ホロウを駆ける電光   作:ケルさん

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長い間お待たせしました!
ゲームにハマったり、オリジナル展開がなかなか書き進められなくて遅れました……


1章幕間 ビデオ屋のありふれた1日
第16話 日常の中の災害 前編


 

 

 

ある日のビデオ屋にて──

 

 

リン「ハルー?いるー?」

 

 

リンは2階にあるハルの部屋を訪ねるが、部屋には誰もいない。

 

 

リン「んー?また地下かなぁ……」

 

 

地下のガレージへと降りると、作業台の方でハルが何かを組み立てていた。

 

 

リン「あ、やっぱりこっちにいた。ハル!」

 

ハル「あん?」

 

 

リンに呼ばれて、ハルはゴーグルを取ってリンの方を向く。

 

 

ハル「リンか。何か用か?」

 

リン「うん。ビデオ屋の方を手伝ってもらおうと思って。何か作ってんの?」

 

ハル「ブリッツの新武器。まだ途中だけどな」

 

 

そう言ってハルは、作業台で組んでいた青い大型のハンドガンのような武器をリンに見せる。

 

 

リン「銃?」

 

ハル「電気エネルギーの弾丸を撃ち出す遠距離武器……の予定」

 

リン「へー……なんか見たことあるパーツもあるね」

 

ハル「ああ、それな。この前のヴィジョンの兵士の銃をパクって、それのパーツ使ってる」

 

リン「い、いつの間に……」

 

ハル「あるものは全て使え、想像力だ!ってどっかの人も言ってたし」

 

リン「それそういう意味かなぁ……」

 

ハル「そんで?ビデオ屋の手伝いだっけ。何すればいいんだ?」

 

リン「あ、そうそう。ビデオの仕入れに行くから荷物持ってもらおうと思って」

 

ハル「わかった。すぐに準備する」

 

 

器具等を置いて、ハルは作業用のエプロンや道具を外して外出用の服に着替える。

 

 

ハル「おし、そんじゃ行くか」

 

リン「うん。お兄ちゃんも入口で待ってるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくして、仕入れたビデオが多くなりそうだったため、一旦ビデオ屋へと置きに戻っていた3人。

 

 

ハル「地味に重いなこれ……」

 

リン「こんなに仕入れるなら、車にすればよかった〜……」

 

アキラ「もう一つの仕事は振り出しに戻ってしまったし、収入もかなり減るだろう。ビデオ屋の方も本腰を入れないと」

 

ハル「俺、他のバイトで結構稼いでるけど」

 

アキラ「それはありがたいけど、だからってそれに頼るわけにもいかないからね」

 

ハル「エーソンナー」

 

リン「それもそっかぁ……でも、何でスローな映画ばっかりなの?スリリングな方がよくない?」

 

アキラ「僕は万人受けするビデオを選んでるんだ」

 

ハル「ホントかぁ?」

 

リン「ほとんどアートとドキュメンタリー映画ばっかりなのに?」

 

アキラ「それは……こういう映画を求める人は多いんだよ。新エリー都での生活は大変だからね。ハルもそう思うだろう?」

 

ハル「いんや全く」

 

アキラ「そ、即答しなくても……」

 

リン「みんなそんなヤワじゃないって」

 

ハル「邪兎屋見てみろよ。いつも赤字なのにしぶとく生きてんぜ?」

 

アキラ「あれは……まあ……」

 

リン「てか、前回はお兄ちゃんが選んだんだし、次は私だよね?」

 

 

ダンボールを運ぶ141のボンプを手伝いながら、リンは言う。

 

 

アキラ「あれは『三人』で選んだんだ」

 

ハル「あの時、結局アキラが一人で選んでたじゃねえか」

 

リン「……いいもん。次は、私が選ぶから!」

 

「すみませーん!ホロウ調査協会ですが──」

 

三人『すいません、間に合ってます』

 

 

息ぴったりに勧誘を断る三人。

あまりにも息の合った断りに、勧誘してきた調査協会の職員は膝から崩れ落ちた。

 

 

リン「お・に・い・ちゃ・ん?いいよね?」

 

アキラ「けど、今月は僕が……じゃなくて、お客さんがドキュメンタリーを見たいって言ってたし、元のプランでいいんじゃないかな」

 

リン「聞こえたよ〜!そうやってお店のお金を自分の趣味に〜……」

 

ハル「だーから在庫が偏るんだよ……」

 

アキラ「さて、なんのことやら……」

 

 

そうこう言ってるうちにビデオ屋の前まで来ると、誰かがビデオ屋の前で立っているのが見えた。

 

 

ハル「あ、『羊飼い』のオッサンだ」

 

アキラ「もう一つの仕事の依頼人だ。さて、仕入れに変更は」

 

ハル「お前の好み以外に変更な」

 

アキラ「あ、いや、でも次回は……と、とにかく先にこっちの仕事だ」

 

 

そう言ってアキラがリンの方に振り向くと、リンの手には車のキーが。

 

 

リン「お兄ちゃん、少しプランを変更しない?」

 

アキラ「!いつの間に……」

 

リン「依頼人の方はお兄ちゃんとハルに任せるよ。私は……代わりにビデオを仕入れてくるね!」

 

アキラ「まさか……一人で行くのか?おい、リン!」

 

リン「大丈夫!しっかり万人受けを選ぶから!」

 

ハル「リンちゃん、初めてのおつかい……!?」

 

リン「しばき倒すよ」

 

ハル「やだこの子怖い」

 

リン「それじゃ、店番よろしくね!」

 

 

そう言ってリンは早足に行ってしまった。

 

 

羊飼い「よう、お得意さん。今日は三人揃ってお出かけかい?」

 

アキラ「そのはずだったけど、今君に邪魔された」

 

羊飼い「おっと、そうなのか?すまんすまん。間の悪い時に来ちまったみたいだな」

 

ハル「大人げな……」

 

羊飼い「今回来たのは他でもない。あんたらが気にしとく価値のある依頼が今、この手元にある」

 

アキラ「分かった。中で話そう」

 

 

ビデオ屋の店内に入り、羊飼いが言うには──

 

クリティとラマニアンの二つの原生ホロウにて、ここ最近にて活性の上昇が見られ、最悪新しい共生ホロウが生まれる可能性があるとのこと。

 

依頼の内容は、ホロウ鎮圧用の軍用メカが数台、エーテル活性の高いエリアで制御不能になっており、それらを片付けてくれる腕利きを探しているとのこと。

 

 

羊飼い「こいつをやり遂げれば、こっちはその部署に貸しを作れる。今後の情報収集に役立つこと間違いナシだ。こんなのパエトーンには大したトラブルじゃないだろ?どうだ?受けるか?」

 

アキラ「覚えておこう。でも今は家のことを先に片付けないとでね」

 

羊飼い「まあそっちが大事なら仕方ないけどよ。だが時間ができたら、忘れず返事をくれよ!」

 

 

そう言うと羊飼いは店から出て行った。

 

 

アキラ「さてと……ハル」

 

ハル「ん?なんぞ」

 

アキラ「僕はちょっとリンのところへ行ってくるから、店番は頼んだよ」

 

ハル「は?おい待てや店長ぉ!」

 

 

ハルはそう言うが、アキラはさっさと店を出て行きリンの後を追って行ってしまった。

 

 

ハル「はぁ〜……ったく、どっちも譲らねんだから……」

 

18号「ンナナ……(やれやれ……)」

 

 

そう言いながら、先程仕入れたビデオの整理を始める。

 

 

ハル「えーと……これはどのコーナーだっけ」

 

 

するとドアが開く音がして、店の入り口の方を見るとさっき出て行ったはずのアキラが血相を変えた様子で立っていた。

 

 

ハル「あれ、もう帰ってきたのか……ってどうした?」

 

アキラ「リンが………」

 

ハル「……何があった?」

 

アキラ「…リンが、ホロウ災害に巻き込まれたかもしれない……!」

 

ハル「WHAT!?」

 

アキラ「……とにかく、工房で話そう」

 

 

アキラの話によると、六分街の近くでホロウ災害が発生、しかもホロウが発生した方向がリンが車で仕入れに向かった方向だと言う。

 

 

ハル「マズくね?リンとお前はエーテル適性が……」

 

アキラ「あぁ、早く助けにいかないと。ハルは急いで準備をしてくれ。でき次第、イアスを連れてホロウに向かってくれ」

 

ハル「よしきた!」

 

Fairy『質問、平時ではこれをマスターが担当しています。助手二号、あなたは感覚器官の同期が可能ですか?』

 

アキラ「僕の心配はいらない、始めよう」

 

ハル「武器、弾薬、その他装備問題なし。そいじゃあ、行ってくる」

 

アキラ「頼んだよ。くれぐれも気をつけてくれ」

 

 

いつもの装備を纏ったハルは、イアスを連れてホロウへと向かった。

 

 

 

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