ホロウを駆ける電光   作:ケルさん

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12/8 少し書き換えました。


第17話 日常の中の災害 後編

 

 

 

Fairy『目標の共生ホロウに到達しました。本エリア内に複数の生体信号を検出。その中に救助目標がいるかもしれません』

 

アキラ「一番近い場所から探してみよう。ハル、着いて来てくれ」

 

ハル「オッケー」

 

 

ホロウを少し進むと、遠くで人とエーテリアスの声が聞こえた。

 

 

ハル「アキラ!」

 

アキラ「あぁ、人の声だ。エーテリアスに襲われているのかもしれない。急ごう!」

 

 

声が聞こえた方へ向かうと、ホロウ災害に巻き込まれたであろう一般市民と、市民を守ろうと一人の治安官がエーテリアスと交戦している。

ハルはハンドキャノンを抜くと、すぐさまエーテリアスに向けて発砲する。

 

 

『Gyaaa!?』

 

ハル「我流一刀」

 

治安官「な、何だ!?」

 

ハル「飛燕一閃!」

 

 

ハルは背中のブレードを抜刀しながら接近し、流れるようにエーテリアスに鋭い一閃を繰り出し斬り伏せる。そして他のエーテリアスを治安官から引き離し交戦する。

その間にアキラは一般市民の方へと駆け寄る。

 

 

アキラ(ここにはリンはいない……か)

 

 

この場にリンがいないことを確認すると、一般市民に声をかける。

 

 

アキラ「大丈夫かい?」

 

「ボ、ボンプが喋ってる……?」

 

治安官「き、君たちはホロウレイダーか……?離れてくれ!君たちみたいな無法者の助けなどいらない……ッ!」

 

 

治安官は助けを拒むが、負傷しているのかふらついている。

 

 

アキラ「怪我をしているのかい?無理をしない方がいい。僕たちは助けに来たんだ」

 

 

そこへ最後のエーテリアスを倒して、ハルも駆け寄ってくる。

 

 

ハル「そんな状態でホロウを抜けようとすりゃ余計に被害が増えるもんだぞ、治安官さんよ」

 

治安官「くっ……私はどうなろうと構わない……ただ、もし周囲の罪なき市民を庇護してくれるなら……君たちを見なかったことにする」

 

ハル「約束する。あんたも含めて全員ホロウから出してやる」

 

Fairy『提案、出口を見つけ、先に被災者たちを連れ出すのはいかがでしょう』

 

アキラ「よし、皆出口まで案内するから、はぐれないよう着いて来てくれ」

 

 

一般市民たちを連れて、プロキシとハルはホロウの出口へと向かった。

 

 

 

他の被災者を救助しながら、しばらくホロウを進んでいくと出口へと辿り着いた。

 

 

アキラ「皆、ここを進めばホロウから出られるよ」

 

「た、助かった!俺たち助かったんだ!」

 

「ありがとうございます!あなたたちが来なければどうなっていたか……」

 

アキラ「気にしないで。これもプロキシの仕事だからね」

 

 

救助された市民たちの感謝の言葉に答えながら、リンが見つからないことに焦燥感を募らせるアキラ。

そこへハルが駆け寄ってくる。

 

 

ハル「アキラ、市民の人たちは治安官が対応してくれるってよ。それでちょっと市民の人たちに聞いてみたんだけど、リンに会ったって人がいた!」

 

アキラ「なんだって!?」

 

ハル「その人が言うには、ホロウに巻き込まれた時にリンに安全な避難場所を教えてもらったらしい。そんでその後はパニックになった人を追いかけてホロウの奥に行っちまったそうだ」

 

Fairy『付近で生体信号を検出。生体信号からすると、救助目標であるリンがいる可能性が極めて高いです』

 

アキラ「よし、急ごう!」

 

ハル「おう!」

 

 

ハルとアキラは、リンを探してホロウのさらに奥へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アキラ「このあたりのはず……」

 

ハル「……あ、いた!」

 

リン「あ、お兄ちゃん!ハル!」

 

 

生体信号が確認された地点に行くと、リンと被災者であろう女の子が一緒にいた。

ハルとアキラは二人の方へ駆け寄る。

 

 

アキラ「二人とも、大丈夫かい?」

 

リン「うん、私もこの子も大丈夫だよ」

 

「助けに来ていただき、本っっ当にありがとうございますぅぅ!!私のせいで、リンお姉ちゃんを危ない目に遭わせるところでした……」

 

アキラ「それじゃあ家に帰ろうか。出口まで案内するよ」

 

リン「うん。私もう疲れちゃ──」

 

ハル「ん?危ねえ!?」

 

 

ハルがリンたちを突き飛ばした瞬間、巨大な拳がさっきまでリンたちが立っていた場所に振り下ろされた。

 

 

『Grrrr……』

 

 

振り返ると、そこには巨大な体躯に異様な程大きな拳を持ったエーテリアス『ファールバウティ』がハルたちを獲物を狙うかのように見ていた。

 

 

「え、エーテリアス!?」

 

ハル「アキラ、二人を出口へ!トイストーリーガ……間違えた、こいつは俺が!」

 

アキラ「わかった。二人はこっちへ!」

 

リン「今何を言おうとしたの…?」

 

 

アキラが二人を連れて離れたのを横目に、ハルはブリッツドライバーを装着して、コアバッテリーを装填する。

 

 

〈セット!ラビット!〉

 

 

ハル「変身!」

 

 

〈ディスチャージアップ!〉

〈スパークラビット!〉

 

 

ブリッツ「リンのこともあるからな……さっさと終わらせてもらうぜ!」

 

『Gaaa!』

 

 

そう言ってブリッツは駆け出し、ファールバウティも拳を叩きつけながら突っ込んでくる。

 

 

ブリッツ「フッ!」

 

 

振り下ろされた拳を避けて、ブリッツはコア目掛けて電撃を纏った拳でぶん殴る。

 

 

『Guaa!』

 

ブリッツ「うおっと!」

 

 

殴られてもファールバウティは、腕を薙ぎ払うように振り回してくる。ブリッツはバックステップで避けると、脚のバネを使って目の前まで跳び、お返しと言わんばかりに膝蹴りを叩き込んだ。

流石にこれは効いたのか、ファールバウティは後ずさった。

 

 

『Guuu……!』

 

ブリッツ「どうだ!───ん?」

 

 

ファールバウティは両腕を地面についてエネルギーを溜め始め、周囲からエーテルが集まり始める。

 

 

ブリッツ「へぇ……大技かましてやろうってか?」

 

 

〈フィニッシュチャージ!〉

 

 

迎え撃つべくブリッツもエネルギーを右足に纏わせ、両脚に力を込める。

 

 

『GUUAAAAA!!』

 

 

ファールバウティは跳び上がると、ブリッツ目掛けて両拳を叩きつける。衝撃で地面が砕け、砂埃が巻き上げられる。

 

 

『Grrr………?』

 

 

しかし、叩きつけた場所にブリッツの姿は無く、ファールバウティは周囲を見回した瞬間──

 

 

ブリッツ「ゼェアアアアア!」

 

『!?』

 

 

〈スパークラビット!フィニッシュ!〉

 

 

上からブリッツの声がして、見上げた時には既にブリッツの必殺キックが目の前まで迫ってきていて、避けることもできずもろにキックが直撃したファールバウティは地面に叩きつけられ、そのままボロボロと崩れ消滅していった。

 

 

ハル「ふぃー……」

 

アキラ「ハル!大丈夫かい?」

 

 

変身を解除したハルの元へアキラが駆け寄ってくる。

 

 

ハル「なんてこたねぇよ。それより2人は?」

 

アキラ「先にホロウから脱出させた。僕たちも戻ろう」

 

ハル「あいよ」

 

 

他に被災者やエーテリアスがいないか、周囲を警戒しながら2人はホロウを後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リン「んっ…んっ……ぷはぁ〜!チョップ大将、おかわり!」

 

チョップ「おうよ!」

 

 

その後、ホロウを出て六分街に戻った3人は、チョップ大将の店に来ていた。

 

 

アキラ「食べすぎじゃないか?」

 

リン「いいじゃん!ずっとホロウの中にいたんだから!ていうかそれを言うなら、ハルなんてもう5杯も食べてるじゃん」

 

ハル「だって腹減ってんだもん。あ、チョップ大将、チャーシューメンおかわり」

 

チョップ「あいよ!」

 

 

そう言いながら6杯目を注文するハル。

 

 

アキラ「それで、具合はどうだい?」

 

リン「うん、ばっちり!……だけど仕入れたビデオはホロウに落としちゃったけど……」

 

アキラ「お客さん、がっかりするだろうな……新しいビデオが無くて」

 

リン「がっかりはお客さんじゃなくて、お兄ちゃんでしょ。まったく……」

 

アキラ「それなら、また明日仕入れに行こう。次はリンが決めていいから」

 

リン「ほんとに!?」

 

 

そう言ってアキラはリンに車の鍵を渡す。

 

 

リン「じゃ、いい事教えてあげる!お兄ちゃん、ドキュメンタリーが見たいんでしょ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リン「どお?よく撮れてるでしょ?」

 

 

ビデオ屋にて、3人はリンが用意したビデオを見ていた。

ビデオを再生しているテレビには、エーテリアスとそれに対峙するヒーロー……もといブリッツが映っている。

 

 

アキラ「これ……今回の視覚記録じゃないか」

 

リン「だめ〜?実話ベース、ドキュメンタリー風、ぶれぶれのカメラ──はFairyがいい感じに──ね?涙あり、スリルありの超大作!」

 

ハル「よう撮ったなこんなもん……」

 

リン「ふふん!でしょ?臨場感たっぷりで大迫力!」

 

 

リンの言う通り、エーテリアスの攻撃を避けての上からの必殺キックを決めているシーンは迫力満点に撮れている。

 

 

リン「そうだ!これ店に並べようよ!そしたら──」

 

アキラ「却下。ダメだ」

 

リン「もしかして照れてる?」

 

アキラ「あのね……」

 

ハル「てかブリッツとパエトーンはセットみたいに知られてるし、これ撮ったの知られたら怪しまれね?」

 

リン「あー……それもそっか……ちぇー、いい案だと思ったのになぁ…」

 

アキラ「また明日仕入れればいいだろう?」

 

リン「そうするしかないかぁ……ま、明日は私が選ぶからね!」

 

アキラ「はいはい…」

 

ハル「またラブロマンス多めにならないといいけどな」

 

リン「う、うるさいな…!」

 

 

ホロウから出れば、またいつもの日常へ。

こうして新エリー都の1日は過ぎていく。

 

 

 




幕間の後にちょっと番外の話入れようかと思ってたけど、思ったより時間かかったんで次から2章入ります。
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