戦略フェイズのお話。
こういう話の方が書いててワクワクするのは、個人差ですかね。
現時点でダコスタ君がキラに会うと、スピリチュアル的なアレで色々察した上で、『これはこれは兄弟子……お久しゅうございます』(初対面)とか言い出します。
アークエンジェル格納庫の片隅、床に地図やら各種資料を並べた周りに、カス、ムウ、キラ、マードックの4人が座っている。
戦闘職3人プラス裏方番長だ。
「あの、理屈の上では、凄く単純でして……」
話題はこの先の戦闘について……の前に、先の遭遇戦でキラがやった遠距離射撃のネタバラシをさせられていた。
「宇宙と違って、ここには地面があるじゃないですか。自分の位置が安定するなら、サバイバルとか登山で、自分の位置を基準にして目的地を
その言葉に、ムウは眉を顰める。
「あの、親指やら腕の角度やらで遠くの物との距離を概算で出すやつか……嘘だろ? そんなもんで?」
キラは少しキョドりながらも説明を続けた。
「だ、だって、機動兵器群ってよっぽどのことがなければ、基本的に体高なんかは変わらないじゃないですか? 敵機を映像分析にかけて、自分の位置と捉えた相手の画面内の大きさから相対距離を算出するんです。そしたら機動予測から大体の位置取りを計算して撃ったら、当たったんですよ」
当たったんですよ、の言葉にムウは無意識に笑いが込み上げてくるのを止められなかった。
「坊主お前……マジか……」
「でも奥行きと言うか、3次元的に捕捉出来た方が当てやすいので、出来れば空中からスカイグラスパーで観測もしてくれると、助かります」
その言葉に、連合が誇る真っ当な方のエースは腕を組んで『うーん』と上を見上げた。
「ここまで来るともう基本スペックのゴリ押しだな。なんか、初めて坊主をコーディネイターだって実感した気がするぜ……聞くが、演算は全部ストライクにやらせてるのか?」
「いえ、ストライクの処理能力だと映像の読込み、分析だけで手一杯ですね。そもそも照準装置を使えって話なんで。でも多分、あのバクゥってMS、対地戦闘じゃストライクより小回り利くじゃないですか。Nジャマー散布下の射程範囲だと、ロックしたことを察知されたらもう、そこから先がギャンブルなんで」
淀みなく答えるキラの言葉に違和感があったのか、ムウが止める。
「んー……ん? 待て待て、じゃ何か? お前さん、ストライクの分析結果に対して、暗算で位置取り予測までやってんの?」
「はい。一応即席の計算ソフトは作ってあって、後は精度かなと。ただ流石に機動予測は難しくて、だからスカイグラスパーのリアルタイム観測が合わされば大分楽になります」
キラの答えは想像外のものだった。
このガキは、それこそコズミック・イラ以前からあるような技術の組み合わせで敵機の位置を割り出して、射角やら機動偏差やらは暗算してると抜かしやがったのだ。
「……oh……クレイジー……クレイジー・ヘリオポリス・スチューデント」
ムウは恐ろしげに呟いた。
「ん? 今カズイの話した?」
カス参戦。話題が本当にカス。
「ありゃクレイジーっつうかサイコっつうか……てかお前のせいだろが、舐めてんのか」
その返しに余裕の笑みを浮かべるカス。
ふふん、と指を振り振り。
「他責思考はカスのやることだぜタカちん」
「殺すぞ……何処から目線で人をカスだとゴラァン!!??」
「うわ急にキレるじゃんね、怖ぁ」
「今のは隊長が悪いですよ」
「そうっすね、今のは中尉が悪いっすよ」
「解せぬ」
「でもこれ自分の方の足が止まっちまわないか? 少なくとも、モビルアーマーには真似できそうにないぜ?」
バチクソに切れ散らかした次の瞬間、ムウはまた真顔で意見を述べ始めた。
「スッと落ち着きましたね」
「この艦の大人は皆情緒不安定なんだよ。言ってやんな」
マードックはキラの肩を叩くと、ジト目をカスに向けつつため息をついた。
カスはそれを意に介さず、キラの持ってきた資料を見比べて読み進めていく。
「あー、予め算出した座標に置きビームしてるから、自分側が動かない点Pになって計算効率化と精度維持してんのか……キラお前、自分の機動を計算に組み込んで相手の未来予測位置を撃つとか出来ねえの?」
「出来る訳ないじゃないですか。スパコンでも計算間に合いませんって。そんなの出来たら変態ですよ」
キラの脳裏に、そんなことが出来るのかもしれない天パの人影がチラついたが気のせいだろう。
「タカちんは? ゼロのガンバレルで似たようなことやってるでしょ」
「多少予測はつけてるけど、ありゃあくまで相手をロックすること前提で、こっちが逃げ道絞った上で撃ってるからなぁ。おたくは?」
カスは肩をすくめる。
「俺のやり方は別に俺が撃墜する必要ねえもん。そもそもタイプがちげえっつうか。ほら、ゲッコウガにかえんほうしゃは使えねえだろ?」
「自分をゲッコウガとはデカく出たじゃねえかモルペコ野郎が」
「タカちんはファイヤーかな? プッ、お前も覚えねえじゃん、かえんほうしゃ。空飛ぶ燃えるゴミかな?」
「睨みつけ殺すぞ。初代はせめてわざマシン使わせろや」
「挙句ゴッドバードだからな。何が伝ポケだよ、死にてえならそう言って欲しかったぜ」
カスとバカの会話が明後日の方向にテイクオフしていくので、仕方なくマードックが軌道修正を試みる。
「こりゃ現状、坊主だけの戦術になりそうっすね」
「キラこれ、お前ソロでやって命中率どんなもんだ? 感覚でいいから」
カスは資料に目を落としながら鼻くそをほじりつつ、キラへ問いかけた。
「ええと……4割は無いかなぁってくらいです」
自信なさ気なキラに、ムウも難しそうに唸った。
「4割だと相当数撃ち漏らしが出るよなぁ……」
「アレは? マグナムキラチンファ◯クスペシャルとライフルでも差はねえ感じ?」
「そんな名前の兵器は存在しないんですよ…………取り回しが効く分、ライフルのが良さそうです」
少なくともキラには、発射直前まで微修整が効くビームライフルの方が当て易いという予感があった。威力も射程もアグニの方が上ではあるが、ビームはビームだ。
大気圏内における多少の減衰はあったとしても、引き金を引いたら即当たってくれることに代わりはないのだ。
「エールで艦橋か、地面に膝立ちで撃った時、俺らでナビしたらどれくらいいく?」
具体的なシチュエーションを示されると、その予感は更に確たるものになっていった。
「それなら……上手いこといけば7割いくかも……3次元的な動きがないだけで凄く楽になります」
ムウは感嘆の声を漏らした。
「マジか……坊主お前さん、今本当に凄いこと言ってるぜ?」
カスは簡単に雑なシモを漏らした。
「よし、この戦術をキラ式中距離専用制圧プロトコル、通称キラチン・プロトコル、略してキラチンコと名付けよう」
キラの目が急速に死んでいく。
「何もよしじゃないんですよ。絶対嫌ですからね」
「言うてお前専用だよこんなん」
カスの言葉に、そうさなぁ、とムウが同意する。
「多分外付けの演算機は必要だけど、下手したら地上向けMS用のシステムとして採用されるかもな。地面に立ってるだけでこの精度は」
キラは望外の評価に戸惑いを隠せない。
「そうですか……? 僕からすれば、背中から飛んでくる戦艦の砲撃をスレスレで躱しながら飛び抜ける方がよっぽど人外地味てるんですけど……あれこそ真似しようにも出来ませんよ」
というか外れ値カスの影響が強過ぎて、自分がやっていることが
これぐらい皆もっとスマートにやってるでしょ。ごめんね子供で、発想がさ、てな感じだ。
「外れ値を引き合いに出されてもな」
何となくそれを察したムウがフォローを入れる。
「予め砲撃速度と発射までの時間を頭に入れといて、艦との距離とそろそろ発射しそうだなーって勘を頼りにブースターを吹かすんだよ。簡単だろ?」
そしてカスが台無しにした。
「マジで言ってます?」
「マジで言ってそうっすね」
「マジでも言って欲しくなかったな……やっぱお前イカれてるわ」
3人とも、『もう少しこう、ロジカルというか……』という顔でカスを見た。
カスは素知らぬ顔だ。
「そしたら中衛はキラで決まりだな。俺とタカちんで前線作るから、抜けてったのをぶっ殺せ。アークエンジェルの砲撃は基本俺等を支援するのに使わせるから、気張れよ」
「そうだな……さっき言ってたスカイグラスパーからの支援ってやつも後で詳細を詰めよう。多分どっちかが交互にやることになりそうだ」
基本路線が決まると、次は目標の設定にリスクの想定と採択だ。
どうせ全部は防げないのだから、何の為に、何を防ぐべきか、想定しておくべきかを決め込んでいく。
「しかし、相手はザフトの英雄なんでしょ? 戦力差は相当なものになるんじゃないですかい?」
「可能なら先行して母艦のレセップスを沈めて、頭の上飛び越えて海に出たいとこだな」
ムウの言う通り、何にせよ海に出る、というか、この大陸から脱出することが最優先事項だった。極論を言えば、それさえ叶うなら砂漠の虎などとは戦う必要すらないのだ。
まあ、ザフトから見てアークエンジェルが優先目標にされていなければの話だったが。
「……バナディーヤでマグノフの話になった時、あいつ態々当時の戦いの様子まで伝えて来た。俺ならそこに罠を張る」
カスが珍しく真面目な考察を呟いた。
「スピアヘッドで戦列をすり抜けたって奴の話? まあ……出来なくはねえからな」
うんうん、と鷹が頷く。
「確かに良い手ではあるよ。成功すりゃ真正面から不意を突けるが、現状じゃ実現不可能だろうな…………俺以外の凡夫なら」
不敵な笑みでカスがぶち上げた。
「おいおい……実現不可能なシチュエーションは俺の得意分野だぜ? 久々にエンデュミオンの鷹の必殺マニューバ見せちゃおうかなっ、かなっ」
ムウが両腕をかっぽんかっぽん振りながら、ワクワクした目を輝かせる。
「まあぶっちゃけ、宇宙に比べりゃ下から弾が来ねえ分チョロいまである。問題は抜けた先に何があるかよ」
カスがさも当然といった風に言うと、
「それな。スカイグラスパーはレスポンスも良いし、スピアヘッドで出来ることなら余裕でしょ」
ムウも同じように返した。
どうやらアークエンジェル二大戦力は揃って『戦列抜けて戦艦襲うのは
「……坊主、いいか。この人らは揃って連合のアーマー乗りじゃ極大の外れ値だからな。間違っても真似すんなよ?」
そんな二人を見るキラの肩に、マードックが優しく手を置いて言った。
「ですよね」
それはそう。
キラは素直に頷いた。
さて、大事な大事な作戦会議だ。
ここで話し合った内容を、マリューとナタル承認の上で実行するのだ。
その為にも、今この場に居る現場職4人で意見をまとめる必要があった。
話は実戦経験の豊富な2人のベテランを主軸に進んでいく。
「虎は多分、敢えて俺等に裏を取らせようとして来るんじゃねえかな。基地を見てきた感じ、統率と練度は中々のもんだった。宇宙と違って、ここらの連中は集団戦を熟知してるよ」
「つまり、裏を取らせようとして来てる内は、俺達も前に出られねえってことか?」
「伏兵プラス対空榴散弾頭辺りは確実にあるでしょ。つうか、ここまで遮蔽物の少ない戦場だとそれ位しかやれることないわな。折角
「なら、どうにか連中の戦線をこっちに引き込まねえと駄目か。うーん、せめて、陸戦可能な戦力があればな」
ムウが現状の問題点を挙げると、カスは打開案を考える。
「引き込むだけじゃなく数も減らさねえと……あ、そうだ。サイーブんとこの若い奴何人か、爆薬満載したジープで突撃させて――」
「それは勘弁してやれって。ただでさえ街を焼かれた後なんだ。人手だって必要だろう」
流石にカスな意見を止めるだけの良識はまだムウにもあった。
アークエンジェル所属モビルアーマー乗りの人の心担当は、また今日も多くの人命を救った。
「ケッ、肝心なトコで何の役にも立ちゃしねえ。ゴミ共が」
カスはただカスだった。
「僕、この人がヘリオポリスでラブアンドピースって言ってたの、未だに幻聴だと思ってるんですよね」
キラは持ってきていたお茶を飲みながら呟いた。
マードックと二人して、たまにレーションなど摘みながらカス達の会話を聞くに回る。
「この戦闘はワンマッチかつお互いに明確な勝利条件がある。こっちはレセップスを叩いて一気に海に出る。向こうはアークエンジェルを航行不能にして投降させる」
「それだけ聞くと向こうのが厳しそうだよな。普通、敵艦なんて撃沈するのが手っ取り早い訳だし」
余裕ぶりやがって、とムウは唸るが、カスはさもありなんと笑ってみせる。
「だってそういう風に誘導したもーん。アレだな。砂漠の虎は確かに野性的で勇猛だが、ありゃ士官教育の過程で後天的に獲得したもんだろうな。根は素直でそこそこ良さげな育ちと見た。つまりカモれる要素がある」
「俺が虎なら会ったその場でこいつを射殺してた」
「僕なら会わなかったですね」
意見の一致が見られたところで話は進む。
「とにかく、ワンマッチならある程度損害は度外視してくるかもしれねえ。向こうは補給に宇宙を頼れるし、よしんば壊滅的被害を受けても俺等が去った後なら当面はクソゴミゲリラだけが相手だ。歩兵とザウート一機で釣りがくる」
地図に目を落としたムウが、南部地域を指す。
「南アフリカ統一機構は出て来ねえかな? 勝てねえまでも戦場を引っかき回してくれりゃ御の字なんだが」
カスは首を振った。
「第二次ビクトリア攻防戦で、連中は態々一万キロも出張った挙句、連合に見捨てられてっからな。少なくとも俺等の勝ち馬に乗ってくることはないでしょ。ていうか、虎もその辺は見越して予備戦力は残してるんじゃねえかな」
この辺りの勢力が微妙に地球連合軍とソリの合わない理由がそこにあった。そうでなければ、アークエンジェルだって早々に南アフリカ統一機構に駆け込んで、支援を頼めたものを。
「そりゃそうか。いくら欲しいもんがあるっても、一軍の司令官だもんな……なら、どうする?」
「んー……んー…………んー? はいはいはい、なるほどね」
カスがゲスな笑みを顔に浮かべ、何かに納得したような言葉を発した。
「何か良くないことを思いついたみたいですよ」
「何か良くないことを思いついたみたいだな」
「いや、ちょっとこれはまとめてえわ。上手く行きゃ向こうの戦力を誘引出来るかもしれねえ。タカちん、後で艦長とナタルちゃん連れて会議室ね。意見ちょうだい」
勿体ぶった様子のカスに、ムウはため息をついて頷いた。
「はいはい……ま、精々期待させてもらうぜ」
「さて、そしたら後は予備のエールパックに愛と夢と希望と燃える正義の心と、アル・ジャイリーが南からガメたは良いが売れなくて困ってたのを巻き上げた対MS地雷を詰め込んで、スカイグラスパーでレセップスにぶつければ……ボゥン、アフリカ大陸編も完結だ」
「詰め込むもんの80%が艦内に存在しねえことを除けばパーフェクトだな」
その結論に対して整備班のマードックから待ったがかかる。
「いやいや、各ストライカーパックは2機ずつしかないんですよ? 損耗前提は艦長が何て言うか……それに、坊主がエールで出るってんなら、スカイグラスパーにはどうするんです?」
「内部バッテリーでフェイズシフト入れたままなら、ワンチャン地雷使っても原型は保つんじゃね? そしたらマードック先輩のゴールデンフィンガーでひとつ、ね」
アクセルベタ踏みなカスの答えに、マードックは頭を悩ませて呻くように呟いた。
「原型しか残ってないのも困るんですがね……ま、地雷は外装に貼り付けて遠隔信管作動にしとけばなんとか……幸い予備パーツは潤沢ですし……マジでワンチャンっすなぁ」
「俺等のどっちかはあのソードとかいうゴミの武装外してバッテリーパック代わりに使うしかないっしょ。俺かタカちんの行ける方が直前でパックを空中で換装する感じで」
「サクッと言ってますが、現実的に可能なんですかい?」
実質戦闘機のスカイグラスパーに空中戦の最中でそのような真似が出来るとは到底思えなかった。良くて衝突事故になりそうだ。
「一応空中でストライクに換装する時用のドッキングナビが着いてんでしょ。それをスカイグラスパー同士でやり取りできるように今からキラとニコルが改修すれば問題ないって。まあ、最悪ゴミは投棄してもしゃあないし」
それを振られたカスの右腕は、
「まあ、それ位なら2時間あればシミュレーターへの落し込みまで含めてなんとか……」
もはや見ている大人達は憐れみすら感じる程、当然のように飲み込んだ。
(この坊主も大概外れ値だよなぁ)
それを言わないだけの優しさは、まだマードック達の中にもあった。
「したらそれを俺とタカちんでヘビロテしとけば大丈夫っしょ」
対砂漠の虎作戦会議第一弾は、そのようにして締められた。
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「総力戦だ。後詰めも全部出す」
バルトフェルドの言葉にアイシャとダコスタは驚きの声を上げた。
「あら、大胆」
「隊長!? 流石にそれでなんかあったら不味くないですか?」
このコーヒーも不味いですけどね、それ以上じゃないですか?
ダコスタ心の声である。
「不味くはないさ。向こうは第8艦隊と共同とはいえ、宇宙でMS20機以上を撃墜している。重力下での動きを見ても、決して油断は出来ない」
コーヒーを啜りながら、バルトフェルドは机上の作戦ボードに書き込みながら続ける。
「バクゥ12機で2層の壁を作り、群れで追い立てる。ザウートはレセップス艦上を起点に雁月陣形。ここの弾幕で接近方向を絞る」
「接近……してきますかね?」
レセップス前方は、話の通りなら砲撃の嵐になるだろう。そもそも物理的に抜けて来られる存在があるとは、到底思えなかった。
特に今回は、過去のマグノフの件を受けて、隊の全員が『そういうこともある』と知っているのだ。
可能性は微々たると言っても過言な位に見えた。
「来る。マグノフがやれたことを、彼がやらない筈はない。だがこちらの伏兵は読んでいるだろう」
「そうね、警戒しない筈がないわよね」
アイシャの鈴を転がすような声に、バルトフェルドは肉食獣さながらのギラついた目を作戦ボードに向けた。
「
ダコスタは初戦の威力偵察を思い浮かべる。
「敵MSの火力はバクゥを上回っています。フェイズシフト装甲も加味すれば、攻めきれない可能性もあるのでは?」
部下からの問いにも、バルトフェルドは答えを用意していた。
「3機編成でのフォーメーションを徹底させる。これを2隊で出入りを繰り返して的を絞らせないように当たる……エスパー君のタネについては誤魔化されてしまったからねぇ。最大限の注意を払おう」
あのMSにバクゥ6機を当てるという言葉に、そこまで振り切るなら流石に、とダコスタは次の懸念を挙げる。
「敵艦に対しての火力が不足しますよね」
「そうね、空母なんかよりずっと頑丈そう」
遠目に撮られたアークエンジェルの写真を見ながら、アイシャも追随した。
バルトフェルドはボード上の青丸から赤丸までピッと線を引っ張った。
「それはもう、レセップスの射程ギリまで引き寄せるしかなかろうね。可能なら動力部に主砲を撃ち込んで落としたい」
「弾道観測はどうします?」
「電子戦仕様のヘリを使いたいが、あの2機のモビルアーマーからは逃げられないだろう……武装ヘリじゃ護衛にもなら…………うん、なるほどね」
バルトフェルドはアゴに手を当てると、人の悪そうな笑みを浮かべた。
「あら、何か悪いこと思いついたのね」
「何か悪いこと思いついたんでしょうね」
「恐らくチャンスは1回だが、確実に使える手がある。ダコスタ君、ヘリ部隊と、歩兵部隊の責任者を呼んでくれたまえ」
その指示に、優秀な副官が従う。
「了解です」
笑顔のまま、バルトフェルドは締めくくるように吠えた。
「さて、作戦をまとめたら準備と休息、その後はいよいよ決戦だ。諸君、楽しんでいこう!」
両陣営、戦いに向けた備えは、静かに整おうとしていた。
2人が話してるポケモンは生誕数百周年記念でコズミック・イラにリメイクされた初代のオンライン向けフルダイブ型ゲームです。当時子供だったカスはトキワの森で虫取り少年の格好をして、初心者にカンストしたミュウのなり損ないドククラゲを投げつけて遊んでいました。
カス「殺せドブカス(ニックネーム)! その電気ネズミを潰せ! モツ抜いてやれ!」
ビガヂュ(リアルな血飛沫と死体)
幼き日のクルーゼ「やめてよおおおおおお!!!」
※好きなポケモンと束の間の休息を過ごすエンジョイ勢
カス「金出せオラァ!! 啓蒙が足りねんだよバァーーーーカ!!!」
※中指を立てて煽り散らかす行為が規約に触れBAN
ポケットモンスター 赤い臓物/死を招く緑
※制作:任◯堂・フロム・ソフトウェア
落ち着いた、ないしは熱血なオリ主のSSが大好物です。
何故なら絶対に自分には書けないからです。
すぐちんことか言わせちゃう。