エンデュミオンのカスの方の英雄   作:パパパパンパース

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SEEDで一番美人なのはエザリア・ジュール。
恐らく今すぐToLOVEるに入っても通用するだろう。

だかしかし……もしもニコル・アマルフィが男の娘だったら、ダークネスで3本の指に入る……


第6話 中立という殴り棒

「え? 何、艦長死んだの? 先任大尉はムウか俺? 無理でしょパイロットには。ラミアスも大尉でしょ? 技術士官なんかこの先やること無いんだからやっといてよ、シクヨロ」

 

「いや待っ、バ、バジルール少尉の方が適任かと……」

 

「ナタルちゃんはこういうイレギュラーん時に人の上に立つの向いてないよ。ていうかCICのが重要な状況で余計な事させらんないって」

 

「ちゃん付けはやめて下さいと言ってるでしょう」

 

「可愛いからさ」

 

「それは……」

 

「えっ、え!? ちょっ、お二人はそういう? 趣味わる、あ、いえ」

 

「女の子をちゃん付けで呼ぶ俺は可愛いだろ?……マリューお前今なんつった?」

 

「重セクハラ案件ですね。この任務中の行いは全て要報告対象ですし、今季の査定にはプライドに賭けて間に合わせると提督も仰っておられました」

 

「クソヒゲが……」

 

「ともあれ、私はCICを担当しますので、艦長はラミアス大尉にお願い出来ればと思います」

 

そうして新型戦艦アークエンジェルの艦長はマリュー・ラミアスと相成った。誰も言わなかったが、まかり間違ってセイルが艦長になった方が怖いし不安だ、とクルー達は思っていた。

 

特に操舵士のアーノルド・ノイマンは心の底から安堵していた。

セイルが艦長では、どんな指示が飛び出すか分かったものではない。

 

 

〜ノイマン想像中

 

『ノイマン、かわせ! は? 具体的に? うるせえかわせ!』

 

『ノイマン君、マグナムトルネードやってよ、回るやつ。え? 無理? 無理というのはね、嘘つきの言葉なんですよ……』

 

『コブラやってよコブラ! テールスライドでもいいよ! え? 出来ない?……何でそこで諦めるんだ頑張れ頑張れやれば出来るって気持ちの問題だ諦めんなそこでお前を詰め込んだミサイルに同じことやらせてもいいんだぞ!』

 

想像終了〜

 

 

胃がキュッとなった。

確実にキレる自信があった。

 

だから、実はマリューの艦長就任を一番喜んでいたのはノイマンだった。

 

 

さて、そんなやり取りを経てキラ・ヤマトの前に辿り着いたセイルは、早速この勇敢で友達想いの少年に話し掛けることにした。

 

「俺はセイル・オランチョ、地球連合軍第8艦隊所属、階級は大尉。見ての通りイケメンで背が高く正直者で優しくて凄腕で頭の出来も良い、どこにでもいる男さ。シャイで人見知りなのが玉に瑕ってやつだな」

 

握手をしようと手を差し出す。

 

「それで、童貞で引っ込み思案で女子からの評価が『悪くはないけどお友達』か『優しくていい人(笑)』っぽそうな君の名前は?」

 

キラの、握手に応じようとしていた手が止まった。

 

「キ……キラ・ヤマト、です……」

 

「そうか……キラキラな童貞、略してキラ童と呼んでも?」

 

「い、嫌です……」

 

「それで、キラDがこいつに乗ってジンと戦ったってのは本当か?」

 

「キラでお願いします……本当です。僕がやりました……友達を守る為に、やりました」

 

怯えた目でセイルを見ながらも、キラはしっかりと答えた。

 

「またすぐ敵が来るが、友達の為だったら乗れるか?」

 

セイルの質問に、キラは眉をひそめた。

 

「さっきは、他に手がなくって仕方なくやったんです。戦争しているのは分かりますが、ここは中立コロニーですよ。戦争が嫌で、巻き込まれたくなくてここに避難してきた人たちだっているんです。僕だって……」

 

「ここが中立コロニーだから戦いたくないのか? それとも、自分達は戦いが嫌いで、中立の立場だから戦いたくないのか?」

 

「どっちもです。正直に言えば、これ以上戦闘をするなら、僕達を降ろしてコロニーの外でやって欲しいくらいです」

 

キラは怯えを残しつつも、ハッキリと言った。後ろにいる友人達も気持ちは同じなのだろう。セイルのことを強い眼差しで見つめていた。

 

「うん……うん、うん、わかった」

 

セイルはそれらを受け止めて、鷹揚に頷いて見せた。

そして、

 

「ナータルゥ!!」

 

大声で、状況の引き継ぎをマリューにしているナタルを呼ぶ。

 

「なんでしょうか」

 

「今、このコロニーの警報レベルっていくつ?」

 

「先程レベル9まで上がりました」

 

「避難状況は?」

 

「全住民のシェルターへの退避は軒並み完了しております」

 

「もう一つ、この戦艦の主砲って、陽電子砲だっけ?」

 

「主砲は225cm連装高エネルギー収束火線砲のゴットフリートです。最大火力ということであれば、陽電子破城砲ローエングリンが2門搭載されていますが……それが?」

 

「もしザフトが次に攻めてくるなら、外壁をぶち破ってくる。宇宙港は潰れちまったからな。連中、コロニーの被害なんか気にしないだろう。血のバレンタインからこっち、被害者面することだけはプロ級だからな。中立の癖に連合に味方しやがって、となるね」

 

ナタルは怪訝そうな表情をした。

 

「はあ……それで?」

 

「もしそうなったら…………突入してきた連中に対してはそのローエングリンをぶっ放そう。あわよくば内側から外壁を吹き飛ばしてそこから脱出だな」

 

「は?」

 

「待って下さいオランチョ大尉! ローエングリンは居住区への汚染被害が避けられませんし、コロニーへのダメージが……」

 

慌てて止めに入るマリュー。

キラ達もその言葉に騒然となる。

 

「どうせ俺等もどっかに穴空けないと出られないじゃん? 穴空く規模で戦闘したら流石に警報レベルも10いくでしょ。10になったらシェルターが救命艇として射出されるんだからさ。ダメージとか気にしてもしょうがないっしょ」

 

「待って下さい!」

 

キラが、セイルの言葉を止めに入る。

 

「これ以上コロニーでの戦闘は……僕達を争いに巻き込まないで下さい!」

 

悲痛な、願いのような叫びだった。

それを聞いて、流石にバツの悪そうな顔をするマリューやムウ。

 

セイルは諭すように言った。

 

「ヘリオポリスはオーブ首長国連合のもんだ」

 

ストライク、そしてブリッツを見上げた。

 

「そこでこんなものを作っていた。ザフトには内緒で」

 

セイルはキラ達へ視線を戻すと、両手を広げ、肩を竦める。

 

「なあ、ザフトにとっての中立なんてどこにあるんだ?」

 

「それは……」

 

キラは言葉を見つからず黙り込んだ。

 

「艦を降りたい? 結構、降ろしてやるよ。そんでザフトが攻めてきたら、こうも言ってやる。『彼等はこのヘリオポリスの住人で、中立を主張しています! 攻撃しないでください!』……本当に中立って言葉が通るなら、きっと76mmの弾丸もミサイルの爆風もお前らには当たらないだろうさ」

 

笑っている。

セイルという男は、事もあろうに笑顔を浮かべてキラ達に相対している。

 

「コロニーに空いた穴も、きっとお前らの事を宇宙空間に放り出したりはしないだろう! 瓦礫もお前らを避けてくれる! 明日からもいつも通り何も変わらぬ日常を過ごせるだろう! そう! だって! 君達は! 中立だから!!!」

 

一歩、セイルがキラへ踏み込む。

キラは見えない何かに押されたように、後ずさった。

セイルは恭しく外を指し示した。

 

「さあ、そんな素晴らしい争いのない戦争とも無関係でいられる誰もが羨む中立ランドはあちらです。お降りのお客様はさあ、どうぞ! ご遠慮なく!!」

 

潜入してきたザフトの攻撃で廃墟となりつつある工業地区を。

 

「オランチョ大尉! それは賛同できません! 戦闘になるかもしれない場所に、民間人を置き去りにするなどと……!」

 

マリューが声をあげた。

 

「彼等は民間人じゃない。中立国の住民で、広義的には我々地球連合軍の方針とは相容れない存在だ。彼らの身の安全と仲間の命なら、俺は後者を優先する」

 

その言葉に、誰も二の句が継げなくなってしまう。

 

「ナタル、30秒経ったらハッチを閉めて全艦戦闘態勢に移行しろ。これ以上時間はかけられない。最短で艦を浮上させるんだ」

 

「……了解です」

 

ナタルが返事と共に動き始めると、セイルは、再びキラ達に向き直った。

 

「さ、どうする? お前らがあくまで中立を主張するなら、お前らの優先順位は著しく下がるが」

 

「あなたは……卑怯だ! それでまた、僕に戦えって言うんでしょう!? あれを動かせるのは僕だけだからって……!」

 

爆発したように、キラは叫んだ。

その言葉に、マリューは申し訳なさそうに目を伏せた。

 

「それで、どうする? 全員死ぬか?」

 

セイルは全く意に介した様子を見せずに問いかけた。

 

「オランチョ大尉!!!」

 

もはや悲鳴のような、マリューの声を、セイルは無視した。

 

「お前に聞いてるんだキラ・ヤマト。お前だけが仲間の運命を決められるんだ。残り10秒、死ぬ気で考えろ」

 

「キラ……」

 

メガネを掛けた短髪の少年、サイ・アーガイルが、心配するように声を掛けた。

ミリアリアも不穏そうにトールに身を寄せている。

カズイは一言も喋らなかったが、不安そうな目でキラとセイルを交互に見ていた。

 

「っ……わかりましたよ! 乗りますよ! 乗って、戦えって言うんでしょう!? その代わり――」

 

「その代わり、お友達の安全はこの艦が沈むまでは保証しよう」

 

ハッチが閉まり始めた。

徐々に影が落ちていく中、セイルの表情は変わらず笑顔のままだった。

 

「ストライクをメンテナンススペースに移動させろ。バッテリー交換と、飛び道具でも持たせて貰え。お前の役目はこの艦のブリッジ正面甲板に上がり、クロスレンジに入って来たハエを叩き落とすことだ」

 

「……わかりました」

 

「前衛は俺がブリッツでやる。さあ! 動けお前ら! 敵は待っちゃくれねえぞ!」

 

薄暗くなった格納庫で、大人達がにわかに動き始めた。

 





セイルは中立国とかは屁とも思ってないですが、そのせいで迷惑を被るならなくていいかな、位に考えています。
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