ホロウを駆ける電光   作:ケルさん

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第8話 列車を止めに

 

 

 

 

 

 

─ デッドエンドホロウ ─

 

 

アキラ「もしもし、リンもハルも猫又も、聞こえてるかい?」

 

猫又「おお、すごい……!直接ホロウの中と通信できるプロキシなんて初めてだぞ…どうりで、ニコが新エリー都最強のプロキシって言うわけだ!」

 

アキラ「褒めてくれてありがとう。今から列車を止めるための計画を始めるよ。行動する前に、まずは要点をおさらいしよう」

 

ハル「目標は、爆薬を積んだ無人列車だな」

 

猫又「自動運転だから、路線を切り替えさえすればトンネルを通るように仕向けられるぞ!そして列車がトンネルに入って減速し始めたら、あたしはその隙にボンプを列車の上に投げる!」

 

リン「そっからが私の見せ場だね!」

 

アキラ「あぁ。リンは列車のメンテナンスハッチから内部に潜入して、運転室で列車を止めるんだ。僕とFairyがサポートするから、安心して行っておいで。それとデッドエンドブッチャーの具体的な位置は不明のままだ。くれぐれも慎重に行動するんだよ」

 

猫又「りょーかい!」

 

ハル「オーケーだ」

 

アキラ「それじゃ、行動開始だ。グッドラック!」

 

 

3人は制御室を目指してホロウを進み始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく進むと、廃棄された車両が、奇妙な角度で横たわっている場所に着いた。

 

 

猫又「ん?この電車は一体……プロキシ、あたしたち道を間違えてない?」

 

アキラ「いや、君たちの進路は間違ってないよ。見たところ、この車両は外的な力で破壊されている。おおかた、エーテリアスが投げたんだろう」

 

ハル「それしかないだろうな。でなきゃこんな変な角度で置かれてるわけがねえ」

 

猫又「お、恐ろしい馬鹿力だ……」

 

ハル「相手することが無いといいけどなぁ……」

 

リン「それフラグ……」

 

ハル「こんなとこに居られるか!俺は帰らせてもらう!」

 

リン「なんで逆に立てるのさ!?」

 

猫又「何やってるんだ……?」

 

アキラ「次の目的地は、車両の向こう側だ。何とかしていけそうかい?」

 

猫又「あたしだけなら、全然よじ登っていけるけど……ボンプを連れてくとなると、ちょっと大変だぞ」

 

ハル「ちと強引だが、電車の扉をぶった斬って通るか?」

 

リン「その方が早いかもね」

 

ハル「おっしゃ、それじゃ………あん?」

 

 

車両の扉を斬ろうと、背中のブレードに手をかけたところで、ハルが動きを止めた。

 

 

猫又「うん?どうしたんだ?」

 

リン「ハル?」

 

ハル「……気をつけろ、中に誰かいる」

 

リン「え、中に?」

 

「あ、あの、えっと……」

 

 

すると、電車の中から女の子の声が聞こえてくる。

 

 

猫又「んにゃっ!?で、電車から声が!?しかも可愛い女の子の声だったぞ!」

 

「えぇっ?」

 

ハル(こ、この声はまさか……!?)

 

猫又「電車さん!あたしたち急いでるの!ちょっとだけでいいから、そこをどいてくれない?」

 

リン「猫又ったら。向こうに誰かいるんでしょ?」

 

アキラ「あまり向こう側のお嬢さんを怖がらせないようにね」

 

「あの……皆様は、ホロウ調査協会の調査員様ですか?」

 

ハル(あっ(察し))

 

 

電車の向こう側の少女はそう質問してきた。

そして少女の声や話し方に反応して、ハルが大量の汗をかき始める。

 

 

猫又「相手の名前を聞く前に、まずは自分から名乗るのが業界のルールだぞ」

 

「えっ?そ、そうなんですか?ごめんなさい、そのようなルールを……存じ上げておりませんでした……えっと…私はカリン、家事代行会社の従業員です。星座は双子座、血液型はRh-、好きなことはお掃除です。市民ナンバーは……」

 

ハル(やっぱカリンだぁ……どうしよ)

 

猫又「そ、そこまで細かく言わなくてもいいぞ……それで、カリンちゃんはどうしてこんなとこに?」

 

カリン「つ、ついさっき、危険なエーテリアスを避けて通ろうとしましたら、同行していた皆さんとはぐれてしまったんです……私はキャロットデータを所持していなくて……調査員のお2人なら、きっとホロウから脱出するルートをご存知ですよね?ど、どうか私も連れていっていただけませんか?」

 

 

カリンのお願いに、3人は顔を見合わせる。

 

 

猫又「ホロウで道に迷った一般人、か……ってハル、どうしたんだ?すっごい汗かいてるぞ?」

 

ハル「あ、あぁ、ちょっと暑くなってきてな……」

 

リン「え?そう?そうでもないけど……」

 

カリン「ハル……?あの、もしかしてハルさんがいるんですか?」

 

リン・猫又『え?』

 

 

カリンの言葉にリンと猫又が反応した。

そしてハルはバッ!と勢いよく顔を逸らした。

 

 

猫又「カリンちゃん、この人……ハルを知ってるのか!?」

 

カリン「は、はい。同じ職場の従業員で色々助けてもらったりしてて……」

 

リン「ちょっとハル、一体どういうこと?」

 

ハル「……バ先の同僚」

 

リン・猫又『マジで!?』

 

ハル「あーもう!んなことは後だ後!まずはこの電車どうにかしねえと…」

 

カリン「あ、あの……もし私が、皆さんを車両のこちら側までお招きできれば……そのまま調査員様について行ってもよろしいでしょうか……?」

 

猫又「にゃ?あたしたちがそっち側に行く方法があるの?」

 

カリン「だ、大体そんな感じです。ちょっとだけお待ちください!すぐに済みますので!」

 

猫又「すぐって言っても、下から来るのか?」

 

 

カリンの言う通り、3人は待っていると、突然エンジンの駆動音が響き渡る。

 

 

猫又「にょわぁ!?ヤな音だ!」

 

ハル「危ないから下がってな」

 

 

ハルは猫又を引っ張り、扉から遠ざける。

すると、電車の扉からチェーンソーが高速回転しながら飛び出してきた。

 

 

猫又「いやぁぁぁ!?」

 

ハル「相変わらず見た目の割にクレイジーなもん振り回すねぇ……」

 

リン「な、慣れてる……」

 

 

扉のあちこちが切り裂かれていき、中央が切られたことで扉が倒されて、目の前を砂埃が舞う。

 

 

カリン「んしょ、うん、破れてない……あ!お、お待たせいたしました!は、初めまして!」

 

 

3人の前に現れたのは、くすんだ緑色の長髪をツインテールにしたメイドの少女だった。

 

 

 

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