エンデュミオンのカスの方の英雄   作:パパパパンパース

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女カス「ぱんつぁー、ふぉー!」

みぽりん「ブッチャーさんチーム……あ、あの、偵察時に敵戦車の視察孔へシュールストレミングを流し込むのはやめて……え、審判団は説得済み? 弱みを?……え?」

みぽりん「ブッチャーさんチーム、どうして開始早々に相手の位置がわかるんですか? え? 相手隊長車の全員と、え、寝た? え?」

みぽりん「ブッチャーさんチーム、煙幕に催涙ガスを混ぜないでください、規定が……え、新開発の偶々臭い煙幕?……うーん……」


みぽりん「黒森峰は重戦車が多いので榴弾で地面を砕いて速度が落ちたら履帯だけ狙ってください。各車両は偶々積み込んである火薬が大量に詰め込まれて強い圧力を加えると爆発する可能性のある不良砲弾を適宜相手戦車が踏むように投棄してください。履帯交換で搭乗員が疲弊し切るまで続けましょう。カスカス作戦です!」

女カス「みぽりんはワシが育てた」



第40話 オランチョ小隊、新メンバーです!(ガルパン風)

 

「はーい小隊集合してー」

 

色々なことがありアークエンジェルの乗員が2人増えた翌日、そんな呼びかけにキラたちオランチョ小隊の面々が食堂へ行くと、そこにはテーブルに座る隊長であるカスと、顔を青くしたカガリがいた。

 

どうやら嫌な予感は当たってしまったらしい。

キラはそっとため息をついた。

 

「今日はお前らに新入りを紹介しまーす。カガリ・ユラちゃんでーす。ちょっと反抗的なのがチャームポイントで銃弾打ち込むとすぐ静かになる特技がありまーす。仲良くしてやれなー?」

 

それは全人類共通の特技だわ……特技とは言わねえわ!

その場にいた全員が思ったが口にはしなかった。その程度の分別はオランチョ小隊員にも存在した。

 

「見かけによらずお嬢だから下ネタは程々にな。ミリりっちょ、自分よりおっぱい大きいからってイジメちゃだめだぞ?」

 

「流れるようにシモ吐くじゃん」

 

トールは呻いた。

すぐ横にいるミリアリアには怖くて目が向けられなかった。控えめに言って血を求める獣の気配がした。

 

「……っち」

 

舌打ちまで聞こえた。トールはそっと天井を見上げた。

 

「その子、役割は決まってるんですか?」

 

シレッと小隊入りしていたフレイが問い掛けると、カスはニコリと笑って言った。

 

「や、特になんもねえわ。はは、カズイこれ使()()? 軍籍もねえ民間コードもねえ、本来ここにはいちゃいけねえ人間だからな。好きにしていいよ?」

 

それを聞いて青を通り越して白い顔になるカガリ……とカズイ。

 

「や、やですよそんな、いきなり言われたって困りますよ。隊長がしっかり見てくださいよ」

 

「ったく、これだからDの意志を継ぐ奴は」

 

「普通の人間はこういう反応になるんですよ隊長」

 

「お前武装色の覇気覚えたらハゲ頭黒くなんの? ぷっ、劣化チンジャオじゃん」

 

「知りませんよ!!」

 

一頻りカズイをイジると、カスはカガリの肩を叩いた。

 

「つう訳でこのガキは副隊長のキラ、見習い兼パシリのニコルに任せた」

 

「え?」

 

キラは戸惑いを隠せなかった。

 

「物理的に時間が無いんですが……主に隊長のせいで」

 

「ん、そうか? じゃあ何個かニコルに振っていいよ」

 

「待ってください。いつから僕はこの小隊の見習い兼パシリになったんですか? あと、僕も時間なんてありませんよ。主にあなたのせいで」

 

ニコルが抗議の声を上げた。

捕虜から徐々に協力関係を構築して来たと思ったら自分の立場がえらいことになっていた。

キラ同様、クソみたいなタスクを振られ戦闘員でもないのに毎日フラフラになるまで働いているニコルは、まさに今自分の尊厳が死のうとしていることに気付いた。

 

「ったく、最近のガキはすぐサボりたがるな……しょうがねえ、ここは俺がありがたい薫陶をてめえらシャバ僧に授けてやろうじゃねえか」

 

「サボる時間すらないって言ってんですよ」

 

「キラさんに同じく」

 

最近はキラもニコルも言うようになって来ており、順調に舎弟フェーズ3の道を駆け上がっていた。

 

「まあ聞けよ。俺は自他ともに認める出来の良い最高の軍人だが、学びの機会はプライベートにこそあるってのを知っている。それをお前らに教えてやろうってのさ」

 

カスは得意気にそうほざいた。

 

絶対役に立たねえだろそれ、とその場にいたフレイ以外の全員が思った。

フレイは自分の好きなツラした男が好きな声で好きに喋っているのをニコニコで聞いていた。

 

サイは不整脈を起こした。

 

「あれは士官学校時代のことさ」

 

懐かしむようにカスが語り出す。タバコを咥えると、飛んできたトリィが翼を広げる。胴体から翼にかけて張り巡らされた電熱線が通電し赤熱。翼の先をタバコへ近付け火をつけた。

 

「またわけの分からない機能を……!」

 

憤るキラを無視してカスは続けた。

 

「イイトコ出のお嬢様姉妹からほぼ同時に告られて悩んだ俺は、それぞれ友達を呼ばせて5Pをやって、ツラが良い方の友達を呼んだ方を先に抱いてやると約束した」

 

それを聞いたニコルとカガリは自分の中にある常識メーターの目盛りを目一杯マイナスへ振り切らせた。

他の小隊員は常時そうしていたので大丈夫だった。

 

「とは言え俺も若かった。5Pは初体験で、しかも直前まで違う女を抱いてたせいで体力的にもキツかった」

 

それを聞いたニコルとカガリは自分の中にある常識メーターの目盛りを限界を超えてマイナス方向へ捻り最終的には叩き壊した。

他の小隊員は常時そうしていたので大丈夫だった。

 

「何より時間だ。開始時点で既に2時、翌日は朝から別の女……の母親とデートの予定があって、今のお前らよりもカツカツだった」

 

一緒にするんじゃねえよ、とキラは思ったが少し想像すると詰み具合は似たようなもんかもしれなかった。所詮は童貞の想像に過ぎなかったが。

 

「刻一刻と迫る中、もはや女の顔などどうでもよくなっていた俺は最終的に……」

 

カスはトリィが腹部をスライドして出した灰皿へ灰を落としながら続けた。

 

「手と腰をいつもの2倍の速度、精密さで動かす事によって、この窮地を脱したのさ」

 

想像以上にクソどうでもよく、それ以上にしょうもない話を聞かされたキラは思わず返した。

 

「それがなんなんです?」

 

答えはシンプルだった。

 

「言ったろ? 薫陶だよ。時間が足りねえならいつもの倍速く動くんだよ。それでも駄目なら3倍で。汗かけ若いんだから」

 

「そんなバカな」

 

ニコルは呻いた。

 

「あ、あの……それで私はどうしたら……」

 

カガリが恐る恐る声を上げると、カスは宣った。

 

「今日一日でおめえの適性を見るから。ブリッジ勤務、掃除洗濯料理、事務、整備、射撃、白兵戦、非正規戦、パイロット、パシリ諸々な」

 

カスが吸い終わったタバコをトリィの口へ押し込むと、トリィはゲップをして飛び立って行った。

 

「トリィが空飛ぶ灰皿にされている……!」

 

キラは戦慄した。

 

「各テストはここにいるキラとニコルがやる。片や元ヘリオポリス市民で今軍人で俺の部下で舎弟で相棒、もう片方はザフトの捕虜で今は俺の舎弟だ。2人とも童貞だから寝るなら今の内だぞ」

 

「しゃ、舎弟!? 良いように使ってくるからまさかと思ったら、僕も舎弟だったんですか!?」

 

ニコルは戦慄した。どうやら本人には無許可で舎弟化していたらしい。

 

「ニコル、こんな時代だ。生き方を選べる人間は少ない。心の芯を握り締めて、戦争という災禍に立ち向かっていく魂の輝きを見失うな」

 

カスの瞳は静かな優しさを浮かべていた。

 

「いや人災ですよこれは! 訴えたら勝てますからね!」

 

しかしニコルは争いを求めた。これこそが人の業か、とカスは天を仰いだ。

 

「あの、それで、そのお嬢様姉妹とはどっちと付き合ったんですか?」

 

ニコニコのフレイが可愛く挙手をして聞いた。目の前の悲劇的な光景は完全にアウトオブ眼中のようだった。

 

「アルスター、人の話はよく聞くんだ……俺は可愛い友達を連れてきた方を()()()()()と言っただけで別に付き合う約束なんかしてねえよ」

 

「うわ最低」

 

ミリアリアが汚物を見る目で吐き捨てた。

 

「おら、そういう訳だからカガリは今日中にテスト終わらせろよ。結果は分析まで終わらせて定時までに提出な。キラはドリンクバーにブルーハワイソーダ追加と予備のビームサーベルをスカイグラスパーの主翼の先から伸ばせるように図面引いてマードックに渡してブリッツのブースター出力15段階位に設定してエンスト起こさねえように改良しとけな、後、昨日取ってきたトカゲ美味かったからお代わり、0時まではストライク使っていいから行ってこい。ニコルは引き続きブリッツ高速戦闘時のラグ調整と椅子1GP用の機体作成、今日中な。あとお前にはレースの際バニーガールの格好をしてもらうから衣装も作っとけよ。ミリりっちょがまさかのノーパッドだったからずり落ちねえように作れな。まあ、ウエストはお前のが細いか(笑)終わったらトールをジンでシミュレーターでクルーゼに5先勝ち越せるように鍛えろ出来るまで寝るなよ、解散!」

 

「うええああっ!」

 

ニコルは泣き出した。

 

「(笑)、じゃねえんですよ隊長ぉ!!!」

 

ミリアリアがテーブルに置いてあったフォークを掴んだがトールが必死に止める。

 

「ミリィ! 落ち着くんだミリィ!」

 

「離してトール! これは正義の裁きよ!!」

 

「目が完全に殺意色なんすよミリィさん! 頼むから落ち着いて! 今度甘い物奢るから!!」

 

「ラブラブだな」

 

カスは呆れたように言った。

 

「ラブラブで羨ましいなー、ね、隊長?」

 

フレイがその横に来て誘うようにカスを見上げた。

 

サイは痙攣を起こして倒れ伏した。

 

カズイはそんなサイを引き摺ってブリッジへと向かった。交代の時間だからだ。

 

「夜の砂漠で爬虫類が見つかる訳ないでしょ……!」

 

キラもぶつくさ言いつつも、1日の流れに大幅な修正を加えながら動き始めた。ニコルとカガリもその後に続く。

 

「えと、カガリさん」

 

キラの呼び掛けにカガリはおずおずと返答する。

 

「あ、ああ、カガリ・ユラだ。細かいことは苦手だが、戦闘はある程度経験がある」

 

「うん、よろしくね。それじゃ取り敢えずパイロット適性から見るんで、シミュレーターのある格納庫に行こっか」

 

優しげな目の前の少年が、カガリは既にちょっと好きだった。

だって優しいから。こんなドブの底みたいな環境の中で、なんなら理不尽に殴った自分にも優しいから。

生まれたての子犬みたいなチョロさだった。

 

とは言えそこから35時間程度、カガリ達3人は不眠不休で動き続けた。終わる頃には、そんな甘酸っぱい初恋のようなものは、カピカピの米粒みたいになってカガリの心の隅っこにへばりつく程度のものになっていた。

 

ニコルはずっと泣いていた。

 

なお、トールはちゃんとクルーゼに5先で勝ち越せるようになった。

リミッターを外したジンで突っ込んで自爆する戦法で、シミュレーターが搭乗者生存の乱数を連続で引くまで続けるというやり方で都合3500戦程繰り返した。

 

人の言葉を話せるようになるまで1日かかった。

 





ガルパンはいいぞ。

僕は役職者なので残業代は出ないんですよ。だから無茶振りされるんですがね。出世も一長一短ですよね(笑)

なんとかトカゲを確保したキラは帰還時に苦情を受けました。
お前のペットロボットがヤニくせえ糞を共用部に落としていくんだけど、と。

キラの 殺意が ぐーんと 上がった!
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