異世界モン娘交流日記~我が秘密の生涯編~   作:SoftMcherry

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主人公視点ラスト

主人公視点

 

凄いデカい足音がすごい速度で近づいてきていた。

多分ティラノさんだね。

 

救助隊のあんちゃん達の慌てた声が聞こえ始めた。

まあまあと、外のあんちゃんに声をかけた。

 

おう、怒鳴られちゃった。

チキンハートにちゃんとしたダメージを感じる。

大人しくしておこう。

 

ティラノさんは確かに見た目が少しイカツイところはあるが、優しくお茶目で可愛い人なのだ。

話せばわかる(至言)、言葉は通じないけど(現実)。

 

とはいえ、あんちゃん達の気持ちもわかる。

特設迷子センターに大型肉食獣が高速で突っ込んでくるんだもの。

誰だって怖い怖い。

 

しかし、ティラノさんにはまた心配をかけてしまった。

カレーライスで手を打ってくれるのだろうか?

 

今思えば、拉致被害者の保護と言われたからって、コミュ障全開でホイホイとついてきてしまったけど、報連相を忘れてたぞ。

もしかして自分を叱りに来てたりして…。

 

救助隊の人達の心配をしてる場合じゃない…げんこつくらいは覚悟した方がよいのではないだろうか?

 

メキメキと木が倒れる音がする…オーマイガー!

 

……

 

うん…なんかめちゃくちゃ戦闘してる。

 

テントの中だからわからんけど、FPSで聞くサイレンサーの発砲音してるもん。

これ跳弾とかで死ぬのでは?

 

ティラノさんのガウガウが聞こえる。

だいぶ怒ってるっぽい。

 

とりあえず伏せてじっとしておこう。

 

銃声が止んでから、人の悲鳴とバキバキ音が聞こえ始める。

ん?なんか言ってるね。

 

瞬間、耳をつんざくような大音量のガウガウが聞こえた。

わお、ティラノさんが吠えてる!

 

その叫びの直後、大きな爆発が起こった。

耳がキーンと鳴って、頭痛がする。

 

何をしたんだあんちゃん…。

 

その後数度の悲鳴の後、ティラノさんがテントの入り口を開けた。

いつものティラノさんだ。

 

顔や体が少し汚れている。

とりあえず顔の泥くらいは、童貞めが落とさせていただこう。

 

ニッコリと笑うティラノさん

眩しいばかりの笑顔だが、今回ばかりは恐怖が拭えない。

 

てぃ、ティラノさん?

 

なんでもするから許して…。

 

ーーーーーーーー

ティラノさん視点

 

森を突き進む。

怒れば怒るほど、身体には力が満ちて、だが頭は冷静になっていく。

 

進行方向から、首飾りに込めた威圧の力を確かに感じた。

リーダーノマカベは気配察知の能力はオレ以上か…?

なんだかんだうちの村にほしい人員だな。

 

一度止まってから、速度に追いついて来れなくなった部下たちに、短く指示を出してから再度走り出す。

 

首飾りの気配は段々と強くなる。

 

「ポカ…無事でいろよ」

 

開けた空間に出ると、布の家がいくつもあった。

3人の兵士が慌ててこちらを向く。

 

全部オスだな。

悲鳴と共に黒い金属をこちらに向けた。

 

魔素は感じねえ…適当に手足を折っちまうか。

 

すると、奥の布の家から、ポカの声がした。

ドッと安心感が湧いてきて、顔に笑みがこぼれる。

 

ポカのいる布の家から出てきた男を含めて、全員が小さな粒がとばしてくる。

燃えるような匂いがあたりに充満していく。

焦った男が何かを叫んでいる。

 

どんくらいなら死なねえのか、わっかんねえな!

 

尻尾でゆっくりと軽くオスの脚を薙ぎ払う。

死なない程度に手加減したつもりだ。

 

二人は脚がひしゃげて吹っ飛ぶ。

無事な二人が連携して、また粒をこちらに放つ。

 

なんでこいつらはこの粒がオレに効くと思ってんだ?

舐められているような気がして、むかっ腹が立った。

 

「てめぇら!オスだからって殺されねえとか調子乗ってんじゃねえぞ!」

 

大声で威嚇すると、近くにいた方の男が後ろ向きに倒れた。

この村はどうなってんだ?

 

はぁ…咆哮一つでぶっ倒れる男を戦場に出すのか?

こいつらのボスはだいぶオレを舐めてやがるな。

 

最後の一人とは少し距離がある。

そいつはなんか木箱からさっきよりでけえのを取り出して、肩に担ぐ。

こちらに向ける奴の声は勝ちを確信してるようだ。

 

オレらに喧嘩を売っときながらこのザマかよ。

そいつがに通用するとかマジで思ってんのか?

 

「〇××▽!」

 

いいぜ、飛ばして来いよ。

てめえの自信ごとへし折ってやる

 

円錐状の先っぽがこちらに向かって飛んでくる。

段々早くなるその先っぽに拳を叩き込んだ。

 

直後爆発し、腕に軽い衝撃が伝わった。

 

おお…魔素含まねえのに爆発すんのか。

なんかまどろっこしいってか、遠回りな戦い方なんだな。

 

こちらを見る男は完全におびえていて、尻もちをついていた。

ゆっくりと男に近づきながら、身体の戦闘形態を少しずつ収めていく。

 

ポカが見ても…大丈夫だよな?

チッ…服が燃えてやがる…。

 

しゃがんで顔を男に近づけると、小さな悲鳴が聞こえた。

 

「おう、顔見せてくれや」

 

顔に傷を付けないように慎重に、顔面を覆う固い殻みたいなのを壊して取り払う。

ドーマエ系の顔だな。

 

「オレはファウラ、これからよろしくな」

 

伝わっちゃいねえだろうけど、無理やりってのは性に合わねぇんだ。

 

「オレはおまえとはヤんねぇけど、今夜から頼むわ」

 

この後、リセルトあたりに村まで運んでもらうか。

 

「お前がどれくらい丈夫かは知らねえけど、まあ頑張れや」

 

逃げねぇように脚を握って折っておく。

 

その後、入口を開けるとポカがいた。

我慢できずに抱き上げて、抱きしめる。

 

「今回は悪かったな…またお前を危険に晒しちまった」

 

「でも無事でよかった…本当によかった」

 

その後ポカと二人で、もう一つのキャンプ地まで向かう。

…おっぱじめてやがるな、あいつら。

 

とりあえず、ポカの目を手で覆っておく。

リセルトの奴、夢中で腰振ってんじゃねえか。

 

…そんなに良いのか?

ここでなら…いいや、ダメだ!

結婚まで我慢しねえと…ポカに嫌われたらマジで生きていけねえ。

 

「きたねえ声出してんじゃねえ!」

尻尾でリセルトの頭を叩いて服を着せる。

 

「向こうに4人転がしてっから、軽く処置して村に運べ」

 

ーーーーーーーーー

 

その後、静かな…とはいかず、時々喘ぎ声が聞こえる森の中をポカと歩いた。

 

「今回はワシの負けじゃな、してファウラ、お前母親は誰じゃ?」

ネリュイエルの声が木の上から聞こえた。

 

「知らねえよ、あんな奴。

 最後に見たのが三つの頃だぞ?」

 

「……そうか」

そう言ってネリュイエルは敵のキャンプの方へ向かっていった。

 

ポカのキャンプに戻ってくると、リーダーノマカベが出迎えてくれた。

 

「ポカ アリガトウ」

ポカが言ってんのか、ポカの救出のお礼なのかわかんねぇが、大丈夫だろ。

 

「まあ、今回はこっちの護衛が油断してたってのもあるから、オレの落ち度なんだ。

 気にすんな、ポカも無事だしな」

 

すると、ポカが何やらリーダーノマカベと話し始めた。

その様子を眺めていると、リーダーノマカベがこちらに向かって話し出す。

 

「ポカ ケッコン アナタ」

 

時が、止まった。

 

……え?

け、結婚してもいいってことだよな!?

 

本当か?本当なんだよな!?

逆鱗の首飾りを受け取ってもらったときと同じか、それ以上の興奮が身体を巡る。

 

自然とポカを抱く腕に力が入ってしまう。

全力でだきしめてぇ…!

 

やっと……認められた!

こいつと子を為せる。

一生を一緒に添い遂げられる。

 

「イツ ケッコン?」

今すぐ、リーダーノマカベの言葉にそんな即答をしそうになった。

準備ってもんがあるな!

 

「あ、明日だ!絶対明日だ!」

 

同族はいたが、ずっと家族が居なかったオレに、本当の家族ができる。

一人で欲しがって、求めて、よがってた訳じゃなかった。

 

オレたちは求めあってたんだ。

 

ポカとオレはおんなじ気持ち。

それが何より、うれしかった。

 

ーーーーーーーー

ポカ視点

 

ティラノさんのお迎えから、抱えられたまま帰路についた。

途中から目隠しをされた。

何かと思っていると、喘ぎ声がそこら中から聞こえてきた。

 

みせてよぉ…お願いだよぉ。

なんなら混ぜてよぉ…。

集団青姦パーティからもあぶれてしまったようだ。

 

最高にくやしいぞ…。

 

島に戻ったら金髪にしよう。

そうすれば次回からは参加できるかもしれない。

チャラさが足りないんだよ。

メンズ〇ックルでチャラさを学ぼう。

 

しかし今、問題はそこではない。

何とか交渉しなければならない。

 

ティラノさんのご機嫌を取れるような何かを…!

救助隊のテントから自分たちのキャンプに戻ってきた。

 

理系博士がいた。

ここが好機だ!

 

博士になんでもするから、ティラノさんのご機嫌を取ってくれるようにお願いした。

 

「なんでもするんだな?」

少し目を見開いた理系博士が、ティラノさんにがうがうする。

 

それを聞いていたティラノさんの腕の力がドンドンと強くなっていく。

抱きしめられた。

 

博士のがうがうにテンション高くガウ!するティラノさん。

 

まったく…信じるべきは高学歴だな。

 

……

次の日

 

新居で朝からティラノさんのペロペロを堪能した後、別れた。

トカゲ娘たちと鶴翼の陣でキャンプに向かい、朝ごはんを食べる。

 

中二やづかち達エルフ陣営はどうやら一旦帰ったようだ。

 

その後、女医のメディカルチェックというものを受けた。

大丈夫らしい。

 

何故かその日はバタバタしていて、全員が色々身支度をした後、ティラノさんの村へ出発した。

ついたころには夕方近くになっていた。

 

ティラノ村のおばあちゃん方に朝の挨拶をかます。

村にある一軒のお宅にお邪魔すると、おばあちゃん方の着せ替え人形になった。

 

ニコニコと服装を見ては、褒めるようにはなしかけてくれる。

なんかおめかしするようだ。

 

髪を洗って、梳かして、整える。

服も装飾付きでじゃらじゃらしてる。

 

スケスケのミニスカ…男の格好はミニスカが相場の村らしい。

 

小一時間かけて色んなところに色んな物を塗られた。

筆でほっぺに塗られたときは、落書きでもされてるんじゃないかと不安になった。

 

外で大合唱が始まる。

 

これは理解した。

本日の主役と言うやつだろう。

 

特に余興もできないが、喜んで接待されようじゃないか。

ふふん。なんだかいい気分だ。

 

えへへ、自分なんかやっちゃいました?

 

そんな事を思っていると、ドアのノックする音が聞こえる。

ティラノさんだ。

ルンルン気分で、ティラノさんの名前を呼びながらドアを開ける。

 

ん?いつもよりこう、かっちりした装いだね?メイクもバッチリな感じ!

 

「ーーー」

 

ハッキリと自分の名前をティラノさんが呼んだ。

びっくりした。

 

そのイタズラっぽさを残した照れ笑いは、カッコよくて、可愛くて、今まで見たティラノさんの全部だった。

 

外は既に日が落ちて、暗くなっていた。

 

ティラノさんに手を引かれ、村の中央に焚かれたキャンプファイアーを二人で一周回る。

皆が手を振ったり、拍手したり、声をかけてくれる。

隊員たちもこっちを見て拍手してる。

 

うん、TDLのマスコットになった気分。

悪くない気持ちだ。

 

最後はティラノさんの家の前に着く。

ティラノさんと二人で並んで立っていると、おばあちゃん達がゆっくり歩いてきた。

 

その瞬間、集落が静まりかえった。

 

おばあちゃんズと向かい合った。

先頭のおばあちゃんはガウガウと何かを言う。

 

そして小さな鈴を鳴らす。

パチパチと木が爆ぜる音と溶け合うように響き渡る音色。

 

その光景はとても荘厳で、幻想的だった。

 

ティラノさんがこっちを向いてガウガウ言う。

いつもながらわからないので、とりあえず名前を呼んでおく。

 

すると、ティラノさんはしゃがんで、こちらの腰と頭を抱き寄せて、ガウガウ言った後に、熱烈なキスをした。

 

衆人観衆のなか、しっかりしたディープキスをしてしまった。

ニコッとこちらに笑うティラノさん。

 

 

……こんな時どんな顔をすればいいのか分からないの。

 

……

 

その後、皆で食べて騒いで楽しんだ。

いつだったか、カメラマンから借りたカメラでたくさんの写真を撮った。

 

大半は不思議そうにこちらを覗き込むティラノさんのドアップの写真だったみたいだ。

その宴の最後、皆で撮った集合写真は、簡素な写真立てに入れられて、今ティラノさんの枕元に飾られている。

 

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