エンデュミオンのカスの方の英雄   作:パパパパンパース

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このSSでカスが女だとオーブ位で赤服が全員食われてそこで終わるんすよ物語。
童貞は初めて捧げた女を撃てないから。

今回は日常回になります。
トール本当に大丈夫?という声も多かったので。



第41話 ニュートラル・デイズ

 

『繧斐∞縺ゅ≠縺ゅ≠?√≠縺ゅ≠縺ゑシ?シ!』

 

ブリッジでムウが持つデバイスから、悲鳴のような叫び声が聞こえてくる。

 

「あの、大尉……それは一体何を?」

 

砂漠へ降り立ってから3日、いきなり情緒不安定になっていたマリューもすっかり持ち直し、今では日に2回の抗不安薬のみで普段通り任務にあたっていた。

 

「ん? ああ、これな……トールの奴がシミュレーターとは言え、あのクルーゼに勝ち越したっていうから、そん時のデータを観てたんだよ」

 

眉にしわを寄せたムウがそう答えると、その場にいた全員から驚愕の反応が返ってくる。

 

「え、あの!?」

 

マリューは思わず聞き返してしまったし、

 

「にわかには信じ難いですが……本当ですか?」

 

ナタルに至っては秒で何らかの不正を疑っていた。

 

それ位に、ラウ・ル・クルーゼという男の名前は地球連合軍の中でも有名だった。

何せ、彼が参加するほぼ全ての戦場で、地球連合軍は戦術的に敗北しているのだ。

 

ザフト軍の紛れもないトップオブエース、それがラウ・ル・クルーゼという男に対する評価だった。

 

「あの、シミュレーターのデータが不完全だったりとか……」

 

マリューが問いかけるが、

 

「どうかな……あのシミュレーター、実際に奴と戦闘してる俺やセイル、坊主のデータが反映されてるし、ザフト特有の部分についてはニコルも手を加えてるからな……完成度や再現度はかなりのもんだと思うぜ。ていうか、未だに毎日のようにアプデが走ってるから……パシられてる坊主達の手で」

 

ムウはやんわりとそれを否定した。

 

「あの、まだ誰も使わない内からシミュレーター内に引っ掻き傷や鼻血や涙の後がついていたとか……」

 

「坊主のだな」

 

「夜中に中から誰かの泣き声がするって噂の?」

 

「まあ、坊主本人だな……たまにニコルもなんだろうが」

 

一刻も早く格納庫からあの呪物をどかしてくれ、専用線なら艦内のどこにだって引き込んでやるから、と整備班からガチ目の苦情が出ていたのをマリューは思い出した。そして、それをポッケナイナイしてシカトを決め込んでいたことも。

 

「今じゃ特級呪物過ぎてパイロット以外誰も近付きゃしないんだが、中身は最新なんだよ。俺も何度も使ってるが、大量のシチュエーション設定やら細かなパラメーターやらあるし、リザルトは再現映像としても見られる。ありゃハッキリ言って異常な性能だぜ?」

 

そう、アークエンジェル格納庫に鎮座する、増築されまくりの数多のケーブルと高性能演算装置に囲まれたシミュレーターは、まさにキラとニコルの血の滲むような努力の果てに突出した性能を獲得したのだ。

 

元々は5機のG兵器を運用する為に、訓練用として用意されたものである。そこにカスが持っていた本来流出してはいけない類のデータが流し込まれ、キラ製OSの動作が登録され、ニコルがザフトのマニューバデータ等を補完した結果生まれたモンスターマシーンだった。

 

なにせキラ達が手を加えるたびに、

 

『コシが弱え』

 

『背脂のない家系みてえ』

 

『このプロトジンは出来損ないだ、食べられないよ』

 

『まろ味が足んねえ』

 

『少年の心を感じない』

 

『味ネギのないラーメンショップ』

 

『山岡さんのアユや』

 

『普通過ぎてつまんない』

 

『ち◯ぽ』

 

『うんち』

 

『ニンニク聞かれずに小豚持ってこられた気分』

 

『ヌルヌルし過ぎ、ローションかよ』

 

『素人意見なのですがよろしいでしょうか』

 

等とカスからの中身の無い指摘を食らい続け、キラとニコルが何度か精神崩壊しかけるような目に合ってアプデしてきたのだ。

そうして出来上がったのはシミュレーターという名の何か形容しがたい装置だった。

 

ムウは唸る。

 

「それ使って、トールはクルーゼに勝ち越したんだよ……奴のライバルとしちゃ、放っとけないでしょ……まあ、今んとこ失敗の記録しかねえが」

 

そしてまた、デバイスのデータを再生する。

 

 

『繧斐∞縺ゅ≠縺ゅ≠?√≠縺ゅ≠縺ゑシ?シ!』

 

ちゅどーん

 

『繧斐∞縺ゅ≠縺ゅ≠?√≠縺ゅ≠縺ゑシ?シ!』

 

ちゅどーん

 

『繧斐∞縺ゅ≠縺ゅ≠?√≠縺ゅ≠縺ゑシ?シ!』

 

ちゅどーん

 

『繧斐∞縺ゅ≠縺ゅ≠?√≠縺ゅ≠縺ゑシ?シ!』『繧斐∞縺ゅ≠縺ゅ≠?√≠縺ゅ≠縺ゑシ?シ!』『繧斐∞縺ゅ≠縺ゅ≠?√≠縺ゅ≠縺ゑシ?シ!』『繧斐∞縺ゅ≠縺ゅ≠?√≠縺ゅ≠縺ゑシ?シ!』『繧斐∞縺ゅ≠縺ゅ≠?√≠縺ゅ≠縺ゑシ?シ!』

 

ちゅどどどどどーん

 

 

「……んん?」

 

何かに気付いたのか、ムウが声を上げる。

 

「待てこれ、焼き増しみたいに同じ光景だから気付かんかったが、微妙に体勢が違うな……」

 

今更だが、『繧斐∞縺ゅ≠縺ゅ≠?√≠縺ゅ≠縺ゑシ?シ!』はトールの声で、ちゅどーんはMSの性能限界を超えた速度で敵機に突っ込み爆散するトール機が放つ音だ。

そのトール機であるジンが持つ重斬刀の位置や角度が、微妙に変わっていた。

 

よく見ると、ファイルナンバーが『1962/3545』とあった。

ムウは背筋に冷たいものが走るのを感じた。

 

「まさか……試行回数でゴリ押したのか?」

 

にしても3500はないだろ、3500は。

ムウはそのファイルを一番最初から再生し直した。

 

勝っているのは最後の方だろうと真ん中過ぎ位から観ていたので、逆になんでこの戦法を取っているのか分からなかったのだ。

 

 

 

『……えー、これからトール・ケーニヒ二等兵のシミュレーター訓練を開始します……』

 

冒頭、キラの陰鬱とした声が聞こえてきた。どうやらボイスレポートを入れていたらしい。

 

『目標値であるクルーゼ機に5戦して勝ち越しですが、事前検討の結果、仮に通常のジンを使った場合、勝率が完全に0%だった為、意図的にオーバーロードさせて近距離ならコーディネイターでも反応出来ない速度が出るジンを用います。ニコル君、トール本人と協議の結果、コックピット周りの装甲を固めた上で近接距離から突貫、自爆により相討ちからの奇跡的生還をもって勝利と定義することとします……1戦あたり2秒で済みますし、出力上げすぎて乗ってるジンも5秒で自壊するので』

 

「んなアホな……」

 

ムウは何戦かおきにそのボイスレポートが挟まれているのに気付いた。

 

『250戦目、生存率がずっと0%だった為かトールの精神が崩壊し言葉が喋れなくなりました』

 

「だろうよ」

 

『300戦目、偶々誤って重斬刀を装備して出撃したところ、初の生還を記録。四肢断裂、全身重度の火傷、脳挫傷、脊椎粉砕骨折で宇宙空間に放り出されたものの、戦闘後3秒間の生存判定。勝利条件達成と判断』

 

「生きるとは」

 

『500戦目。分析の結果、自爆の際に破砕した重斬刀の破片が偶然熱を遮断。熱輻射が発生しコックピットへの被害が軽減されたと判明。以降、固定装備として重斬刀を設定します』

 

「……ハァ?」

 

『1000戦目でニコル君の分析が終わり、このやり方の生存率が0.068%であることが判明。トールは正常な判断力を失っていた為、僕とニコル君で協議の結果、この確率を一番最初に引けてるなら無敵じゃないですか? とニコル君が言ったので続行します』

 

「もう徹夜明け飲み会後のテンションだろ……」

 

『1050戦目、システムのエラーログチェックをしてたカガリさんが何もない空間を見上げてケラケラ笑い出す。ニコル君とこんな時期もあったね、と歓談。懐かしい』

 

「まだ一月も経ってないだろよ……」

 

『1073戦目、初の2連続生存乱数を引き当てる。かつてない興奮。宝くじに当たった気分だ。5戦ワンセットでやって来て2勝は初めての出来事。奇跡よ起これ……』

 

「何か違うチャレンジになってない?」

 

『1320戦目、あれから一度も勝てず』

 

「あ……」

 

『2015戦目、久し振りの勝利。光射す、神はいた。ニコル君とカガリさんが3()()で話し出す。よくある光景』

 

「単純作業は人を壊すから……」

 

『2250戦目。数分に一度正気に戻るニコル君から、複数戦まとめて実施することを提案貰う。一理あったが演算装置の処理が追い付かない』

 

「それは正気と呼べるのか……?」

 

『2270戦目、メビウス・ゼロって量子演算装置積んでましたよね?』

 

「おまっ!」

 

『2550戦目、大幅な速度アップに成功……これ元に戻せるかな……?』

 

「俺の愛機が!!?」

 

『3545戦目、ついに5戦3勝で目標をクリア。何も感慨がわかない。心が凪いでる。感情ってなんだっけ……?』

 

「あかんわ」

 

『……これ本当に必要だったのかな……訓練になってない気が……再現性ほぼゼロなんだけど。自爆特攻が得意なパイロット育成メソッドにはなるのかな……ならないかも』

 

「悪の帝国かな?」

 

『訓練を終了します…………ああ、夜が明ける……ニコル君、次行こう次……そんなとこに虫は居ないから、大丈夫、大丈夫……』

 

 

 

最後のボイスレポートが終わっても、ブリッジはしばらく静かだった。

 

「……何の参考にもならなかったな」

 

「それでもボイスレポートだけ追えば良いようにしてくれてるキラ君の気遣いに泣けるわね」

 

「ニコルと嬢ちゃんもな。よくやったよホント」

 

「あのう……」

 

ずっと聞いていたカズイが恐る恐る声を上げた。

 

「ん? どうしたカズイ」

 

「そのシミュレーション、時間かかるからってトール以外は()()()1()()()対応してた筈ですよ……()()()()訓練室から出て来たニコル君達からそう聞いてます」

 

「………………………」

 

「………………………」

 

「………………………」

 

黙り込むマリュー、ナタル、ムウ。

 

「戦闘員の統率はフラガ大尉ですよ」

 

「クルーの管理は艦長が……」

 

「これ中尉案件だと思うからナタルでいいんじゃないかしら」

 

汚い大人達のじゃんけんは、あいこ15回までもつれ込んだ。

 




日常回でしたね(断言)
トールは当面パイロットやるのを禁止されました。可哀想にね。
シミュレーションでトールの脊椎は加速した瞬間に折れてます。可愛いですねナナチ。

さて、そろそろ話を前に進めないとですね。


ガルパンは僕の創作のバイブルなんですよ。
クソみたいな仕事をして、ガルパンを観ます。

大体プラウダ戦のバレー部のとこかアンツィオ戦後の食事会で泣きます。この時、黒森峰戦のうさぎさんチームを観て泣いた場合はより限界が近いサインです。寝ましょう。

余裕があれば旧劇版を観ます。
コミックスも併用して脳内で名言を補完しながら主にKV-2の最期で泣き始め、偉大なるレオポンの勇姿に震え、いったん停めて継続高校の見せ場をもう1回観たら知波単の覚醒に酔いしれます。
後はエンディングまでノンストップで流します。なぜか泣きます。

そしたらなんか出力されたのがカスです。
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