転移後世界の仕様が変更されました   作:リセット

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「……こんなだったかな」

 

 第十階層での騒動と謹慎処分。モモンガは気分的には二日ぐらい休憩を取りたかったが、外貨獲得やエ・ランテル領で暮らす上での土地の使用貸借契約などするべきことが山ほどある。休んでもいられなかったモモンガは、再びエ・ランテルへとやって来ていた。

 

「こんなとは、何がでありんしょうか?」

「この間来たばかりなのに、どうしてか雰囲気が違う……と思ってな」

 

 モモンガの答えにシャルティアは、可愛らしくこてんと首を傾げる。その姿を見て、モモンガは気にしないでいいと手を軽く振った。

 

 ……パンドラの考察を聞いたあと。モモンガはアルベドを除く僕の自室待機と謹慎を解いた。彼が全員に命じたのは、いつも通りに過ごす事。デミウルゴスにはアルベドの代理として統括代理を任せた。暴力沙汰を起こしたシャルティアの謹慎を解除するのは、アルベドが未だに謹慎状態にある中で不公平にも思えるが、モモンガがエ・ランテルに行くと両者の間で何かあった時止められる相手がいなくなる。

 

 また、モモンガの安全確立の観点から見れば、供をする従者として守護者最強のシャルティアを外すわけにもいかない。それらの理由からモモンガの直接監視という名目で、シャルティアの謹慎も解いたのだ。

 

「そ、そうでしょうか? ぼくには、この間と一緒に見えます」

 

 モモンガが違う何かを見ているのだろうかと、マーレは不思議に思いながらエ・ランテルの街並みを観察する。彼もエ・ランテル同行組の一人だ。

 

 今回モモンガの従者をしているのは、前回来た時と面子は殆ど変わらない。唯一違うのはパンドラが加わっていることぐらいだろう。

 

 コキュートスやペストーニャなども来たがってはいたのだが、前者はアルベドが不審な動きをした時の備え、後者はデミウルゴスが不穏な行動をしないかの対策としてナザリックで留守を任されている。

 

「……マーレ様。モモンガ様の内心を思えば、風景が違って見えてもおかしくはないかと。精神安定化があるとは言え、メンタルの不調はクオリアに影響を与えます」

「不調と言うな、不調と。これでも大分乗り越えたつもりなのだぞ」

「申し訳! ございませんでした!!!」

 

 ビシッとでも聞こえそうな動きをしながら、パンドラがコミカルな動きで敬礼する。ついこの間までは本当にうざいと思える行動だったのに、今はこんなでも安心できるのだなとモモンガは少し笑う。

 

 ともかく、今日エ・ランテルに来たのはここの領主と面会し、ナザリックがある土地を借りれないかの交渉だ。飲み会の時に行政区で勤めている蜥蜴人(リザードマン)から、これを持って行くが良いと紹介状を貰っている。通常土地の購入や貸借に領主が出張る事はないが、ナザリックが転移した場所は都市の直轄地で、また大墳墓そのものが巨大なため最高責任者である領主でないと決定権を握っていない。

 

 モモンガ達が来たのは都市の中心地であり、非常時用の食料保管庫や、庁舎などが並ぶ行政区だ。ここで都市全体のインフラ整備計画などが動いており、件の領主もここの庁舎にいるのだとか。

 

「あの……すみません。この都市を治めている領主に会いたいのですが」

「おはようございます。面会希望ですね。なにか約束や紹介などはありますか?」

「これを渡せば良いと……」

「頂戴いたします」

 

 庁舎の受け付けで紹介文を渡したら、受付のピクシー(小妖精)が内容に目を通す。すると、ああ、この一行がと声を漏らした。

 

「お話は伺っております。同僚のリザードマンから、もしかしたらオーバーロード様が訪ねてくるかもしれないと」

「ありがとうございます。では面会は可能でしょうか?」

「今すぐの御案内は難しいですね。ええ、と……面会時間ですが、この時刻なら空いています」

 

 ピクシーが紙をモモンガに見せてくれる。それは領主のスケジュールらしく、ピクシーが指さすのは数時間後。アポイメント無しの飛び込みなのだから普通そうなるよなと思いながら、モモンガはそこで時間を抑えて貰った。

 

「どう時間を潰したものか」

 

 庁舎の外に出たモモンガは、数時間後まで何をして時間を潰すか考える。一度ナザリックに帰るには微妙な待機時間。さてさてとモモンガは思案して──

 

「パンドラ。少しの間だけ、単独行動をしても良いだろうか?」

「え? それって危なくないですか?」

 

 パンドラに話を振ったら、アウラが疑問を呈してきた。守護者を5人も率いているのは、デミウルゴスが言うところの潜在的脅威を警戒してのこと。なのにモモンガが単独行動となると……と難色込みの疑問だ。

 

「それは大丈夫かと思われます。町中に人目があり、衛兵も巡回している様子。デミウルゴス様が危惧しているほど、この都市に限っては危険ではないかと。本当にそこら中に潜在的犯罪者や危険思想の持主が転がっているなら、離間策など用いなくとも連邦は崩壊していますよ」

「道理だな……」

 

 冷静なパンドラの言葉に、モモンガも同意する。そこら中に性根があれな連中が腐るほどいるなら、当の昔にこの連邦とやらは国として終わっている筈。なのにそうはなっていないのだから、いるにはいるだろうが、国と言う体制を崩すほどではない……と言ったところだろう。

 

 口の回るパンドラがいて、エ・ランテルに悪感情を抱いていない四人なので心配する必要もない。時間になったら庁舎に集合で、戻ってこなかったら衛兵に通報して手分けして探してくれと告げてから、一人行政区から商業区に来て歩くモモンガは──

 

「はぁ……なんで上手く行かないんだろうな」

 

 パンドラにすらあまり見せたくはない、かなり落ち込んだ姿をしていた。落ち込んでいる理由など言わずもがな、ナザリック地下大墳墓──特にNPC達のことだ。

 

「考えなきゃいけないことが多い。ああぁ……俺にNPC達を率いながら、ギルドの運営なんて出来るのか?」

 

 モモンガ──鈴木悟は、自分が組織のリーダーに向いているとは思っていない。DMMOのギルド長として推薦されて、数年間癖のあるメンバー達を纏めてきたが、それは全部で自分含めて四十一人しかいなかったから出来た事。

 

「それだって何回言い合いや喧嘩の仲裁に入ったか。困った人や困ったちゃんが多かったからな、アインズ・ウール・ゴウン」

 

 モモンガはギルド『アインズ・ウール・ゴウン』こそユグドラシルでも最高のギルドだと思っているが、集まっていたメンバーは異形種でゲームを開始するだけあって、それはそれは一風変わったプレイヤーしかいない。糞DQNの集まりで性格に難があると言われたら、モモンガも否定はしない。なにせメンバーに手を焼かされたのは一度や二度じゃすまないからだ。特にるし★ふぁーとか……るし★ふぁーとか!

 

「今思い返してもるし★ふぁーさんにはイラっと来るな。あの野郎にどれだけ……やめよう。もっと気が滅入る」

 

 改めて冷静になったらこれ黄金かな? 黄金の思い出かな? と思う案件がいくつもあるので、モモンガはそれをそっと記憶の中でフォルダー分けして封印しておく。思い出にはいつも綺麗でいて欲しい。

 

「……パンドラの考察だと、フレーバーテキストとカルマ値だけじゃなく、製作者……つまり俺たちだ。俺たちの性格や考え方も、NPCの人格や思考方法に影響を与えている。これ当たってるんだろうなぁ……」

 

 言われてみれば当たり前の話。ユグドラシルでアイテムやNPCに設定できるフレーバーテキスト欄は膨大な量を詰め込めるが、それにしたって文字数の限界がある。それに詳細な設定全てを書き込めるかと言われたら不可能。人格や性格は過去からの蓄積で産み出されるもので、言ってしまえばその人物の歴史や記憶の集大成だ。仮に鈴木悟の性格を設定するための文書を用意しろと言われたら、辞典が何冊分必要になるのやら……

 

「デミウルゴスがウルベルトさんの性格を引き継いでいる……て言われたら否定できないんだよな。コキュートスに聞く限り非常に仲間想いで、反りが合わないセバス相手にしても、本気で心底嫌っているかと言われたら違うみたいだし」

 

 モモンガが思い出す限りでは、ウルベルトはよくぞここまで社会に対して恨みを……と思うぐらいの反骨の相の持ち主だった。その恨みがもしもナザリックの外に向けられて、デミウルゴス自身に設定された人間やその他の生物を玩具だと認識している性質と融合させたら──

 

「苛烈で悪逆を成すモンスターの誕生……笑えねえ。他の僕も、従来の設定とギルメンの性格と合体して……るよなきっと……嘘だろ、おい。俺、そんな子達と暮らしていくのか? ……いっそのことナザリックを出て、一人でエ・ランテルに移住するか? ……そんな無責任な」 

 

 モモンガが無責任な人……骨? なら、ナザリックを見捨てるのが一番気楽だ。最初は必死で維持しようとしたナザリック地下大墳墓に後ろ髪を引かれるかもしれないが、その内多くの友と過ごすことで想い出に昇華され、数百年も経てばそんなこともあったなと、時折思い出すだけの存在になる。

 

 けれどそんなことが出来る性格かと言ったら、モモンガは全く違う。

 

「……俺が立ち去ったら、あの子らはどうなるんだよ。馬鹿なことを考えるなっつうの」

 

 今この瞬間にモモンガが立ち去ってしまったら、NPCには何もなくなる。モモンガが友や仲間を求めたように、僕らが求めているのは創造主だ。仮にモモンガが立ち去ったとしても、転移計画をいつか自分達で発明してリアルへと赴くかもしれない。けれど、それまでの間一人ぼっちになる。どれだけ僕どうしで寄り添っても、真に求める相手がいなくなる……それを見過ごせなど、モモンガには不可能。それに──

 

「アルベド。あの子があんな風になってるのは、間違いなく……」

 

 ……モモンガは転移直前に、アルベドのフレーバーテキストを弄っている。ギルド武器を使用すればギルド長権限が使えるので、それを試してみたく、偶々アルベドの設定を覗き、とある一文を消してから、一文を付け加えた。

 

 モモンガを愛している。

 

 たったこれだけ。たったこれだけの文字だが、パンドラの仮説を採用するのであれば、アルベドの創造主は──

 

「タブラさんと……俺だ」

 

 元々が凝り性のタブラにより、テキストの限界まで詰め込まれた設定テキスト。他の設定との兼ね合いを無視して、モモンガの一存で書き込んでしまった一文。そこにタブラの要素と、モモンガの要素まで混ぜ合わせた。たった一人分ですらNPCは複雑怪奇な性格になっているのに、二人分も詰め合わせたお得セットがアルベドだ。それはもう、他のNPCと違い創造主を恨んだり、泣き落としを実行しようとする性格になったとしてもおかしくはない。

 

「……俺が、俺が余計なことをしたから」

 

 それはほんの出来心だった。ゲームサービスが終了するのだから、ちょっとぐらい……そんな悪戯心が産み出してしまった産物。悔やんでも悔やんでも、後悔しても、アルベドがああなった原因が自分にあるのだと……モモンガは己の軽率さを呪ってしまう。しょせんは仮説で、真実かどうかは不明。それでも、だ。

 

 ごちゃまぜになった頭で、前を見ず歩いていたせいだろうか。モモンガの足元に何かがぶつかった。

 

 彼が足元を見てみると、小さな女の子──10歳前後ぐらいの女の子が転がっている。ついで自分のローブを見たら、何やら白いクリームが付着していた。

 

「ソフトクリーム?」

 

 よく見たら女の子は手にカップを持っているので、アイスを持ったままモモンガに衝突したのだろう。モモンガがこの都市ではアイスクリームも喰えるのかと感心していたら、こちらに向かって声が近づいてくる。

 

「ネムぅ!! 走ったら駄目と言ったでしょ……ああ、もう!」

 

 たたたと勢いよく10代半ばほどの少女が走ってくる。ネム……と聞いて、この足元で座り込んだままの少女の事だろうかと、モモンガはぼんやり考えた。

 

「ごめんなさい! うちの妹がぶつかってしまったようで!! ローブにも、クリームがついてしまって……」

「これくらいであれば、洗えば落ちますよ。<清潔>の魔法もありますし」

「そう言って頂けると助かります……ほら! ネムも立ち上がって謝りなさい! ごめんなさいって!!」

 

 ネムの姉が促すと、彼女はノロノロと顔を上げて──

 

「ごめんなさい、骨さん……どうしようお姉ちゃん……アイス潰れちゃった」

「あなたねえ……謝罪とアイスの心配を同時にしちゃってどうするのよ」

「ははは! 将来有望な妹さんですね」

 

 呆れた姉と妹の気の抜けるやり取り。なんだかそれを見ていると、悩んでいた自分がモモンガはちょっとだけ馬鹿らしくなった。悩もうが後悔しようが、自分のローブに付いた少女のクリームと同じでアルベドの設定は戻らない。なんだかそんな気持ちになったのだ。

 

 モモンガは屈みこみ、少女と目線を合わせて──

 

「すまない。私のローブがアイスを食べてしまって。代わりに弁償させてくれないか?」

 

 

 

 

 

「ありがとうございます、モモンガさん。ぶつかったのはネムの方なのに……」

「前をみていなかったのは私もです。エモットさんの気にすることじゃありませんよ」

「ありがと、モモンガ」

「こら! ちゃんとさんをつけなさい!!」

 

 ぶつかった原因はモモンガにもある。なのでお詫びとして新しいソフトクリームを買い──

 

「モモンガも一緒にどう?」

 

 とネムからお誘いを受けたので、姉妹──エンリ・エモットとネム・エモットと共に、広場のベンチにモモンガは座っていた。

 

「エモットさんとネムは、エ・ランテル領の村に住んでいるんですね」

「そうなんです。今日は休日なので、せっかくだからネムを連れて遊びに来たんです」

「そうでしたか……そのソフトだが美味しいか?」

「美味しいよ! モモンガも一口どう?」

「私は<共感覚>がないと味わえないからな。今度また、従者と共に食べに来てみるよ」

「従者! モモンガさん、もしかしてかなり高名な方ですか? よく見たらローブもお高そうですし……」

「大した人間……大したアンデッドじゃありませんよ。このローブは、まぁ……手に入れるのに苦労しましたが」

「……本当にごめんなさい! そんなローブを汚してしまい」

「洗えば良いんですよ、洗えば」

 

 ……他愛ないやり取りだ。出会ったばかりの姉妹と広場で話す。何か益があるわけでもないし、得があるわけでもない。けれど穏やかな時間だった。何も考えずに、目の前のお喋りに集中するだけで良い時間。

 

(……良いな、こう言うの。悪くない。友達と遊ぶ時間とはまた違うが……良いもんだ)

 

 色々と悩んでいたからこそか、モモンガは割とこのなにもしない時間も良いものなのかもしれないと気に入っていた。とは言え、悩みそのものが消えたわけではない。ふとした拍子に、アルベドの事やナザリックの事が脳裏によぎる。

 

「──さん。モモンガさん? どうしたんですか?」

「──ん? すまない、少し考え事をしていたよ。何の話だったかな?」

「エ・ランテルでどこのお店が一番美味しいかだよ……モモンガは何を考えてたの?」

「大したことじゃないさ。ちょっと悩みごとがあったぐらいだよ」

「悩み……うーん。あ、そうだ。それならネムが悩みを聞いてあげようか?」

「ネムが?……しかし、なぁ。初対面に聞かせるような内容でもないし……」

「ネムが聞いても、何も解決しないでしょ?」

「でもお姉ちゃん、こういうのって、ふとしたところからヒントが手に入るってンフィーも言ってたよ」

「それはポーション作りの話だね」

 

 ネムの突拍子もない言葉に、エンリは呆れている。この子は本当にもう……と言いたげな態度を見ながら、モモンガはちょっと思考。

 

(たしかに俺一人で悩んでも、良い答えなんて見つからない。パンドラに相談しても、結局はナザリック内でどうこうという答えになってしまう。なら、外部の全く関係がない人物に話してみたらどうなるか?)

 

 自分だけで解決できないなら誰かに相談してみる。それは考えてみれば、モモンガがあまりやって来なかったことだ。ギルメンにゲームの事で相談したことは何度かあるが、プライベートのことを相談したことは殆どない。仕事の愚痴を言い合っても、解決法を模索したことはそれほど……

 

 ならば、この街で新しい自分として聞いてみるのもいいかもしれないと、モモンガは口を開いた。

 

「それじゃ、御言葉に甘えてネムに聞いてみるかな」

「えっ! この子で良いんですか!?」

「子供には、大人にはない観点があります。私とは全く違う何かを、ネムなら見つけられるかもしれないですからね」

「そうでしょうか……この子は自由気ままで、今のもただ思いつきで聞くと言っているだけな気もしますよ」

「お姉ちゃんは心配性だね!」

 

 自由闊達に笑うネムに、エンリはあきれ顔だ。ともあれ、言葉を濁しつつもモモンガは悩みを打ち明けてみた。最悪馬鹿にされたとしても、ここで別れたら合わない相手だし程度の気持ちも多少ありながら……

 

「部下同士の対立に、部下からの反発。仕事柄みんなで同じ方向を目指さないといけないのに、今はバラバラになっている……難しい問題ですね」

「ええ。最近家業を引きついだばかりなので私自身不慣れで、どうしたら皆が同じ方向を目指せるのか悩んでばかりです」

「うーん……それってモモンガが直接お話しても、言う事を聞いてくれないの?」

「聞いてくれる部下もいるが、自分の考えがあるから聞いてくれない部下もいるな。特に聞いてくれない部下は、悪だくみをする子も多くて……」

「悪い子なんだ……悪い子はみんな聞いてくれないなんて、酷い話だね」

「うん? それは違うぞ。悪い子だからと言って、全員が聞いてくれないわけじゃなく、シャルティアなんて……なんて……」

 

 モモンガの中で何かが引っかかる。

 

(待て……何が俺は気になった……シャルティア……そうだ、シャルティアだ! エ・ランテルに連れて行ったNPCはシャルティア以外中立よりで、セバスに至っては極善! だから俺の幸福を祝福してくれた。だがシャルティアは? あの子のカルマ値は極悪だった筈。なのに、なぜエ・ランテルでもそこまで揉めたりしなかった。パンドラからの報告では、俺が外に迎合するのに反対したのは、カルマ値がマイナス寄りの僕たち。だがそうなると、シャルティアが素直に祝福してくれて、アルベド相手に真っ向から反対したのは何が原因だ。俺の弱音を直接見たから? 劇で感動したから? シャルティアだって設定だけ抽出するなら、もっと邪悪な性格の筈。ペロロンチーノさんの要素が影響している?)

 

 グルグルと頭の中で情報が渦を巻く。それはパンドラのように結びつかないが、明らかな矛盾点としてモモンガの中で膨れ上がる。その膨らみは一定を超えて──

 

「すまない、エモットさん、ネム。少し確かめたい事が出来た」

「あれ? どこかに行っちゃうの?」

「ああ。本当はもう少し話をしたかったが、これはすぐに確かめたい事でな。またどこかで会う事があれば、今度は一緒にご飯にでもしようか」

「うん。分かった。それじゃあね、モモンガ」

「……ありがとうネム」

 

 悩みを聞いてあげる。それは特に役に立つと思っていなかったが、モモンガの中でもしかしたら……そんな大きなヒントになった。偶々出会っただけの姉妹であるが、彼女らに感謝の言葉を告げてから、モモンガはシャルティア達を探しに行くため走り出した。

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