が流れると思いきや、随分明るい様子だった。
本日の朝ごはんは博士たちのキャンプに行ってからとなっている。
ついでに昆布ちゃんの様子を見に行こう。
身支度を整えて我が家を出発する。
家を出てすぐ、昨日とは違うマーメイド達が、池で土木作業をしているのが見えた。
池の淵には丸太が積まれており、なんか作ろうという気配が漂っている。
池が大きくなったことで昨日まで5人程度だった作業員は倍以上に増えていた。
朝の挨拶をするとポコポコや黄色い声援が混じったような返答が帰って来た。
友達100人も夢じゃない、すばらしいフレンドリーさだ。
そんな事を思いつつ、森に入った。
キャンプに着いた。
竈の前、博士の隣には昆布ちゃんがいた。
オークもいた。
男性隊員達と大変仲良さそうだ。
ゴリはオークにもがうがう話しかけていた。
こちらが近づくと、昆布ちゃんがトテトテと歩いてくる。
全身スレンダーだが、むしろそれが清純派を思わせてシナジーになっている。
……まあ、そんなエモーショナルも長くは持たなかった。
目の前にいるスレンダー美少女が、こちらの腕に抱きついてのだ。
こちらを見てニッコリ笑う。
可愛いじゃない?
愛らしいじゃん?
尻でも揉んでやろうか…ぐへへ。
そのまま朝食が始まった。
女医から昨晩のことを聞いた。
何でも目覚めてすぐ、泣き叫び暴れて周りをヌルヌルにしたそうだ。
腕に抱きついているこの愛らしい生物が?
余程女医が邪悪な顔をしていたに違いない。
女医からラブラブね〜と冷やかしを受けた。
えへへ、すいやせん!
すいやせん!先にゴールで待ってますぅ。
身体をスリスリ擦り付けてくる昆布ちゃん。
おほぉ…こっちにベタ惚れですわ。
ファーストキスを済ませただけありますわ~。
ティラノさんはゾロゾロと集まってきているトカゲ娘達にガウガウ指示している。
昨日はみんなに心配をかけてしまったんだった…。
改めて、トカゲ娘達にお礼兼謝罪をしておこうと立ち上がる。
昆布ちゃんもいっしょに立ち上がる
腕を組んだまま、トカゲ娘たちの前まで行くと、皆がこちらを向く。
「ありがとうございます、すみませんでした!」、そう言いながら頭を下げた。
昆布ちゃんもわけわからんまま、頭をさげていた。
ティラノさんにガウガウ言われながら頭を撫でられた。
こちらの気持ちは伝わったのだろうか。
その後、博士達の話が始まった。
予想外のペースで家が一軒建ってしまったので、木材の供給が全く追いついていないらしい。
男たちで木材の確保を進めるようだ。
自分とそこに着いて来たいモン娘たちで、新居周辺の開拓を進めるそうだ。
目標は2つ目の家を建てられるだけのスペースの確保だ。
ティラノさんたちは一度集落に戻るらしい。
大人しく低木刈りを進めよう。
づかち含めたエルフたちは各自におまかせらしい。
昆布ちゃんはどうするのか訪ねると、博士は思案した後、
「男同士、君と一緒で良いんじゃない?」と返ってきた。
…ん…?お、男…?オークのことだろうか?
続けて「念の為言っておくけど、その子は昆布じゃなくてワカメの亜人じゃないかな?」と…。
くるぶしのヒダヒダはワカメのメカブの構造ぽいらしい。
根っこみたいになっている足の部分の分かれ方もワカメらしい。
…ぐにっと手に当たる感触は紛れもなくチンの臓。
昆布ちゃんでもワカメちゃんでもなく、ワカメくんだった。
あれは…医療行為だから、ノーカンだし。
ティラノさんのペロペロタイムのとき、唇触れ合ったとかあっただろうし?
つまりキスだのなんだの、どうこうしたのはそこまで重要じゃない…ね?
ファーストキスはティラノさんだから、自分は全然気にしてないもんね?
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いつもながら眠たい青空教室で日本語を聞きつつ、女医と2人でエルフ達とお話する。
意外というか、エルフという種族が優秀なのか、いくつも単語を話すようになっていた。
授業後、何人かは逆に文系博士にエルフ語を教えていた。
中二病はいつもながら腰に手を当ててふんぞり返った様子でこちらに歩いてきては、童貞の太ももに座り、絵本の朗読を聞いていた。
桃から生まれた、ある意味…まあモンスター息子が野獣を引き連れて、オーガと対話せず略奪行為に及ぶ昔話を読み聞かせる。
鬼がボコボコにされるページを齧りつくように見ている中二病。
指をさして「コレ!コレ!ワタシ!」
なんとも微笑ましいじゃないか。
物語に自己投影するなんて。
前に、サルが道具たちに下敷きにされる童話もお気に召したようだった。
要領は得ないが興奮した様子の中二病、次の絵本も懲らしめる系のものにしよう。
中二病の見た目通りな所を見れて、なんとも和やかな雰囲気が流れた。
今回の調査はこんな感じで平和に終わるといいな。
はぁ〜〜〜今回もマジで盛りだくさんやったねー!!
オーク出てきた時は「こいつ絶対やべぇやつやん!?」って思ったのに、
まさかの癒しポジ…!?からの、
**水分補給キッス→まさかのワカメくん(♂)**の流れよ!?!?!?
いやもう、童貞に試練与えすぎな世界観どないなっとんねん!
次もこのまま突っ走ろうーッ!!