やーっとちょっとずつ書けるようになってきたのでチマチマゲームの方も進めながらやっていきたいと思います。
グレースからの情報を元に、一行は『III型ホロウ用デモリッシャー』の反応があったホロウへと向かっていた。
するとホロウに入ったあたりで、リンがハルに声をかけた。
リン「そういえば、今回ハルが腰に付けてるの何?コアバッテリーが付いてるけど」
ハル「あぁ、こいつか?グレースさんが用意してくれてたコアバッテリーのホルダー」
グレース「ただ持ち運ぶためだけじゃないよ。なんとセットしておくだけで、大気中のエーテルを使って充電することができるんだ!」
リン「それってエネルギー切れになっても、その場で充電して再使用できるってこと?」
グレース「なんなら戦闘中にも充電できるから、バッテリーが切れたらフォームを変えて、充電しつつ戦闘を継続することができるんだ」
リン「すごい!これならバッテリー切れで変身解除とか考えなくて済むじゃん!」
ハル「まあ充電完了まで保たせないとだけどな」
グレース「それでもそこまで気にはならないかな……っと、ここだよ。あの子──『III型ホロウ用デモリッシャー』グレーテルの信号は、この近くから来ている」
クレタ「プロキシに先導してもらう必要があるな。グレース、デモリッシャーの特徴を教えてやれ」
グレース「あの子は真面目な頑張り屋さんさ!小さい頃のおチビちゃんも、同じくらい可愛かったなぁ」
ハル「性格を教えてどうすんねん」
クレタ「それで誰が分かるっつうんだよ……」
グレース「はいはい、あの子は地下道を掘るための機械さ。他の仕事にも対応できるよう、建築物の解体ができるチェーンソーも完備しているんだ!論理コアを更新すれば、もっと出来る子になってくれると信じていたのに……それがまさか、家出してしまうなんて……!」
クレタ「お前がしつこく更新しようとしたからだろ。パソコンの自動更新ばりにウゼえからな、それ」
リン「あー……なんか分かるかも」
ハル「俺、ちょいちょい放置してるわ……」
グレース「君も変わったね、そんなことを言うようになって。あ〜あ、小さい頃はあんなに可愛いかったのに……」
ベン「うーん、子供が大きくなる過程で、急に反抗期になるのはよくあることだろ?デモリッシャーにも、ついにその時が来たというだけじゃ……」
グレース「そんなのダメだよ!」
ベンの言葉に、グレースは声を張り上げた。
グレース「私の可愛い可愛い子供たちが、やりたい放題の反抗期モンスターになるなんて、絶対にダメだ!深夜に暴走族の集会に行ったり、わざと機体にキズを作ったり、剥がせない巨大ステッカーを貼ったり、違法混合エーテル燃料に手を出したり、旧文明のアニメを真似して他の機械と合体なんてしようものなら……」
リン「落ち着いてグレースさん、相手はまだ子供なんだから」
ハル「そうならないように、子供を導いていくのが親ってもんじゃね?」
グレース「……確かにそうだね。取り返しのつかないことをする前に、あの子たちを見つけないと──プロキシ、先を急ごう!」
しばらくホロウを進んでいくと、中央に大きな建物がある広い場所に出る。
デモリッシャーを探して周囲を見渡していると、何処からか声が聞こえた。
『それ以上来ないで!』
リン「ん?」
『ここはあたしたちの秘密の花園!』
ベン「女の子の声……?あ、そこだ!」
ベンが指した方には、建築途中であろう白いビルがあり、その上にデモリッシャー『グレーテル』がいた。
グレーテル『分かってるわよ!真白クンとの仲を引き裂く気でしょ?』
グレース「デモリッシャー……会わないうちにいっぱしの乙女になって……!」
ベン「グレース、おい……落ち着け。だが真白クンとは?白いのか?」
ハル「なあ、ベンさん。まさかとは思うんだけどさ……」
ベン「まさか……あの作りかけのビルか……?」
グレーテル『作りかけですって……!』
ベンの言葉に憤ったのかグレーテルは、ビルから飛んで目の前に降りてくる。
グレーテル『あたしね、真白クンと添い遂げるの……だから今の取り消しなさいよ!』
グレーテルはチェーンソーを展開して駆動音を響かせ、ハルたちに襲いかかってきた。
ハル「変身!」
〈ディスチャージアップ!〉
〈スパークラビット!〉
クレタ「か、変わった!?」
ベン「おぉ、あれが……」
デモリッシャーの突撃を避けてから、ハルはすぐさまブリッツに変身、その手には青い大型のハンドガンような武器が握られている。
〈ボルトチャージガン!〉
ブリッツ「あのチェーンソーに近づくのは悪手だな」
リン「とにかく動きを止めないと!」
ブリッツ「あいよ!」
ブリッツはボルトチャージガンを構えて発砲、発射された光弾がデモリッシャーの足元に命中して動きを止める。
グレーテル『キャッ!なにすんのよ!』
ブリッツ「うおっと!」
デモリッシャーはチェーンソーを振り回し、ブリッツはそれを避けながらボルトチャージガンによる射撃で動きを制限していく。
ベン「いいぞ!そのままデモリッシャーの動きを止めるんだ!」
ブリッツ「了解!ならこれでどうだ!」
ブリッツは蜘蛛のマークが描かれた赤紫色のコアバッテリーを取り出して、ボルトチャージガンの銃身を倒し、中のスロットにコアバッテリーをセットして銃身を戻してからグリップの上のスライドを3回引く。
〈スパイダー!〉
〈フルチャージ!〉
ブリッツ「はっ!」
〈ボルテックシューティング!〉
ブリッツがボルトチャージガンをデモリッシャーの頭上に向けて撃つと、エネルギーのネットが展開しデモリッシャーの動きを封じた。
グレーテル『な、何よこれ!?動けないんだけど!』
ブリッツ「いっちょあがりっと」
クレタ「フー、よくやったハル」
すると一息つく間も無く周囲が騒がしくなってくる。
ベン「まずいな……戦いの音を聞きつけてエーテリアスが集まってきたぞ!」
ベンの言った通り周囲をエーテリアスが取り囲んでおり、真白クンの方にもエーテリアスが群がっていた。
グレーテル『やだっ!真白クンから降りてよ!ばっちい手で彼に触らないで!これ以上失礼なことされたらあたし…あたし………』
グレーテル『メッタ切りにしてやっからな!カビの生えたカスどもがああ!!!』
クレタ「き、急に豹変しやがった!?」
ブリッツ「しかも拘束を破りやがった!?」
怒りで豹変したデモリッシャーはネットの拘束をぶち破るとエーテリアスの群れに向かって突撃していった。
グレース「驚いた、これが恋する乙女のパワーってやつ?」
クレタ「1.4トンのチェーンソーぶん回して、エーテルと電気のハイブリッドで動く乙女がどこにいるんだよ!」
ブリッツ「ゲームのボスキャラでしか見ねーぞこんなん」
リン「そもそもこの世界ってゲーm…」
ブリッツ「やめないか!」
そうこうしてるうちにデモリッシャーはエーテリアスを蹴散らしながら真白クンの方へ突っ込んでいく。
ベン「待ってくれデモリッシャーさん!そっちは……」
ベンの制止も間に合わずデモリッシャーのチェーンソーはビルの支柱を破壊してしまった。
グレーテル『ご、ごめんね真白クン!あたしってば取り乱しちゃって……』
デモリッシャーは我に帰るが、支柱を破壊されたビルは大きな音を立てて崩壊、デモリッシャーはその下敷きになってしまった。
グレーテル『真白クウゥーーーン!しっかりして真白クンッ!!』
ベン「さっきの一撃で耐力壁が壊れたか……」
リン「あっちゃあ……」
ブリッツ「真白クン、ここに眠る……」
クレタ「やめろ縁起でもない」
グレーテル『そんな、真白クン……全部あたしのせいだ……』
グレース「自分を責める必要はないさ。むしろ、私は君に『おめでとう』と言いたいくらいだよ」
グレーテル『え……?』
ブリッツ「アンタイッタイナニイテンダ!?」
ベン「おっ、おい…グレース!自分が今なにを言ってるのか、ちゃんと分かってるのか?」
クレタ「しまった!グレースはメカには強いが、恋愛は経験ゼロのド素人なんだ!」
ブリッツ「この人容姿だけなら結構モテるんだけどなぁ……」
周りを他所にグレースは続ける。
グレース「顔を上げて、周りを見てごらん。真白クンが君を抱きしめてるよ!」
グレーテル『!!!』
グレース「これは建物にとって、一生に一度しか交わせない『抱擁』さ。彼はそれを君に捧げたうえ、エーテリアスからも守ってくれた。素敵な恋人じゃない。君はビルを見る目があるね」
グレーテル『ううぅ……』
グレース「大丈夫、これは永遠の別れじゃないさ──私達がそうさせない。ほら、一緒に帰ろう?みんなで力を合わせて、新しい土地に真白クンを建て直そう!」
グレーテル『うわああああああああん!!』
グレースの言葉にデモリッシャーは声をあげて泣きじゃくる。
グレーテル『ぐずっ…う"ん、あだぢ、一緒にがえる……!』
こうして一行は無事にデモリッシャーを連れて帰ることができた。