ホロウを駆ける電光   作:ケルさん

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第10話 輸送列車

 

 

 

デッドエンドホロウ内のトンネルに列車が通り、3人は減速する列車と並走する。

 

 

Fairy『マスター、間もなく列車が予定地点を通過します。依頼人共々、行動できるよう準備してください』

 

ハル「よし、猫又!」

 

猫又「うん!プロキシ、今だ!」

 

 

猫又はボンプを走行する列車の上へと投げ飛ばす。

ボンプは無事に列車の上に着地した。

 

 

猫又「よし!ドンピシャ!」

 

ハル「あとは中から列車を停止させるだけだ。まあ用心するに越したことはないから、ちょっとサーチしてみるか……」

 

猫又「そんなこともできるの?そのバイザー結構便利だな…」

 

ハル「色んな人に教えてもらいながら制作したからな。周囲環境をマーク中……っと」

 

 

『ちっ、面倒くせぇな。任務とはいえ、こんな格好をしなきゃならんとは……』

 

『少しは我慢しろよ、俺だって靴が合わなくて辛いんだ』

 

『おい!列車がルートを外れてると隊長が言ってるぞ!どういうことだ!?』

 

 

列車内部をスキャンすると、10人以上の人間の反応が現れた。

 

 

ハル「は?人が乗ってんじゃねえか!?」

 

猫又「えぇ!?」

 

ハル「乗り込むぞ!」

 

猫又「わ、わかったぞ!」

 

 

『あー、隊長。上から喋るボンプが落ちてきたのですが、パールマン長官に引き渡しますか?……はっ!今すぐ処理します──』

 

 

ハルと猫又は列車の窓を蹴り破り、内部へ侵入する。

 

 

猫又「せやっ!」

 

ハル「イヤーッ!」

 

「なっ……ぐあぁ!?」

 

「グワーッ!?」

 

 

猫又は通信していた人間を、ハルはボンプに銃を構えていた人間をそれぞれ蹴り飛ばした。

 

 

リン「ハル!」

 

ハル「まさか人間を積んでたとはな!猫又!」

 

猫又「こっちだ!」

 

 

ハルの呼びかけで、猫又はボンプを抱えると窓から列車の外へと放り投げた。

 

 

猫又「ここはあたしたちに任せて、先に戻って!キャロットがあるから大丈夫、後でお店に行く!」

 

 

ボンプは列車の外に放り出され、列車は行ってしまった。

 

リン「うわぁ!」

 

アキラ「もしもし、聞こえるかい?一体何があったんだ?」

 

リン「何かがおかしい……今から店に戻るから、それまで待ってて!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

猫又がボンプを外へ放り出した時、ハルは対峙している相手に、両手を合わせてオジギをする。

 

 

ハル「ドーモ、ヴィジョン=サン。ホロウレイダーです」

 

「な、何故ホロウレイダーがこんなところに!?」

 

ハル「まさか積んでたのが爆薬じゃなくて兵士とはな。とにかくさっさと片付ける!」

 

「あ、ちょま、グワーッ!?」

 

 

アイサツをするなり先手必勝と言わんばかりに、ハルは正面の兵士にボディブローを叩き込む。

狭い上に人の多い車内では、ブレードは使いにくいので格闘で立ち回る。

 

 

ハル「シィアッ!」

 

「へぶぅ!?」

 

 

蹲る兵士を踏み台にして跳び、2人目の兵士の顔面に膝蹴りを叩き込む。

 

 

ハル「ジョルトスマッシュ!」

 

「ピガーッ!?」

 

ハル「ローリングソバットォ!」

 

「グワーッ!?」

 

 

機械頭の兵士の顔面にジョルトブローを叩き込み、その勢いで回りながら、その後ろの兵士をソバットで蹴り飛ばす。

 

 

ハル「オラオラオラオラァ!!」

 

 

さらに列車内を縦横無尽に駆け回り、跳び回りながら殴る、蹴る、投げ飛ばす等して兵士たちを蹴散らしていく。

 

 

猫又「つっよ……あ、は、ハル!そろそろ脱出しよう!」

 

ハル「そうだな。ついでの土産だ持ってけ!」

 

 

去り際に兵士たちに向かって、何かを投げつけてからハルと猫又は列車から離脱した。

 

 

「手榴弾だ!」

 

『イヤァァァァァ!?』

 

 

車内で爆発が起こり、列車は煙を上げながらトンネルの奥へと走っていった。

 

猫又のキャロットを頼りに、2人はホロウの出口へと向かった。

 

 

ハル「……ふーむ」

 

猫又「ハル……?」

 

ハル「猫又、お前まだ俺たちに隠してることあるんじゃねえの?」

 

猫又「そ、それは……」

 

ハル「爆薬を輸送する列車は無人のはず。なのに列車内には治安局に偽装した奴らばかり……あいつらヴィジョンの奴らだろ。治安局が関わってるなんてニュースでも言ってなかったしな」

 

猫又「あ、あたしだって中に人がいるなんて知らなかったし……」

 

ハル「の割には結構慣れた感じがしたけどな」

 

猫又「そ、それは他の場所で奴らを見たことがあったからで……」

 

ハル「猫又」

 

 

ハルは閉じていたバイザーを開いて、目線を合わせて真っ直ぐと猫又の顔を見る。

 

 

ハル「お前と邪兎屋に何があったか、全部話してくれ。別に俺やプロキシだって融通が利かないわけじゃないんだ」

 

猫又「あたしが説明したところで……ホントに……信じてくれる?」

 

ハル「ちゃんと話せば大丈夫だって。俺も手伝うし、プロキシも手を貸してくれる」

 

猫又「わかった……でも上手く説明できるかな……あ、そうだ!ニコのボンプ!あれの記録の一部始終を見れば、分かるはずだ!」

 

ハル「わかった。ならとっとと戻るぞ。出口がどこに繋がってるか教えてくれ」

 

猫又「うん!こっちだ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

─ Random Play ─

 

 

バイクのエンジン音が聞こえて、少ししてから猫又とハルが店に戻ってきた。

 

 

猫又「ただいま!はぁ、はぁ……予想以上に時間が掛かっちゃった。あたしが持ってたキャロットだと、遠い方の出口しか分からなくて……」

 

ハル「まあバイク使ったから、ある程度短縮できたろ」

 

リン「あ、だから駐車場からエンジン音が聞こえたんだ」

 

猫又「そ、それよりも、あんたたちに謝らないと……実は黙ってたことがあって……」

 

リン「大丈夫、話してみて」

 

猫又「実はあたしと邪兎屋はとんでもない面倒事に巻き込まれたんだ!でも、それは人助けのためなんだ!信じられないことの連続で、上手く説明できる自信がなくて……本当にごめん」

 

 

耳まで垂れ下がって頭を下げる猫又。

リンとアキラとハルの3人は顔を見合わせ、頷いた。

 

 

リン「猫又、顔を上げて」

 

猫又「………?」

 

リン「大丈夫、慌てなくてもちゃんと話してくれれば、私たちも協力するから」

 

ハル「だから言っただろ?大丈夫だって」

 

猫又「うん……!」

 

アキラ「ちゃんと話してくれるかい?君たちに一体何があったのか」

 

猫又「それだったら、ニコのボンプの記録を見た方が早いぞ!」

 

アキラ「よし、Fairy、視覚記録の出力を頼む」

 

 

4人はモニターの方へと向き直った。

 

 

 

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